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第二話
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「ありがとうマリー!いつもスープで済ませていたから、本当に助かったよ。」
神父は喜んでマリーを招き入れた。
「ちょっと待っていてくれるかい。お礼に持っていって欲しい者があるんだけど。何処にやったかなぁ。」
「分かったわ。でも少しお祈りしてきてもいい?」
「勿論だよ。」
マリーは何時ものように礼拝堂へと向かった。
そこで祈る事はいつも一緒だった。
“退屈な毎日から解放されますように。“
そう祈っている時だった。
何かが、マリーの耳に囁いた。
もう一度耳を澄ませてみると、やはり何かがいる。私を呼んでいる。そう思ったマリアは、そっと教壇の上に上がってみた。そこは何時も神父様がお話をしている所で、たまに子供達がスピーチをしたりもする。声は、壁の向こうから聞こえてくる。
マリーは壁をあちこち触ってみると、1箇所だけ外れる所があった。中にはドアノブが隠してあった。マリーは好奇心に導かれて扉を開けると、下へ続く階段が有った。
「ーーー、ーー、」
降るにつれ、声はどんどん近付いていく。
だがそこには誰の姿もない。
じゃあ、この声はいったい何処から。
「誰かいるの、?」
そう恐る恐る声を発したマリーの耳に、また声が聞こえた。今度は、はっきりと言葉が聞き取れる。
「右足から3歩前に歩いて、左足で1歩左へ。」
マリーはそれをダンスのように踊って、何度か間違えた。でも、頑張ればもう少しで踊れそう。数度挑戦して、今度こそ間違えずに最後までのステップを踏んだ。トントンとリズミカルに。そして、声が教えてくれた魔法の言葉を唱えた。
「おいで、サミュエル・ヴィーチェ。」「ぁ、あ、あぁ…!久しぶりの空気だぁあ!」
突然、肌にまとわりつくような風が吹いた。マリーの全身を舐める様な気持ち悪さに耐えていると、足元から何か黒い影みたいなものがにゅる、と這い出てきた。
「ひっ、!」
「悲鳴ぃ?なんて失礼なお嬢さんだろうねぇ。」
影は次の瞬間には形を保って、人の姿になった。
「初めましてぇお嬢さん。僕を助けてくれてありがとうねぇ。」
にこっと笑うそれは、紳士の様に振る舞って、腰を追って礼を告げたがマリーはそれの放つ禍々しい気配にすっかり震え上がっていた。
「あぁ、そうか抑えないといけないのかぁ。人間はか弱い生き物だったねぇ?ごめんねぇマリー?久しぶりの外ではしゃいでしまったのさぁ。」
「あ、あなたはだれ…?人間じゃないの?」
マリーの震える声に、それはニィと唇を曲げて楽しそうに話した。
「僕はねぇ、サミュエル・ヴィーチェだよぉ。マリーが呼んでくれたんだぁ。本当になんていい子だろうねぇ。マリーには俺の全てでもってお礼をさせてあげるよ。」
さあ、とサミュエルが言い掛けたその時。神父の声が響いた。
「駄目だ、マリー!応えちゃ駄目だよ。」
マリーが礼拝堂から帰ってこないのを探しに来たのだろう。その額には汗が流れている。
「神父様っ、!」
「マリー。よく聞いて。あいつに何を言われても、応えてはいけないよ。最悪、魂を持っていかれる。そうだろサマエル。」
神父は喜んでマリーを招き入れた。
「ちょっと待っていてくれるかい。お礼に持っていって欲しい者があるんだけど。何処にやったかなぁ。」
「分かったわ。でも少しお祈りしてきてもいい?」
「勿論だよ。」
マリーは何時ものように礼拝堂へと向かった。
そこで祈る事はいつも一緒だった。
“退屈な毎日から解放されますように。“
そう祈っている時だった。
何かが、マリーの耳に囁いた。
もう一度耳を澄ませてみると、やはり何かがいる。私を呼んでいる。そう思ったマリアは、そっと教壇の上に上がってみた。そこは何時も神父様がお話をしている所で、たまに子供達がスピーチをしたりもする。声は、壁の向こうから聞こえてくる。
マリーは壁をあちこち触ってみると、1箇所だけ外れる所があった。中にはドアノブが隠してあった。マリーは好奇心に導かれて扉を開けると、下へ続く階段が有った。
「ーーー、ーー、」
降るにつれ、声はどんどん近付いていく。
だがそこには誰の姿もない。
じゃあ、この声はいったい何処から。
「誰かいるの、?」
そう恐る恐る声を発したマリーの耳に、また声が聞こえた。今度は、はっきりと言葉が聞き取れる。
「右足から3歩前に歩いて、左足で1歩左へ。」
マリーはそれをダンスのように踊って、何度か間違えた。でも、頑張ればもう少しで踊れそう。数度挑戦して、今度こそ間違えずに最後までのステップを踏んだ。トントンとリズミカルに。そして、声が教えてくれた魔法の言葉を唱えた。
「おいで、サミュエル・ヴィーチェ。」「ぁ、あ、あぁ…!久しぶりの空気だぁあ!」
突然、肌にまとわりつくような風が吹いた。マリーの全身を舐める様な気持ち悪さに耐えていると、足元から何か黒い影みたいなものがにゅる、と這い出てきた。
「ひっ、!」
「悲鳴ぃ?なんて失礼なお嬢さんだろうねぇ。」
影は次の瞬間には形を保って、人の姿になった。
「初めましてぇお嬢さん。僕を助けてくれてありがとうねぇ。」
にこっと笑うそれは、紳士の様に振る舞って、腰を追って礼を告げたがマリーはそれの放つ禍々しい気配にすっかり震え上がっていた。
「あぁ、そうか抑えないといけないのかぁ。人間はか弱い生き物だったねぇ?ごめんねぇマリー?久しぶりの外ではしゃいでしまったのさぁ。」
「あ、あなたはだれ…?人間じゃないの?」
マリーの震える声に、それはニィと唇を曲げて楽しそうに話した。
「僕はねぇ、サミュエル・ヴィーチェだよぉ。マリーが呼んでくれたんだぁ。本当になんていい子だろうねぇ。マリーには俺の全てでもってお礼をさせてあげるよ。」
さあ、とサミュエルが言い掛けたその時。神父の声が響いた。
「駄目だ、マリー!応えちゃ駄目だよ。」
マリーが礼拝堂から帰ってこないのを探しに来たのだろう。その額には汗が流れている。
「神父様っ、!」
「マリー。よく聞いて。あいつに何を言われても、応えてはいけないよ。最悪、魂を持っていかれる。そうだろサマエル。」
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