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26 噂を払拭しなくては
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「俺だ」
パリス様だ。
私とレオナルドとアビーは目を見合わせる。
私と同じテーブルに座っていた二人は、さっと立ち上がった。
私との仲を疑われているレオナルド、平民出身のアビー。二人が私と同じテーブルについているのを、パリス様に見られるのはよろしくない。
「どうぞ」
パリス様はテーブルに手をついた。
「リリー、今日は夫婦の寝室で寝るぞ」
「えっ…」
「王宮に流れている噂を知っているだろう」
「はい…」
「払拭するには、私の協力が不可欠だと思うが」
それは、その通り。
私は自分とレオナルドのために「ふしだらな王妃」という噂を払拭しなくてはいけない。
そのためには、パリス様と仲睦まじい姿を見せなくては。
「ご配慮に感謝…いたします」
「待ってる」
パリス様は私の唇に指で触れた。指が熱い。
「メイド」
「はい、国王陛下」
「今晩はリリーを特別磨き立てるように。俺が満足できるようにな」
「かしこまりました」
パリス様はちらりとレオナルドを見てニヤリと唇だけで笑い、出て行った。
ーーー
夜。
アビーはパリス様に命じられた通り、私をいつも以上に磨き立てた。
薄布の服を纏い、鏡の前に立つ。
王妃が国王との同衾を拒むなど、あってはならない。
(だけどもし、二十一歳までに妊娠してしまったら…)
そしてもし、革命を阻止できなかったら、私とパリス様の子どもも死ぬことになる。
(そんなのとても耐えられないわ。いつか来ることだとしても、せめて待っていただけるようにお願いしなければ)
理由を聞かれたときにどうやって説明したらいいかはわからない。
「死に戻ったから未来を知っている」だなんて言って、信じてもらえるとも思えないし…
アビーが「王妃様、お時間です」と合図して、そっと夫婦の寝室につながるドアを開ける。
蝋燭がともされた、ほの暗い寝室。
パリス様はナイトガウン姿でベッドに腰掛けている。
「来たな」
「はい」
「きれいだ」
「…ありがとうございます」
パリス様に手を引かれる。
そのまま前みたいにベッドに押し倒されるのかと思ったら、パリス様の隣に座らされた。
「陛下…?」
「これはただのアリバイ作りだ。リリーが望まないなら、何もしない。無理強いするのは趣味じゃない」
私は心からほっとする。
「ありがとうございます」
パリス様だ。
私とレオナルドとアビーは目を見合わせる。
私と同じテーブルに座っていた二人は、さっと立ち上がった。
私との仲を疑われているレオナルド、平民出身のアビー。二人が私と同じテーブルについているのを、パリス様に見られるのはよろしくない。
「どうぞ」
パリス様はテーブルに手をついた。
「リリー、今日は夫婦の寝室で寝るぞ」
「えっ…」
「王宮に流れている噂を知っているだろう」
「はい…」
「払拭するには、私の協力が不可欠だと思うが」
それは、その通り。
私は自分とレオナルドのために「ふしだらな王妃」という噂を払拭しなくてはいけない。
そのためには、パリス様と仲睦まじい姿を見せなくては。
「ご配慮に感謝…いたします」
「待ってる」
パリス様は私の唇に指で触れた。指が熱い。
「メイド」
「はい、国王陛下」
「今晩はリリーを特別磨き立てるように。俺が満足できるようにな」
「かしこまりました」
パリス様はちらりとレオナルドを見てニヤリと唇だけで笑い、出て行った。
ーーー
夜。
アビーはパリス様に命じられた通り、私をいつも以上に磨き立てた。
薄布の服を纏い、鏡の前に立つ。
王妃が国王との同衾を拒むなど、あってはならない。
(だけどもし、二十一歳までに妊娠してしまったら…)
そしてもし、革命を阻止できなかったら、私とパリス様の子どもも死ぬことになる。
(そんなのとても耐えられないわ。いつか来ることだとしても、せめて待っていただけるようにお願いしなければ)
理由を聞かれたときにどうやって説明したらいいかはわからない。
「死に戻ったから未来を知っている」だなんて言って、信じてもらえるとも思えないし…
アビーが「王妃様、お時間です」と合図して、そっと夫婦の寝室につながるドアを開ける。
蝋燭がともされた、ほの暗い寝室。
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「来たな」
「はい」
「きれいだ」
「…ありがとうございます」
パリス様に手を引かれる。
そのまま前みたいにベッドに押し倒されるのかと思ったら、パリス様の隣に座らされた。
「陛下…?」
「これはただのアリバイ作りだ。リリーが望まないなら、何もしない。無理強いするのは趣味じゃない」
私は心からほっとする。
「ありがとうございます」
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