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「宰相、わらわの肉置はいみじう肥えたであろうか」
姫君は宰相の君、すなわち女房に手渡された単衣に袖を通すと自らの腰に手を当てて振り返る。立てかけた銅鏡には大垂髪をかき分けて盛り上がった豊腰が単衣の白のおかげで際立っている。
「脹よかでよろしいではありませぬか」
朝の装いを整える女房は忙しく五衣を広げている。庭先には日は差しているが御簾の奥には未だ夜の名残がある。
「大臣殿も」
女房の手が止まる。めじろのさえずりが遠く聞こえる。
「大臣殿ものう、そう申すのじゃ、愛いししおきじゃ、とな」
女房は顔を上げた。姫君は薄笑いを浮かべている。殊勝な女房が日々の忙しなさに漫ろはしき胸を紛らそうと懸命なのは知れたことといわぬばかりの顔つきだ。女房の頬にほのかに険が走る。
「無分別なりや、御控えあそばせ」
返事はすげない。姫君は得たりとばかりに声を上げて憎げに言問う。
「そちはいかが思う」
「悦ばしきことかと」
女房が姫君の匂わせに丁ど返す。姫君は単衣が乱れるのもかまわずに、手を休めず頑なにうつむいたまま問いかけに応じる女房の傍らに腰をかがめて耳打ちする。
「そちが育んだ肉置じゃ」
はっと顔を上げる女房は姫君の眼にとらわれる。邪な企みで濡れた眼である。
「のう、そちの悪戯で、ほれ、ここまでに」
姫君はさっと翻るとからだを倒してその勢いのまま単衣の裾を捲り上げた。華奢な御足の付け根にはしたなきほどにふっくらと山成すのは白妙の柔じしである。夜毎の大臣の灼熱の杭打ちで錬られて滴るほどの脂を蓄えつつもその輝きは白磁に勝る。かそけき和毛だったものもいつしか黒々と萌えて縮れ淫らに渦を巻いている。女房はあまりの仕草に息を呑んだ。顔を背けた背が震えている。姫君はその背に素早く寄り添い黒髪を鼻先でかき分けて香りを嗅いだ。女房が息つく間もなく君の蜘蛛のように衣を這う手は襟合せを緩める。
「ああっ、姫様、いけませぬ」
たまらず振り返る女房。険しい眼差しで咎めつつ姫君の細い手首をふせいで鬩ぐも終いには甲斐ない。そのさまはすでに身を任せる心づもりは整い拒むは引き繕いに過ぎぬようにも見えた。姫君の指先は単衣をやすやすとくぐり抜けてその奥の陰にひそんだ。
「腹を据えよ、そちが手馴の技ぞ」
姫君が声を顰めて迫ると女房は観念して眼を閉じた。姫君の舌先がくちびるにふれると女房の口はあわあわと割れて忍び入るのを許した。君の細い指が胸乳を揉みしだく。切なさに悶えつつも女房は鼻を鳴らしながら口吸いに励む。君は女房の襟を広げて胸乳をさらした。幾人かの稚児を育んだ乳にもかかわらずいまだ白桃の如く瑞々しく健やかである。姫君の朱唇は榛摺の乳の先をついばみきりきりと種のように固まるやそれをふくんで強く吸う。苛らぎたった女房は頤を立て眉根を寄せて身も世もなく喘いだ。
「あうっ」
甘く悩ましい疼きが女房を突き上げた。
「乳を吸われ慣れたそなたがいかがされた、まるで処女のようじゃ」
姫君が訝った。女房のうちに高まる切なさは女同士の戯れごとが久しいためだけではなかった。血を滾らせた若者との先の逢瀬が憶え浮かんだのだった。
「宮に抱かれたか」
女房はくちびるを咬んだ。口さがなき女官の賢しらに違いない。懸想の高まりに身を任せた自らの振る舞いを悔いた女房であった。
「そちの肌がそういっておるわ。宮にとっくり吸われたな」
姫君は首級をあげたかのように勝ち誇った。女房は俯き応じない。
「....」
「よいよい、そなたも好きものじゃの」
姫君はやや鼻白んださまで苦笑いした。そして何かを思ひ敢ったかのようにうれしげに言い放った。
「罰を与えよう」
姫君は立ち上がると単衣から腕を抜いて床に落とした。稚き顔立ちにもかかわらずそのからだつきは豊かに盛って満ち満ちていた。二の腕こそまだ細やかだが乳は垂れ下がるほどに膨らみ下腹にもみっちりと脂が積もっていた。荒淫のために早熟し過ぎ、すでに爛れかけているようにも見えた。雄を呼び寄せる腐肉に近い匂いがするようだった。
「吸ってたもれ」
そういうと君は衣の上で獣のように蹲った。背を反らせ尻をもたげるさまは番を求める畜生だった。白尻から饐えた麝香が匂い立った。
「のう、はよう常のように吸ってたもれ、わらわの御火処が疼くのじゃ」
「姫様」
乳をはだけたままの女房は姫の尻に這い寄ると肌に吸いつく二つの肉球をかき分け、もつれた叢の奥で息づく柔貝にくちづけした。喘ぐ君をしり目に蜜にまみれて蠢く肉の裳裾をとらえて吸い上げる。
「おおおお、よき」
ひき捩じられるような姫君の喘ぎ。長髪ををちこちに広げて細腕に突っ伏している。女房は一通り火処を舐ると長年の悪戯で捉えた君の吉舌を強く吸った。君がひきつるように仰け反った。両手の爪先が衣に食い込む。
「おおっ、切なき、ああ」
高々ともたげられた白尻に黒髪の女が吸いつくさまは夜毎魂を抜き取る妖異宛らだった。女房は赴くままにあえかなる君の御陰を苛んだ。こらえ切れぬ喘ぎが君の口からうわうわと漏れ出た。その君の生憎しげなるさまに女房は高ぶり渇いた獣が喉を潤すように派手な音を立てて遮二無二舐め噛みそして吸った。
「ひっ」
息を大きくついた姫君は倒れ伏した。そのまま項垂れてがくがくと震える。女房はその背に手をかけて胸に掻き抱いた。
「おお、愛しや」
女たちはひしと抱き合ってまたくちびるを貪った。
「そちも、な」
姫君は横座りになって膝を立て股を開く。女房はその足の間ににじり寄って自らも君に向けて股を開く。じわじわとからだを手繰り寄せ、互いの太腿を枕にして柔肉の香りを嗜む。姫の火処はもちろん女房もすでに濡れそぼっている。そろりと秘貝に悪戯しては仰け反る二人。
「おお、切ない」
「弄りましょうぞ」
「此度はわらわが」
姫は宰相の冷たく湿った股に頬を擦りつつ和毛のそよぐ渓水に寄った。躊躇わず大人の火処を味わえば熟し切った早く粘しい甘露が舌を刺す。おのずと飽きて離るれば一度吸われた女はうたて燃え焦がれる。
「おおお、姫様、切のうございます」
「宮もこの味わいに酔うたか」
「性無きお戯れを、ああ」
溢れる露を舌で掬いつつ吉舌を吸えば閨で百度練られた女房に似合なく乙女のように尻を震わせて佳がった。つぼを自ずと心得た女ならではの妙技だった。君の薄く小振りの舌は千鳥のように濡れた浜辺を彷徨ってさんざんに女房を責めた。心惑った女房は盛った獣のように鳴いて君の股座に顔を埋めた。いまや巴を成した二人は欲心のままに遊び喘ぎ心行き果つまで互いを慈しんだ。
「そこも」
「麗しゅうございます」
「あ、吸って、吸ってたもれ」
菊座は時雨に濡れそぼってぼってりと咲く淫花の陰に慎ましげに佇んでいる。舌先がふれると君はひと際通る声を上げた。
「あんっ、そこ、切なき、切なきよの」
女房は能く唾を塗って滑りをよくし菊花の芯を白魚の指でえぐった。君は苛らぎ立って癇け釣り上げられた魚のように右左にからだを捩じって身悶えた。女房は慣れた手つきで指を沈める。菊花もずぶずぶと指を呑み込んでゆく。やがて君の後宮は女房の指の根元まで咥え込んだ。
「奥の院ですわ」
「あああ、宰相、切ないのじゃ、もっと辱しめよ、責めてたもれ」
女房は指先を鍵の手にして君の腑を弄る。君はその悍ましき心地に溺れて苦悶の声を上げる。
「宰相、アレを」
「はい」
文箱の引き出しから現れたのは象牙に貝細工と金流しを施した大ぶりの張り型である。女房は酔い痴れた顔つきで手にしたものを矯めつ眇めつしてやがて口元に運んだ。
「温めまする」
そう告げるとあわあわとくちびるを開きぐいと張り出した亀の頭にしゃぶりついた。うんうんと鼻息荒く男を悦ばす業をこれ見よがしに勤める。
「むさに領せずわらわにも助けさせよ」
君は女房の戯しありさまに中てられて艶めき女房の手に余る偽男につと迫った。女房は君の舌先に亀の頭を譲って太茎に指をからめる。遊び場を調えられた姫君は鈴口をちろちろと弄り照りの出た頭を頬張る。極太の男根を懇ろに舐るうるわしき女二人。互いの息遣いと舌の奏でる淫らな音色に酔い惑ってやがてはくちびるを合わせまた貪り始める。
「ね、ここへ」
姫君は逆上せた目つきで卑しき慰みを求めた。膝を立て股を開き切なげに指を噛む。巴でぬめった法性花は常ならぬ赤味と照りを見せて掻い潜み息づいていた。
「なつかしゅうございます」
「そちが、そちが唆したぞよ」
まさに後門の慰みは女房が導いた。目合いに飽いたおさなき姫君は思わざる外の愉楽に逸りたった。此度その痴戯を思い起こしたのはまさに大臣の仕儀であろう。女房は張り型を構えつつ性無き笑みを添えて君に迫った。
「殿のお好みや」
「嫌なことを」
「男女問わず」
「広き仏心じゃ」
「ありがたや」
当て言をも耳貸さず君は塞き敢えぬあまりに眉を顰め尻を擡げた。
「のう、宰相、性無きことをいわず、早うしてたもれ」
泣き顔を見せて君はむずかった。女房は男を欲して急く権高き君の痴れ振りにほくそ笑んだ。母めかして囁いた。「頑是なきや、熟れた大人の戯れでござりまするぞ」
ちゅっという音とともに偽男の頭は法性花に浅く沈んだ。感極まる君の喘ぎ。しかし君は飽かず求めて足りざる侘しさに身悶えた。
「うう、突け、まそっと」
女房の細腕に力がこもる。偽男のすべらかな頭はさして否ばれずに吸い込まれた。君は腑を侵されて胸潰れながら快さに酔った。
「おお、善き哉」
「戯しゅうございます、姫様」
「あ、たまらぬ」
女房も額に汗を浮かべて務めに心を注ぐ。ぐさりと刺さったものを右左に揺らし捩じるのは誰に言われたものでもなく自ずからの技であった。君はからだをくねらせてひときわ大きく鳴いた。
「おお、いい、切なきや、ああ」
「何処がよき具合で、姫様」
女房は常の慣いに従いて惚け乱れる君をば辱めむと言問うた。君の好みを思し知る女房ならではの慮りである。腑を弄られて我を失う君に追い討ちをかけ更に悦ばすためだった。
「ああ、恥ずかしや、憚りて口にできぬ」
「いわずばお止めいたしまする」
「あ、いや、止めそ、お、御居処がいいのじゃ」
「気色立たずに、明に申しませ」
許しを請うが如き哀れな君の眼差しに応ずるのは性無き女房の薄笑いであった。頬を染めた君は観念した。未通女を能くするさまもいとつきづきしい。
「ほ、法性花がいいのじゃ、尻の穴が」
「火処よりも」
「うう、そうじゃ、ほ、火処よりも尻の穴が切のうてたまらぬぅ」
君の声は囁くように微かだった。
「なんと淫らな」
「言うな、そちが、そちが言わせたのじゃ」
乱れながらも顔から火を噴いて羞恥に身悶える姫君。
「では存分に極まりなさいませ」
女房は偽男を握りしめて激しく出し入れした。水音が強まった。
「あっ、いや、たまらぬ、うん」
君の年に似合わぬ熟れ肉がぶるぶるっと音をたてんばかりに揺れた。涎を垂らして恍惚とした面立ちは悦楽の極みというよりも苦悶に近い。
「ああ、いくっ、尻でいくぅ」
甲高い叫びとともに陰所からはびしゃっと女の露がまき散らされた。君は浮かせていた腰を落として俯した。未だ尻が引き攣っていた。自ずと菊座から放り出された偽男は空しく女房の手に残った。悦楽の名残を味わってうねる君の背中を目にした女房の胸に卒然と惨き心持が募った。君の背にそっとふれると女房はひとりごちた。
「うつくしや」
君の口からは言葉にならない啜り上げるような喘ぎが漏れた。
「まだ終わりませぬぞ」
女房の口の端から牙が覗いた。そのままくわっと歯を剥くと偽男をかざして倒れた君の尻をめがけた。
「あ、許せ、もはや」
「ここからでござりまするよ」
「あ、つらい、のう」
仰け反って乳房を揺らす君の背にまたがった女房は白磁の偽男を遮二無二尻に突きたてた。絶叫は次第にまた甘美な彩を帯びはじめ御簾の陰の薄暗がりに沈んでいった。女たちの呻きは朝日が差し込むのを押しとどめていた。
姫君は宰相の君、すなわち女房に手渡された単衣に袖を通すと自らの腰に手を当てて振り返る。立てかけた銅鏡には大垂髪をかき分けて盛り上がった豊腰が単衣の白のおかげで際立っている。
「脹よかでよろしいではありませぬか」
朝の装いを整える女房は忙しく五衣を広げている。庭先には日は差しているが御簾の奥には未だ夜の名残がある。
「大臣殿も」
女房の手が止まる。めじろのさえずりが遠く聞こえる。
「大臣殿ものう、そう申すのじゃ、愛いししおきじゃ、とな」
女房は顔を上げた。姫君は薄笑いを浮かべている。殊勝な女房が日々の忙しなさに漫ろはしき胸を紛らそうと懸命なのは知れたことといわぬばかりの顔つきだ。女房の頬にほのかに険が走る。
「無分別なりや、御控えあそばせ」
返事はすげない。姫君は得たりとばかりに声を上げて憎げに言問う。
「そちはいかが思う」
「悦ばしきことかと」
女房が姫君の匂わせに丁ど返す。姫君は単衣が乱れるのもかまわずに、手を休めず頑なにうつむいたまま問いかけに応じる女房の傍らに腰をかがめて耳打ちする。
「そちが育んだ肉置じゃ」
はっと顔を上げる女房は姫君の眼にとらわれる。邪な企みで濡れた眼である。
「のう、そちの悪戯で、ほれ、ここまでに」
姫君はさっと翻るとからだを倒してその勢いのまま単衣の裾を捲り上げた。華奢な御足の付け根にはしたなきほどにふっくらと山成すのは白妙の柔じしである。夜毎の大臣の灼熱の杭打ちで錬られて滴るほどの脂を蓄えつつもその輝きは白磁に勝る。かそけき和毛だったものもいつしか黒々と萌えて縮れ淫らに渦を巻いている。女房はあまりの仕草に息を呑んだ。顔を背けた背が震えている。姫君はその背に素早く寄り添い黒髪を鼻先でかき分けて香りを嗅いだ。女房が息つく間もなく君の蜘蛛のように衣を這う手は襟合せを緩める。
「ああっ、姫様、いけませぬ」
たまらず振り返る女房。険しい眼差しで咎めつつ姫君の細い手首をふせいで鬩ぐも終いには甲斐ない。そのさまはすでに身を任せる心づもりは整い拒むは引き繕いに過ぎぬようにも見えた。姫君の指先は単衣をやすやすとくぐり抜けてその奥の陰にひそんだ。
「腹を据えよ、そちが手馴の技ぞ」
姫君が声を顰めて迫ると女房は観念して眼を閉じた。姫君の舌先がくちびるにふれると女房の口はあわあわと割れて忍び入るのを許した。君の細い指が胸乳を揉みしだく。切なさに悶えつつも女房は鼻を鳴らしながら口吸いに励む。君は女房の襟を広げて胸乳をさらした。幾人かの稚児を育んだ乳にもかかわらずいまだ白桃の如く瑞々しく健やかである。姫君の朱唇は榛摺の乳の先をついばみきりきりと種のように固まるやそれをふくんで強く吸う。苛らぎたった女房は頤を立て眉根を寄せて身も世もなく喘いだ。
「あうっ」
甘く悩ましい疼きが女房を突き上げた。
「乳を吸われ慣れたそなたがいかがされた、まるで処女のようじゃ」
姫君が訝った。女房のうちに高まる切なさは女同士の戯れごとが久しいためだけではなかった。血を滾らせた若者との先の逢瀬が憶え浮かんだのだった。
「宮に抱かれたか」
女房はくちびるを咬んだ。口さがなき女官の賢しらに違いない。懸想の高まりに身を任せた自らの振る舞いを悔いた女房であった。
「そちの肌がそういっておるわ。宮にとっくり吸われたな」
姫君は首級をあげたかのように勝ち誇った。女房は俯き応じない。
「....」
「よいよい、そなたも好きものじゃの」
姫君はやや鼻白んださまで苦笑いした。そして何かを思ひ敢ったかのようにうれしげに言い放った。
「罰を与えよう」
姫君は立ち上がると単衣から腕を抜いて床に落とした。稚き顔立ちにもかかわらずそのからだつきは豊かに盛って満ち満ちていた。二の腕こそまだ細やかだが乳は垂れ下がるほどに膨らみ下腹にもみっちりと脂が積もっていた。荒淫のために早熟し過ぎ、すでに爛れかけているようにも見えた。雄を呼び寄せる腐肉に近い匂いがするようだった。
「吸ってたもれ」
そういうと君は衣の上で獣のように蹲った。背を反らせ尻をもたげるさまは番を求める畜生だった。白尻から饐えた麝香が匂い立った。
「のう、はよう常のように吸ってたもれ、わらわの御火処が疼くのじゃ」
「姫様」
乳をはだけたままの女房は姫の尻に這い寄ると肌に吸いつく二つの肉球をかき分け、もつれた叢の奥で息づく柔貝にくちづけした。喘ぐ君をしり目に蜜にまみれて蠢く肉の裳裾をとらえて吸い上げる。
「おおおお、よき」
ひき捩じられるような姫君の喘ぎ。長髪ををちこちに広げて細腕に突っ伏している。女房は一通り火処を舐ると長年の悪戯で捉えた君の吉舌を強く吸った。君がひきつるように仰け反った。両手の爪先が衣に食い込む。
「おおっ、切なき、ああ」
高々ともたげられた白尻に黒髪の女が吸いつくさまは夜毎魂を抜き取る妖異宛らだった。女房は赴くままにあえかなる君の御陰を苛んだ。こらえ切れぬ喘ぎが君の口からうわうわと漏れ出た。その君の生憎しげなるさまに女房は高ぶり渇いた獣が喉を潤すように派手な音を立てて遮二無二舐め噛みそして吸った。
「ひっ」
息を大きくついた姫君は倒れ伏した。そのまま項垂れてがくがくと震える。女房はその背に手をかけて胸に掻き抱いた。
「おお、愛しや」
女たちはひしと抱き合ってまたくちびるを貪った。
「そちも、な」
姫君は横座りになって膝を立て股を開く。女房はその足の間ににじり寄って自らも君に向けて股を開く。じわじわとからだを手繰り寄せ、互いの太腿を枕にして柔肉の香りを嗜む。姫の火処はもちろん女房もすでに濡れそぼっている。そろりと秘貝に悪戯しては仰け反る二人。
「おお、切ない」
「弄りましょうぞ」
「此度はわらわが」
姫は宰相の冷たく湿った股に頬を擦りつつ和毛のそよぐ渓水に寄った。躊躇わず大人の火処を味わえば熟し切った早く粘しい甘露が舌を刺す。おのずと飽きて離るれば一度吸われた女はうたて燃え焦がれる。
「おおお、姫様、切のうございます」
「宮もこの味わいに酔うたか」
「性無きお戯れを、ああ」
溢れる露を舌で掬いつつ吉舌を吸えば閨で百度練られた女房に似合なく乙女のように尻を震わせて佳がった。つぼを自ずと心得た女ならではの妙技だった。君の薄く小振りの舌は千鳥のように濡れた浜辺を彷徨ってさんざんに女房を責めた。心惑った女房は盛った獣のように鳴いて君の股座に顔を埋めた。いまや巴を成した二人は欲心のままに遊び喘ぎ心行き果つまで互いを慈しんだ。
「そこも」
「麗しゅうございます」
「あ、吸って、吸ってたもれ」
菊座は時雨に濡れそぼってぼってりと咲く淫花の陰に慎ましげに佇んでいる。舌先がふれると君はひと際通る声を上げた。
「あんっ、そこ、切なき、切なきよの」
女房は能く唾を塗って滑りをよくし菊花の芯を白魚の指でえぐった。君は苛らぎ立って癇け釣り上げられた魚のように右左にからだを捩じって身悶えた。女房は慣れた手つきで指を沈める。菊花もずぶずぶと指を呑み込んでゆく。やがて君の後宮は女房の指の根元まで咥え込んだ。
「奥の院ですわ」
「あああ、宰相、切ないのじゃ、もっと辱しめよ、責めてたもれ」
女房は指先を鍵の手にして君の腑を弄る。君はその悍ましき心地に溺れて苦悶の声を上げる。
「宰相、アレを」
「はい」
文箱の引き出しから現れたのは象牙に貝細工と金流しを施した大ぶりの張り型である。女房は酔い痴れた顔つきで手にしたものを矯めつ眇めつしてやがて口元に運んだ。
「温めまする」
そう告げるとあわあわとくちびるを開きぐいと張り出した亀の頭にしゃぶりついた。うんうんと鼻息荒く男を悦ばす業をこれ見よがしに勤める。
「むさに領せずわらわにも助けさせよ」
君は女房の戯しありさまに中てられて艶めき女房の手に余る偽男につと迫った。女房は君の舌先に亀の頭を譲って太茎に指をからめる。遊び場を調えられた姫君は鈴口をちろちろと弄り照りの出た頭を頬張る。極太の男根を懇ろに舐るうるわしき女二人。互いの息遣いと舌の奏でる淫らな音色に酔い惑ってやがてはくちびるを合わせまた貪り始める。
「ね、ここへ」
姫君は逆上せた目つきで卑しき慰みを求めた。膝を立て股を開き切なげに指を噛む。巴でぬめった法性花は常ならぬ赤味と照りを見せて掻い潜み息づいていた。
「なつかしゅうございます」
「そちが、そちが唆したぞよ」
まさに後門の慰みは女房が導いた。目合いに飽いたおさなき姫君は思わざる外の愉楽に逸りたった。此度その痴戯を思い起こしたのはまさに大臣の仕儀であろう。女房は張り型を構えつつ性無き笑みを添えて君に迫った。
「殿のお好みや」
「嫌なことを」
「男女問わず」
「広き仏心じゃ」
「ありがたや」
当て言をも耳貸さず君は塞き敢えぬあまりに眉を顰め尻を擡げた。
「のう、宰相、性無きことをいわず、早うしてたもれ」
泣き顔を見せて君はむずかった。女房は男を欲して急く権高き君の痴れ振りにほくそ笑んだ。母めかして囁いた。「頑是なきや、熟れた大人の戯れでござりまするぞ」
ちゅっという音とともに偽男の頭は法性花に浅く沈んだ。感極まる君の喘ぎ。しかし君は飽かず求めて足りざる侘しさに身悶えた。
「うう、突け、まそっと」
女房の細腕に力がこもる。偽男のすべらかな頭はさして否ばれずに吸い込まれた。君は腑を侵されて胸潰れながら快さに酔った。
「おお、善き哉」
「戯しゅうございます、姫様」
「あ、たまらぬ」
女房も額に汗を浮かべて務めに心を注ぐ。ぐさりと刺さったものを右左に揺らし捩じるのは誰に言われたものでもなく自ずからの技であった。君はからだをくねらせてひときわ大きく鳴いた。
「おお、いい、切なきや、ああ」
「何処がよき具合で、姫様」
女房は常の慣いに従いて惚け乱れる君をば辱めむと言問うた。君の好みを思し知る女房ならではの慮りである。腑を弄られて我を失う君に追い討ちをかけ更に悦ばすためだった。
「ああ、恥ずかしや、憚りて口にできぬ」
「いわずばお止めいたしまする」
「あ、いや、止めそ、お、御居処がいいのじゃ」
「気色立たずに、明に申しませ」
許しを請うが如き哀れな君の眼差しに応ずるのは性無き女房の薄笑いであった。頬を染めた君は観念した。未通女を能くするさまもいとつきづきしい。
「ほ、法性花がいいのじゃ、尻の穴が」
「火処よりも」
「うう、そうじゃ、ほ、火処よりも尻の穴が切のうてたまらぬぅ」
君の声は囁くように微かだった。
「なんと淫らな」
「言うな、そちが、そちが言わせたのじゃ」
乱れながらも顔から火を噴いて羞恥に身悶える姫君。
「では存分に極まりなさいませ」
女房は偽男を握りしめて激しく出し入れした。水音が強まった。
「あっ、いや、たまらぬ、うん」
君の年に似合わぬ熟れ肉がぶるぶるっと音をたてんばかりに揺れた。涎を垂らして恍惚とした面立ちは悦楽の極みというよりも苦悶に近い。
「ああ、いくっ、尻でいくぅ」
甲高い叫びとともに陰所からはびしゃっと女の露がまき散らされた。君は浮かせていた腰を落として俯した。未だ尻が引き攣っていた。自ずと菊座から放り出された偽男は空しく女房の手に残った。悦楽の名残を味わってうねる君の背中を目にした女房の胸に卒然と惨き心持が募った。君の背にそっとふれると女房はひとりごちた。
「うつくしや」
君の口からは言葉にならない啜り上げるような喘ぎが漏れた。
「まだ終わりませぬぞ」
女房の口の端から牙が覗いた。そのままくわっと歯を剥くと偽男をかざして倒れた君の尻をめがけた。
「あ、許せ、もはや」
「ここからでござりまするよ」
「あ、つらい、のう」
仰け反って乳房を揺らす君の背にまたがった女房は白磁の偽男を遮二無二尻に突きたてた。絶叫は次第にまた甘美な彩を帯びはじめ御簾の陰の薄暗がりに沈んでいった。女たちの呻きは朝日が差し込むのを押しとどめていた。
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