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15 ダンスのお誘い
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ドーバーパム侯爵邸に着くと、もうパーティーは始まっていた。ドレスを踏んで転ばないか気が気でなかったけど、アレンお兄様のエスコートが上手なのか訓練の成果なのか、自分でも驚くほど優雅に歩けている…はず。
私たちが会場に入ると、周囲のご令嬢方がざわめくのがわかった。
「まあ、ホークボロー伯爵家のアレン様だわ!なんて素敵なのかしら」
「アレン様がこういったパーティーにお見えになるなんて、珍しいですわね」
「これはアレン様とお近づきになる、またとないチャンスですわ」
「お隣にいるのが妹のデイジー様?平民出身とは思えないほど優雅な身のこなし…それに可愛らしい方ね」
ささやきが耳に入ってくる。アレンお兄様、ご令嬢方にすごい人気っぷり。カラバスお兄様が「縁談を全部断ってる」と言っていたけれど、大袈裟ではなかったようだ。平民出身のにわか伯爵令嬢への好奇心より、アレンお兄様とお近づきになりたい女心のほうが断然勝っているみたいなのだから。
「まずは主役にご挨拶しよう」とアレンお兄様に促され、侯爵令嬢アスターベル様にご挨拶する。アスターベル様は水色の髪に深い青の目をしていて、昔好きだった絵本に出てきた妖精のように美しい方だ。女の私でも、思わず見惚れてしまう。王太子妃候補、将来の王妃と噂されるのも納得だ。
「あなたがデイジー様ね?どんな方かと楽しみにしていたら、とても可愛らしい方ですのね。年齢も近いことですし、どうぞこれから仲良くしてくださいませね」
「光栄でございます、アスターベル様。よろしくお願い申し上げます」
そつなくお祝いとはじめましての挨拶をこなしてひと息ついたころ、カラバスお兄様がピンク色の髪の華やかなご令嬢をエスコートして会場にあらわれた。ステラリリー様だっけ。私を見つけて投げキッスをくれる。と、周囲に誤爆して、クラクラメロメロしてしまうご令嬢を多発させた。んー、こういうところがチャラい。
招待客のほとんどが会場に到着したころ、ダンスが始まった。基本的に女性は待ちの姿勢だ。誰にも声をかけてもらえなければ、壁の花になるしかない。だけど、靴屋の娘に声をかける貴族男性なんているのだろうか…?
そう思っていたらなんと「デイジー嬢、アルセーヌ・ウィザリウス男爵です。私と踊っていただけますか」と目の前に手が差し出された。黒髪に黒い目をした、涼しげな顔立ちの男性だ。
こんな平民上がりのにわか令嬢に優しく声をかけてくれるなんて、なんて奇特な人なんだろう。「よろこんで」とウィザリウス男爵の手を取ると、ダンスの輪の中へ誘われた。
「アルセーヌと呼んでください」
「はい、アルセーヌ様」
「わぁ、デイジー嬢はとてもダンスがお上手ですね!羽のように軽やかだ」
「いえそんな…」
「ところで兄上のアレン様は、怪盗ルナの捜査を担当されているのですよね?」
「さようでございます」
ステップを踏み間違えないように必死だから話しかけないでほしいのに、アルセーヌ様は「あなたのことが知りたい」と次々話しかけてくる。3曲ほど踊って会話とダンスのせいで息切れがしてきたところで、ようやく「少し喉が乾きませんか。テラスで飲み物でもいかがです」と言ってくれたので「ええ、そうですわね」と答えて二人でテラスに出た。
私たちが会場に入ると、周囲のご令嬢方がざわめくのがわかった。
「まあ、ホークボロー伯爵家のアレン様だわ!なんて素敵なのかしら」
「アレン様がこういったパーティーにお見えになるなんて、珍しいですわね」
「これはアレン様とお近づきになる、またとないチャンスですわ」
「お隣にいるのが妹のデイジー様?平民出身とは思えないほど優雅な身のこなし…それに可愛らしい方ね」
ささやきが耳に入ってくる。アレンお兄様、ご令嬢方にすごい人気っぷり。カラバスお兄様が「縁談を全部断ってる」と言っていたけれど、大袈裟ではなかったようだ。平民出身のにわか伯爵令嬢への好奇心より、アレンお兄様とお近づきになりたい女心のほうが断然勝っているみたいなのだから。
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「あなたがデイジー様ね?どんな方かと楽しみにしていたら、とても可愛らしい方ですのね。年齢も近いことですし、どうぞこれから仲良くしてくださいませね」
「光栄でございます、アスターベル様。よろしくお願い申し上げます」
そつなくお祝いとはじめましての挨拶をこなしてひと息ついたころ、カラバスお兄様がピンク色の髪の華やかなご令嬢をエスコートして会場にあらわれた。ステラリリー様だっけ。私を見つけて投げキッスをくれる。と、周囲に誤爆して、クラクラメロメロしてしまうご令嬢を多発させた。んー、こういうところがチャラい。
招待客のほとんどが会場に到着したころ、ダンスが始まった。基本的に女性は待ちの姿勢だ。誰にも声をかけてもらえなければ、壁の花になるしかない。だけど、靴屋の娘に声をかける貴族男性なんているのだろうか…?
そう思っていたらなんと「デイジー嬢、アルセーヌ・ウィザリウス男爵です。私と踊っていただけますか」と目の前に手が差し出された。黒髪に黒い目をした、涼しげな顔立ちの男性だ。
こんな平民上がりのにわか令嬢に優しく声をかけてくれるなんて、なんて奇特な人なんだろう。「よろこんで」とウィザリウス男爵の手を取ると、ダンスの輪の中へ誘われた。
「アルセーヌと呼んでください」
「はい、アルセーヌ様」
「わぁ、デイジー嬢はとてもダンスがお上手ですね!羽のように軽やかだ」
「いえそんな…」
「ところで兄上のアレン様は、怪盗ルナの捜査を担当されているのですよね?」
「さようでございます」
ステップを踏み間違えないように必死だから話しかけないでほしいのに、アルセーヌ様は「あなたのことが知りたい」と次々話しかけてくる。3曲ほど踊って会話とダンスのせいで息切れがしてきたところで、ようやく「少し喉が乾きませんか。テラスで飲み物でもいかがです」と言ってくれたので「ええ、そうですわね」と答えて二人でテラスに出た。
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