▶︎【R18】天塚桃李〜四人の龍王様の嫁になりました〜

mimimi456/都古

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第一話 御伽話

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「眠れないのか桃李。」
「じいちゃん。」
「なんだ桃李。台風が怖いのか。」

ダハハと豪快に笑う祖父に桃李は少しむくれる。

「だって...じんじゃがギシギシいう。」

祖父はおどけたように首を傾げ耳を澄ませて見せた。


「ぉお確かに!ギシギシ言うとるな。」
「いまごろ気づいたのかよ。」
「確かにこの神社はボロい。さっきも雨漏りを見つけてなぁ。」

愉快そうに笑う祖父に、桃李はムスッと口を尖らせる。


「なんじゃ怖いのか?」
「こわくないっ。」

可愛い強がりだの。
しかし、このまま怯えて眠れそうにない幼子が可哀想だ。

「桃李。ひとつ昔話をしてやろう。」
「いやだ。おもしろくない。」
「まだ話しておらんぞ。」

桃李はまたむくれる。
だって祖母の方がずっと話し上手なのだ。

「正直者だのぉ。まぁ面白くないかは聞いてから決めると良い。」


祖父は、桃李に目を瞑るよう言い遠く遠くの昔話を語り始めた。


ーーー
遥か昔
人間をお創りになり、慈しみお育てくださっていた"全ての神と全ての命の長"天帝が治める所に、地上の全ての生き物を守護する為、とある神獣を遣わせられた。

東西南北四方を守る彼らは四龍と呼ばれた。
天帝へ果て無き忠誠を誓った最強の彼らだがしかし。
地上は彼らの力を以てしても"影"は止められなかった。

傷付き呻きながらも誓いを守る四龍に、天帝は一本の特別な桃の木をお創りになられた。
その木になる不思議な果実の名を仙桃と言う。

仙桃を食べた四龍は忽ち"影"を押し除けて見せた。
のち、四龍はその働きに格別な褒美を賜った。

妻だ。

『此を四龍唯一の妻とせよ。』

四龍は、思いもよらない褒美に驚いた。
それは仙桃と特別な宝物とが合わさった花嫁だった。
美しい神の創りし花嫁に、四龍は心を得た。

それ以来地上は今までになく穏やかに、健やかに繁栄を続けることなった。
仙桃から創られた特別な姫。
彼女はいつからか"桃妃"と呼ばれるようになった。

此の存在は、地上の"桃"と相成り邪しきものを払いとされた。
そして、天帝により創られたことから、不老不死の効果があると言われるようになったのだ。


「めでたしめでたし。」

ようやく話終え、ふと横を向いた。
そこには、さっきまでむくれていたとは思えない程に、あどけなく、すやすやと眠る幼子の姿があった。

「普段はぶすくれておっても、眠っている姿だけは子供だなぁ。」

クックッと、声無く笑って彼は静かに、襖を閉めた。

「さて、茶でも飲むか。」
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