鉛の矢を持ったキューピッド~なぜか婚約破棄に巻き込まれる留学生たち~

尾形モモ

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最低の告白~友人が悪役令嬢にされそうになった~

ハナ・ムラサキ④

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「それなら、ハナの私物が壊されたという件はどうだ! 他の女子生徒と共謀しノートを破られペンを折られたこと、ダンスの授業に使うドレスを泥水で汚されてしまったこと、どちらも担任に訴えていただろう!」

 うん、それも確かにあったことなんですけどね。

「ノートやペンは教室に置いていたものですから、学園の生徒であれば誰でも壊すことができます。ドレスも学園が用意した貸し出し用のドレスでしたから、やはり汚したのがヴィクトリア様だとは断定できません。むしろヴィクトリア様は困っている私に勉強を教えてくださったり、『私のお古ですが、よろしければ』と自分のドレスを譲ってくださったりしましたよ?」

 そのおかげで私の成績は急上昇。ドレスもどこの舞踏会に出ても恥ずかしくない超・高級品だったからすごくありがたかったです。ヴィクトリア様には感謝してもしきれません!

「な、なら、寮の部屋を荒らされたという件はどうだ!」



 あ、ついにその話を持ち出してきましたか。



 実を言うと、犯人の目星はついている。でも、それを言ったら間違いなくライジェルとジェドの国際問題になってしまう。留学生を装って密偵を送り込む国は少なくないし、私が疑われるのも仕方ないから我慢しようと思っていたのだけれど……。

「女子寮の部屋は寮母が監視しているし、個人の鍵はそれぞれ本人が保管している! 合い鍵を作ることができるのは学園卒業生や関係者を多数親族に抱える由緒正しい貴族の人間だけだ! そんな権力を持っているのはデューク公爵家令嬢である、ヴィクトリアしかいない!」

「はい、仰る通りです」

 デューク公爵のこの国での影響力を考えれば、それぐらいのことは確かに容易いだろう。他の貴族の子女に言うことを聞かせるのも、難しくない簡単なことのはずだ。まぁ、ヴィクトリア様がその力をいい方向に使っていたから問題ないけどね。暗殺者とか雇われなくて良かった、と思ったのはさておき私は続ける。

「確かに大勢の人間を操って一人の女子生徒に嫌がらせをするにはかなりの権力を持った後ろ盾がないと無理でしょう。その点では確かに公爵令嬢は怪しい。ですが、お忘れですか? この学園にはもう一人、他の貴族たちより圧倒的な権力を持った家を持つ生徒がいることを。例えば、王家の後ろ盾とか……」

「な、ハナは俺を疑ってるのか!」

「いえ、『ライジェル王家』と口にしただけで王子だと申し上げたわけではございません。そのように聞こえてしまったのでしたら、謹んでお詫びいたします」



 この学園に王家の人間は、エドワード王子以外一人もいないんだけどね。一応とぼけながら私は、話を続ける。


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