この度、馬になりました。馬場でございます。スキル持ちの馬から始める異世界辺境ライフ

Ananclus

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第8話 愛馬より肉

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「う~む。困ったなぁ。なんで、私に付いて来るんだ黒馬よ?」
「ヒヒン、ヒヒーーンッ(助けてください!お願いします!本当に困っているんです)!」
「しかしだなぁ。すでに私には愛馬の『クラリス』が居るからなぁ。同時に二頭には乗ってやれん。すまないなぁ」

 マジかぁ、少し。少しだけ、今の焚き火しながら、くつろぎながら肉を食ってる、その時間だけでもいいから、助けてくれないか……。

「まぁしかし。君がもう少し大人になったらな。考えてやってもいいぞ。なーに、私との相性もピッタリに調教してやる、ハハハッ!前世では『競走馬調教マニュアル』ならぬ本を買って、一人家で鞭をしならしていたんだがなぁ。

 と言っても、君にはわかるまいか。すまない、すまない」

 調教かぁ。確かに、こんだけ綺麗な人にケツを叩かれるんだったら、許してやらないこともないな。想像が、膨んで……。ん?この人——今さらっと変な事を言わなかった?気のせいか?

「しかし、その『クラリス』も帰ってこないんだよ。どうしたものか……」
「ヒヒーン。ヒヒン、ブルルウ(どのくらい、帰ってこないんですか?)」

 俺はなんとなく伝わるように、丁寧に首をかしげるようなポーズをとった。

「おっ、なんだ。お前さんも心配か?私もだよ。フフフッ、実は帰って来ないんだ」

 



 ……探しに行ってやれよ。愛馬だろ。どういう心情でゆっくりと肉を食ってるんだよ。


「しっかし。本当に参ったものだ。『クラリス』には、ケツを叩きすぎたのか?1日1000回は叩いたな」

「ヒヒーーンッ……(叩きすぎ。割れてるケツがさらに割れるだろうが。四分割されちまうよ……)」

 この人はダメかもしれない。天然というか、なんかアホだ。そうだ、前世の『多田』君に性格が似ている。毎回のように、コピー機詰まらせてたからな。しかも、それを俺のせいにした時もあった。

 なんか、腹が立ってきたな。それより、盗賊をなんとか……。本当にその時だった。

「ヘヘヘッ。こんな所にいやがったのか!馬ぁ!!」

 まずい!コイツら、なんで、俺の場所が!

 ああ……そうか。焚き火してるからじゃん。


 煙上がってるから、まあ人目につくわ。って関心してる場合じゃないぞこれは!どうする!

「ヒヒッ、ヒヒーーーン!!(頼む、助けてくれ!!どうか、お願いします!騎士様!)」
「なんだ、お前らは?賊か?」
「ああーん?なんだ、いい感じの姉ちゃんもセットかよ。こりゃ溜まんねぇなあ!おい。野郎ども!囲めっ!」

 ミゲルが合図をすると、俺と女騎士は一瞬で盗賊に囲まれている!ピッ、ピンチだ!!こんな、ところで俺は死ぬのか?くっ……。そんな。

「ヒッ、ヒン。ヒヒーーーーーーンッ(嫌だ!俺は、死にたくない!こんな、馬で!)」

 俺は気が狂った、狂犬ならぬ、狂馬と化していた。その場でぐるぐると円を描くように暴れまわっている。

「チッ、なんだ、あの馬は!——これで、大人しくしろ!!」

 誰かが、ダガーを投げつけて来る。終わった。俺は目を瞑った。


「大丈夫だ。私がいるからな。お馬さんは、なんとしても守り通す」

 なっ、なんだこれは?俺の、いや違う。俺とこの女騎士を囲むようにして、光の膜が張られている!!

「なっ、俺のダガーを弾き返した、だと? なんだてめえは!?」
「なんだてめえは?と聞かれても答える筋合いはない!私の名は、ユースナディア ハーレインである!参る!」




 ……思いっきり答えてるじゃん。

 けど、その人は何か、念じるような感じで次の瞬間には、右手に光の剣?が握られていた……。

「なっ?まさか、『スキル』が使えるのか?お前!?」
「フハハッ!答える筋合いは無いと言ったであろう!当たり前だ!」

 


 ……だから、答えてるんだって。もう、ツッコまないからね。疲れるから。

「いくぞ、ハーレイン流奥義!『閃光のホワイトレイド』」

 そう叫びながら、本当に光のような速さで盗賊に突進と剣での刺突を繰り返して、一瞬で盗賊を気絶させた。

 つええええ!抜けてるところがあるけど、実力は本物だ!

「ヒン。ヒヒーーン!(助かりました!ありがとうございましたぁ!)」

「なーに。全く仕方がないな。我慢できないって?そうか、今からお前を調教してやろう。存分にな」

「ヒヒンッ(んな事、一言も言ってねーよ)」

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