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×学者
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君のための世界にボクは必要なくて、でも、ボクのための世界に君は必要で――。
王国を脅かしていたドラコンを退治した勇者の凱旋パレード。掲示板で見かけたそれは大々的に行われる予定とされていた。
開催日は明日。
大きなことを成し遂げたんだなと、遠くに行ってしまった君のことを懐かしむ、と同時に進めないボクの足元を見る。
はじめはよかった。
二人きりで冒険に出たりして、お互いに無理をしない範囲、確実にこなせる依頼だけを熟していった。
レベルが上がって、仲間が増えて、ボクはいらなくなった。もともと剣士の君と学者のボクでは住む世界が違いすぎたんだ。
誰もいない路地に足を向ける。
懐かしい匂いと共に、心地良い体温。気配すら感じさしせないのはさすがとしか言いようがない。されるがまま前から大きな君に抱きしめられる。
「ただいま」
「……おかえり。怪我してない?」
「どこも、なんともないよ」
「よかった」
勲章を授与されると聞いた。同時に爵位や領地ももらって、君はさらに遠くに行くんだろう。
厚い胸板をそっと押す。ボクはもうここにはいられない。
そんなボクの態度にムッとしたようで、抱きしめる腕に力が込められた。
「このあとの予定は?」
「えっと、これから宿を探すつもり……」
「ならいいか。このまま攫われてくれ」
にっと太陽みたいに君は笑ってボクを抱えあげ、そのまま屋根づたいに街を出てしまった。勇者は、このままパレードから逃げ出すことを選んだ。
君のための世界にボクは必要ない。でも、ボクのための世界に君は必要だ。
そんな風に感じていたのはどうやらボクだけだったらしい。
王国を脅かしていたドラコンを退治した勇者の凱旋パレード。掲示板で見かけたそれは大々的に行われる予定とされていた。
開催日は明日。
大きなことを成し遂げたんだなと、遠くに行ってしまった君のことを懐かしむ、と同時に進めないボクの足元を見る。
はじめはよかった。
二人きりで冒険に出たりして、お互いに無理をしない範囲、確実にこなせる依頼だけを熟していった。
レベルが上がって、仲間が増えて、ボクはいらなくなった。もともと剣士の君と学者のボクでは住む世界が違いすぎたんだ。
誰もいない路地に足を向ける。
懐かしい匂いと共に、心地良い体温。気配すら感じさしせないのはさすがとしか言いようがない。されるがまま前から大きな君に抱きしめられる。
「ただいま」
「……おかえり。怪我してない?」
「どこも、なんともないよ」
「よかった」
勲章を授与されると聞いた。同時に爵位や領地ももらって、君はさらに遠くに行くんだろう。
厚い胸板をそっと押す。ボクはもうここにはいられない。
そんなボクの態度にムッとしたようで、抱きしめる腕に力が込められた。
「このあとの予定は?」
「えっと、これから宿を探すつもり……」
「ならいいか。このまま攫われてくれ」
にっと太陽みたいに君は笑ってボクを抱えあげ、そのまま屋根づたいに街を出てしまった。勇者は、このままパレードから逃げ出すことを選んだ。
君のための世界にボクは必要ない。でも、ボクのための世界に君は必要だ。
そんな風に感じていたのはどうやらボクだけだったらしい。
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