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第四章 青海の檻
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* * *
不穏な気配を感じ部下達を追って片山はレストラン方向へと向かっていたところに突然、鈍くそして凄まじい爆発音を伴って空気と船がビリビリと震え出す。
「!!」
ハッと片山が顔を上げると、レストランの区画の窓という窓から激しい勢いで、真黒な煙が間断なく吐き出されており、厨房の窓からは炎の赤い色も激しく踊っている。
直ぐさま船内で火災が起きた事を知らせる警報が、耳をつんざく様に鳴り響く。
(まさか……⁉︎)
片山はひどく嫌な感覚が背筋を走り、慌ててヘッドセットのトランシーバーで呼びかけようとすると、その前に怒鳴り声が飛び込んで来た。
「こちらC-1!何事ですか⁉︎この警報は‼︎それよりさっきのデカイ衝撃は何です⁉︎」
「こちらA-1‼︎先ほどレストランの方で爆発があった‼︎Bチームがネズミどもを追い込んだ方面だ!B-1、応答しろ!おい!B-1‼︎」
一向に応答しないB-1に片山は大きく舌打ちをする。
脳裏に覆面の隼の姿が過ぎり、苦虫を噛んだ様に思い切り顔を歪める。
(正気か!?あの野郎…!!こんな遠洋で火事なんて起こしたら、テメェも逃げ場がなくなるだろうがっ!)
心中で激しく毒づく片山。まさかこういう事態に陥るとは全くの想定外だった。
仮に抵抗されたとしても、軽く捩じ上げるか見せしめに一人殺してしまえば、簡単に事は進むと思っていた。ところが紛れ込んだネズミはとんだ害獣で、しかも手塩にかけた部下達が次々狩られてしまっている。このままでは自分の本来の仕事に支障をきたす。
(ちぃっ…!)
眉間にグッと深く皺が刻まれ、短髪で元々凄みのあった顔が怒りで更に歪みだす。だがそれも一瞬の事で、直ぐに元の冷静さを取り戻し、再びC―1と交信を始める。
「C―1、そちらの作業は後どれくらい掛かる?」
「八割方は完了してます。残りはそれほど時間掛からず済むと思います。こちらから数人ネズミ狩りの応援に寄越しますか?」
「ああ、頼……」
頼む、という言葉を口にする前に一つの閃きが片山の脳裏に走る。レストランの位置とCチームの居る位置、そして今自分の立っている場所。それらの距離を計算し隼を仕留めるある算段を立てる。あのネズミは正攻法では狩れそうにない、ならばどうするか。
「C―1、そちらの数人で、ネズミを船首方向に向かう通路に追い込んでくれ。追い込むだけでいい」
「了解」
「いいか、そして…」
片山はそうヘッドセットで部下達に指示を出すと、吊り下げているSMGを背中に回し、ショルダーホルスターから黒く光る愛用の銃S&W M19を取り出した。
(続く)
不穏な気配を感じ部下達を追って片山はレストラン方向へと向かっていたところに突然、鈍くそして凄まじい爆発音を伴って空気と船がビリビリと震え出す。
「!!」
ハッと片山が顔を上げると、レストランの区画の窓という窓から激しい勢いで、真黒な煙が間断なく吐き出されており、厨房の窓からは炎の赤い色も激しく踊っている。
直ぐさま船内で火災が起きた事を知らせる警報が、耳をつんざく様に鳴り響く。
(まさか……⁉︎)
片山はひどく嫌な感覚が背筋を走り、慌ててヘッドセットのトランシーバーで呼びかけようとすると、その前に怒鳴り声が飛び込んで来た。
「こちらC-1!何事ですか⁉︎この警報は‼︎それよりさっきのデカイ衝撃は何です⁉︎」
「こちらA-1‼︎先ほどレストランの方で爆発があった‼︎Bチームがネズミどもを追い込んだ方面だ!B-1、応答しろ!おい!B-1‼︎」
一向に応答しないB-1に片山は大きく舌打ちをする。
脳裏に覆面の隼の姿が過ぎり、苦虫を噛んだ様に思い切り顔を歪める。
(正気か!?あの野郎…!!こんな遠洋で火事なんて起こしたら、テメェも逃げ場がなくなるだろうがっ!)
心中で激しく毒づく片山。まさかこういう事態に陥るとは全くの想定外だった。
仮に抵抗されたとしても、軽く捩じ上げるか見せしめに一人殺してしまえば、簡単に事は進むと思っていた。ところが紛れ込んだネズミはとんだ害獣で、しかも手塩にかけた部下達が次々狩られてしまっている。このままでは自分の本来の仕事に支障をきたす。
(ちぃっ…!)
眉間にグッと深く皺が刻まれ、短髪で元々凄みのあった顔が怒りで更に歪みだす。だがそれも一瞬の事で、直ぐに元の冷静さを取り戻し、再びC―1と交信を始める。
「C―1、そちらの作業は後どれくらい掛かる?」
「八割方は完了してます。残りはそれほど時間掛からず済むと思います。こちらから数人ネズミ狩りの応援に寄越しますか?」
「ああ、頼……」
頼む、という言葉を口にする前に一つの閃きが片山の脳裏に走る。レストランの位置とCチームの居る位置、そして今自分の立っている場所。それらの距離を計算し隼を仕留めるある算段を立てる。あのネズミは正攻法では狩れそうにない、ならばどうするか。
「C―1、そちらの数人で、ネズミを船首方向に向かう通路に追い込んでくれ。追い込むだけでいい」
「了解」
「いいか、そして…」
片山はそうヘッドセットで部下達に指示を出すと、吊り下げているSMGを背中に回し、ショルダーホルスターから黒く光る愛用の銃S&W M19を取り出した。
(続く)
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