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第2話 棒人間の社会生活
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僕の名前は細田《ほそだ》人志《ひとし》
なんの変哲もない、ただの棒人間だ。
僕は今年大学を卒業したと同時にこの地域ではそこそこ有名な企業に就いた。
不動産営業だから、ノルマだったりを気にしたりしないといけないから大変だけど、周りの人に支えてもらって何とかやってる。
まぁせっかく入れたからにはある程度は頑張っていかないとなぁ…
と思った矢先……
「どらぁ!もう逃げ場はねぇぞ!観念しやがれ!」
「は、話を聞いて下さい!本当に誤解なんすよマジでぇ!!」
輩どもに我が家を襲撃されて、絶体絶命のピンチである。
…なんでこうなったのかはまぁ結構遡ることになる。
ま、良かったら聞いておくれよ。
退屈はしないだろうしさ。
ーー五時間前
「なぁなぁ、あの人可愛いよなぁ?」
と少し太った同僚が2段弁当の上段部分のおかずを食べながら目で俺の後ろの方を指す。
俺はそれにつられてその方を見る。
「んー?あぁ、細川さん?確かにスタイリッシュだよな。」
その目線の先にいたのはこの会社の中でもマドンナ的存在の棒本《ぼうもと》七七《なな》だった。
彼女は入社した当初から、男性新入社員からの注目の的であった。
顔良し、仕事良し、人柄良しの完璧なパラメーター値を持ついわば完璧棒人間。
「はぁ~…どうにか話しかけてみたいな。」
と下心丸見えの言葉を同僚は吐く。しかも何で俺の前で言うんだよ。
「お前な…俺にそんなこと言ってどうすんだよ……」
とツッコむ。
俺みたいなあんまり特徴のない棒人間にそんな恋愛の極意みたいなもの知るわけないだろ。
「いや、ちょっとしたことでも良いから…なんか、その手掛かりというかさぁ…」
「じゃあ下心無くすことじゃね?」
と俺はぶった切るように言うが、でも真面目にそうじゃないか?
心の奥底で悪いことを考えている人と関係を築くって無理だろ。
「えー…でもなぁ…基本、恋愛ってなったら下心か無いと始まらなくねぇ?」
と少しクソみたいな同僚の発言に
「はぁ……お前って奴は…」
どうしようもない発言に俺は呆れてしまう。
「な、なんだよその反応は!」
そんな俺の反応に噛みつく。
なにかまだ言いたいことがあるようだ。
「だ、だってそうだろぉ…!基本付き合いたい理由なんて大半が可愛いから~、とか、優しいから~、みたいなうっすい理由だろぉ?」
と次には周りの人にも聞こえるくらいの大声でこちらに向かって訴えかける。
「………」
周りの視線がざわざわとし始めたのを察知した俺は、即座に話を方向転換させる。
「はいはい分かったから…静かに静かに。棒本さんにそんなとこ見られて良いのか?」
俺がそう告げるとこいつはハッとした表情をして、彼女の居た方向を見る。
また俺もそれにつられて視線をそちらに向ける。
「あ……」
幸いにも彼女の姿はなかった。
多分、飲み物かなにか買いに行ったのだろう。
「よ、良かったぁ……」
「お前なぁ……」
やれやれとした態度を俺は表す。
入社式の時から仲良くなって3週間、中々癖の強い同僚だ。
決して悪いやつとは言えないが、自分に正直で感情がヒートアップしてくるとでかい声になってくるのがこいつのチャーミングでネックな部分だ。
まぁ、そんな部分があるおかげで早く打ち解けられたのだと思う。
不安だった社員生活も過ごしやすい。
「おっ、細田くん!」
そんな彼に対しての思いを唱えていると横から爽やかな声で話かけられ、そちらの声の持ち主の方へ目線を向ける。
なんの変哲もない、ただの棒人間だ。
僕は今年大学を卒業したと同時にこの地域ではそこそこ有名な企業に就いた。
不動産営業だから、ノルマだったりを気にしたりしないといけないから大変だけど、周りの人に支えてもらって何とかやってる。
まぁせっかく入れたからにはある程度は頑張っていかないとなぁ…
と思った矢先……
「どらぁ!もう逃げ場はねぇぞ!観念しやがれ!」
「は、話を聞いて下さい!本当に誤解なんすよマジでぇ!!」
輩どもに我が家を襲撃されて、絶体絶命のピンチである。
…なんでこうなったのかはまぁ結構遡ることになる。
ま、良かったら聞いておくれよ。
退屈はしないだろうしさ。
ーー五時間前
「なぁなぁ、あの人可愛いよなぁ?」
と少し太った同僚が2段弁当の上段部分のおかずを食べながら目で俺の後ろの方を指す。
俺はそれにつられてその方を見る。
「んー?あぁ、細川さん?確かにスタイリッシュだよな。」
その目線の先にいたのはこの会社の中でもマドンナ的存在の棒本《ぼうもと》七七《なな》だった。
彼女は入社した当初から、男性新入社員からの注目の的であった。
顔良し、仕事良し、人柄良しの完璧なパラメーター値を持ついわば完璧棒人間。
「はぁ~…どうにか話しかけてみたいな。」
と下心丸見えの言葉を同僚は吐く。しかも何で俺の前で言うんだよ。
「お前な…俺にそんなこと言ってどうすんだよ……」
とツッコむ。
俺みたいなあんまり特徴のない棒人間にそんな恋愛の極意みたいなもの知るわけないだろ。
「いや、ちょっとしたことでも良いから…なんか、その手掛かりというかさぁ…」
「じゃあ下心無くすことじゃね?」
と俺はぶった切るように言うが、でも真面目にそうじゃないか?
心の奥底で悪いことを考えている人と関係を築くって無理だろ。
「えー…でもなぁ…基本、恋愛ってなったら下心か無いと始まらなくねぇ?」
と少しクソみたいな同僚の発言に
「はぁ……お前って奴は…」
どうしようもない発言に俺は呆れてしまう。
「な、なんだよその反応は!」
そんな俺の反応に噛みつく。
なにかまだ言いたいことがあるようだ。
「だ、だってそうだろぉ…!基本付き合いたい理由なんて大半が可愛いから~、とか、優しいから~、みたいなうっすい理由だろぉ?」
と次には周りの人にも聞こえるくらいの大声でこちらに向かって訴えかける。
「………」
周りの視線がざわざわとし始めたのを察知した俺は、即座に話を方向転換させる。
「はいはい分かったから…静かに静かに。棒本さんにそんなとこ見られて良いのか?」
俺がそう告げるとこいつはハッとした表情をして、彼女の居た方向を見る。
また俺もそれにつられて視線をそちらに向ける。
「あ……」
幸いにも彼女の姿はなかった。
多分、飲み物かなにか買いに行ったのだろう。
「よ、良かったぁ……」
「お前なぁ……」
やれやれとした態度を俺は表す。
入社式の時から仲良くなって3週間、中々癖の強い同僚だ。
決して悪いやつとは言えないが、自分に正直で感情がヒートアップしてくるとでかい声になってくるのがこいつのチャーミングでネックな部分だ。
まぁ、そんな部分があるおかげで早く打ち解けられたのだと思う。
不安だった社員生活も過ごしやすい。
「おっ、細田くん!」
そんな彼に対しての思いを唱えていると横から爽やかな声で話かけられ、そちらの声の持ち主の方へ目線を向ける。
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