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第二章 異世界ど田舎村を救え!
俺、ユキりんとの話題見っけ!
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帰り際、男爵に挨拶すると食材を分けてくれた。
「またドラゴン討伐があってね。あと、ど田舎村側の川に季節外れの鮭が上がってきてたから、そっちもお裾分け」
「ドラゴンも鮭もいいですね! ありがたく頂戴します!」
ドラゴン肉はバスケットボールサイズの赤身だ。なかなか量があるがうちには食べ盛りの可愛いお子が二人もいる。数日で食いきるべ。余裕だべさ。
鮭はいわゆる〝時知らず〟だな。男爵太っ腹だ、切り身どっさり。
だいたい秋に川を遡上してくる鮭のうち、旬の秋以外の時期外れに川に戻ってきてしまう若い鮭のことだ。
ふつうの鮭より脂がのってて美味いぞ。大人の鮭みたいに生殖に命懸けでない分、身が痩せてなくてふっくらしてるのだ。
「生食はできないからね。クウさんにちゃんと言っておいてよ、ユウキ君」
「はいはい、わかってますー」
異世界と現代日本の違いだ。生の刺身などは推奨されていない。
一応ばあちゃんちには生魚を一度冷凍するための業務用冷蔵庫があるんだが……もなか山の清流には究極の殺菌薬味の山葵も自生してるんだが……しばらくは内緒にしておくか。
肉と鮭はどちらも防水紙で包んでもらい、氷と一緒に最近大活躍のクーラーボックスへ。
ちょうど夕暮れ近くで風の涼しくなってきた頃だ。帰りはのんびりマウンテンバイクを押して歩くことにした。
「ユキりん、鮭好きなんだろ? オススメの食い方あるか?」
「結構ぶ厚めの切り身でしたよね……。あれならやはりステーキでしょうか」
「ソースは?」
「オリーブオイルに塩胡椒がシンプルで良いです。でも小麦粉をはたいてバターでじっくりカリッと焼き上げるのもなかなか。焼きにオリーブオイルを使って、盛り付けのときレモンバターを添えても美味しいです」
「ああ……そりゃ酒が進みそう。白ワイン合わせたい」
「お酒飲む大人の人は皆そう言いますね。僕の父や兄たちもそうでした」
「だよなー」
ふむ。ユキりんには酒飲みのお父ちゃんとお兄ちゃんがいると。俺は心の手帳にメモした。後でリアル手帳に転記しておこう。
相変わらず懐きそうで懐ききらないユキりんだが、食い物の話はふつうに会話のキャッチボールができる。
向こうも俺たちと何話していいかわからない様子なので、毎日の飯の会話の隙間にあれこれ他のことを織り交ぜて聞いたりなんだり。
大丈夫だ。俺は面倒くさい年下には慣れている。会社員時代だってゆとり世代を言い訳にして世間様を舐めくさっていたあの問題児、後輩鈴木すら懐かせた男だぞ。
あれに比べたら麗しの美少年ユキりんの相手など苦労でもなんでもない。こっちはまだ子供な分、いくらでも矯正がきくっぺ!
「ばあちゃん。もなか酒造から酒粕貰ってきただ。冷凍だから平気だけんど早めに使ってけろ」
帰宅するなりお留守番してたピナレラちゃんがユキりんを居間に連れていってしまったので、俺は夕飯の手伝いで台所のばあちゃんのところへ。
……くっ、仲良しだべ~ってほんわかする俺と、ユキ兄ちゃんも混ぜて~って乱入したい気持ちが交錯するな……
しかし俺がピナレラちゃんの無邪気さに癒されてるように、ユキりんも元気な幼女アタックに絆されてる感がある。
ともあれ試しにと二パック持ってきていた酒粕をばあちゃんへ。
酒粕の用途は無限大だ。魚や肉、野菜でもなんでも粕床に漬け込んで美味しくいただける。
薄く伸ばして軽く塩を振り、オーブンでカリッと焼くとハードチーズ系のスナックみたいになって意外といける。ビールやワインのおつまみに良い。
「もなかの酒粕か。久し振りだあ」
ばあちゃんはニコニコだ。もなか酒造が廃業するまでは酒粕も、味噌作りや塩麹用の麹も、もなか酒造で買ってたって言ってたもんな。
廃業後は隣町の別の酒蔵のを買ってたんだ。
さっそく酒粕を解凍して、味噌と混ぜ込んだり、塩や砂糖を混ぜたりとばあちゃんがはしゃいでいる。
「ばあちゃん、パックの三分の一こっちくれ」
俺は戸棚からステンレス製の水筒を取り出して言った。まだ俺が両親とこの家に住んでた頃、家族でハイキングに行くとき使ってた大型サイズのだ。
さすがにもう古くて外には持って行けない。だがばあちゃんは心得たように酒粕をぎゅーっと絞り出してくれた。
後で残りご飯と混ぜて甘酒にするんだ。飲めるのは明日から。
その日はばあちゃんが元々作ってた煮物に、男爵から貰ってきた鮭はバター焼き。残りは半分を塩鮭、半分は酒粕漬けで保存。
ドラゴンは牛肉と同じ系統の味なので軽く下味をつけて野菜炒めだ。今日は鮭メインなのでがっつり料理は明日以降だな。
鮭好きのユキりんは言葉少なめだったが、鮭ステーキには喜んでいた。
白皙の美少年様が頬っぺた薔薇色に染めて微笑み、ピナレラちゃんも大好きなユキりんがご機嫌で嬉しいのだろう。おいちい食卓にも笑顔満面。
それを見たばあちゃんと俺もニコニコ。
(*´ω`*)
はああ……良い。実に良い。しみじみ俺の理想の家族だ。
あとここに……嫁……嫁っ子だけでええのだが……!
俺は今夜もあの夢の王様に祈ろうと決めた。
そろそろ次のご利益やチートがあってもいい頃だべ! 王様! 王様! 王様~!
NEXT→御米田に祈られて王様はドン引きしている……
「またドラゴン討伐があってね。あと、ど田舎村側の川に季節外れの鮭が上がってきてたから、そっちもお裾分け」
「ドラゴンも鮭もいいですね! ありがたく頂戴します!」
ドラゴン肉はバスケットボールサイズの赤身だ。なかなか量があるがうちには食べ盛りの可愛いお子が二人もいる。数日で食いきるべ。余裕だべさ。
鮭はいわゆる〝時知らず〟だな。男爵太っ腹だ、切り身どっさり。
だいたい秋に川を遡上してくる鮭のうち、旬の秋以外の時期外れに川に戻ってきてしまう若い鮭のことだ。
ふつうの鮭より脂がのってて美味いぞ。大人の鮭みたいに生殖に命懸けでない分、身が痩せてなくてふっくらしてるのだ。
「生食はできないからね。クウさんにちゃんと言っておいてよ、ユウキ君」
「はいはい、わかってますー」
異世界と現代日本の違いだ。生の刺身などは推奨されていない。
一応ばあちゃんちには生魚を一度冷凍するための業務用冷蔵庫があるんだが……もなか山の清流には究極の殺菌薬味の山葵も自生してるんだが……しばらくは内緒にしておくか。
肉と鮭はどちらも防水紙で包んでもらい、氷と一緒に最近大活躍のクーラーボックスへ。
ちょうど夕暮れ近くで風の涼しくなってきた頃だ。帰りはのんびりマウンテンバイクを押して歩くことにした。
「ユキりん、鮭好きなんだろ? オススメの食い方あるか?」
「結構ぶ厚めの切り身でしたよね……。あれならやはりステーキでしょうか」
「ソースは?」
「オリーブオイルに塩胡椒がシンプルで良いです。でも小麦粉をはたいてバターでじっくりカリッと焼き上げるのもなかなか。焼きにオリーブオイルを使って、盛り付けのときレモンバターを添えても美味しいです」
「ああ……そりゃ酒が進みそう。白ワイン合わせたい」
「お酒飲む大人の人は皆そう言いますね。僕の父や兄たちもそうでした」
「だよなー」
ふむ。ユキりんには酒飲みのお父ちゃんとお兄ちゃんがいると。俺は心の手帳にメモした。後でリアル手帳に転記しておこう。
相変わらず懐きそうで懐ききらないユキりんだが、食い物の話はふつうに会話のキャッチボールができる。
向こうも俺たちと何話していいかわからない様子なので、毎日の飯の会話の隙間にあれこれ他のことを織り交ぜて聞いたりなんだり。
大丈夫だ。俺は面倒くさい年下には慣れている。会社員時代だってゆとり世代を言い訳にして世間様を舐めくさっていたあの問題児、後輩鈴木すら懐かせた男だぞ。
あれに比べたら麗しの美少年ユキりんの相手など苦労でもなんでもない。こっちはまだ子供な分、いくらでも矯正がきくっぺ!
「ばあちゃん。もなか酒造から酒粕貰ってきただ。冷凍だから平気だけんど早めに使ってけろ」
帰宅するなりお留守番してたピナレラちゃんがユキりんを居間に連れていってしまったので、俺は夕飯の手伝いで台所のばあちゃんのところへ。
……くっ、仲良しだべ~ってほんわかする俺と、ユキ兄ちゃんも混ぜて~って乱入したい気持ちが交錯するな……
しかし俺がピナレラちゃんの無邪気さに癒されてるように、ユキりんも元気な幼女アタックに絆されてる感がある。
ともあれ試しにと二パック持ってきていた酒粕をばあちゃんへ。
酒粕の用途は無限大だ。魚や肉、野菜でもなんでも粕床に漬け込んで美味しくいただける。
薄く伸ばして軽く塩を振り、オーブンでカリッと焼くとハードチーズ系のスナックみたいになって意外といける。ビールやワインのおつまみに良い。
「もなかの酒粕か。久し振りだあ」
ばあちゃんはニコニコだ。もなか酒造が廃業するまでは酒粕も、味噌作りや塩麹用の麹も、もなか酒造で買ってたって言ってたもんな。
廃業後は隣町の別の酒蔵のを買ってたんだ。
さっそく酒粕を解凍して、味噌と混ぜ込んだり、塩や砂糖を混ぜたりとばあちゃんがはしゃいでいる。
「ばあちゃん、パックの三分の一こっちくれ」
俺は戸棚からステンレス製の水筒を取り出して言った。まだ俺が両親とこの家に住んでた頃、家族でハイキングに行くとき使ってた大型サイズのだ。
さすがにもう古くて外には持って行けない。だがばあちゃんは心得たように酒粕をぎゅーっと絞り出してくれた。
後で残りご飯と混ぜて甘酒にするんだ。飲めるのは明日から。
その日はばあちゃんが元々作ってた煮物に、男爵から貰ってきた鮭はバター焼き。残りは半分を塩鮭、半分は酒粕漬けで保存。
ドラゴンは牛肉と同じ系統の味なので軽く下味をつけて野菜炒めだ。今日は鮭メインなのでがっつり料理は明日以降だな。
鮭好きのユキりんは言葉少なめだったが、鮭ステーキには喜んでいた。
白皙の美少年様が頬っぺた薔薇色に染めて微笑み、ピナレラちゃんも大好きなユキりんがご機嫌で嬉しいのだろう。おいちい食卓にも笑顔満面。
それを見たばあちゃんと俺もニコニコ。
(*´ω`*)
はああ……良い。実に良い。しみじみ俺の理想の家族だ。
あとここに……嫁……嫁っ子だけでええのだが……!
俺は今夜もあの夢の王様に祈ろうと決めた。
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