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神天地編
第1神話 神②
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ーーーー数分後
「ま、まぁ、とりあえず説明してやろう。お前も疑問が山ほどあるだろうしな。今から言うことはお前にとって現実から掛け離れたことを言うから、よく聞いとけよ?」
「は、はい!」
男性はすぐに切り替えて説明をはじめた。
俺もそれに伴って、頭に貯まりに貯まった情報を処理するために意識を向ける。
「まず、お前は間違いなく死んでいた。鉄パイプによる何度もの殴打によってな。ここまでは理解できるか?」
理解しているかの確認を男性が取り、相槌を打つように俺は頷いた。
「OK。んで、大事なのはここからだ。単刀直入に言うと、お前がそうして意識を持っているのは、俺がお前の魂を成仏させないように魂を留めているからだ。」
(・・・・・は?)
どうにか話の内容を理解しようとしたが、最早そんなレベルではないようだ。
「…正確には、お前があの世に行かないように俺の[じげんを操る能力]によって冥界に行こうとする魂の動きを止めている。つまり今のお前は成仏出来てない地縛霊ってとこかな。実体の時の痛みは、もう無くなっているだろ?」
俺の困惑している顔色をうかがい、もう少し詳細に説明をしてくれた。
「は、はぁ…なるほど?」
なんとなくだがつまりはこういうことだろう、死んでしまったため痛覚はなくなり、実体とはまた違う霊体という体になっているから傷が消えているのか。
だが『次元を操る』というものがよく分からない。俺は首を傾げた。
その様子を見てまた相手は口を開く。
「んー……。次元っていうのはいくつかの軸を持つ、ある空間や時間とかの広さみたいなもんだ。一次元、二次元、三次元ていう言葉を聞いたことがあるだろ?」
「あぁ、アニメとかの平面世界を2次元で、3次元とかが俺達の住む立体世界っていうあのニュアンスですか?」
「おぉ、それそれ。根本の部分を分かるだけでも、説明しやすくて助かるよ。」
成る程……って言いたいけれども何故それで俺の魂みたいなもの止められるんだ?
そもそも次元を操ることがどうして魂を止めることに関係するのか、全く分からない。益々首を傾げる。
「まぁ~…難しいよな。ということでまず次元をさらに詳しく教えてやろう。」
「まず、次元っていう概念は物理学では重さ・長さ・時間の3つの概念そのものが次元っていう括りに入る。」
「んで、数学的には一つの空間がどのように広がっているのかを把握するために、x、y座標といった座標を数値で表すものに使われる概念と定義されている。」
「はぁ……な、成る程?」
「・・・・・・・・・・(口ではそう言ってっけど明らかに分かってなさそうだな。)」
男が何故か俺の方を細い目で見ている。何か俺に言いたいことでもあるのだらろうか。
「……簡単に言えば次元に関わる物だったら俺は座標を使って場所を特定できたり、時間を操ったり、瞬間移動をしたり、ありとあらゆる質量を操ることだって出来るのさ。」
それを聞いてやっと理解し、はてなマークから電球マークへと早変わりした。
「あぁ、成る程です!」
と相槌を打つ。
「フゥ・・・・・」
男は説明するのに少し疲れたのか、小さな溜め息を吐く。
「じゃ、じゃあ俺はそんな力を持つ人の世界に転生したんですか!?」
「いや、違うけど。」
俺の発言が真っ向から否定され、異世界じゃないことにがっかりした。
そりゃ景色とか見た感じは一緒だし、何となくは分かってたよ。うん分かってた。
でももう少し異世界の夢を見せてもらってもいいじゃない……
「お前な……異世界無双とか、ラノベみたいなの読んだりするんだろうが、あんな上手く自分の思うような転生なんて中々出来ないぞ?」
「…じゃあこの世界は何なんですか?天国か地獄に行く前?」
現実に落ち込みながら、青髪の男性に話しかける。
「んー…一言で言うと、俺達が今いる空間はお前の生きていた世界よりも高レベルな次元の空間かな。だからお前のいた世界からは誰も俺達に干渉することは出来ない…おっと。そうこう話している内に……」
ピーポーピーポー
ふと、青髪の男性が向いた方向をみるといつの間にか生前に何度聞いたかわからないサイレンが聞こえてきた。
「あ……」
救急車が来ていたのだ。そういえば山田が呼んでいたな。
隊員たちはすぐに救急車から降りた。
ーーー患者は!?
ーーーすべり台の近くです!
焦燥感に駆られる隊員達が向かってくる。
(やっと来……)
ーー意識は!?
ーー無し!重体だそうです!
(……あれ?)
だが隊員達は担架を運びながら、すぐ目の前にいた俺の存在に気づかず素通りして走っていった。
そこで俺は青髪の男性の言っていたことを思い返す。
(そうか…干渉出来ないってことは俺の姿すらも見えないし、俺の声も聞こえないのか…)
これを見て、改めて死んだことを実感することが出来た。かといってそんなに悲しいわけじゃなく寧ろ嬉しいまである。
(やっと死ね……ん?……そういや……)
そして隊員の様子を見ていると俺はとある事に気づいた。
(俺の体はどこだ?)
隊員が俺が死んだはずの場所で虚空を持ち上げ、担架に乗せて救急車へと戻っていく。だが担架には誰も乗っていない。
俺は確かにあの辺りで死んで……けど何故かあそこで起きて……あの後…探索して……。
この時俺はあることに気づく。
「あれ、俺は今本当に霊体なのか?実体のまま蘇った?いや、けど明らかに見えない何かを乗せてたし……」
さっき見渡した時には俺の実体は無かった。だが救急隊員達はそのまま担架を救急車に乗せて、リアゲートを閉めてサイレンを鳴らしながら行ってしまった。
それを見届けると同時に、青い髪の男性が俺の疑問に対して答えた。
「いや、お前は確かに死んでるよ。」
「じゃあ、俺の元の体は……何で…」
「お前の実体はもう魂が抜けてる。実体はもう抜け殻となってお前の生きていた世界での役目を終えたんだ。役目を終えたものは存在を否定、簡単に言えばこの世に存在しなくていいと世界に判断されて最終的には元々生きていた次元よりも超低次元な存在になる。」
「超低次元?」
「超低次元ってのは全ての力がとても弱い生物とか物体、物質が蔓延る次元だ。人間は死んだら体はただの冷たくて、人の形をしただけの物体になってしまうだろ?つまり今、俺達がいるこの高次元の場所だと見えなくなる程に君の元の体は弱くなってしまったんだよ。」
「ということは……」
「そう、こことはまた違う別次元の存在へと君の体は退化した。」
取り敢えず説明してくれたことで無傷な理由や今置かれている自分の状況については分かった。だが、まだ疑問は山程ある。
「……あなたは一体何者なんだ?俺が死ぬ所を見てたんですか?それに『やっと…見つけた』ってあなたですよね?僕に一体何があるんです?」
一気に質問攻めをしてしまうぐらいの連続の未知と対面してしまったことにより、この青髪の男性に対する好奇心が抑えられなくなってしまった。
「おーおー。人間ってのは好奇心旺盛だねぇ。まぁ、ゆっくり話すから落ち着きな。」
「……」
不思議だ。何故か話しているとコイツのゆったりとしたペースに乗せられてしまう。
にしても妙に落ち着くような…?
「まず、俺の正体だが、俺は――
神だ。」
「ま、まぁ、とりあえず説明してやろう。お前も疑問が山ほどあるだろうしな。今から言うことはお前にとって現実から掛け離れたことを言うから、よく聞いとけよ?」
「は、はい!」
男性はすぐに切り替えて説明をはじめた。
俺もそれに伴って、頭に貯まりに貯まった情報を処理するために意識を向ける。
「まず、お前は間違いなく死んでいた。鉄パイプによる何度もの殴打によってな。ここまでは理解できるか?」
理解しているかの確認を男性が取り、相槌を打つように俺は頷いた。
「OK。んで、大事なのはここからだ。単刀直入に言うと、お前がそうして意識を持っているのは、俺がお前の魂を成仏させないように魂を留めているからだ。」
(・・・・・は?)
どうにか話の内容を理解しようとしたが、最早そんなレベルではないようだ。
「…正確には、お前があの世に行かないように俺の[じげんを操る能力]によって冥界に行こうとする魂の動きを止めている。つまり今のお前は成仏出来てない地縛霊ってとこかな。実体の時の痛みは、もう無くなっているだろ?」
俺の困惑している顔色をうかがい、もう少し詳細に説明をしてくれた。
「は、はぁ…なるほど?」
なんとなくだがつまりはこういうことだろう、死んでしまったため痛覚はなくなり、実体とはまた違う霊体という体になっているから傷が消えているのか。
だが『次元を操る』というものがよく分からない。俺は首を傾げた。
その様子を見てまた相手は口を開く。
「んー……。次元っていうのはいくつかの軸を持つ、ある空間や時間とかの広さみたいなもんだ。一次元、二次元、三次元ていう言葉を聞いたことがあるだろ?」
「あぁ、アニメとかの平面世界を2次元で、3次元とかが俺達の住む立体世界っていうあのニュアンスですか?」
「おぉ、それそれ。根本の部分を分かるだけでも、説明しやすくて助かるよ。」
成る程……って言いたいけれども何故それで俺の魂みたいなもの止められるんだ?
そもそも次元を操ることがどうして魂を止めることに関係するのか、全く分からない。益々首を傾げる。
「まぁ~…難しいよな。ということでまず次元をさらに詳しく教えてやろう。」
「まず、次元っていう概念は物理学では重さ・長さ・時間の3つの概念そのものが次元っていう括りに入る。」
「んで、数学的には一つの空間がどのように広がっているのかを把握するために、x、y座標といった座標を数値で表すものに使われる概念と定義されている。」
「はぁ……な、成る程?」
「・・・・・・・・・・(口ではそう言ってっけど明らかに分かってなさそうだな。)」
男が何故か俺の方を細い目で見ている。何か俺に言いたいことでもあるのだらろうか。
「……簡単に言えば次元に関わる物だったら俺は座標を使って場所を特定できたり、時間を操ったり、瞬間移動をしたり、ありとあらゆる質量を操ることだって出来るのさ。」
それを聞いてやっと理解し、はてなマークから電球マークへと早変わりした。
「あぁ、成る程です!」
と相槌を打つ。
「フゥ・・・・・」
男は説明するのに少し疲れたのか、小さな溜め息を吐く。
「じゃ、じゃあ俺はそんな力を持つ人の世界に転生したんですか!?」
「いや、違うけど。」
俺の発言が真っ向から否定され、異世界じゃないことにがっかりした。
そりゃ景色とか見た感じは一緒だし、何となくは分かってたよ。うん分かってた。
でももう少し異世界の夢を見せてもらってもいいじゃない……
「お前な……異世界無双とか、ラノベみたいなの読んだりするんだろうが、あんな上手く自分の思うような転生なんて中々出来ないぞ?」
「…じゃあこの世界は何なんですか?天国か地獄に行く前?」
現実に落ち込みながら、青髪の男性に話しかける。
「んー…一言で言うと、俺達が今いる空間はお前の生きていた世界よりも高レベルな次元の空間かな。だからお前のいた世界からは誰も俺達に干渉することは出来ない…おっと。そうこう話している内に……」
ピーポーピーポー
ふと、青髪の男性が向いた方向をみるといつの間にか生前に何度聞いたかわからないサイレンが聞こえてきた。
「あ……」
救急車が来ていたのだ。そういえば山田が呼んでいたな。
隊員たちはすぐに救急車から降りた。
ーーー患者は!?
ーーーすべり台の近くです!
焦燥感に駆られる隊員達が向かってくる。
(やっと来……)
ーー意識は!?
ーー無し!重体だそうです!
(……あれ?)
だが隊員達は担架を運びながら、すぐ目の前にいた俺の存在に気づかず素通りして走っていった。
そこで俺は青髪の男性の言っていたことを思い返す。
(そうか…干渉出来ないってことは俺の姿すらも見えないし、俺の声も聞こえないのか…)
これを見て、改めて死んだことを実感することが出来た。かといってそんなに悲しいわけじゃなく寧ろ嬉しいまである。
(やっと死ね……ん?……そういや……)
そして隊員の様子を見ていると俺はとある事に気づいた。
(俺の体はどこだ?)
隊員が俺が死んだはずの場所で虚空を持ち上げ、担架に乗せて救急車へと戻っていく。だが担架には誰も乗っていない。
俺は確かにあの辺りで死んで……けど何故かあそこで起きて……あの後…探索して……。
この時俺はあることに気づく。
「あれ、俺は今本当に霊体なのか?実体のまま蘇った?いや、けど明らかに見えない何かを乗せてたし……」
さっき見渡した時には俺の実体は無かった。だが救急隊員達はそのまま担架を救急車に乗せて、リアゲートを閉めてサイレンを鳴らしながら行ってしまった。
それを見届けると同時に、青い髪の男性が俺の疑問に対して答えた。
「いや、お前は確かに死んでるよ。」
「じゃあ、俺の元の体は……何で…」
「お前の実体はもう魂が抜けてる。実体はもう抜け殻となってお前の生きていた世界での役目を終えたんだ。役目を終えたものは存在を否定、簡単に言えばこの世に存在しなくていいと世界に判断されて最終的には元々生きていた次元よりも超低次元な存在になる。」
「超低次元?」
「超低次元ってのは全ての力がとても弱い生物とか物体、物質が蔓延る次元だ。人間は死んだら体はただの冷たくて、人の形をしただけの物体になってしまうだろ?つまり今、俺達がいるこの高次元の場所だと見えなくなる程に君の元の体は弱くなってしまったんだよ。」
「ということは……」
「そう、こことはまた違う別次元の存在へと君の体は退化した。」
取り敢えず説明してくれたことで無傷な理由や今置かれている自分の状況については分かった。だが、まだ疑問は山程ある。
「……あなたは一体何者なんだ?俺が死ぬ所を見てたんですか?それに『やっと…見つけた』ってあなたですよね?僕に一体何があるんです?」
一気に質問攻めをしてしまうぐらいの連続の未知と対面してしまったことにより、この青髪の男性に対する好奇心が抑えられなくなってしまった。
「おーおー。人間ってのは好奇心旺盛だねぇ。まぁ、ゆっくり話すから落ち着きな。」
「……」
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「まず、俺の正体だが、俺は――
神だ。」
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