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番外編

番外編 彼に賞杯を4

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「はぁー…♡」

「もっと腰を振って見せてくれ。」

私の指をぬぷぬぷと根本まで飲み込んで、小さく腰を揺らしている。

「大きく揺らして。大胆に。」

「んっ。」

噛み締める唇から我慢出来ずに漏らす吐息が、堪らなく甘い。反対に、彼を含んだ私の口からは卑猥な音が鳴っている。

「は、ぁーーーあッ」

腰を振るのに疲れた彼の隙を突いて、先端に吸い付く。
舌をぐりぐり差し込むと、やがて背を逸らし鳴いて果てた。

「はぁ。」

ゴクリと飲み、熱い息が漏れる。
彼はよく恥じらい、唇を噛みして堪える癖に、その腰はまだ私の口へ入りたがっている。
そんな姿を見せられて滾らない筈が無い。
尻の中もヒクリ、ヒクリと蠢いている。
そんな風に指を絞っても欲しいものはあげられないぞ。

「ぁ、やだ」

膝をぐぅと押し、彼の衣装を眺めた。
上は肩から胸と、腰までに垂れる金の細い鎖が数本、胸の先を掠めている。
下着も良い。
布とは別にその上からも細い鎖が腰を一周している。
その肝心の布部分は、肌も茂りも透ける薄い金のレースのティーバッグ。
指を抜かれた孔が布の向こうで蠢いている。

「だいぶ良くなってきたな。」

差し込んでは抜いて。
もう一度ぬぷ、と入れてグッと指を曲げる。

「あぅ。」

また指を抜いて、くぽっと開く孔を見る。
もう一度。もう一度。もう一度。
私も夢中で彼のなかを虐めてしまう。
ゴリゴリと指の腹で良いところを擦り、体を震わせて感じている所で悪戯に抜く。

さっきから吐息か短い喘ぎ声しか出ていない。


「トキ。その衣装、何か仕掛けがあるのだろう。」

段々と唇を噛み締める余裕を無くす今なら、言うか。
最近のトキは口を開く度、下唇にトロリと舌を乗せている。
キスの度に彼の舌を吸うせいで、癖になったのだろう。

私とのキスを覚えた愛しい身体だ。

「見せてくれ。」

ふむ。俯かれてしまった。
唇だけでは足りないか。
では、これならどうか。
左頬、右の首筋、右肩、右肘、手首、手の甲、指先...ひっくり返して掌、にキスをする手前でトキが折れた。
私の粘り勝ちだな。

「ちょっと、待って」

弾むベッドの上で転がされた身体を膝立ちに直す。
私はその正面に座り、腰を支えるように言われた。

「これ、いらない。」

「脱ぎたいのか」

「脱ぎたい。見てて。」

甘い舌足らずの声。
頑是ない子供の様だ。
嫌がりながら無邪気にやりたい様にやる。

「あぁ、見ている。」

もう彼のものは下着から出ている。
私が咥えて引き出した。
それを人差し指でよろけながら降ろしていく。

ぱさ。
膝立ちの彼とベッドの間に落ちた。
あぁ、見られて感じているのか。
触りたい。揉んで擦って感じさせたいが。

「見てる?」

「あぁ、見てる。また濡れた先を咥えたい。」

「ダメ。」

「ダメか。」

「ダメ。これ外して...ここに繋ぐ。」

「ほぉ。」

「どう?」

「あぁ。美しいな。」

腰の鎖を外したかと思うと、その両端を手首に巻き金具で留めた。鎖は両手の間を3本の鎖で繋いでいる。
腰の飾りは手枷へと早変わりしたが。

「少し緩いな。」

強度と安全性を確かめようと鎖越しに手首をなぞった途端、彼の纏う空気が変わった。

甘く爽やかな香りは、重い甘やかさを醸し始めた。
釣られて私も煽られる。

「留め直す。」

「ーーー…ふ、ぅ」

「見ていろ、トキアキ。」

頷く彼の瞳がギラリと濡れた。
私に手枷をされる事がそんなに嬉しいのか、トキアキ。
私も興奮する。

ーーー

自由が効かない。
枕を握れない。
鎖をエルが引っ張る度に、胸が鳴る。
呼吸が上がり、声が出る。

「ぅひ、ぃ...っ、うぁああー」

猫みたいな声が出る。
止められない。
我慢もできない。

理性が飛んだエルは容赦が無い。
自分の膝に俺の尻を乗せ、腰を振りたくっている。
小刻みに前立腺を突いたかと思うと、重く深く奥へ穿つ。

カタカタ、とあごが震えた。
キスが降ってきても舌も絡められない。
勝手に触れて唾液を流し込まれて、こくりと飲む。

「ぁ、あーッ、でた...、でてる、せーえ、」

「キスでイッたか。だが、私はまだだ。」

「んく、っ、ぁ...あぐっう」

奥、好き。
前でイッたあと、奥を虐められるのすげぇ好き。
まじでこの身体意味わかんねぇ。
尻が勝手にぎゅむぎゅむ動いて、エルのものに食いついて引き込んでいくのが自分でもわかる。

「もっと、」

「うん?」

「もっと、来いよ」

馬鹿みたいにデカいブツは、もっと入る。

「先っぽなんて緩い真似すんな。鬼頭まで入れろよエルムディン。」

「明日、立てなくなるぞ。」

「知ってる。」

「何も食えなくなるぞ。」

「スフレ食うよ。」

そういうと、エルはなんでか優しく笑った。

「両方を得た、か。」

「なに?」

「欲張りなお前を愛している、トキアキ。」

キスが降ってきた。
デコと頬と、唇に吸い付く様なキスと。
何か褒め称えているような口振りに思わず笑って返した。

「なに?トロフィーでもくれるの?」

「作らせよう。だが、先にお前を私で満たす。」

「ぉ、あっ、ぅふう。」

軽く笑い合った空気はあっという間に一変し、正常位をやめ、太ったブツが濡れた音を立てて引き抜かれた。
ごろん、と転がされエルがどこからか紐を出してきた。

「バスローブの紐だ。」

それはあっという間に手首の枷の間を通り、ベッド側の柱へ括り付けられた。

「ぇ。」

ずしり、と背後に重みを感じた。
エルが乗ってる。

「うそ。」

全く動けなくなった。

「感じてるな。」

「うそだろ。」

「結腸に鬼頭が入るのを感じろ、トキアキ。」

べろり、と首が舐められる。
尻たぶを開かれ、ぽっかり開いた孔は抵抗もなく、はくはく見せびらかしている。

はやく。
はやく。

ゆらり、ゆれる尻にあてがわれたら熱はぬっ、と一息に深く突き進んできた。

「ぁーー、あ、ああっ、イイッ、重い、」

重い、腹がまじで重いのに、手足の先まで痺れたみたいな快感が行き届く。
隅々まで、快楽が行き渡る。
腹の中の曲がり角を、ぐっぽり抉る凶悪なブツがゆっくり叩き込む様にたった三度そこを突いただけで俺は射精、ナカイキ、潮吹きをコンプした。

「えるぅ、」

「もう一度だ。」

また始まった律動で覚えているのは。
エルの瞳がキラキラで綺麗だったって事と、気持ち良くてやばいって事と、身体中が死んでマジで翌日はスフレしか食えなかったし立てもしなかった。

んで。
結局、何のトロフィーくれるんだっけ。



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