黒狼陛下は人質皇子に抱かれたい

こじまき

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12 祝福の嬌声【マクシス目線】

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ウィリアス王子殿下や特殊馬具の件があってから、国王陛下は僕を市街地の視察などの公務に連れて行ってくれるようになった。どこへ行っても民が寄ってきて「特殊馬具でまた馬に乗れるようになった」「新しい薬草で子どもが助かった」などと声をかけてくれる。

「皇子、ヴァルグランドに希望をもらしてくれてありがとう」
「いいえ、そんな大したことでは」
「いや、本当に感謝しているんだ」

謙遜すると、国王陛下が大きな手で僕の手を握った。その温かさと力強さにどきりとしてしまう。今もこの大きな手で、僕に突かれることを想像しながら自分のペニスを擦って乳首をいじり回して甘い声をあげ、木型の上で腰を振りながら精を吐き出しているのだろうか。

けれど「強い黒狼王」として若い兵士たちから崇拝に近い感情を向けられているこの人を見ていると、あのテントで聞いた甘くて切ない声には全然そぐわなくて、国王陛下が僕の隣で吐精していたあの日々が遠い昔のようで、夢ではなかったのかと思えてくる。

「光栄です、陛下」

公務を終えて王城に戻り、庭に面した開放的な廊下をアリ殿と一緒に自分の部屋に向かう。中庭で剣を振っている若い士官候補生が、おしゃべりをしている。

「お前、今日祝福を授けていただくんだろ?」
「ああ。長く待ったから楽しみだけど、なんか緊張する。上手くできるか」
「全部黒狼王様に任せておけばいい。よくしてくださるから」
「お前のときはどうだった?」
「まず手だけでイカせていただいて、下からガンガンに突いていただいて…自然に脚が広がってどんどん深くなって、今思い出すだけでも勃つくらいだよ」
「お前やば」
「それくらいよかったんだって!あれから毎晩黒狼王様に突かれたことを思い出しながらやってるよ。お前もそうなるはずだ」

そうか。今日は僕がテントを占拠してしまったせいで延期されていた祝福の授与があるのか。つまりは成人を迎えた若い士官候補生が、国王陛下に抱かれる日。陛下は本当は、僕に抱かれてめちゃくちゃにされたいと思っているはずなのに。

なんだか落ち着かなくて、僕は夜に散歩に出る。アリさんが一緒だから変な動きはできないけれど、庭に出て、陛下の部屋の窓の近くを歩く。

部屋からは若い男性の嬌声が聞こえる。

「ああっ…黒狼王様っ、陛下っ…いいっ…イク…イクイク…んんんっ」

陛下の声は低くて、何を言っているのか聞き取れない。僕を思いながら吐精するときは、あんなに高くて甘い声を出すのに。

僕が陛下を抱いたら、きっと甘い声で何度も僕の名を呼ぶのだろう。そう思ったら突然我慢できなくなって、僕は急いで部屋に戻り、生まれて初めて自分で自分を慰めた。

「陛下、陛下っ…中に出しますっ…」

頭の中で陛下を何度も何度も犯しながら吐く精は、経験したことがないほど心地よかった。
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