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神天地編
第12神話 儀式③
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「あー…疲れたぁ…」
ラヴァナが地面に寝そべって休んでいる。
無事に儀式を完了した私達はそれぞれ地面に寝そべったり、座って体を休ませる。
これ以上動くのはもう限界だ。
「…マガミ?大丈夫?おーい?」
寝そべりながらラヴァナがマガミに呼びかけるがマガミは全く反応しない。
違和感に気づき、少し耳を澄ます。
「すー…すー…」
「あ…寝てる。」
力を使いすぎたことで疲れてそのまま眠ってしまったのか。
「寝かしといてあげてや。こいつもお疲れなんやろ。」
マガミが気遣うように呼びかける。
この深い眠りから暫くは起きることは無いだろう。
「あとでこいつの部屋連れてってやろう。にしても想像以上に疲れたなぁ。」
「ふぅ……過労死寸前だったわよホントに。一日数時間で体壊すってどこのブラック企業よ。」
ラヴァナはボケるように言うが、本当にあの状態のままでは危なかった。
ラルバが持っていた回復薬が無ければ今この世にはいない。
「…ま、取り敢えず休もうぜ。お疲れだったな。ほれ。」
ラルバは空間の裂け目を労働者達の近くに設置し、そこから1Lペットボトルに入った麦茶がでてくる。
「おっ、サンキュー。」「頂戴するでー。」
マサルとラヴァナは感謝の言葉を告げて2人は蓋を開ける。
そして口へ目掛けてゴキュゴキュと一気飲みをする。
「「んぐはぁーっ!全細胞に染み渡るぅあー!」」
2人の目玉が同時に白目になりそうなギリギリまで上がる。
「回復薬なんかよりも、こっちの方が断然効いてそうだな。」
「んやぁ、これ麦茶?ホント?なんか麦じゃなくて白い粉とか入ってない?」
「マサル、イッた目で言うな。怖くなってくるから。」
そんな2人とラルバがコントを繰り広げている裏で、ネヴァは過剰にそわそわしていた。
(それよりも…叶夢は……)
早く行かないと。ウランをずっと待たせるわけには行かない。
そんな思いが彼女の中を巡る。
「…ネヴァ?」
「はえっ?」
顔を横に向けるとそこにはラルバがこちらを向いていた。
「どした?さっきから静かだし麦茶も飲んでないし…気分でも悪いのか?」
「ん、い、いや…大丈夫だ。」
ネヴァは誤魔化そうとするが、その異変を見逃すラルバではなかった。
「……無理すんなよ?今の所計画は順調なんだからな。」
ぎくっ
ラルバはネヴァの急かす心を読み、落ち着かせようと試みた。
それに対して
「あ、あぁ……ありが…」
労いの言葉を掛けてくれたラルバに応答しようとしたときだった。
ーーあーあーあー……聞こえるかお前等?
またもやテレパシーとして全員の脳内に流れ込む。ウラさんだ。
「おぉウラン!魔法陣完成したで!」
マサルが意気揚々と答える。
…それにしてもまた何の用だろうか?
ーーそこの人間を魔法陣に連れてこい。
「…え?もうですか?」
ーーあぁ、すぐだ。
「え、えーとウラさん。まだ俺達完全に回復してなくてですね……」
かくかくしかじかウランに状況説明をする。
ただその裏でネヴァは
(…行かないと…!)
何故かネヴァはひたすらに焦っていた。
心をさっきから落ち着かせようとしても早く早くと行動を促そうと儀式が終わった後からしつこいのだ。
あぁ…もう限界だ。
ーー……なるほど。では休憩したら早急に頼むぞ?
そう言ってすぐにウランは切ってしまった。
「あ、いっちゃった………」
ラヴァナは小さく呟く。
「……にしてもやけに行動が早いんなぁウランのやつ。そんなに緊急事態が起こっとるんか?」
「……まぁ休む事は許可はされてるんだ。お前等安静に……」
「……ラルバ?」
ラルバは皆んなの方へ振り返ると、あるものがいないことに気づく。
「ネヴァは……?」
「「あれ?」」
マサル達も気づいてなかったようだ。
いつの間にかネヴァは姿を消していた。一体どこへ?まさか……
「バカタレが……!」
ラルバは察し、ネヴァの跡を追おうとするが
「ラルバ!待ってくれ!」
マサルが瞬間移動をする直前に引き止める。
「な、なんだよ…マサル。」
こうもネヴァが一大事なのに、何故止めるのだろうか?
「ここはワイが行く!お前はここで待っとけ!」
「な、なんでだよ……」
「なんでもこうも、いざって時はお前しかおらんのやぞ!もし、この間にじげんの神がウラさんに反撃を始めたら、半分の力の今、太刀打ちできん!」
「う……」
もっともな意見に反論できず、引き下がるしかできなかった。
「すぐにウランのサポートに回るように立ち回れるのはお前しかいないんだ。分かるだろ?」
「…わ、分かったよ!任せる!ただ早めに頼む!」
押し負けたラルバはマサルに託す。
「おう…じゃあ、行ってくるわ。」
そうしてマサルは裂け目を展開させる。
ラヴァナが地面に寝そべって休んでいる。
無事に儀式を完了した私達はそれぞれ地面に寝そべったり、座って体を休ませる。
これ以上動くのはもう限界だ。
「…マガミ?大丈夫?おーい?」
寝そべりながらラヴァナがマガミに呼びかけるがマガミは全く反応しない。
違和感に気づき、少し耳を澄ます。
「すー…すー…」
「あ…寝てる。」
力を使いすぎたことで疲れてそのまま眠ってしまったのか。
「寝かしといてあげてや。こいつもお疲れなんやろ。」
マガミが気遣うように呼びかける。
この深い眠りから暫くは起きることは無いだろう。
「あとでこいつの部屋連れてってやろう。にしても想像以上に疲れたなぁ。」
「ふぅ……過労死寸前だったわよホントに。一日数時間で体壊すってどこのブラック企業よ。」
ラヴァナはボケるように言うが、本当にあの状態のままでは危なかった。
ラルバが持っていた回復薬が無ければ今この世にはいない。
「…ま、取り敢えず休もうぜ。お疲れだったな。ほれ。」
ラルバは空間の裂け目を労働者達の近くに設置し、そこから1Lペットボトルに入った麦茶がでてくる。
「おっ、サンキュー。」「頂戴するでー。」
マサルとラヴァナは感謝の言葉を告げて2人は蓋を開ける。
そして口へ目掛けてゴキュゴキュと一気飲みをする。
「「んぐはぁーっ!全細胞に染み渡るぅあー!」」
2人の目玉が同時に白目になりそうなギリギリまで上がる。
「回復薬なんかよりも、こっちの方が断然効いてそうだな。」
「んやぁ、これ麦茶?ホント?なんか麦じゃなくて白い粉とか入ってない?」
「マサル、イッた目で言うな。怖くなってくるから。」
そんな2人とラルバがコントを繰り広げている裏で、ネヴァは過剰にそわそわしていた。
(それよりも…叶夢は……)
早く行かないと。ウランをずっと待たせるわけには行かない。
そんな思いが彼女の中を巡る。
「…ネヴァ?」
「はえっ?」
顔を横に向けるとそこにはラルバがこちらを向いていた。
「どした?さっきから静かだし麦茶も飲んでないし…気分でも悪いのか?」
「ん、い、いや…大丈夫だ。」
ネヴァは誤魔化そうとするが、その異変を見逃すラルバではなかった。
「……無理すんなよ?今の所計画は順調なんだからな。」
ぎくっ
ラルバはネヴァの急かす心を読み、落ち着かせようと試みた。
それに対して
「あ、あぁ……ありが…」
労いの言葉を掛けてくれたラルバに応答しようとしたときだった。
ーーあーあーあー……聞こえるかお前等?
またもやテレパシーとして全員の脳内に流れ込む。ウラさんだ。
「おぉウラン!魔法陣完成したで!」
マサルが意気揚々と答える。
…それにしてもまた何の用だろうか?
ーーそこの人間を魔法陣に連れてこい。
「…え?もうですか?」
ーーあぁ、すぐだ。
「え、えーとウラさん。まだ俺達完全に回復してなくてですね……」
かくかくしかじかウランに状況説明をする。
ただその裏でネヴァは
(…行かないと…!)
何故かネヴァはひたすらに焦っていた。
心をさっきから落ち着かせようとしても早く早くと行動を促そうと儀式が終わった後からしつこいのだ。
あぁ…もう限界だ。
ーー……なるほど。では休憩したら早急に頼むぞ?
そう言ってすぐにウランは切ってしまった。
「あ、いっちゃった………」
ラヴァナは小さく呟く。
「……にしてもやけに行動が早いんなぁウランのやつ。そんなに緊急事態が起こっとるんか?」
「……まぁ休む事は許可はされてるんだ。お前等安静に……」
「……ラルバ?」
ラルバは皆んなの方へ振り返ると、あるものがいないことに気づく。
「ネヴァは……?」
「「あれ?」」
マサル達も気づいてなかったようだ。
いつの間にかネヴァは姿を消していた。一体どこへ?まさか……
「バカタレが……!」
ラルバは察し、ネヴァの跡を追おうとするが
「ラルバ!待ってくれ!」
マサルが瞬間移動をする直前に引き止める。
「な、なんだよ…マサル。」
こうもネヴァが一大事なのに、何故止めるのだろうか?
「ここはワイが行く!お前はここで待っとけ!」
「な、なんでだよ……」
「なんでもこうも、いざって時はお前しかおらんのやぞ!もし、この間にじげんの神がウラさんに反撃を始めたら、半分の力の今、太刀打ちできん!」
「う……」
もっともな意見に反論できず、引き下がるしかできなかった。
「すぐにウランのサポートに回るように立ち回れるのはお前しかいないんだ。分かるだろ?」
「…わ、分かったよ!任せる!ただ早めに頼む!」
押し負けたラルバはマサルに託す。
「おう…じゃあ、行ってくるわ。」
そうしてマサルは裂け目を展開させる。
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