7 / 44
最高のホワイト職場をゲットしました
しおりを挟む
その後、ユキレラはルシウスの住む家に同居して、名目上は秘書、実態は世話役兼お目付役として雇われることになった。
子爵のルシウスの、秘書という名の何でも屋だ。
そうして提示された給料や待遇の内容に、ユキレラは薄い水色の目ん玉が飛び出そうになった。
おちんぎんすごい。
「こ、こ、こ、これ、何か数字の桁がひとつ多すぎやしませんか!?」
最果ての僻地、ど田舎村から出てきた19歳の、手に職のない男の給料にあるまじき金額だった。
ど田舎村でのユキレラの毎月の稼ぎの倍以上、いや三倍はある。
ちなみにユキレラは故郷では個人商店の従業員だった。
ただでさえ寂れた村なのに、自分の店ですらない雇われ者の給料はとにかく低かった。
親が残してくれていた家があったから生活できていたけれど。
「まだ試用期間だからね。三ヶ月勤めて貰って、継続してくれるならもっと上がるよ」
「更に!?」
何というホワイト環境。
これが王都、大都会クオリティというやつか。
ユキレラは感動に打ち震えた。
そんなわけで、ユキレラのリースト子爵ルシウスの秘書生活がスタートする。
ルシウスの仕事は、兄のリースト伯爵カイルから回される仕事がまず2割。
その兄の学園生時代の先輩だというグレイシア王太女からの仕事2割。
王太女様とも縁があるのけ!? とそこでもユキレラは倒れそうになった。
王都の貴族や有力者たちとの社交2割。
たまに伯爵家の領地に戻って現地の視察がある。
他は暇、もとい時間の余裕があるので、自宅で剣や魔力使いの訓練をしたり、王都、王都近郊へ出歩いたりして遊んでいた。
ほどほどに貴族の義務を果たし、しっかり余暇を楽しんでいる。
なかなか優雅なお貴族様生活といえた。
ユキレラはルシウスの子爵邸に部屋を貰ったので、出勤日も休日も、そして時間帯も関係なくずっとルシウスと一緒にいた。
というより、子爵邸は王都のリースト伯爵家のタウンハウスからスープの冷めない距離にあるレンガ造りの二階建ての建物で、庶民の家よりちょっと広いかな程度の大きさしかない。
ルシウスが実家から独立するとき他にもっと広い邸宅はあったそうなのだが、彼の父親のメガエリスが「実家に近い場所でなければ独立を認めぬ」と親馬鹿を発揮してここに決まったとのこと。
ルシウス本人は派手さや豪華さにこだわらないアケロニア貴族らしい質実剛健派なので、特に問題はないとのこと。
彼の持つ爵位の子爵位は下級貴族でまだ独身のため、社交パーティーを主催する必要がないことも幸いだった。
その代わり、他家の主催パーティーやお茶会にはそれなりの頻度で招かれているのだが。
建物の一階は厨房と食堂、応接室、浴室や洗濯場。
基本的に掃除や洗濯は週に二度、本家の掃除婦が通いで行う。
それで足りない場合はユキレラがやる。
二階は三部屋しかなく、一番大きな部屋はルシウスの部屋で執務室とベッドルームに分かれている。
もう一部屋をユキレラが貰い受けた。
残る一部屋は書庫と倉庫を兼ねた物置きで、よくわからない雑多なものが詰め込まれている。
そんな感じの建物だったので、ルシウスが仕事をしているときはユキレラは執務室で補助しながら業務を覚え、それ以外のときは一階の食堂でお茶を楽しみながらおしゃべりしていたわけだ。
子爵のルシウスの、秘書という名の何でも屋だ。
そうして提示された給料や待遇の内容に、ユキレラは薄い水色の目ん玉が飛び出そうになった。
おちんぎんすごい。
「こ、こ、こ、これ、何か数字の桁がひとつ多すぎやしませんか!?」
最果ての僻地、ど田舎村から出てきた19歳の、手に職のない男の給料にあるまじき金額だった。
ど田舎村でのユキレラの毎月の稼ぎの倍以上、いや三倍はある。
ちなみにユキレラは故郷では個人商店の従業員だった。
ただでさえ寂れた村なのに、自分の店ですらない雇われ者の給料はとにかく低かった。
親が残してくれていた家があったから生活できていたけれど。
「まだ試用期間だからね。三ヶ月勤めて貰って、継続してくれるならもっと上がるよ」
「更に!?」
何というホワイト環境。
これが王都、大都会クオリティというやつか。
ユキレラは感動に打ち震えた。
そんなわけで、ユキレラのリースト子爵ルシウスの秘書生活がスタートする。
ルシウスの仕事は、兄のリースト伯爵カイルから回される仕事がまず2割。
その兄の学園生時代の先輩だというグレイシア王太女からの仕事2割。
王太女様とも縁があるのけ!? とそこでもユキレラは倒れそうになった。
王都の貴族や有力者たちとの社交2割。
たまに伯爵家の領地に戻って現地の視察がある。
他は暇、もとい時間の余裕があるので、自宅で剣や魔力使いの訓練をしたり、王都、王都近郊へ出歩いたりして遊んでいた。
ほどほどに貴族の義務を果たし、しっかり余暇を楽しんでいる。
なかなか優雅なお貴族様生活といえた。
ユキレラはルシウスの子爵邸に部屋を貰ったので、出勤日も休日も、そして時間帯も関係なくずっとルシウスと一緒にいた。
というより、子爵邸は王都のリースト伯爵家のタウンハウスからスープの冷めない距離にあるレンガ造りの二階建ての建物で、庶民の家よりちょっと広いかな程度の大きさしかない。
ルシウスが実家から独立するとき他にもっと広い邸宅はあったそうなのだが、彼の父親のメガエリスが「実家に近い場所でなければ独立を認めぬ」と親馬鹿を発揮してここに決まったとのこと。
ルシウス本人は派手さや豪華さにこだわらないアケロニア貴族らしい質実剛健派なので、特に問題はないとのこと。
彼の持つ爵位の子爵位は下級貴族でまだ独身のため、社交パーティーを主催する必要がないことも幸いだった。
その代わり、他家の主催パーティーやお茶会にはそれなりの頻度で招かれているのだが。
建物の一階は厨房と食堂、応接室、浴室や洗濯場。
基本的に掃除や洗濯は週に二度、本家の掃除婦が通いで行う。
それで足りない場合はユキレラがやる。
二階は三部屋しかなく、一番大きな部屋はルシウスの部屋で執務室とベッドルームに分かれている。
もう一部屋をユキレラが貰い受けた。
残る一部屋は書庫と倉庫を兼ねた物置きで、よくわからない雑多なものが詰め込まれている。
そんな感じの建物だったので、ルシウスが仕事をしているときはユキレラは執務室で補助しながら業務を覚え、それ以外のときは一階の食堂でお茶を楽しみながらおしゃべりしていたわけだ。
53
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
狂わせたのは君なのに
一寸光陰
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。
完結保証
番外編あり
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる