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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、夏から秋にかけての混乱
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平和でほのぼのシュールな夢を見た。
ひどい。うちのピナレラちゃんはまだお嫁になんか行かないもん……っ!
まだまだユウキお兄ちゃんと一緒だ!
この苛立ちと、でも大人になったドレス姿のピナレラちゃんめんこかったべ……とニヤける気持ちは日記に叩きつけておいた。
大丈夫かなこれ。何年か後に読み返したら黒歴史になりそうなのだが。
あの俺のそっくりな夢の王様も、大好きな竜殺しのべっぴんへの気持ちを毎日日記に書いてたっけ。俺たち基本的に筆まめな男だよな。
夢はほのぼの微妙だったが、現実ではそれどころじゃなかった。
周りに遊べる若い女の子がいない。
それも大問題である。
だが! そんなことより!
従兄弟のカズアキをどうするかだ。
今年五月に、俺たちは住んでた東北の限界集落もなか村ごと異世界転移してきた。
俺、ばあちゃん、親戚の村長と勉さんのたった四人と村丸ごとだ。
幸い、転移先のアケロニア王国の〝ど田舎村〟はとても良いところで、領主の男爵や村人たちには良くしてもらってるし今ではすっかり仲良しだ。
うちで引き取った孤児の幼女ピナレラちゃんは元気いっぱいのお手伝い好きの良い子だし、奴隷商から逃げてきた訳あり美少年のユキりんことユキリーンも当初の捨てられた飼い猫のようなトゲトゲしさを忘れそうなほど俺たちに慣れてきた。
今では二人とも、我が御米田家でばあちゃんの美味しい飯をモリモリ食っている。
しかし、夏にど田舎村へ侵入してきたユキりんを追う奴隷商たちを退けた後、まさかの人物が現れたのだ。
御米田カズアキ。
俺と同い年の父方の従兄弟だ。
なぜか、十四歳の中学二年生の姿でひょっこり俺たちの前に現れた。
これには俺もばあちゃんも心臓が潰れそうなほど驚いた。
だってカズアキは、――十年以上前に事故で死んでいたからだ。享年十五歳。
元々、日本と繋がったままのスマホのメッセージアプリの時刻表記がズレていたから、お互いの世界の時間軸が捻れてることには気づいていた。
まさか十年以上も捻れてるとは思いもしなかったが……
カズアキがこの世界に転移してきたのは、過去、俺たちが中学二年の夏休みだ。
山に散歩に出かけたとき、俺はカズアキと逸れてしまって。
行方不明になったカズアキが山を降りてばあちゃんちに戻ってきたのは、当日の夜だった。
ということは、今はど田舎村にいるカズアキはこの後、どこかのタイミングで日本に戻る可能性がある。
二年後。高校進学した高一の十二月、十六歳の誕生日直前の大雪の日に、こいつは雪で落ちてきた看板に潰されて死ぬ。
正直、俺もばあちゃんも混乱していっぱいいっぱいだった。
だが、カズアキが事故死するのを何としてでも回避したい。その気持ちは同じだった。
ところがそれを伝えようにも、どうにも言葉が出てこない。
どうやら世界の強制力とやらが働いて、カズアキに未来の事実を教えないよう不可思議な止める力があるようだ。
夏の間、俺とばあちゃんは頑張ってカズアキに未来に訪れる危険を教えようとしたのだが、駄目だった。
口を開いてもパクパクするだけで言葉にならないし、メモに書いて伝えようとしても指が動かなくなる。
アケロニア王国の北端にあるど田舎村の夏が終わるのは早かった。
焦る俺たちに構わず、ど田舎村は秋に入った。
米どころの田んぼ丸ごと異世界転移してきたもなか村は収穫期真っ盛りで忙しくなった。
収穫が終わるまでの間、小難しいことを考える暇がなくなって良かったのかもしれない……
何はともあれ飯だ。食欲の秋である。
ひどい。うちのピナレラちゃんはまだお嫁になんか行かないもん……っ!
まだまだユウキお兄ちゃんと一緒だ!
この苛立ちと、でも大人になったドレス姿のピナレラちゃんめんこかったべ……とニヤける気持ちは日記に叩きつけておいた。
大丈夫かなこれ。何年か後に読み返したら黒歴史になりそうなのだが。
あの俺のそっくりな夢の王様も、大好きな竜殺しのべっぴんへの気持ちを毎日日記に書いてたっけ。俺たち基本的に筆まめな男だよな。
夢はほのぼの微妙だったが、現実ではそれどころじゃなかった。
周りに遊べる若い女の子がいない。
それも大問題である。
だが! そんなことより!
従兄弟のカズアキをどうするかだ。
今年五月に、俺たちは住んでた東北の限界集落もなか村ごと異世界転移してきた。
俺、ばあちゃん、親戚の村長と勉さんのたった四人と村丸ごとだ。
幸い、転移先のアケロニア王国の〝ど田舎村〟はとても良いところで、領主の男爵や村人たちには良くしてもらってるし今ではすっかり仲良しだ。
うちで引き取った孤児の幼女ピナレラちゃんは元気いっぱいのお手伝い好きの良い子だし、奴隷商から逃げてきた訳あり美少年のユキりんことユキリーンも当初の捨てられた飼い猫のようなトゲトゲしさを忘れそうなほど俺たちに慣れてきた。
今では二人とも、我が御米田家でばあちゃんの美味しい飯をモリモリ食っている。
しかし、夏にど田舎村へ侵入してきたユキりんを追う奴隷商たちを退けた後、まさかの人物が現れたのだ。
御米田カズアキ。
俺と同い年の父方の従兄弟だ。
なぜか、十四歳の中学二年生の姿でひょっこり俺たちの前に現れた。
これには俺もばあちゃんも心臓が潰れそうなほど驚いた。
だってカズアキは、――十年以上前に事故で死んでいたからだ。享年十五歳。
元々、日本と繋がったままのスマホのメッセージアプリの時刻表記がズレていたから、お互いの世界の時間軸が捻れてることには気づいていた。
まさか十年以上も捻れてるとは思いもしなかったが……
カズアキがこの世界に転移してきたのは、過去、俺たちが中学二年の夏休みだ。
山に散歩に出かけたとき、俺はカズアキと逸れてしまって。
行方不明になったカズアキが山を降りてばあちゃんちに戻ってきたのは、当日の夜だった。
ということは、今はど田舎村にいるカズアキはこの後、どこかのタイミングで日本に戻る可能性がある。
二年後。高校進学した高一の十二月、十六歳の誕生日直前の大雪の日に、こいつは雪で落ちてきた看板に潰されて死ぬ。
正直、俺もばあちゃんも混乱していっぱいいっぱいだった。
だが、カズアキが事故死するのを何としてでも回避したい。その気持ちは同じだった。
ところがそれを伝えようにも、どうにも言葉が出てこない。
どうやら世界の強制力とやらが働いて、カズアキに未来の事実を教えないよう不可思議な止める力があるようだ。
夏の間、俺とばあちゃんは頑張ってカズアキに未来に訪れる危険を教えようとしたのだが、駄目だった。
口を開いてもパクパクするだけで言葉にならないし、メモに書いて伝えようとしても指が動かなくなる。
アケロニア王国の北端にあるど田舎村の夏が終わるのは早かった。
焦る俺たちに構わず、ど田舎村は秋に入った。
米どころの田んぼ丸ごと異世界転移してきたもなか村は収穫期真っ盛りで忙しくなった。
収穫が終わるまでの間、小難しいことを考える暇がなくなって良かったのかもしれない……
何はともあれ飯だ。食欲の秋である。
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