七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
156 / 183
アリア編

156 レベッカの意外な才能

しおりを挟む
「よっしゃー!色塗って完璧に仕上げるぞ!」
「それぞれが自分の乗り物を担当するってことでいいな?」
「ラビちゃん、綺麗に仕上げてあげるからね!」
「オレのを白クマにすると、白ばっかが無くならんかな?」
「あー確かに白ばっか減りそうだが、そうなったら雑貨屋でまた補充すりゃいいだけのことよ。おっちゃんも喜ぶだろ。気にせずガンガン使うぞ!」
「この刷毛と容器を一つ借りるわね。さあ塗るわよ~!」
「んじゃ誰が一番上手く塗れるか勝負だな!よーいスタート!」


こうして三人は黙々と塗料を塗り始めた。





************************************************************





「完成!っていうか白クマ簡単すぎだろ!全部真っ白で目と鼻が黒いだけだぞ」

アニキを見るとまだ半分塗ったくらいだった。パンダの模様を思い出すのに苦労してそうだな。オレもパンダ担当なら絶対悩んでたわ。逆にアニキのを見て思い出したくらいだ。目と耳が黒いのはわかってたけど、手と足も黒いのか。

驚いたのはレベッカだ。白ウサギの想像してたのに、基本は白っぽいんだけども茶色を上手く使って野生感のある感じに塗っている。正直むっちゃ上手い。完成は一番遅そうだけどね。

少し参考にして白クマの耳の中をちょっとだけ黒く塗ってみた。


そしてまずはアニキのパンダちゃん号が完成し、遅れてレベッカのラビちゃん号もようやく完成した。


「はう~。ラビちゃん、なんて美しいの!」
「悔しいが今回の勝負はレベッカの圧勝だなこりゃ」
「題材が白クマじゃ何度やっても勝てる気しねーぞ!」

「塗料が乾いたらまた街を散歩してみましょ!」
「それは構わんが、もう街でやる事無くねえか?」
「ただのお披露目よ!夕食おごるわよ」
「いいね!でも乾くまでちょっと暇だな」
「こうなるとバイクにも色を塗りたいが、まあそれは今度でいいか」

バイクに色塗りたいけど、それをやるとさらに時間かかるしな。それにしてもレベッカの塗りセンスは凄いモノがある。もうこれで食って行けるんじゃね?

「どうせ暇ならさ、レベッカも動物ゴーレム作ってみたらいいんでね?何種類もあったらさらに壮観だぞ!」
「そりゃいいかもな。作り方のコツ教えてやっから作ってみ」
「わかったわ!やってみる!」


アニキとレベッカは動物ゴーレムの作成に入った。

オレだけ暇になったんで、前から作ろうと思ってたヤツを作るか。
そう、マジックバッグだ!
店長が空間魔法の使い手が作ったようなこと言ってたんで、それならばオレにも可能なハズなんよね。

アイテムボックスから、前にノーマルガチャから出した中くらいのバッグを取り出す。
バッグの中に空間を作り出せばいいんだよな。きっとアイテムボックスを作った要領で行けると思うんだよ。あとはマジックバッグの仕様を思い出すためにマジックバッグを取り出し鑑定する。

[マジックバッグ(大)]
:生物以外何でも入るバッグ。かなりの物が入れられる。評価A
:登録者以外は使用不可
:登録者:コテツ・クロダ

ぶっ!生物以外何でも入るってしっかり書いてんじゃん。釣りの時魚が入らなかったわけだ。
しかしこの登録者の設定なんか出来るんだろかね?まあやってみるしかねーか。登録者がオレの名前にならんように注意しつつ、性能はこれと同じになるように心に刻み込む。

・・・よし、把握した。

バッグを開けて、中に空間を作成。そして同時に登録者の設定や時間停止を意識する。
あー、時間停止は感覚的に厳しいか・・・。なるほど、マジックバッグの中が時間遅延だった理由が理解できた。そしてバッグの大きさの問題なのか、空間を広げるのにも限界を感じたので広げるのをそこでヤメた。

[マジックバッグ(中)]
:生物以外何でも入るバッグ。なかなかの容量。評価A
:登録者以外は使用不可

「っしゃーーーーー!出来た!」

「ん?なんだ?」
「アニキ、これ鑑定みてみ!」

「おおおお!もしやコテツが作ったのか!?」
「その通りでござるよ!」
「すげーな。だが凄すぎて他人には絶対言えないぞ」
「もちろんわかってる。ってそっちは完成したのか?」
「どうだろう?見た目は完成っぽいが、まだなんか調整してるな」

アニキは簡単にポイポイ作るけど加護が弱いと難しいみたいだ。まあアニキの方が特殊なんだろうけどさ。


「よしっ!出来たわ」

レベッカが謎動物に乗って動作確認中。こっちの世界にはオレらの知らない動物がいるっぽい。

「うーん、やっぱり(中)魔石じゃなきゃダメね。(小)じゃ絶対このパワーは出ないと思う」
「あーそれは間違いない。そういや魔石の交換はちゃんと出来るようにしたか?」
「大丈夫よ。それはゴーレム作りの基本だから」

しかし2台目も作ってしまうと置くとこに困るよな?

「レベッカ!これやるよ」

謎動物に跨っているレベッカに、出来立てのマジックバッグを放り投げる。

「わわわっ!なに?」
「動物ゴーレムの保管場所がねーだろ?そのマジックバッグに入れるといい」
「マジックバッグ!?」
「人には絶対言うなよ?盗まれるかもしれんから」
「え?うそ!本物のマジックバッグなの?そんな高価なの受け取れない」
「いいから貰っておけ。コテツに気に入られて良かったじゃねえか」


「あ、ありがとう!大事にする!」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...