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第八話 桃の子
しおりを挟む「懐かしいな、仁嶺様。」
「あぁ、あの時の酒は本当に旨かった。」
「ここだけの話、
あの時の宴は天帝も呆れておられましたよ」
祖父が話し仁嶺が答えるとそれに祖母が加わった。
天塚桃李は、自分の苗字の意味を知った所だが。
今、何か引っ掛かることを言っていたような気がする。
「じーちゃん、今何て言った?」
「おぉ?懐かしいなと言ったかの?」
なんで。
「今の話はむかしむかしの昔話だろ?それが懐かしいっておかしいだろ。」
「ああ。そんなことか。」
「いやいや」
新たな疑問に首を傾げては、ギャンギャン噛みつく桃李を、本当に賢い子だなぁ、と
祖母は穏やかに微笑みながら思っていた。
男の子は元気が一番ねぇ。
「桃李私とおじーちゃんはねぇ。不思議な事が起きるのよ。」
「天帝に約束したからだろうなぁ。」
「そうねぇ。あなたを護って育てると約束したのよ、私たち。」
ふふっ、と祖母は微笑んでいる。
とても嬉しそうだ。
「それに、仙桃妃は千年に一度永い眠りに就くのよ桃李。そうして目覚めたときは、また赤ん坊になって生まれてくるの。」
「どこから?」
「天上から四龍が種に戻ったお前を送り届けてくださる。それからこの神社の奥の社で眠り、おぎゃあ、と泣いて目を覚ます。そうすると、再びわしらの出番じゃなぁ。」
はぁ、そうですか。
最早何の言葉も出ねぇよ。
つまり俺は人間じゃなかった訳だ。
神社の奥でおぎゃあ、なら。
桃李の亡くなった父と母は何なのだ。
まさか幻覚とか言わないだろうな。
「それはなぁ。」
「秘密ですよ桃李。その内わかりますからね。」
「すまんがのぉ桃李。
これだけはわしらは口が裂けても言えん。」
「でもねぇ桃李。あなたのお父さんとお母さんは、
本当にあなたを愛していたのよ。信じていてね、桃李。」
何だか、鼻の奥がツンとしてきた。
胸も熱いし、目も霞んでる。
今更、何を信じるべきか分からなくなってきたが全てが真実なのだと理解も出来る。
俺はお父母を信じてる。
「そういうことで、良いな桃李。」
「なにが?」
「お前の嫁ぎ先だ、馬鹿たれ。」
「じゃあ桃李!今度の晴れの吉日にしましょう!
ね、おじーさん!仁嶺様も他の龍様にもお伝えくださいませ。」
「あぁ、知らせよう。麒麟にも伝えるか?」
「いいえ。あの方には本人が直接伝えるはずですから。」
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