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本編
#17 資料の山
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これを見てほしいと、ガサッと置かれたのはいくつもの紙の束。
「まぁ! これは、何ですか? 」
ウィンに訪ねながらも、目が紙の山から目が離せない。この前にあるものは素晴らしい宝物としか感じとれなくて期待で鼓動が高鳴る。
「少し量が多いが、リリーのこの前のレポートを読んで私の考えをまとめたものと、レポート内で細かくピックアップされていた情報を補足するような資料がここに。あといくつかリリーに質問したいリストを作成した......あれ? ここにあったはずなんだが、あーっとちょっと待ってくれ」
バサバサと紙をこれでもない、あれでもないと確認していくウィン。その様子を眺める私の表情はゆるゆるに緩んでいることだろう。だってこんなにも山になるまで私のレポートを読んでいくつもの資料を用意してくれているのよ!? 予想外の驚きのお返し。やっぱりレポート渡して正解だったわ、ドレ友って素敵な関係ね。早く目を全てに通したいわ。
「これだ! 」
「あっ、危ない! 」
果たしてどちらの声が先に出たのだろうか、そんなことはお構いなく進んでいく時間。ウィンがお目当ての紙を見つけたのかは知らないが、1枚の紙を引いた瞬間急に机の上で紙がザーッと流れだした。
危ない大変! こんなに沢山の貴重な資料、下に落ちて紅茶でもこぼれちゃったら!
慌てて手を伸ばすも全ての資料を助け出せそうにはない。
「おぉぉっと、セーフっ! あぶねかったぁ! ダメだろ、ウィン様。昨日もあれほど気をつけろと言ったのに」
カインさんが助けてくれた。凄い。そのままカインさんは乱雑にウィンに注意をしながらも、颯爽と手を動かして瞬く間にきっちり順番に資料を並べてくれた。
「ありがとう。悪かった、カイン」
「これに懲りたなら、ちゃんと片付けるように」
「お片付けは大事ですよね。えっと、あの、ウィン資料を見せてもらってもいいですか? 楽しみで待ちきれなくて」
「あ、あぁ。そうだなまずはレポートの1枚目、右下の部分なんだが」
「まずはじめに仮面について述べたところですね」
どういった仮面か簡単に描いてみた。繊細な飾りで美しい。以前と違う点もいくつかあったし。さすがこの国一番の学校よね。完成度が桁違い。年々形とか付け方が変化してきているし。仮面はあんまり専門外なんだけどね。
「そう。ここには丁寧に白の仮面が描いてあったが、もうひとつの黒いバージョンが描かれてなかっただろう? ......ちょうど俺の手元にあったものだから、つい描いてみた」
「見せてください! わぁ......すてき、そうかぁ......あぁめちゃくちゃお上手ですね、特徴をよく捉えられていて本当にすごい」
上手すぎ! 私じゃきっと描くことの出来なかったところまで描かれてる。この画才憧れるわね。黒の仮面も気になってたからこうして見れてよかった。
「次に3ページの走り書きでかかれていた」
「ウィン! ちょっと待ってください! あのですね、もう少しこちらを眺めていたいと申しますか、これを私に写させてください! 」
時間が欲しい。もっと観察したいわ。せめて少し特徴を写したりする時間だけでも!
「えっとその用紙なら後で他のものとまとめて、リリーにわたすつもりなんだが? 」
「え! いいのですか? こんなに素晴らしいものを!? 本当に私なんかが貰っちゃっても......? 」
「勿論。君さえ良ければ、他にもいくつか用意してるももあるしな」
「とっても嬉しいです! 」
思わず正面に座って資料を見せてくれていたウィンの手を取る。そしてブンブン振り回していく。
嬉しい~っ! あぁーやっぱり持つべきものはドレ友ね。どこに飾ろうかな。いやいやこれは丁重に保管しておくべきよ。となると、あそこの荷物を移動して右側の引き出しに置こう。
「お嬢様、そちらの手離された方がよいのでは? 」
「あらサリー急にどうかしたの? もしかしてこれが見たかったの? 大丈夫よ、ウィンが譲ってくださるんですって、後で一緒に見ましょうね」
「いや、違います。その別にお嬢様がいいのならいいんです」
???
「そう......あ、ごめんなさい! なんて破廉恥なことを私は!」
前回の先輩呼びといい、なんだがみっともないとこしか見せてない気がするわ。気を引き締めなきゃ。なんだかいつも話しているうちに家の感覚っていうか気を抜いてしまうのよね。
「で、次なんだが......」
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
「えーっ、お嬢様方残念ながらもうお時間ですよ」
ふと現実世界に引き戻される。嘘っ。さっと外を見ると考えていたよりも随分太陽が落ちていた。もうこんなに時間が経ったの? まだ1時間程度だと思っていたのに。
「最後に1つリリーに聞きたかったことがあったんだが......残念だ、今日はお開きだな」
「私も、もっとウィンとお話したかったです。レースの素材の話とかもっと聞きたかったのに......」
「俺はいつもこの部屋にいる。本当にいつでもいいからまた話しに来てくれるか? 」
「いいのですか? えっと明日でも? 毎日でも? 」
「あぁ勿論。いつでもリリーが来てくれたら、その、嬉しいから」
「私達もう立派なドレ友ですもんね、絶対遊びにきますわ! 」
後ろ髪を引かれる思いで帰路につく。うーんと今日は帰ったらまずは、もう一度貰ったものを読み返して。それからええっと、荷物を移動して、入れる場所を作らなきゃ......。目を閉じて、気づけば微睡みの中。
ガタゴト揺れる車内で、リリアナは宝物の資料が入った鞄を優しく抱きしめながら、そっと眠りについた。
「まぁ! これは、何ですか? 」
ウィンに訪ねながらも、目が紙の山から目が離せない。この前にあるものは素晴らしい宝物としか感じとれなくて期待で鼓動が高鳴る。
「少し量が多いが、リリーのこの前のレポートを読んで私の考えをまとめたものと、レポート内で細かくピックアップされていた情報を補足するような資料がここに。あといくつかリリーに質問したいリストを作成した......あれ? ここにあったはずなんだが、あーっとちょっと待ってくれ」
バサバサと紙をこれでもない、あれでもないと確認していくウィン。その様子を眺める私の表情はゆるゆるに緩んでいることだろう。だってこんなにも山になるまで私のレポートを読んでいくつもの資料を用意してくれているのよ!? 予想外の驚きのお返し。やっぱりレポート渡して正解だったわ、ドレ友って素敵な関係ね。早く目を全てに通したいわ。
「これだ! 」
「あっ、危ない! 」
果たしてどちらの声が先に出たのだろうか、そんなことはお構いなく進んでいく時間。ウィンがお目当ての紙を見つけたのかは知らないが、1枚の紙を引いた瞬間急に机の上で紙がザーッと流れだした。
危ない大変! こんなに沢山の貴重な資料、下に落ちて紅茶でもこぼれちゃったら!
慌てて手を伸ばすも全ての資料を助け出せそうにはない。
「おぉぉっと、セーフっ! あぶねかったぁ! ダメだろ、ウィン様。昨日もあれほど気をつけろと言ったのに」
カインさんが助けてくれた。凄い。そのままカインさんは乱雑にウィンに注意をしながらも、颯爽と手を動かして瞬く間にきっちり順番に資料を並べてくれた。
「ありがとう。悪かった、カイン」
「これに懲りたなら、ちゃんと片付けるように」
「お片付けは大事ですよね。えっと、あの、ウィン資料を見せてもらってもいいですか? 楽しみで待ちきれなくて」
「あ、あぁ。そうだなまずはレポートの1枚目、右下の部分なんだが」
「まずはじめに仮面について述べたところですね」
どういった仮面か簡単に描いてみた。繊細な飾りで美しい。以前と違う点もいくつかあったし。さすがこの国一番の学校よね。完成度が桁違い。年々形とか付け方が変化してきているし。仮面はあんまり専門外なんだけどね。
「そう。ここには丁寧に白の仮面が描いてあったが、もうひとつの黒いバージョンが描かれてなかっただろう? ......ちょうど俺の手元にあったものだから、つい描いてみた」
「見せてください! わぁ......すてき、そうかぁ......あぁめちゃくちゃお上手ですね、特徴をよく捉えられていて本当にすごい」
上手すぎ! 私じゃきっと描くことの出来なかったところまで描かれてる。この画才憧れるわね。黒の仮面も気になってたからこうして見れてよかった。
「次に3ページの走り書きでかかれていた」
「ウィン! ちょっと待ってください! あのですね、もう少しこちらを眺めていたいと申しますか、これを私に写させてください! 」
時間が欲しい。もっと観察したいわ。せめて少し特徴を写したりする時間だけでも!
「えっとその用紙なら後で他のものとまとめて、リリーにわたすつもりなんだが? 」
「え! いいのですか? こんなに素晴らしいものを!? 本当に私なんかが貰っちゃっても......? 」
「勿論。君さえ良ければ、他にもいくつか用意してるももあるしな」
「とっても嬉しいです! 」
思わず正面に座って資料を見せてくれていたウィンの手を取る。そしてブンブン振り回していく。
嬉しい~っ! あぁーやっぱり持つべきものはドレ友ね。どこに飾ろうかな。いやいやこれは丁重に保管しておくべきよ。となると、あそこの荷物を移動して右側の引き出しに置こう。
「お嬢様、そちらの手離された方がよいのでは? 」
「あらサリー急にどうかしたの? もしかしてこれが見たかったの? 大丈夫よ、ウィンが譲ってくださるんですって、後で一緒に見ましょうね」
「いや、違います。その別にお嬢様がいいのならいいんです」
???
「そう......あ、ごめんなさい! なんて破廉恥なことを私は!」
前回の先輩呼びといい、なんだがみっともないとこしか見せてない気がするわ。気を引き締めなきゃ。なんだかいつも話しているうちに家の感覚っていうか気を抜いてしまうのよね。
「で、次なんだが......」
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
「えーっ、お嬢様方残念ながらもうお時間ですよ」
ふと現実世界に引き戻される。嘘っ。さっと外を見ると考えていたよりも随分太陽が落ちていた。もうこんなに時間が経ったの? まだ1時間程度だと思っていたのに。
「最後に1つリリーに聞きたかったことがあったんだが......残念だ、今日はお開きだな」
「私も、もっとウィンとお話したかったです。レースの素材の話とかもっと聞きたかったのに......」
「俺はいつもこの部屋にいる。本当にいつでもいいからまた話しに来てくれるか? 」
「いいのですか? えっと明日でも? 毎日でも? 」
「あぁ勿論。いつでもリリーが来てくれたら、その、嬉しいから」
「私達もう立派なドレ友ですもんね、絶対遊びにきますわ! 」
後ろ髪を引かれる思いで帰路につく。うーんと今日は帰ったらまずは、もう一度貰ったものを読み返して。それからええっと、荷物を移動して、入れる場所を作らなきゃ......。目を閉じて、気づけば微睡みの中。
ガタゴト揺れる車内で、リリアナは宝物の資料が入った鞄を優しく抱きしめながら、そっと眠りについた。
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