米国名門令嬢と当代66番目の勇者は異世界でキャンプカー生活をする!~錬金術スキルで異世界を平和へ導く~

だるま 

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王都で会った男は胡散臭さ全開

王都で会った男は胡散臭さ全開②

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「おや?あれは……」

 公爵もこちらに向かってくる人物に気がついた様で、手を振る。派手な身なりの男はそれに応え、軽く手を上げた。
二人は知り合いなんだろう。

「あの赤毛の人だれ?」

「彼はエイブラッドの父親違いの弟なんだよ。今日来ると事前に伝えてはいたけど、現れるタイミングが良すぎるな。怖い怖い」

 公爵は笑顔のままマリに身震いしてみせる。マリ達が来た時に、偶然城門の外に出ただけかもしれないのに、怖がる意味が分からない。
 赤毛の男は長い足をサクサク動かし、あっという間にマリ達の近くまで来た。
 間近で見ると、エイブラッドには全く似ておらず、キツネ目で、薄い唇は不自然な程口角が上がっている。どちらかというと美形の類なのだが、人に媚び慣れたテレビタレントの様な顔立ちをしている。あざとい感じで、あまり良くない印象を持った。
 それでも所作が優美なので、大人の女性にはモテそうだ。

「遠いとこからよう来てくれはりました。キングスガーデンへようこそ」

 マリは耳を疑った。大阪出身の母の話しかたにソックリなのだ。記憶が正しいなら、関西弁と言う方言で、家庭教師が教えてくれた日本語とだいぶ違う。

「やぁ、モイス。多忙の君が城壁の外まで出迎えに来てくれるとはね」

「久しぶりですねフレイティア公。貴方の領地、かなり大変やったと聞きましたよ」

 モイスと呼ばれる男の口から出てくる関西弁に驚きまくるマリを他所に、異世界人同士の会話は続く。

「僕一人だけだったら、街を放棄したかもしれない。だけど、彼女達が居てくれたから、僕は少々の雑用をするだけで済んだんだ」

「兄に教えてもらいましたわ。選定者が街を一つ救ったとね。彼女がマリ・ストロベリーフィールド様ですよね? 肉眼で見るとえらい神々しくて目が潰れてしまいそうや」


 男は、まるで何かごしにマリを見た事があるかの様に言う。正直気持ちが悪くて、露骨に顔を歪める。

「肉眼ってなんなの?」

「彼はね、千里眼というスキルを持っているんだよ。半径10キロ内の人、物、屋外にあるなら何でも見る事が出来るんだ」

「ほぉ、グーグルアースみたいなスキルですね」

「あー確かに! すっごい便利そう」

 マリとセバスちゃんは自分達だけが分かるイメージで理解し、盛り上がるが、他三人は微妙な表情で沈黙した。グレンはともかく、公爵と赤毛の男は異世界人だから当然の反応だ。
 彼等を置き去りにするのも悪いので、自己紹介をする事にする。

「えぇと……。私がマリ・ストロベリーフィールドで間違いないよ。こっちの太ってるのがセバスちゃんで、痩せてるのがグレン」

 マリがいいかげんに紹介すると、それぞれのやり方でモイスに礼をした。

「モイス・ソニシア言います。城門前にゴミ共がたむろしてましたんで、お迎えに上がりましてん」

「ゴミ……」

 物腰が柔らかそうなのに、人を見下し慣れた言葉が妙に引っかかる。加えて、彼は公爵を迎えに来たはずなのに、然程興味が無さそうなのだ。その視線は終始マリの方を向いている。とても寒々しく感じるのは気のせいだろうか?

「行きましょか。こんな所で立ち話をしていたらお肌が乾燥してしまいまっせ」

 マリは釈然としない気持ちを抱えながら、皆の後をついて行く。

「モイス様が戻って来られたぞ! さっさとコイツらを脇に寄せろ!」

「そろそろ片付きます!」

 城門周辺では門番らしき者達が複数人で長い槍を使い、人々をどかし、道を作っていた。

「ご苦労」

「モイス様のお役に立てて光栄でございます!」

 モイスの方が、門番達よりもずっと若そうなのに、このやり取り……。モイスは相当社会的地位が高い人物のようだ。それに、門番達から崇拝に近い感情を持たれている。政治家か何かなのだろうか?

 マリは彼の背中に揺れる三つ編みをジッと見ながら門を通り抜けた。
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