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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、これまでのおさらいする
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夏が終わり、いよいよ秋に入った。
大好きなスイカや枝豆の季節も終わり、秋の収穫期は忙しい。もなか村は米どころだからな。
俺、御米田ユウキ二十八歳(独身)は日本の東北の奥地、もなか村から村ごと異世界転移してきた。
村ごとといっても、うちの空ばあちゃん、親戚の村長と勉さんの三世帯四人しかいなかったのだが。
転移先は異世界、円環大陸の北西部にあるアケロニア王国アルトレイ公領。――通称ど田舎領のど田舎村だった。
転移してからいろいろあったなあ……まさかのばあちゃんがこの国の王族で大公令嬢だったこと。まだ子供の頃にダンジョン内に迷い込んでそのまま戦前の東北に転移してしまったそうなんだ。
そもそも、もなか村とど田舎村はダンジョンと祠で次元が繋がっていて、かなり古い時代から互いの世界を行き来していた歴史があったようで。
ど田舎村側のダンジョンが崩落して閉鎖されてからは、ど田舎村での行方不明者は出なくなっていたらしいが……
親戚だった騎士団長と神殿神官が令嬢を追ってそのまま転移したはいいが、時間軸の捩れのせいで、ばあちゃんより年上だったのに年下の姿で転移してしまった。これも当時は大事件だったそうだ。
この二人は片方はもなか村の村長になり、もう片方は足を悪くして生活保護を受けながらも、自分たちが異世界に帰還する術を模索し続けていた。
そこに、仕事で失敗し女にも振られてションボリな俺が東京での勤め先を退職してUターン。
何がきっかけになったものか、村ごと異世界転移して今に至る。
今ではめんこい幼女のピナレラちゃん四歳に、訳あり美少年のユキリーン十四歳、それになぜか俺と同い年のはずの日本でとっくに事故死した従兄弟カズアキ十四歳まで合流して五人家族で仲良くやっている。
最初に異世界転移してきたのは五月中旬あたり。
今はもう夏も終わり九月も過ぎて十月に入った。俺たちはすっかりど田舎村に馴染んでいた。
俺は王族で大公令嬢だったばあちゃんの孫ということで、ひとまず領主のブランチウッド男爵からど田舎村の村長役を任されている。
やることといえば村の中の見回りと、男爵の仕事の手伝い、それに自分たちもなか村の農産物の手入れが主だ。
これだけでも男爵から十分な報酬を貰っていたが、食べ盛り育ち盛りの子供たちも増えたことだし他にも収入の手段を増やしたいところだった。
秋の東北といえば、――稲刈りである。
村ごと転移してきたもなか村は、もう住民が一桁だけで俺たち三世帯しか住んでない廃村寸前のヤバヤバ村だった。
俺たちが持ってる以外の田んぼや畑は隣町に移住した農家が通いで維持していたものだそうで……それを丸ごと転移でこっちの異世界に持ってきちまったものだから、転移後の俺たちはひたすら手入れと収穫に追われていた。
もっとも、ど田舎村も農村だったから現地の村人たちに手伝ってもらって収穫物は保存や、男爵に頼んで販売できたのでロスは限りなく減らせたといっていい。
話は戻すが稲刈りだ。一応もなか村には専用のコンバインがあった。
コンバインは稲や麦の刈取・脱穀・選別の三つの機能を一つに合体させた農業機械をいう。田植え機やトラクターとよく混同されるが機械としては別物だ。
自前で持ってたのは廃業した酒蔵のもなか酒造ぐらいだ。日本酒造りに使う酒米用だな。
他は村が補助金を出して購入し、農家に貸し出していた。ばあちゃんも収穫期に借りてた口だ。
もなか村には七台のコンバインが残っていたが、燃料のディーゼル軽油の残量が足りなくて動かせたのは二台のみ。
軽油が切れたらもうコンバインは使えない。大抵の家電は異世界の魔石を使えば代替燃料になったが、残念ながらディーゼル軽油とは互換性がなかったようなのだ。惜しい。
春に植えた稲は、異世界転移前のものだ。
だが、転移後はど田舎村の川から引いた水ですくすくと育っていた。
もなか村の固有品種ささみやびの稲刈りは九月末から十月頃まで。
九月はまだ俺も慣れておらず大変だったがまだコンバインが使えたので楽だった。
翌十月からはど田舎村で麦の収穫用に使ってた魔導具を米の稲穂用に改造してもらった。
ベビーカーみたいな箱付きの手押し車で稲穂の実る田んぼを歩くと、稲穂を茎ごと刈り取って箱に収納していくものだった。
当然ながらコンバインほどの馬力もなく、一度に刈り取れる量も限定的で、脱穀や選別はまた別の機械で行うことになる。
こんな調子だからとてもじゃないが、カズアキ対策を考える暇がなかった。
いつまた十四年前の日本に戻っちまうかと恐怖しながら、ひたすら稲刈りの日々だった。
幸い、カズアキは俺や村人たちに混ざって収穫初体験ではしゃいでいて。まだまだ逆転移で戻りそうもなかったのだが……
昼間はわかりづらいが、この稲がまた穂が実る前からよく光っていた。
元からど田舎村そのものが魔力の豊かな土地で、そこにもなか村の米が合わさって相乗効果ですごいことになった。
米はもちろん、精米するときに出る米糠まですごかった。
綿の布袋に包んで温泉でご婦人たちに使ってもらったら、顔の皺は伸びるし手足の染みも薄くなったと大絶賛だ。これは……売れるのでは!?
ばあちゃんが作ってた糠床も増やしてみたら、糠漬けが美味すぎてヤバかった。
風味も素晴らしく、保存もきくからと今では現地にあったピクルスなど酢の漬け物と一緒に、一気にど田舎領に広まったくらいだ。
元々夏が短くて寒さの厳しい地域だから、糠床も傷みにくく扱いやすかったようだ。
新米を収穫したら、御米田家の食卓はしばらく米主体になった。新米はそれだけでご馳走だからな。
塩むすびに始まっておにぎり各種に、焼き飯や炒飯はもちろん、ちらし寿司に現地レシピのピラフやパエリヤも……
もなか村に祀ってる祠に、元神官だったという村長が収穫した稲穂をお供えした。
その後は村総出で何日も米料理でお祭り状態だった。
ここに日本酒の最中があればなあと思った。
やはり酒造りは頑張りたいところだ。
大好きなスイカや枝豆の季節も終わり、秋の収穫期は忙しい。もなか村は米どころだからな。
俺、御米田ユウキ二十八歳(独身)は日本の東北の奥地、もなか村から村ごと異世界転移してきた。
村ごとといっても、うちの空ばあちゃん、親戚の村長と勉さんの三世帯四人しかいなかったのだが。
転移先は異世界、円環大陸の北西部にあるアケロニア王国アルトレイ公領。――通称ど田舎領のど田舎村だった。
転移してからいろいろあったなあ……まさかのばあちゃんがこの国の王族で大公令嬢だったこと。まだ子供の頃にダンジョン内に迷い込んでそのまま戦前の東北に転移してしまったそうなんだ。
そもそも、もなか村とど田舎村はダンジョンと祠で次元が繋がっていて、かなり古い時代から互いの世界を行き来していた歴史があったようで。
ど田舎村側のダンジョンが崩落して閉鎖されてからは、ど田舎村での行方不明者は出なくなっていたらしいが……
親戚だった騎士団長と神殿神官が令嬢を追ってそのまま転移したはいいが、時間軸の捩れのせいで、ばあちゃんより年上だったのに年下の姿で転移してしまった。これも当時は大事件だったそうだ。
この二人は片方はもなか村の村長になり、もう片方は足を悪くして生活保護を受けながらも、自分たちが異世界に帰還する術を模索し続けていた。
そこに、仕事で失敗し女にも振られてションボリな俺が東京での勤め先を退職してUターン。
何がきっかけになったものか、村ごと異世界転移して今に至る。
今ではめんこい幼女のピナレラちゃん四歳に、訳あり美少年のユキリーン十四歳、それになぜか俺と同い年のはずの日本でとっくに事故死した従兄弟カズアキ十四歳まで合流して五人家族で仲良くやっている。
最初に異世界転移してきたのは五月中旬あたり。
今はもう夏も終わり九月も過ぎて十月に入った。俺たちはすっかりど田舎村に馴染んでいた。
俺は王族で大公令嬢だったばあちゃんの孫ということで、ひとまず領主のブランチウッド男爵からど田舎村の村長役を任されている。
やることといえば村の中の見回りと、男爵の仕事の手伝い、それに自分たちもなか村の農産物の手入れが主だ。
これだけでも男爵から十分な報酬を貰っていたが、食べ盛り育ち盛りの子供たちも増えたことだし他にも収入の手段を増やしたいところだった。
秋の東北といえば、――稲刈りである。
村ごと転移してきたもなか村は、もう住民が一桁だけで俺たち三世帯しか住んでない廃村寸前のヤバヤバ村だった。
俺たちが持ってる以外の田んぼや畑は隣町に移住した農家が通いで維持していたものだそうで……それを丸ごと転移でこっちの異世界に持ってきちまったものだから、転移後の俺たちはひたすら手入れと収穫に追われていた。
もっとも、ど田舎村も農村だったから現地の村人たちに手伝ってもらって収穫物は保存や、男爵に頼んで販売できたのでロスは限りなく減らせたといっていい。
話は戻すが稲刈りだ。一応もなか村には専用のコンバインがあった。
コンバインは稲や麦の刈取・脱穀・選別の三つの機能を一つに合体させた農業機械をいう。田植え機やトラクターとよく混同されるが機械としては別物だ。
自前で持ってたのは廃業した酒蔵のもなか酒造ぐらいだ。日本酒造りに使う酒米用だな。
他は村が補助金を出して購入し、農家に貸し出していた。ばあちゃんも収穫期に借りてた口だ。
もなか村には七台のコンバインが残っていたが、燃料のディーゼル軽油の残量が足りなくて動かせたのは二台のみ。
軽油が切れたらもうコンバインは使えない。大抵の家電は異世界の魔石を使えば代替燃料になったが、残念ながらディーゼル軽油とは互換性がなかったようなのだ。惜しい。
春に植えた稲は、異世界転移前のものだ。
だが、転移後はど田舎村の川から引いた水ですくすくと育っていた。
もなか村の固有品種ささみやびの稲刈りは九月末から十月頃まで。
九月はまだ俺も慣れておらず大変だったがまだコンバインが使えたので楽だった。
翌十月からはど田舎村で麦の収穫用に使ってた魔導具を米の稲穂用に改造してもらった。
ベビーカーみたいな箱付きの手押し車で稲穂の実る田んぼを歩くと、稲穂を茎ごと刈り取って箱に収納していくものだった。
当然ながらコンバインほどの馬力もなく、一度に刈り取れる量も限定的で、脱穀や選別はまた別の機械で行うことになる。
こんな調子だからとてもじゃないが、カズアキ対策を考える暇がなかった。
いつまた十四年前の日本に戻っちまうかと恐怖しながら、ひたすら稲刈りの日々だった。
幸い、カズアキは俺や村人たちに混ざって収穫初体験ではしゃいでいて。まだまだ逆転移で戻りそうもなかったのだが……
昼間はわかりづらいが、この稲がまた穂が実る前からよく光っていた。
元からど田舎村そのものが魔力の豊かな土地で、そこにもなか村の米が合わさって相乗効果ですごいことになった。
米はもちろん、精米するときに出る米糠まですごかった。
綿の布袋に包んで温泉でご婦人たちに使ってもらったら、顔の皺は伸びるし手足の染みも薄くなったと大絶賛だ。これは……売れるのでは!?
ばあちゃんが作ってた糠床も増やしてみたら、糠漬けが美味すぎてヤバかった。
風味も素晴らしく、保存もきくからと今では現地にあったピクルスなど酢の漬け物と一緒に、一気にど田舎領に広まったくらいだ。
元々夏が短くて寒さの厳しい地域だから、糠床も傷みにくく扱いやすかったようだ。
新米を収穫したら、御米田家の食卓はしばらく米主体になった。新米はそれだけでご馳走だからな。
塩むすびに始まっておにぎり各種に、焼き飯や炒飯はもちろん、ちらし寿司に現地レシピのピラフやパエリヤも……
もなか村に祀ってる祠に、元神官だったという村長が収穫した稲穂をお供えした。
その後は村総出で何日も米料理でお祭り状態だった。
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やはり酒造りは頑張りたいところだ。
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