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第三章 異世界転移の謎を解け!
俺、カズアキと王様のネタバレを聞く
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「夢見の術なる秘伝がある。夢の世界を利用して様々な可能性を試す魔法だ」
勇者の前世の遺骨をアケロニア王国に戻して浄化するため、王様は、いや王様と仲間たちは夢見を利用して少しずつ条件を整えて行ったそうだ。
「百年前、ど田舎村にかつて神隠しにあった王族たちが戻ってきた記録があった。その事実を利用して夢見の世界を少しずつ作り上げていった」
一口紅茶を飲んで、王様は俺、そしてカズアキを改めてじっくり見回した。
「勇者の前世は、異世界の日本という国だと判明している。カズアキ、お前のことだ」
「は、はい」
「そして戻ってきた王族たちがいた国も〝日本〟と記録が残っていた。更に調べると、戻ってきた大公令嬢の孫の中に『オコメダ・カズアキ』の名があった。こう繋がってくるのかと驚いたものだ」
「………………」
「まさか村ごと転移してくるとは、私も思わなかったが」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「俺は本当に王様の前世なんですか?」
「………………いいや。あえて言うならお前は私の〝来世〟だ。私は彼を取り戻すため、彼の前世が暮らしていた地球に夢の世界を通じて生まれ変わり……彼を救い……遺骨を元々の魂の故郷であるこちらの世界に持ち帰ると決めて、御米田ユウキになった」
随分長い間のあとで王様はそう言った。
時間軸に整合性がない。王様の言う通りなら、人は過去にでも未来にでも生まれ変われることになる。
だがこの感じだと王様はまだ俺に言ってない秘密があると見た。
「あんたは、――やっぱり俺なのか?」
だが王様は俺の疑問には答えてくれなかった。
けど苦笑いしてるところを見ると、真実は似たり寄ったりなのだろう。
「間もなく、ど田舎村から王都に遺骨が届く。そのまま神殿で神官たちの祈りをもって浄化する。百年の後、私は彼の欠けた魂ごと遺骨を受け取るだろう。――ありがとう」
「王様……」
そうか。俺は以前見た夢を思い出した。
倉庫で王様が探していたのは別に、最初から俺のための良縁ご利益のお札じゃなかったんだ。あそこはただの倉庫じゃない。王宮の宝物庫だった。
そして王様が探していたのは彼の時代の勇者の前世、――カズアキの遺骨だ。神殿での浄化後は大切に王宮で保管されてあったんだ。
遺骨が未来の王様の元に出現するよう、過去が変わったかを毎日毎日、王様は確認していたんだろう。
「同じ魂の持ち主とはいえ、お前には悪いことをした。この世界へ来させるために、仕事を失い、伴侶となる女性を奪われることになってしまった」
「あーいや、それはもう」
正直もう遠い過去のことだ。元カノの顔も声も名前も忘れてしまったし。パクり野郎もだ。どうでもいい。
王様の後ろで、お茶を配膳してくれた金髪の男も、ペコペコこっちに向けて頭を下げている。いや誰だよお前?
「カズアキの結末を見届けたら、俺はまたこの世界に来れますか」
「転移に必要な魔力を集めることができれば。あるいは……」
王様が教えてくれたのは、転生の秘密だった。
「人は死に際の想いが、次の転生先と境遇を決める。もし御米田ユウキの人生のうちにこの世界へ来れなかったとしても、死の間際にこちら側の世界を想うことだ。あるいは」
王様は隠していた秘密を教えてくれた。
もし本当に俺が異世界に戻りたいなら、そのやり方をだ。
だがちょっと、今は無理だなと感じた。本能的に恐怖を覚える内容だったからだ。
その後、王様はカズアキへ向き合った。
「勇者カズアキ。お前は数年以内に若くして人生を終えるが、この世界、アケロニア王国の王族として転生する」
「……はい」
カズアキは神妙な面持ちで聞いている。
「今の人生では得られなかった家族の愛が待っている。友も、師も、――お前を愛する者たちも待っている。だから」
王様はソファから立ち上がると、向いに座っていたカズアキの額を指先でトンと突いた。
カズアキのまだ小柄で細っこい身体が崩れ落ちるのを、俺は慌てて抱きとめて支えた。
「だからせめて、未来の死の間際まですべてを忘れよ。不安と恐れを抱えながら生きる必要はない」
「え、ちょっと王様、こいつに何してるんですか!」
「大丈夫だ。少し術の衝撃で意識を失っただけだ。すぐ目を覚ますさ」
さあ、と両腕を向けられた。
え、なに? なになに? と困惑しているうちに、倒れたカズアキを取られた。
え、え? ……どういうことだべ?
勇者の前世の遺骨をアケロニア王国に戻して浄化するため、王様は、いや王様と仲間たちは夢見を利用して少しずつ条件を整えて行ったそうだ。
「百年前、ど田舎村にかつて神隠しにあった王族たちが戻ってきた記録があった。その事実を利用して夢見の世界を少しずつ作り上げていった」
一口紅茶を飲んで、王様は俺、そしてカズアキを改めてじっくり見回した。
「勇者の前世は、異世界の日本という国だと判明している。カズアキ、お前のことだ」
「は、はい」
「そして戻ってきた王族たちがいた国も〝日本〟と記録が残っていた。更に調べると、戻ってきた大公令嬢の孫の中に『オコメダ・カズアキ』の名があった。こう繋がってくるのかと驚いたものだ」
「………………」
「まさか村ごと転移してくるとは、私も思わなかったが」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「俺は本当に王様の前世なんですか?」
「………………いいや。あえて言うならお前は私の〝来世〟だ。私は彼を取り戻すため、彼の前世が暮らしていた地球に夢の世界を通じて生まれ変わり……彼を救い……遺骨を元々の魂の故郷であるこちらの世界に持ち帰ると決めて、御米田ユウキになった」
随分長い間のあとで王様はそう言った。
時間軸に整合性がない。王様の言う通りなら、人は過去にでも未来にでも生まれ変われることになる。
だがこの感じだと王様はまだ俺に言ってない秘密があると見た。
「あんたは、――やっぱり俺なのか?」
だが王様は俺の疑問には答えてくれなかった。
けど苦笑いしてるところを見ると、真実は似たり寄ったりなのだろう。
「間もなく、ど田舎村から王都に遺骨が届く。そのまま神殿で神官たちの祈りをもって浄化する。百年の後、私は彼の欠けた魂ごと遺骨を受け取るだろう。――ありがとう」
「王様……」
そうか。俺は以前見た夢を思い出した。
倉庫で王様が探していたのは別に、最初から俺のための良縁ご利益のお札じゃなかったんだ。あそこはただの倉庫じゃない。王宮の宝物庫だった。
そして王様が探していたのは彼の時代の勇者の前世、――カズアキの遺骨だ。神殿での浄化後は大切に王宮で保管されてあったんだ。
遺骨が未来の王様の元に出現するよう、過去が変わったかを毎日毎日、王様は確認していたんだろう。
「同じ魂の持ち主とはいえ、お前には悪いことをした。この世界へ来させるために、仕事を失い、伴侶となる女性を奪われることになってしまった」
「あーいや、それはもう」
正直もう遠い過去のことだ。元カノの顔も声も名前も忘れてしまったし。パクり野郎もだ。どうでもいい。
王様の後ろで、お茶を配膳してくれた金髪の男も、ペコペコこっちに向けて頭を下げている。いや誰だよお前?
「カズアキの結末を見届けたら、俺はまたこの世界に来れますか」
「転移に必要な魔力を集めることができれば。あるいは……」
王様が教えてくれたのは、転生の秘密だった。
「人は死に際の想いが、次の転生先と境遇を決める。もし御米田ユウキの人生のうちにこの世界へ来れなかったとしても、死の間際にこちら側の世界を想うことだ。あるいは」
王様は隠していた秘密を教えてくれた。
もし本当に俺が異世界に戻りたいなら、そのやり方をだ。
だがちょっと、今は無理だなと感じた。本能的に恐怖を覚える内容だったからだ。
その後、王様はカズアキへ向き合った。
「勇者カズアキ。お前は数年以内に若くして人生を終えるが、この世界、アケロニア王国の王族として転生する」
「……はい」
カズアキは神妙な面持ちで聞いている。
「今の人生では得られなかった家族の愛が待っている。友も、師も、――お前を愛する者たちも待っている。だから」
王様はソファから立ち上がると、向いに座っていたカズアキの額を指先でトンと突いた。
カズアキのまだ小柄で細っこい身体が崩れ落ちるのを、俺は慌てて抱きとめて支えた。
「だからせめて、未来の死の間際まですべてを忘れよ。不安と恐れを抱えながら生きる必要はない」
「え、ちょっと王様、こいつに何してるんですか!」
「大丈夫だ。少し術の衝撃で意識を失っただけだ。すぐ目を覚ますさ」
さあ、と両腕を向けられた。
え、なに? なになに? と困惑しているうちに、倒れたカズアキを取られた。
え、え? ……どういうことだべ?
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