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アリア編
176 校長先生の頼み事
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宿屋で朝飯を食った後、校長先生に呼ばれているということなので学校に来た。
学生達は授業中なので何事も無く職員室に到着。
トントン
「失礼する。校長先生に呼ばれていると聞いてやって来たのだが」
「おお、来たか!校長先生は奥の部屋だ。早速入ってくれ」
校長室のドアをノックすると、中から『入れ』と聞こえて来たので中に入る。
「何やら俺達が呼ばれていると学生達から聞いたのだが」
「おお、君達があの城を建てた人か?」
「君達じゃなくてアニキが一人で建てたんだぞ」
「なるほど。まあとりあえずそこのソファーに座ってくれ」
ソファーに腰掛けると、校長先生が今さっきまで見ていた書類を片付けてから向かいのソファーに座った。
「呼んだ理由はもちろんあの城に関しての話しだ」
「やっぱマズかったか」
「いや、そうではない。あの場所なら空き地状態だったので突然城が出現したとしても授業の邪魔にはならないだろう。昨日私もアレを確認したのだが実に素晴らしい城だった!」
「そうか。邪魔にならないのならあのまま置いといても構わないのか?」
「うむ。しかし学校の敷地内とはいえ建てたのは君だからな。使用許可を貰いたかったのだよ」
「ああ、それなら問題ない。勝手にどうとでも使ってくれ」
「そうか!あの堅牢な城なら何かあった時の避難所に最適だと思ったのだ。最近南の方がきな臭いのでな」
そういや魔王に街が一つ滅ぼされたって話しだったよな?
そうなると確かにいきなり出現した城の存在は非常にありがたいだろう。
「ここにも魔王が攻めて来る可能性はありそうか?」
「ある。これは他国の出来事だからで見過ごせるほどぬるい話しでは無い」
「魔王か。そういやオレらって王都に勇者探しに来たのにすっかり忘れてたぞ」
「勇者だと!?どこにいるのだ?」
「いや、テキトーに探してるってだけで存在を確認したわけでは無い」
「そうか・・・。それでだ、君にもう一つ話があるのだよ」
「ほう?」
「イパネラ連合国の南に魔物が蔓延る危険な森があるのだが、その森からの侵入を防ぐ為に堅牢な砦を作ってもらいたいのだ。報酬は1億ギラン出そう」
なにィ!!1億だと!?
「1億か・・・悪くない話だ。コテツ、受けていいか?」
「全然問題無いぞ」
「わかった。その話し、引き受けよう」
「そうか!なら今から契約書を作るので少し待っててくれ」
秘書っぽい人がお茶を持って来てくれたのでそれを飲みながら待つ。
「よし、確認してくれ」
アニキが書類を見て校長となんか話してるが、オレはこういうの苦手だ。
「期限がなんだか適当だが、なるべく早くってことでいいのか?」
「急いでることは急いでるのだが、あまり早すぎてもマズいのだ。こちらも国から金を引っ張り出さなきゃならんからな!ハッハッハ」
「なるほど、了解した。建てる場所や位置なんかは現地で聞けばいいのか?」
「そうしてくれ。話は通しておく」
「わかった。ならばそれなりの速度で現地に向かおう」
「これが連合国の地図だ。じゃあ頼んだぞ」
話しは纏まったので地図を受け取って校長室を出た。
「急にデカい仕事が出来てしまったな」
「やっぱアニキって余裕で建築士として生きて行けるじゃん」
「土魔法様様だな。しかしそれを言ったらコテツだって超高速バスとして生きて行けるだろ」
「わはははは!オレはバスなのか!まあ転移は気軽に使えないけどな」
「どうせ今日は晩飯までやる事も無いし、バイクで目的地目指すとするか」
「だな。メシ時になったら転移してくりゃトランプ出来るし」
「やっぱコテツバスは優秀すぎるだろ」
金に困ったらホント何とでもなるな。でも一番金にならない魔法って火魔法かも。みんな魔法っつったらたぶん最初はファイヤー思い浮かべるけど、攻撃以外の使い道があんまり無いんだよね。
校庭に出てバイクに跨る。
「じゃあ南の森に向かって出発だ」
「目的地は国を二つ渡った先だ。スピードは抑え気味で行くぞ」
「とは言ってもスピードメーター役に立たんから適当だぞ」
「そういやまだ言って無かったが夜ちょっとバイクいじったんだよ。今回はスピードメーター完成させながら行くぞ」
「おお!そいつは期待だ」
「タイヤの外周の長さと回転数で速度を測るわけだが、なんせゴーレム式だからな。ちゃんとした速度を測るには何度も計測し調整しなければなるまい。あとは俺の体に刻み込まれている『この感じは大体60kmだろ』という、どんぶり勘定作戦だ」
「わははは!まあアニキの体感式でいいんでね?テキトーテキトー」
「それともう一つ、魔石の残量メーターも旅の間に完成させるぞ。こっちのほうがむしろ土魔法による体感に頼ることになりそうだが」
「おお!そんなことも可能なのか!」
「出来るかどうかは正直わからんが、なんとかなりそうな気もしてる」
「オレにはさっぱりわからんからアニキに任せるよ」
「んじゃ出発だ!」
そうして砦を作るために南の森に向かって二人は走り出したのだった。
学生達は授業中なので何事も無く職員室に到着。
トントン
「失礼する。校長先生に呼ばれていると聞いてやって来たのだが」
「おお、来たか!校長先生は奥の部屋だ。早速入ってくれ」
校長室のドアをノックすると、中から『入れ』と聞こえて来たので中に入る。
「何やら俺達が呼ばれていると学生達から聞いたのだが」
「おお、君達があの城を建てた人か?」
「君達じゃなくてアニキが一人で建てたんだぞ」
「なるほど。まあとりあえずそこのソファーに座ってくれ」
ソファーに腰掛けると、校長先生が今さっきまで見ていた書類を片付けてから向かいのソファーに座った。
「呼んだ理由はもちろんあの城に関しての話しだ」
「やっぱマズかったか」
「いや、そうではない。あの場所なら空き地状態だったので突然城が出現したとしても授業の邪魔にはならないだろう。昨日私もアレを確認したのだが実に素晴らしい城だった!」
「そうか。邪魔にならないのならあのまま置いといても構わないのか?」
「うむ。しかし学校の敷地内とはいえ建てたのは君だからな。使用許可を貰いたかったのだよ」
「ああ、それなら問題ない。勝手にどうとでも使ってくれ」
「そうか!あの堅牢な城なら何かあった時の避難所に最適だと思ったのだ。最近南の方がきな臭いのでな」
そういや魔王に街が一つ滅ぼされたって話しだったよな?
そうなると確かにいきなり出現した城の存在は非常にありがたいだろう。
「ここにも魔王が攻めて来る可能性はありそうか?」
「ある。これは他国の出来事だからで見過ごせるほどぬるい話しでは無い」
「魔王か。そういやオレらって王都に勇者探しに来たのにすっかり忘れてたぞ」
「勇者だと!?どこにいるのだ?」
「いや、テキトーに探してるってだけで存在を確認したわけでは無い」
「そうか・・・。それでだ、君にもう一つ話があるのだよ」
「ほう?」
「イパネラ連合国の南に魔物が蔓延る危険な森があるのだが、その森からの侵入を防ぐ為に堅牢な砦を作ってもらいたいのだ。報酬は1億ギラン出そう」
なにィ!!1億だと!?
「1億か・・・悪くない話だ。コテツ、受けていいか?」
「全然問題無いぞ」
「わかった。その話し、引き受けよう」
「そうか!なら今から契約書を作るので少し待っててくれ」
秘書っぽい人がお茶を持って来てくれたのでそれを飲みながら待つ。
「よし、確認してくれ」
アニキが書類を見て校長となんか話してるが、オレはこういうの苦手だ。
「期限がなんだか適当だが、なるべく早くってことでいいのか?」
「急いでることは急いでるのだが、あまり早すぎてもマズいのだ。こちらも国から金を引っ張り出さなきゃならんからな!ハッハッハ」
「なるほど、了解した。建てる場所や位置なんかは現地で聞けばいいのか?」
「そうしてくれ。話は通しておく」
「わかった。ならばそれなりの速度で現地に向かおう」
「これが連合国の地図だ。じゃあ頼んだぞ」
話しは纏まったので地図を受け取って校長室を出た。
「急にデカい仕事が出来てしまったな」
「やっぱアニキって余裕で建築士として生きて行けるじゃん」
「土魔法様様だな。しかしそれを言ったらコテツだって超高速バスとして生きて行けるだろ」
「わはははは!オレはバスなのか!まあ転移は気軽に使えないけどな」
「どうせ今日は晩飯までやる事も無いし、バイクで目的地目指すとするか」
「だな。メシ時になったら転移してくりゃトランプ出来るし」
「やっぱコテツバスは優秀すぎるだろ」
金に困ったらホント何とでもなるな。でも一番金にならない魔法って火魔法かも。みんな魔法っつったらたぶん最初はファイヤー思い浮かべるけど、攻撃以外の使い道があんまり無いんだよね。
校庭に出てバイクに跨る。
「じゃあ南の森に向かって出発だ」
「目的地は国を二つ渡った先だ。スピードは抑え気味で行くぞ」
「とは言ってもスピードメーター役に立たんから適当だぞ」
「そういやまだ言って無かったが夜ちょっとバイクいじったんだよ。今回はスピードメーター完成させながら行くぞ」
「おお!そいつは期待だ」
「タイヤの外周の長さと回転数で速度を測るわけだが、なんせゴーレム式だからな。ちゃんとした速度を測るには何度も計測し調整しなければなるまい。あとは俺の体に刻み込まれている『この感じは大体60kmだろ』という、どんぶり勘定作戦だ」
「わははは!まあアニキの体感式でいいんでね?テキトーテキトー」
「それともう一つ、魔石の残量メーターも旅の間に完成させるぞ。こっちのほうがむしろ土魔法による体感に頼ることになりそうだが」
「おお!そんなことも可能なのか!」
「出来るかどうかは正直わからんが、なんとかなりそうな気もしてる」
「オレにはさっぱりわからんからアニキに任せるよ」
「んじゃ出発だ!」
そうして砦を作るために南の森に向かって二人は走り出したのだった。
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