聖女に異世界へ飛ばされた 【完結】

もち米

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にじゅうよん

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何故全く辿りつかないのかと思ったら、高度な魔法ではなく、結界だと目の前で気絶しているアークが教えてくれた。

結界ならば誰でも簡単に壊せるんですよ、とアランが教えてくれたのを思い出す。

高度な魔法はとても複雑だから読み解くのにかなりの勉強や才能が必要される。

…アークはこの違いを知らないのか?
知らなそうだな。

「…全く、最初から私も聞いておけば良かった。そうすれば、早々に城につけたのに。」

私はそう呟いて、手を天にかざす。
手のひらに魔力を貯めていく。

「我が魔力を持って破壊せよ。」

そういえば、手のひらに集まった魔力が弾ける。弾けた魔力はこの一帯に貼られた結界を一瞬で破壊していく。

これは、昔お父様の結界を私が破壊した時に習得したものだ。もちろん、お父様とアランにはひどく叱られたのを思い出す。

…ああ、早く会いたいわ。


「んんん、!」

バッという効果音付きで、アークの目が開く。私はそんな彼のそばに座り込み、殴ってごめんと謝罪する。

彼はというと私のことよりも周りの状況確認をしていた。
さすが、騎士だ。戦場生き抜く騎士、経験した騎士なのだと改めて感じた。

私は彼に状況を説明し、立ち上がる。
もうアークを先頭には立たせんという意味を込めて、私が先に歩いた。

さすがに、傷つくかと思ったのだが彼はいい意味で期待を裏切る。



「ふん!ルナも騎士の中の騎士ということだな!!!!ついてゆくぞ!その熱い情熱の燃える背中に!!」

という意味のわからないこと言って高笑いをしていたので、心の臓に毛が生えてるんだと思う。

私は呆れながらも、逞しく騎士の中の騎士である彼に密かに尊敬していた。

まあ、生涯言うことないだろうし、多分言ったところで調子に乗りそうだから彼に直接この胸の内を話すことはないだろう。




「アーク。」

「なんだ、ルナ。」

「ここが魔王城なのか?」

「いや、違う。魔王城はあの山のてっぺんらへんにあると伝えられている。ここは、知る人ぞ知る休憩場所だと思う!」


…色々不安になる言い方だな。
私は目の前の可愛らしい絵本に出てきそうな木のログハウスを見上げる。

確かにこれが魔王城だと言われると、正直違うなとは分かる。

だが、休憩場所?と言われるものが魔王城をゆく道すがらにあるのも少々疑問である。

私は首を捻るが、アランがいいから行くぞ!とログハウスに入っていく。

「アーク!お前が先に行くとろくな事がない!」

「失礼極まりない!私は二度の失敗はせん!」

「二度あることは三度あるだろう!!」

そう私が叫んだのとアークがドアノブを回したタイミングが合った。
私がほらみろ!と叫ぶ間も無く、私とアークは突如地面に現れた大きな穴に吸い込まれていった。

穴に落ちる瞬間、アークが頭を下げていたのが見えたが絶対許さないと心に誓った。


割と穴は深いようでなかなか地面につかなかったが、私の風魔法でアークも私も地面と仲良くなることなく綺麗に着地した。

「ルナは風魔法が得意なのか。」

「そうだが、アークは火属性か?」

「あー少し違うな…私は炎と氷だな」

「…それは大変だな。」

私がそういえばアークもああと少し眉を下げていった。
二属性あるので珍しくはない。
身分が高かったり騎士などは、割と多いと聞く。

が、しかし、相反する二つの属性を持つ者は珍しく、それが火と水だとなお相性が悪く落ちこぼれと言われる。

「全く、炎と氷。どちらも高位の魔法だと言うのに、相反する二つの属性のせいで私は一族の落ちこぼれ。騎士としての格も下から数える方が早い。」


相反する属性を持っていたら落ちこぼれ。

アークの言う通り、炎属性も氷属性も高位魔法なのでとても珍しく、みんな喉から手が出るほど欲しがる。

だが、相反する属性を持つとうまく魔法が使えなかったり、コントロールができなかったりと不具合が生じる。

それも高度な技術が使える魔法士魔導士だったら、扱えるらしいが、アークはそれほど高度な技術持っているとは思えないので無理なのだろう。

私は確かに風魔法しか使えないが、属性で言えば光属性。属性でないものの魔法を得意とするのもまた一握りと言われているため、私は彼に言葉をかける資格さえない。

私が黙っているとアークはガハハと豪快に笑った。


「ルナよ、気にすることはない。たとえ、どんな属性を持とうと私が騎士であることには変わりはないのだから。」


彼がニカっと豪快に笑うの見て、私は遠い昔エド様が言っていた言葉を思い出した。








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