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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、鮭を満喫した夜 ※おいちい回
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お魚さんサーモンパイはあっという間になくなった。
と思ったらミニサイズで小さく四角く作ってたサーモンパイも次々出てきた。
こっちは鮭だけでなく、小さくカットした温野菜が入ったもの、チーズ入りのもの、マッシュルームなどキノコが入ったものなどバリエーションがあった。
具によってそのまま、赤ワインソースで、クリームソースでと食べ分けるとまた違った楽しさがある。
「ピラフやリゾットを入れたものも美味ですよ。あとはトマトソース入りのも」
「次はそれも作ろう。ユキリーン」
「はい! お手伝いよろしくお願いします」
パイがサクサク軽いから食べやすい。
さすがにまだ幼いピナレラちゃんは追加分はばあちゃんと半分こしてたが、おいちいおいちいと頬っぺたを薔薇色にして美味そうに食べててユキ兄ちゃんもニッコリですぞ。
サーモンパイ以外の料理はといえば、スープだ。
「ど田舎村は牛乳がおいしいので、ミルクスープ仕立てです」
「わあ! おいちちょう!」
木の大きめの椀に盛られたミルクスープはシチューと違ってサラッとしている。
具は鮭の身、玉ねぎ、じゃがいもや人参などの根菜、それに刻んだハーブのディルだ。
こいつがまた美味かった……
味付けは牛乳の他は塩胡椒ぐらいと見たが、ほっこりじんわりする味わいだった。
さっと煮込まれた鮭も柔らかくふっくらしててミルクスープに合う。これ北欧でよく作られてるタイプのやつだ。
ルゥでとろみを付けてない分、シンプルな素材の旨みが際立って飲みやすい。ディルも鮭に合う爽やかなハーブだ。うま……
ユキりんのテンションが上がるわけだ。
鮭は美味い。もうその一言に尽きる。
「鮭料理はユキリーンの実家の料理なんだよね?」
「正確にはご本家を中心としたリースト一族の代表料理になります。サーモンパイは特にこの国では味の良い料理で有名なんですよ」
それからユキりんのうんちくをいろいろ聞いた。
ユキりんはリースト一族の伯爵家本家の分家男爵家の出身だ。この様子だと本家と分家の親戚付き合いは良好のようだ。
「毎年、鮭漁の季節は伯爵領に親戚一同集まって河川は大賑わいです。楽しかったなあ」
確かご本家にはユキりんの好きなお嬢さんがいたんだったか。
……数年前、奴隷商にさらわれてまだ行方不明だと聞く。
ユキりんを誘拐したのと同じ奴隷商だ。無事なのは判明したがまだ消息不明のままだ。ユキりんがカズアキと隣町の冒険者ギルドに日参するのは情報収集のためでもある。
鮭尽くしの夕飯は最高だった。満足!
あと数日したらスモークサーモンも食えるようになるそうなので、楽しみにしていよう。
それで米の収穫期が終わって、ユキりんの鮭への上げ上げテンションも落ち着いた頃。
気づいたら十一月だ。まだ雪は降ってなかったが朝晩寒くてそろそろ庭に出ての健康体操も家の中でにするべきか。
四歳児のピナレラちゃんや十四歳のユキりんやカズアキは元気いっぱいなのだが。
ユキ兄ちゃんもまだまだ若いのだが。
やっぱり年寄りなばあちゃんの体調が気になるからな。
……で。棚上げしていた大問題と再び直面することになった。
そう、従兄弟のカズアキのことだ。
異世界転移の法則は本当にどうなっているんだ? なんで過去の世界から中二のカズアキが来るんだよ!
だってこいつは……こいつは……!
現実逃避したい、だが逃げられない、何とかしたい、どうすればいい!?
カズアキはユキりんと二人で隣町の冒険者ギルド通いしている。これが都合が良かった。
ユキりんが気を利かせて、ここしばらくは朝に家を出るときピナレラちゃんを男爵の屋敷に連れていってくれることが多い。あっちにいる村長や勉さんのお手伝い名目でだ。
すると家には俺とばあちゃんだけになる。
三人が不在のうちに俺たちは必死で相談し合った。
最初は俺だけで考えてたんだが、さすがにばあちゃんからお叱りが入った。
「あんなあ、ユキちゃん。あんだの悪いとこよ。自分だけでこったらこと考えちゃなんね」
「ばあちゃん……」
「あんだとそっくりなマサルを見でみろ? お医者様にもどうにもならなぐなったべ?」
うぐ。マサルは俺の父方の叔父だ。カズアキの父親だ。
カズアキの毒母に浮気された挙句、よその男と子供作られて離婚しちまった叔父さんだ。
カズアキが死んで離婚までの裁判もだし、その後もかなり叔母とは揉めたと聞いている。
ついには心の病で日本を出て、今はアメリカにいる。ここ数年は持ち直してまた精力的にビジネスしていると親父が言ってたっけ。
やっぱりそうか……俺、御米田家のタイプ的にマサル叔父さん似かあ……
メンタル強いのが取り柄だと思ってたけど、ばあちゃんに言わせると限度があるらしい。ストレスが続くとぷっつり何かが切れるタイプだと。
耳に痛かった。
最近はすっかり忘れていたけど、元カノとの破局の原因の一つもそこにあったから。
彼女の心が俺から離れる前に、自分の持ってる結婚や結婚後のヴィジョンをちゃんと話して相談してたら結果は違ってたかもしれない。
マサル叔父さんも、会社の社長として忙しく働いてたけど、奥さんに金だけ渡して家のことは任せきり。
もっと妻と話してたらカズアキがバイトに出る必要はなく事故も起こらなくて、叔母が浮気してることも察知できたんじゃないかと随分後悔したと聞いた。
まあ結果から言えば俺も叔父さんも、別れて正解な女性だったが……
と思ったらミニサイズで小さく四角く作ってたサーモンパイも次々出てきた。
こっちは鮭だけでなく、小さくカットした温野菜が入ったもの、チーズ入りのもの、マッシュルームなどキノコが入ったものなどバリエーションがあった。
具によってそのまま、赤ワインソースで、クリームソースでと食べ分けるとまた違った楽しさがある。
「ピラフやリゾットを入れたものも美味ですよ。あとはトマトソース入りのも」
「次はそれも作ろう。ユキリーン」
「はい! お手伝いよろしくお願いします」
パイがサクサク軽いから食べやすい。
さすがにまだ幼いピナレラちゃんは追加分はばあちゃんと半分こしてたが、おいちいおいちいと頬っぺたを薔薇色にして美味そうに食べててユキ兄ちゃんもニッコリですぞ。
サーモンパイ以外の料理はといえば、スープだ。
「ど田舎村は牛乳がおいしいので、ミルクスープ仕立てです」
「わあ! おいちちょう!」
木の大きめの椀に盛られたミルクスープはシチューと違ってサラッとしている。
具は鮭の身、玉ねぎ、じゃがいもや人参などの根菜、それに刻んだハーブのディルだ。
こいつがまた美味かった……
味付けは牛乳の他は塩胡椒ぐらいと見たが、ほっこりじんわりする味わいだった。
さっと煮込まれた鮭も柔らかくふっくらしててミルクスープに合う。これ北欧でよく作られてるタイプのやつだ。
ルゥでとろみを付けてない分、シンプルな素材の旨みが際立って飲みやすい。ディルも鮭に合う爽やかなハーブだ。うま……
ユキりんのテンションが上がるわけだ。
鮭は美味い。もうその一言に尽きる。
「鮭料理はユキリーンの実家の料理なんだよね?」
「正確にはご本家を中心としたリースト一族の代表料理になります。サーモンパイは特にこの国では味の良い料理で有名なんですよ」
それからユキりんのうんちくをいろいろ聞いた。
ユキりんはリースト一族の伯爵家本家の分家男爵家の出身だ。この様子だと本家と分家の親戚付き合いは良好のようだ。
「毎年、鮭漁の季節は伯爵領に親戚一同集まって河川は大賑わいです。楽しかったなあ」
確かご本家にはユキりんの好きなお嬢さんがいたんだったか。
……数年前、奴隷商にさらわれてまだ行方不明だと聞く。
ユキりんを誘拐したのと同じ奴隷商だ。無事なのは判明したがまだ消息不明のままだ。ユキりんがカズアキと隣町の冒険者ギルドに日参するのは情報収集のためでもある。
鮭尽くしの夕飯は最高だった。満足!
あと数日したらスモークサーモンも食えるようになるそうなので、楽しみにしていよう。
それで米の収穫期が終わって、ユキりんの鮭への上げ上げテンションも落ち着いた頃。
気づいたら十一月だ。まだ雪は降ってなかったが朝晩寒くてそろそろ庭に出ての健康体操も家の中でにするべきか。
四歳児のピナレラちゃんや十四歳のユキりんやカズアキは元気いっぱいなのだが。
ユキ兄ちゃんもまだまだ若いのだが。
やっぱり年寄りなばあちゃんの体調が気になるからな。
……で。棚上げしていた大問題と再び直面することになった。
そう、従兄弟のカズアキのことだ。
異世界転移の法則は本当にどうなっているんだ? なんで過去の世界から中二のカズアキが来るんだよ!
だってこいつは……こいつは……!
現実逃避したい、だが逃げられない、何とかしたい、どうすればいい!?
カズアキはユキりんと二人で隣町の冒険者ギルド通いしている。これが都合が良かった。
ユキりんが気を利かせて、ここしばらくは朝に家を出るときピナレラちゃんを男爵の屋敷に連れていってくれることが多い。あっちにいる村長や勉さんのお手伝い名目でだ。
すると家には俺とばあちゃんだけになる。
三人が不在のうちに俺たちは必死で相談し合った。
最初は俺だけで考えてたんだが、さすがにばあちゃんからお叱りが入った。
「あんなあ、ユキちゃん。あんだの悪いとこよ。自分だけでこったらこと考えちゃなんね」
「ばあちゃん……」
「あんだとそっくりなマサルを見でみろ? お医者様にもどうにもならなぐなったべ?」
うぐ。マサルは俺の父方の叔父だ。カズアキの父親だ。
カズアキの毒母に浮気された挙句、よその男と子供作られて離婚しちまった叔父さんだ。
カズアキが死んで離婚までの裁判もだし、その後もかなり叔母とは揉めたと聞いている。
ついには心の病で日本を出て、今はアメリカにいる。ここ数年は持ち直してまた精力的にビジネスしていると親父が言ってたっけ。
やっぱりそうか……俺、御米田家のタイプ的にマサル叔父さん似かあ……
メンタル強いのが取り柄だと思ってたけど、ばあちゃんに言わせると限度があるらしい。ストレスが続くとぷっつり何かが切れるタイプだと。
耳に痛かった。
最近はすっかり忘れていたけど、元カノとの破局の原因の一つもそこにあったから。
彼女の心が俺から離れる前に、自分の持ってる結婚や結婚後のヴィジョンをちゃんと話して相談してたら結果は違ってたかもしれない。
マサル叔父さんも、会社の社長として忙しく働いてたけど、奥さんに金だけ渡して家のことは任せきり。
もっと妻と話してたらカズアキがバイトに出る必要はなく事故も起こらなくて、叔母が浮気してることも察知できたんじゃないかと随分後悔したと聞いた。
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