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第二章 異世界ど田舎村を救え!
俺、王様が愛を捨てた瞬間を見る
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それから王様は倒れた勇者と一緒にアケロニア王国に戻って、王様に即位した。
たくさんの私財を投じて世界各地から名医を呼び寄せ、メガネ君を救おうとした。
でも成果が出ない。
世界中の識者たちに助力を乞うも効果なし。
ただ一人だけ。西の小さな海のある国にいた、昔からの知り合いの聖剣の聖者様が救いに繋がる託宣を届けてくれた。
『アケロニア王国内、最果ての地にひとつの答えがある』
王様の統治するアケロニア王国の最果ては、アルトレイ公領という。そう、俺やばあちゃんたちが日本から異世界転移してきたど田舎村のある領地だ。
そこから明らかになった情報は、俺を驚かせるには十分すぎるほどだった。
倒れた勇者メガネ君は王様の親戚。王家には珍しい異世界転生者で、本人の申告によると前世では日本で暮らしていたらしい。
王様はど田舎村を含む、ど田舎領を徹底的に調べた。
すると約二百年前、ど田舎領から王族とその親戚を含む三人が行方不明になっていた記録が残されていた。
さらに約百年前、その三人が異世界の『日本』から転移で帰還してきた、とも。
だが記録はそこで途切れていた。戻ってきた王族三人は行方不明になった当時の若い年齢ではなく全員が年老いていて、日本の情報を聞き出す前に亡くなってしまったからだと記されている。
……それってばあちゃんや村長、勉さんだろ? あの三人は確かに年寄りだが全員ピンピンしとるんだが……?
それに三人だけ? 四人目の俺がいねえぞ?
事実にだいぶ違いがある。
そしてこの時点では、ど田舎領を調べても答えもクソもない。
残念ながら魔法のあるこの異世界でも過去に飛ぶような時間魔法はなかった。
――あるひとつの秘術を除いて。
夢の世界を通じて意識を過去や未来、あるいは可能性の次元に飛ばす『夢見の術』というものがある。
進化した種族や、匹敵するほど強く大きな魔力を持つ者でなければ使えないが、この術を用いて王様は過去のど田舎領に〝答え〟を探しに行こうとした。
……ところが、すべてのステータスが平均値以上の優秀な王様でも、残念ながら夢見の術を使いこなせるほどの魔力はなかった。
王様の時代では『夢見の術』は魔力消耗が激しいことを理由に国際法で禁術指定されていたようだ。使いこなせる術者もほとんどおらず、ついに手詰まりを迎えてしまった。
そこで王様は比類なき魔王に助けを求めた。魔王ってあの美少女宇宙人……じゃなくて神人様か!
青銀の長い髪を持つ、無数の魔法剣を操るおっかない美少女だ。
魔王様は王様の耳元に囁いた。
「そら、魔力使いのお約束があるだろう。力を得るには代償が必要だ」
魔王様が言っているのは、自分の大切なものを〝世界の理〟という宇宙の法則的なものに捧げる行為のことだ。
報いとして莫大な魔力を得るとされる。
供物は何でもいいのだが、生贄として自分に痛みを与えるほど重要なものだとより多くの魔力に転換できる。
だけど王様はアケロニア王国の国王陛下だ。国を犠牲にはできない。
いくつか自分の持つ財産や、女王となった母親や祖父王、曽祖父王らから受け継いだ国宝級の宝物を捧げたが足りなかったようだ。
最終的に王様が生贄にしたのは、――愛する人に愛されたい自分の願いと想いだった。
恋敵の勇者メガネ君を助けるために、王様は好きな子へ向けていた激重感情を捨てた。
どうやったかというと、神殿にこもって神官立ち合いのもと世界の理に対して〝神殿誓約〟を立てていた。
誓約文は単純な一言のみ。
『愛を捨てるから勇者を救う力を我に』
ただの誓約じゃない。この世界で神殿誓約は強制的な実効力がある。
破ると神罰が当たる。王様の曽祖父王なんかは退位後に若い後妻を娶るとき『彼女を最後の女にする』と誓って、ハニートラップに嵌まりかけたときは全身に激痛が走り昏倒しかける目に遭ったようだ。そういうやつ。
神罰が下ると最悪死に至る。だからこそ強力なんだな。
愛を捧げた王様は代償として夢見の術を扱う資格と、それに必要なだけの魔力を得た。
つまり俺が夢で見てきたのは、王様が恋をして諦めるまでの切ない切ない物語だったというわけだ……
NEXT→御米田は王様から秘伝の浄化法を習った……
※というわけで「聖女投稿」数年後にはそんな感じになってるわけです(仮)
たくさんの私財を投じて世界各地から名医を呼び寄せ、メガネ君を救おうとした。
でも成果が出ない。
世界中の識者たちに助力を乞うも効果なし。
ただ一人だけ。西の小さな海のある国にいた、昔からの知り合いの聖剣の聖者様が救いに繋がる託宣を届けてくれた。
『アケロニア王国内、最果ての地にひとつの答えがある』
王様の統治するアケロニア王国の最果ては、アルトレイ公領という。そう、俺やばあちゃんたちが日本から異世界転移してきたど田舎村のある領地だ。
そこから明らかになった情報は、俺を驚かせるには十分すぎるほどだった。
倒れた勇者メガネ君は王様の親戚。王家には珍しい異世界転生者で、本人の申告によると前世では日本で暮らしていたらしい。
王様はど田舎村を含む、ど田舎領を徹底的に調べた。
すると約二百年前、ど田舎領から王族とその親戚を含む三人が行方不明になっていた記録が残されていた。
さらに約百年前、その三人が異世界の『日本』から転移で帰還してきた、とも。
だが記録はそこで途切れていた。戻ってきた王族三人は行方不明になった当時の若い年齢ではなく全員が年老いていて、日本の情報を聞き出す前に亡くなってしまったからだと記されている。
……それってばあちゃんや村長、勉さんだろ? あの三人は確かに年寄りだが全員ピンピンしとるんだが……?
それに三人だけ? 四人目の俺がいねえぞ?
事実にだいぶ違いがある。
そしてこの時点では、ど田舎領を調べても答えもクソもない。
残念ながら魔法のあるこの異世界でも過去に飛ぶような時間魔法はなかった。
――あるひとつの秘術を除いて。
夢の世界を通じて意識を過去や未来、あるいは可能性の次元に飛ばす『夢見の術』というものがある。
進化した種族や、匹敵するほど強く大きな魔力を持つ者でなければ使えないが、この術を用いて王様は過去のど田舎領に〝答え〟を探しに行こうとした。
……ところが、すべてのステータスが平均値以上の優秀な王様でも、残念ながら夢見の術を使いこなせるほどの魔力はなかった。
王様の時代では『夢見の術』は魔力消耗が激しいことを理由に国際法で禁術指定されていたようだ。使いこなせる術者もほとんどおらず、ついに手詰まりを迎えてしまった。
そこで王様は比類なき魔王に助けを求めた。魔王ってあの美少女宇宙人……じゃなくて神人様か!
青銀の長い髪を持つ、無数の魔法剣を操るおっかない美少女だ。
魔王様は王様の耳元に囁いた。
「そら、魔力使いのお約束があるだろう。力を得るには代償が必要だ」
魔王様が言っているのは、自分の大切なものを〝世界の理〟という宇宙の法則的なものに捧げる行為のことだ。
報いとして莫大な魔力を得るとされる。
供物は何でもいいのだが、生贄として自分に痛みを与えるほど重要なものだとより多くの魔力に転換できる。
だけど王様はアケロニア王国の国王陛下だ。国を犠牲にはできない。
いくつか自分の持つ財産や、女王となった母親や祖父王、曽祖父王らから受け継いだ国宝級の宝物を捧げたが足りなかったようだ。
最終的に王様が生贄にしたのは、――愛する人に愛されたい自分の願いと想いだった。
恋敵の勇者メガネ君を助けるために、王様は好きな子へ向けていた激重感情を捨てた。
どうやったかというと、神殿にこもって神官立ち合いのもと世界の理に対して〝神殿誓約〟を立てていた。
誓約文は単純な一言のみ。
『愛を捨てるから勇者を救う力を我に』
ただの誓約じゃない。この世界で神殿誓約は強制的な実効力がある。
破ると神罰が当たる。王様の曽祖父王なんかは退位後に若い後妻を娶るとき『彼女を最後の女にする』と誓って、ハニートラップに嵌まりかけたときは全身に激痛が走り昏倒しかける目に遭ったようだ。そういうやつ。
神罰が下ると最悪死に至る。だからこそ強力なんだな。
愛を捧げた王様は代償として夢見の術を扱う資格と、それに必要なだけの魔力を得た。
つまり俺が夢で見てきたのは、王様が恋をして諦めるまでの切ない切ない物語だったというわけだ……
NEXT→御米田は王様から秘伝の浄化法を習った……
※というわけで「聖女投稿」数年後にはそんな感じになってるわけです(仮)
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