赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん

文字の大きさ
809 / 925

809 先輩との勝負で時空魔法が進化していく

しおりを挟む
 よちよち歩きのガチョピンがレミィに捕らえられた。


「バッチリだね!」
「ようやく成功だ!遠隔操作がこんなに難しいとはな・・・」
「コテ、じゃなくて、サイダーもすごく苦労してたみたいだよ」
「やっぱそうだよな~。人形を作るのとは正直難易度が違い過ぎる」


 ゴーレム作りでも重要なポイントなのだが、関節をしっかり作ってあげないと歩けないのだ。

 しかも人間じゃなくガチョピンの関節なんだよ!虎徹さんもゴン太郎くんの関節を作ったわけだから、泣きごとなんか言ってられんけどな。

 まあとにかく、これで時空先輩に追いつくことはできた。
 次は発表会に向けての工作の時間だ。

 しかしガチョピンをぬるぬる動かせるようになったところで時空先輩を驚愕させることはできないだろう。ガチョピン人形はもう進化させなくていい。


 ・・・さてどうすっか。


 時空魔法の可能性は無限大。
 重要なのは閃きだ。

 そういや、遠隔操作ってどこまで可能なんだろう?
 人形を歩かせる以外のことだって出来るハズだよな。

 そうか!わざわざ人間の真似をして地面を歩かせなくたっていいんだ!
 ガチョピンが空を飛んだっていいじゃないか!

 よし、目標はこれだ!

 いや待て。本番はガチョピンでいきたいが、何もガチョピンに拘る必要はない。
 作るのが簡単な野球ボールを飛ばす練習をしよう。


 時空先輩待ってろよ!何度だって驚愕させてやるぜ!





 ************************************************************





 結局、近江の遠足は何もイベントが起きなくて、普通に次の日になった。

 ただセイヤも土魔法の修行をしていたおかげで、いつもよりマシなセイヤハウスが建っていた。まあそれはいい。問題はあの男との勝負の方だ!


 両腕を組んだサイダーと向かい合う。


「先に聞いておこう。まさか先輩に追いついただけで満足なんかしてねえよな?」

 ナメられたもんだな。

「笑止千万。この闘いに引き分けなど無いですよ?追いつくのは当たり前。相手を上回れなかった時点で負けです」

 サイダーがニヤリと笑った。
 いや、メタルヒーローは基本的に無表情なんだけど、雰囲気で大体わかるのだ!

 ・・・さて、始めるか。

 その場でしゃがんで、ガチョピン人形を地面に立たせた。

「ム!?緑の人形だと?」
「そいつはガチョピンか!」

 まるで昨日のゴン太郎くんの再現のように、よちよち歩きのガチョピンが二人のいる方へ歩いて行く。

 サイダーが拾い上げようと手を伸ばした。


 ―――――ココだ!


 あのメタリックな手に捕まえられる寸前で、ガチョピンが宙に浮いた。


「「な、なんだと!?」」


 ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン

 ただ浮かせただけじゃなく、二人をあざ笑うかのように、ガチョピンは右へ左へと自由自自に空を飛び回る。


「嘘だろ!?重力の影響を受けていないのか!?」
「地球に住む人達は、魂を重力に引かれて飛ぶことができない」
「すなわちミニゴーレムでは・・・ない?」
「まさか、重さという概念が無い人形なのか?」
「あ、紛らわしいこと言ってスイマセン。重力って単語が出たから名セリフを言ってみたかっただけです!えーとですね、俺も重さなんか必要無いと思って作ってたんですけど、時空魔法じゃ無理でした。操作しやすいように極力軽くはしましたが、無重力なんてのが出来るのは重力魔法の方なんじゃないですかね?」

 今のは本当に紛らわしかった。
 重力って単語が使われるチャンスってほぼ無いから、見逃せなかったんだ!

「ただの名セリフだったんかい!・・・なるほど。言われてみると、時空魔法があるんだから重力魔法もありそうだよな」
「そんな魔法があったら怖いぞ。戦闘中に身体を重くされて斬られたら一瞬でゲームオーバーじゃねえか」
「使い手と出会わない事を祈るのみですね」
「アニキなんか背後への転移にも対処するし、なんとかなるんでね?」
「知識があればこそだ。初見で対処するなんてまず不可能だ」

 とりあえず逃げるしかないだろな~。
 ずっと転移で逃げていれば、いつか倒せるような気もしなくはないけど。

「しかしガチョピンが空を飛ぶとはな。やるじゃねえか後輩!」
「金カプセル漢気三本勝負の時もそうだったが、アイツは結構手強いぞ。大丈夫なのか?」
「後輩に負けるわけにはいかねえ!最後に立ってるのはオレだ!」
「これは力勝負じゃなく閃き勝負です。こういうの結構得意なんで、いつまでアイデアを出し続けられるか見物ですな」
「お前こそ呆気なく枯れるんじゃねえぞ?」
「ってことで、俺は休日なんでそろそろ帰ります。ではまた明日!」
「おう。発表会を楽しみにしとけ!」


 しかしいつまで続くんだろな~これ。
 まあ、遠足の暇潰しにちょうどいいから、やれるとこまでやってやるさ!





 ************************************************************





 一夜明け、いつものように近江へ転移すると、やっぱり村スタートじゃなく森の中の清光ハウスが見えた。

 セイヤハウスと違って皆ぐっすり眠れたようで、レナとパトランがレミィ師匠の前で刀の素振りをしていた。

 彼女達は、朝も寝る前も毎日修行してるんで、俺の目から見てもかなりいい感じに育ってるのが分かる。

 次の街に着いたらまた大暴れする予定だが、かなりの活躍が期待できそうだ。


「異常なしって感じかな?」
「だな。異常が起きるのはこの後すぐだ!」
「ほう・・・。自信ありそうな雰囲気じゃないですか。見せてもらいましょう」
「ただ今回のは応用編って感じかな?」
「ほうほう」


 新技じゃなく、あの人形の使い道を考えてみたってわけか。
 それはそれでアリだ。

 サイダーがチビ結界を浮かべた。


「まずはこれだ!」


 サイダーの周囲にウルタラマン兄弟が出現した。


「ウルタラ兄弟が勢揃いだと!?」


 ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

 ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

 バリーーーーーン!


「神風特攻隊かよ!しかも赤いチビ結界を砕きやがった」


 なるほど、チビ結界を砕くほどの攻撃力とは凄いな。

 しかし人形をいっぱい作って的に当てただけに過ぎん。
 こんなすぐ思いつきそうな技じゃ俺は驚かんぞ?


「一応次のが本命だ。驚く程じゃないかもだけどいくぜ!」


 サイダーの頭上にウルタラセブンが出現。

 次の瞬間、俺に向かってぶっ飛んで来た。

「うおっ!」

 慌ててキャッチしようとしたら、すぐ目の前でピタッと停止した。

「ん?」

 ポフッ

 そして透き通った赤い板に変化した。


「なんじゃこりゃああああああああああ!!」


 遠隔操作で形を変えたのか!?
 マジか。こんな事まで出来るのかよ!


 ―――――触れてみると、カチカチでその場から動かせなかった。


「・・・頭が混乱してきた」

「なんかおもしれーだろ?ウルタラバリアだ!」


 ウルタラセブンが飛んで来てバリアに?

 時空先輩の頭の中って一体どうなってんだよ!
 ナナメ上過ぎますぞおおお!!
 
しおりを挟む
感想 439

あなたにおすすめの小説

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する

こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」 そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。 だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。 「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」 窮地に追い込まれたフォーレスト。 だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。 こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。 これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

俺、勇者。パーティーのお荷物を追放したら「君の強さは僕のスキル【倍速成長付与】のおかげだぞ!」って脅して来たけどもう遅いし余裕で論破なんだが

ここでCM
ファンタジー
「アル。お前をパーティーからクビにする」 勇者の俺は、パーティーのお荷物であるメンバーの一人にクビを言い渡した。 「いいのか? レグルス。僕をクビにすればスキル【倍速成長付与(エボリューション・ロード)】の効果がなくなり、君たちはただの低級冒険者に逆戻りだぞ?」 え、待って? この人一体なにを言ってるの? クビになりたくないからって、突然苦し紛れの嘘? しかし、仲間の一人が彼の言葉が真実であると告げ、状況は変わる。 「どうする、レグルス。それでも僕をクビにするつもりか?」 スキルの効果を盾に、こちらを脅迫するアル。 そんなのいいからさっさとクビを受け入れてくれ! このやり取りを機会に、パーティーは静かに崩壊しようとしていた。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...