鉛の矢を持ったキューピッド~なぜか婚約破棄に巻き込まれる留学生たち~

尾形モモ

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エピローグ

カグヤ・ツクヨミ③

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「ソフィア様! ソフィア様はいらっしゃいますか!」

 私が必死に呼びかければ、びくっと怯えるような人影を見つける。

 どうやら外の茂みに隠れて、泣いていたらしい彼女はおずおずと私に向かって顔を上げた。

 小さな目と鼻に、分厚い唇。頬にはそばかすの海が広がり、美しいというにはコンプレックスの目立つ顔立ちだった。今はさんざん泣いた後ということもあってか、顔が真っ赤でますますひどいことになっているが……
 だけど今は、彼女を説得しないことには話が進まない。

「申し訳ありません、ソフィア様。私はジェドからの留学生カグヤ・ツクヨミでございます。あの、先ほど大変辛い思いをされたばかりですが……その、ユラン王子に国外追放を言い渡されたとなればご実家の公爵家にも連絡が行くでしょう」

「っ……そうですわね……そうなれば、私は勘当されてしまうでしょう……そうすると、私はこれからどうやって生きていけばいいのか……」

 じわり、と目元に涙を滲ませさらに泣き出そうとするソフィア。それを制止しようと、私は慌てて言葉を被せる。

「あの、よろしければ私と一緒にジェドに渡りませんか? 私は留学が終わったので、これから母国であるジェドへ戻ることになっています。なので明日にはこの国を出ることになるので……ソフィア様、よろしければ『留学先で出会った友人』として私についてきていいだけませんか……?」

「……カグヤ様、一体なぜそのようなことをおっしゃるのです……?」

 ぐすんぐすんと泣きながら、それでも一縷の望みを見出したらしいソフィアへ私は断言する。



「あなたが、非常に優秀な女性だからです」



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