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ヘタレ王子の大舞台~婚約破棄!? 大作戦~
シズク・アマノ③
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「てっ……『トリア・エーズ・カメー公爵令嬢、貴様の悪逆非道な行いの数々、誠に許しがたい』っ!」
どもりながらも、兼ねてから望んだ台詞を熱を込めて口にする王子。
いや、今の彼の名は『ドッカーノ』だ。そして私の役名は『テキトーナ・ナマーエ』。要は私たちは王子の茶番……ではない、芝居に参加しているのだ。
従者の提案はこうだ。
私が留学生仲間から聞いた話を元に、王子と平民のラブストーリーの脚本を書く。それを学園祭で余興として披露しよう、というただそれだけのことだ。
……それほど名案ってわけでもないと思うのだけど、今まで王家の人間が舞台を演じるということがなかったせいか普段は王子の言動に呆れかえっている人々も真剣な眼差しをこちらに向けている。ちなみにこれを思いついた従者はへーボン伯爵という台詞は少ないがいい役をしているのだ。……脚本を書いたのは私なのに、なぜ彼だけ楽でいい役を得ているのだろう。ちょっと腹が立つ。
そんな私の内心をよそに、舞台は進んでいく。断罪されるトリア令嬢を演じているのは、王子の実妹でもあるヘレン様だ。兄のわがままに付き合わされるのは大変だなぁと思うが、わざとらしくヒステリックな声を上げるその様子はどこかこの状況を楽しんでいるようだ。意外と演劇に出てみたいという願望があるのかしら? なんて思いつついると王子がこちらを向く。
そう、ここからがこの大舞台の一番の見せ場。ドッカーノがテキトーナとの婚約を宣言する、一番大事な場面だ。
さぁ王子、ここが一番かっこいい所よ? ばしっと決めちゃいなさい?
「よよっ、『余はトリアとの婚約を破棄する!』そして———」
王子が私の方を向き、そのまま固まる。緊張でかちこちになった彼は、しばらく唇を空回りさせた。
ちょっと、主役なんだからしっかりしてよ! そう思う私をよそに、王子は口を開く。
どもりながらも、兼ねてから望んだ台詞を熱を込めて口にする王子。
いや、今の彼の名は『ドッカーノ』だ。そして私の役名は『テキトーナ・ナマーエ』。要は私たちは王子の茶番……ではない、芝居に参加しているのだ。
従者の提案はこうだ。
私が留学生仲間から聞いた話を元に、王子と平民のラブストーリーの脚本を書く。それを学園祭で余興として披露しよう、というただそれだけのことだ。
……それほど名案ってわけでもないと思うのだけど、今まで王家の人間が舞台を演じるということがなかったせいか普段は王子の言動に呆れかえっている人々も真剣な眼差しをこちらに向けている。ちなみにこれを思いついた従者はへーボン伯爵という台詞は少ないがいい役をしているのだ。……脚本を書いたのは私なのに、なぜ彼だけ楽でいい役を得ているのだろう。ちょっと腹が立つ。
そんな私の内心をよそに、舞台は進んでいく。断罪されるトリア令嬢を演じているのは、王子の実妹でもあるヘレン様だ。兄のわがままに付き合わされるのは大変だなぁと思うが、わざとらしくヒステリックな声を上げるその様子はどこかこの状況を楽しんでいるようだ。意外と演劇に出てみたいという願望があるのかしら? なんて思いつついると王子がこちらを向く。
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王子が私の方を向き、そのまま固まる。緊張でかちこちになった彼は、しばらく唇を空回りさせた。
ちょっと、主役なんだからしっかりしてよ! そう思う私をよそに、王子は口を開く。
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