地味な私がなぜかイケメン達に囲まれて愛されすぎて困る

ほーみ

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1、平凡令嬢、イケメンたちの標的になる

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「リリア、今日も地味だね」

 そう言って、幼馴染のアメリアがくすくすと笑う。

「……仕方ないでしょ。派手なドレスも似合わないし、目立つのは苦手なの」

 私は侯爵家の次女、リリア・アーベント。姉は社交界でも名の知れた美貌の持ち主だが、私はいたって普通。いや、むしろ地味だ。金色の巻き髪を持つ姉とは対照的に、私はくすんだ栗色の髪に落ち着いたグレーの瞳。ドレスも淡い色ばかりで、装飾も最小限に抑えている。

 社交界では美しい令嬢たちが華やかに微笑み、エスコートする殿方もまた洗練されている。その中で、私は壁の花として過ごすのが常だった。

「でも、リリアって結構可愛いのにね。ほら、今日もあの人たちが見てるよ」

 アメリアが視線を向ける先には、社交界の華とも呼ばれる四人の男性の姿があった。

 一人目は、アルバート・ヴァレンス公爵。端正な顔立ちにプラチナブロンドの髪、深紅の瞳を持つ彼は、王太子の側近でありながら女性の心を惑わせるプレイボーイとして有名だった。

 二人目は、レオン・バルフォア伯爵。黒髪に鋭い金の瞳を持つ彼は、冷徹な軍人として知られ、女性には興味がないと噂されていたが、なぜか私を見るときだけ妙に優しい。

 三人目は、ノア・エヴァンズ侯爵。ふわりとした茶色の髪に柔らかな碧眼を持つ彼は、社交界でも屈指のモテ男で、甘い言葉を囁くのが得意だった。

 四人目は、王太子・エドワード。王族らしい気品を持ちつつ、どこかミステリアスな雰囲気を纏った彼は、なぜか私を見つめることが多い。

「……いや、絶対に気のせいでしょ?」

「気のせいじゃないって! ほら、アルバート様が来た!」

「リリア、今日も相変わらず可愛いね」

 アルバートが軽く私の手を取って、手の甲に口づけを落とす。

「え、あの、どうして私に?」

「そんな顔しないで。リリアはもっと自信を持っていいんだよ」

 そんな風に甘い言葉を囁かれたと思ったら、今度はレオンが近づいてきた。

「リリア、お前は地味に見えて実は可愛い。それに気づいていないのはお前だけだ」

「えっ、レオン様まで……?」

「俺は事実を言っているだけだ」

 いつも冷たいはずのレオンが、私の手を取る。

 さらに、ノアがニコニコと近づいてきて、さらりと肩を抱く。

「リリアって、守ってあげたくなる感じがたまらないよね~。可愛いし、一緒にいると落ち着くし」

「えええ……?」

 そして最後に、王太子のエドワードがゆっくりと微笑みながら囁く。

「……リリア。君が僕の婚約者だったらよかったのに」

「は、はい!?!?」

 地味に生きてきたはずなのに、なぜか社交界の華たちに囲まれてしまった私。

 一体、どうしてこうなったの——!?
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