▶︎【R18】天塚桃李〜四人の龍王様の嫁になりました〜

mimimi456/都古

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第二十話+ 虎の固縮

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二度と雷なんか乗るか、とドクドク走り回る鼓動を押し込めて騰礼の腕にしがみついた。
足がガクガクしてるせいだ。

「桃李、」

ふ、と隣を歩く男の身体がくっついて腰を抱かれた。

「俺は抱えて歩いても構わないが。」

「いやだ」

正直、宇宙軌道エレベーターの透明箱無しジェットコースターに乗せられた気分はどんなだと思う?
最悪に決まってる。
高い所は苦手なんだ。その上、抱っこされる絵面は勘弁してほしい。

強情だな、と前を歩く義栄が呟いた。

反論しようと口を開いた時、大きな朱色の扉が開いた。

「おかえりなさいませ龍王様。仙桃妃様。」

「あぁ。今戻った 祝融しゅくゆう。」

「それでは、皆様を桃妃宮へ御案内致します。」


ーーーーー


「ふ、ふ...っ、ん」

じわじわと浴衣の背中越しに騰礼のキスを受けながら
耽淵に帯を解かれ素肌を撫でられていく。
腰からだんだん上に登る手にはペンだこが目立つ。

「くすぐったい、ぅ、あ。」

黒髪の頭を手で制しても胸の飾りを吸われ声が漏れると、
それまでじっと息を潜め見ていた虎が音がする程奥歯を噛み締め挑みかかってきた。

邪魔な帯を完全に取払い、肩からも浴衣を剥落とす。
ベロリと口を塞がれ舌をじゅるじゅると吸われていく。
あまりに突然の行為に慄きながらも、腰がゾクゾク震える。

「ぎ、えぃ...っ、ンン」  

強引な手が今度は下肢にのびる。
きゅ、と握られ先端をグリグリ押し飲まれると、桃李は首をイヤイヤ振るが止まってくれる気配は無い。

騰礼とは違いすぎる力加減、
その強引さが少しだけ、こわい。

「きつぃ...、義栄、」

快感はあるが、恐怖もある。

応えてあげたいけど、
これじゃダメだと桃李の中の何かが告げる。

「義栄。」

「あ?」

「桃李を見て。」

鋭い声がした。
それは義栄に場所を奪われた耽淵の声だった。


「泣かないで。」

「え?」


気付いていないのは本人と義栄だけだった。
言われて初めて、まだ朱色の瞳にたっぷりの雫を湛えている事に気付き、驚いて瞬いた瞳からほろり、と涙が落ちた。

「ぅ、え...な、んでっ、?」


声が震えるていた。
涙は止まる気配が無い。

何故、泣いているのか。
何が悲しくて、涙が出るのか
それすら分からないのに涙が出る。

「ふ...ぅ、うっ、」

最近、泣いてばっかじゃん。ダセェ。

止まらない涙に、目を擦り続ける桃李。
柔らかな声で名前を呼んで、頬やまなじりに幾つも口付けをくれたのは、耽淵だった。
それから肩や首筋うなじに騰礼が口付け、仁嶺は、深く身を屈め、桃李の足の甲へと口付けを落としていった。

それはこの場でただ一人。
義栄だけが持ち合わせていなかった物。
いや、20数年で身に潜む穢れに蝕まれ、
持っていることに気付けなかっただけかも知れない。

欲望や、絶望、虚無感は無意識の内に心を翳らせる。

「ぎ、ぇぃっ...義栄っ、」

二人だけが硬直している。

どれ程、そうしていたのかポロポロと落ちていた桃李の涙はやがて龍たちの口付けの波に溶かされ落ち着きと、温もりを取り戻していた。

あとは義栄だけ。

その義栄に桃李が手を伸ばした。
名前を呼び、余りある愛を心から沢山込めて。

「義栄」

「オレ、は...、」

「キスしよ、義栄...お前と俺でありったけのキスしよ。」

少し腫れてしまった瞳はもう少しも怯えていなかった。
ただ、煌めいて義栄を見ている。

「義栄、口付けの誘いを断るならわたしが代わるよ。」

仁嶺が煽る様に声を掛けた。
次に聞こえたのは、短い舌打ちだった。
それから、桃李は腕を引かれ顎を持ち上げられ、視線が合った。

痛くもなく、強引でもない仕草で。

そこにあったのはシルバーの瞳。
猫の様に丸く宝石の様。

「ぎ、ぇ」
「喋るな。」

紡いだ言葉は、途中で遮られたが代わりに唇に与えられたのはしっとりとしたキスだった。

柔く、静かに重ねては、僅かに離れ
また擦り寄る様に口付けてくる。

やがて、声もなく尋ねる様に合わさった唇の先を舌先でぺろりと舐められた。
何度か繰り返され、意図を理解したから漸く薄く唇を開き
彼の熱を招き入れた。

一瞬触れ合った舌先は、すぐに離れ確かめていた。
どの程度触れ、どれくらい追いかけて良いものが。
桃李はそれを受け止めた。

ただ、舌先をすり寄せてそっと吸った。

すると、舌先からピリッと熱が走った。
それはまるで、金属の風鈴の音の様に澄んだ熱だった。

「ぁ、義ぇ...ぃ、?」

「オレの気を飲んだのか。」

「ん...ピリピリするっ。」

「ーーー嫌か。」

そう尋ねる義栄の表情は、堅く翳っていた。

「嫌じゃ無いから。もう一回しよ義栄。」

桃李は、恥じらいながら微笑んで見せた。
その瞳を愛しい龍の色に変えて。


「嗚呼、オレの色だ。」

宝石の様な銀の瞳に煌めいた。
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