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第三章 異世界転移の謎を解け!
その頃、日本では~side 八十神と鈴木
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八時過ぎに喫茶店を出て早めに出社することにした。
勤め先は総合商社だ。世界中に支社があるからフレックスタイム制でどの時間帯でも社員がいる。
もっとも今日の僕に仕事はないのだが。
所属する企画部に向かう前、スマホで社内グループウェアを確認した。
今日朝一で面会を申し込んでいた上司から「所用で遅れる、出社は十時過ぎ」とメールが入っていた。
なら時間があるか。今日はもう仕事せず上司と会うだけだからやることもない。
エントランス入ってすぐのロビーで上司の出社を待つことにした。
「あ。八十神サンじゃないっスか」
営業に出るところか、御米田が面倒を見ていた後輩、鈴木がちょうどエレベーターから降りてきたところだった。
「アー……そっか、今日でしたか」
「ああ。夏に退職を申し出て残務整理も終わったから。あとは上司の判断待ち」
そのままロビーのソファに促された。
「鈴木君、外回りじゃないの?」
「忙しくなるようなスケジュール組んでねっスよ。適度にサボれる緩さなんで。そんで、――八十神サン。あんた、今日本当に言えるわけ?」
普段からやる気のない男なのが嘘のように据わった目で僕を睨んできた。
夏に実家の京都で異世界を思い出した後、僕は御米田の父ゲンキさんと、同郷出身だという米俵みどり社長にだけは内容を伝えてあった。
直後、彼らの紹介で引き合わされたのがこの鈴木だ。
まさか鈴木が御米田の従兄弟の弟だったとはね……
しかも母親が浮気して産まれた子供。だから御米田家の血筋ではないし、両親もとっくに離婚している。
何やら僕の本体ジオライドとよく似た境遇だ。
夏の間にゲンキさん、みどり社長、そして鈴木を交えた四人とは何度か会った。
僕たちの事情は少し込み入っていたから、彼らの理解度を確認しながら繰り返し説明させてもらったのだ。
ゲンキさんは自分の御米田家が異世界のアケロニア王族にルーツがあることを知っていたし、みどり社長に至っては先祖がアケロニア王国から東北に転移してきた貴族だったという。
ゲンキさんはもろにアケロニア王族顔だ。黒髪黒目の端正な顔立ちの外見や、二メートル近い大柄な体格は勇者の父で王の曾祖父だった故・大王陛下にそっくり。
むしろ御米田はこの父親を持って、なぜアケロニア王国を思い出さなかったんだろう。
みどり社長に関していえば、僕は彼女が自分で「芋臭い」不細工だと言う顔の一族を知っていた。
ドマ伯爵家という裕福で商才に長けた一族だ。筋肉太りの血族だ。彼女そっくりの女性が現当主となっていたはず。
鈴木はといえば……
見るからにやる気のなさそうな、奥二重の眠そうな顔立ち。どことなく品のある弥生顔というか公家顔というか……
この顔は異世界では見た覚えがなかった。……ないはずだ。
「まあいいや。またゲンキさんたちと会うとき詳しく聞かせてくださいよ」
僕の返事も聞かず、鈴木はポンと無遠慮に僕の肩を叩いて本社ビルを出て行った。
身長は標準よりやや低いぐらいか。グレーのスーツを着た後ろ姿は細身であまり肉のない体型をしている。
やはり彼には見覚えがない。
今回、これで最後だと挑んだ夢見には今までいなかった人物が登場している。
あの鈴木オサム、それに……僕と御米田の元カノ、野口穂波だ。
→八十神は上司たちに己の過ちを告白した……
勤め先は総合商社だ。世界中に支社があるからフレックスタイム制でどの時間帯でも社員がいる。
もっとも今日の僕に仕事はないのだが。
所属する企画部に向かう前、スマホで社内グループウェアを確認した。
今日朝一で面会を申し込んでいた上司から「所用で遅れる、出社は十時過ぎ」とメールが入っていた。
なら時間があるか。今日はもう仕事せず上司と会うだけだからやることもない。
エントランス入ってすぐのロビーで上司の出社を待つことにした。
「あ。八十神サンじゃないっスか」
営業に出るところか、御米田が面倒を見ていた後輩、鈴木がちょうどエレベーターから降りてきたところだった。
「アー……そっか、今日でしたか」
「ああ。夏に退職を申し出て残務整理も終わったから。あとは上司の判断待ち」
そのままロビーのソファに促された。
「鈴木君、外回りじゃないの?」
「忙しくなるようなスケジュール組んでねっスよ。適度にサボれる緩さなんで。そんで、――八十神サン。あんた、今日本当に言えるわけ?」
普段からやる気のない男なのが嘘のように据わった目で僕を睨んできた。
夏に実家の京都で異世界を思い出した後、僕は御米田の父ゲンキさんと、同郷出身だという米俵みどり社長にだけは内容を伝えてあった。
直後、彼らの紹介で引き合わされたのがこの鈴木だ。
まさか鈴木が御米田の従兄弟の弟だったとはね……
しかも母親が浮気して産まれた子供。だから御米田家の血筋ではないし、両親もとっくに離婚している。
何やら僕の本体ジオライドとよく似た境遇だ。
夏の間にゲンキさん、みどり社長、そして鈴木を交えた四人とは何度か会った。
僕たちの事情は少し込み入っていたから、彼らの理解度を確認しながら繰り返し説明させてもらったのだ。
ゲンキさんは自分の御米田家が異世界のアケロニア王族にルーツがあることを知っていたし、みどり社長に至っては先祖がアケロニア王国から東北に転移してきた貴族だったという。
ゲンキさんはもろにアケロニア王族顔だ。黒髪黒目の端正な顔立ちの外見や、二メートル近い大柄な体格は勇者の父で王の曾祖父だった故・大王陛下にそっくり。
むしろ御米田はこの父親を持って、なぜアケロニア王国を思い出さなかったんだろう。
みどり社長に関していえば、僕は彼女が自分で「芋臭い」不細工だと言う顔の一族を知っていた。
ドマ伯爵家という裕福で商才に長けた一族だ。筋肉太りの血族だ。彼女そっくりの女性が現当主となっていたはず。
鈴木はといえば……
見るからにやる気のなさそうな、奥二重の眠そうな顔立ち。どことなく品のある弥生顔というか公家顔というか……
この顔は異世界では見た覚えがなかった。……ないはずだ。
「まあいいや。またゲンキさんたちと会うとき詳しく聞かせてくださいよ」
僕の返事も聞かず、鈴木はポンと無遠慮に僕の肩を叩いて本社ビルを出て行った。
身長は標準よりやや低いぐらいか。グレーのスーツを着た後ろ姿は細身であまり肉のない体型をしている。
やはり彼には見覚えがない。
今回、これで最後だと挑んだ夢見には今までいなかった人物が登場している。
あの鈴木オサム、それに……僕と御米田の元カノ、野口穂波だ。
→八十神は上司たちに己の過ちを告白した……
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