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第二部 四季姫進化の巻
第十七章 悪鬼復活 7
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七
力を取り込むに従って、響の体がだんだんと肥大化していった。
「地脈エネルギーが、鬼蛇にとりこまれていく……」
「凄まじい力じゃ。あれだけの力を吸収すれば、間違いなく鬼閻は蘇る!」
響の着ていた服は千切れて破れ、筋骨隆々の腕が、胸が盛り上がっていく。顔は赤く色を変え、裂けた口から牙が覗く。頭には角が生え、目は黒い、吸い込まれそうな闇の穴に変わっていた。
その形相には、かつて戦った最恐の悪鬼―?鬼閻の面影が間違いなくあった。
響の体を乗っ取って、本当に鬼閻が復活してしまう。
榎は身構えつつも、足が震える感覚に襲われた。
以前みたいに、朝月夜に力を抑えつけられて衰弱していた時の鬼閻とは、比べ物にならない。健全で頑強な肉体を手に入れた鬼閻の力は、計り知れない。
いくら、他の四季姫たちが禁術を会得して強くなっと言っても、勝てるか分からない迫力だった。
まだ、何の進化も遂げていない榎は、さらに強く、その威圧感に潰されそうになっていた。
「今なら、まだ間に合う。行くぞ、宵」
「いつでもいいぞ」
みるみるうちに強大化していく鬼閻を前にして、朝と宵が顔を見合わせて、頷いた。
二人は空中に飛び上がり、陣の上空で静かに向かい合った。
「皆さん、陣の側から離れてください!」
頭上に浮かぶ二人を見て、みんな困惑していたが、朝の声に従ってすぐに後退った。
みんなが距離を取ったと確認すると、朝と宵は両手を組んで、何か術を唱え始めた。
二人の間から、金色に輝く光の輪が発生し、大きく広がった。輪は地上に向かってまっすぐ落ち、陣を取り囲む深淵の悪鬼たちに纏わりついた。
悪鬼たちは光の輪に捕えられ、身動きが取れずに、もがいていた。
悪鬼の集中力が解かれたせいか、地脈を制御する陣の力が消え、鬼閻の肥大化も止まった。
さらに、朝と宵は輪の中心から一筋の光線を放ち、鬼閻にぶつけた。ダメージを与えられたかは分からないが、鬼閻はバランスを崩して、陣の外に押し飛ばされた。
「悪鬼たちを陣から引き離せば、しばらく鬼閻は力を取り込めなくなります。今の間に、地脈の制御をこちら側に取り戻してください」
「あまり、長くは保たない! 急いでくれ」
朝と宵は、全力を持って悪鬼たちを陣に干渉できなくしてくれた。今の機会を逃せば、鬼閻を倒すチャンスは永久になくなるかもしれない。
その場にいた全員が、咄嗟に状況を判断して、各々に動き出した。
最初に、月麿が陣に向かって駆け出した。
「奏姫、陣を組み立て直します。悪鬼に吸い取られ続けている地脈の力を絶たねばなりません。お力をお貸しくだされ。陣の形状を分析した、姫の知恵が必要でおじゃる」
「分かりましたわ。何でも言って下さい!」
綴を安全圏に避難させ、奏は月麿と共に陣に向かった。
「四季姫たちよ! 地脈の流れを、伝師の祭壇に戻す。術を纏める間、鬼閻が戻ってこぬよう動きを止めてくれ!」
月麿から、榎たちに指令が飛ぶ。陣の外に飛び出た鬼閻に目を向けると、ゆっくりと起き上がって、再び力を得ようと陣に向かって四つん這いで歩き始めていた。
四季姫は陣を背に、鬼閻の前に並んで立ちはだかった。
「分かった、任せろ! 鬼閻は絶対に、陣に近付けさせない!」
武器を構え、榎たちは鬼閻を睨み上げた。
力を取り込むに従って、響の体がだんだんと肥大化していった。
「地脈エネルギーが、鬼蛇にとりこまれていく……」
「凄まじい力じゃ。あれだけの力を吸収すれば、間違いなく鬼閻は蘇る!」
響の着ていた服は千切れて破れ、筋骨隆々の腕が、胸が盛り上がっていく。顔は赤く色を変え、裂けた口から牙が覗く。頭には角が生え、目は黒い、吸い込まれそうな闇の穴に変わっていた。
その形相には、かつて戦った最恐の悪鬼―?鬼閻の面影が間違いなくあった。
響の体を乗っ取って、本当に鬼閻が復活してしまう。
榎は身構えつつも、足が震える感覚に襲われた。
以前みたいに、朝月夜に力を抑えつけられて衰弱していた時の鬼閻とは、比べ物にならない。健全で頑強な肉体を手に入れた鬼閻の力は、計り知れない。
いくら、他の四季姫たちが禁術を会得して強くなっと言っても、勝てるか分からない迫力だった。
まだ、何の進化も遂げていない榎は、さらに強く、その威圧感に潰されそうになっていた。
「今なら、まだ間に合う。行くぞ、宵」
「いつでもいいぞ」
みるみるうちに強大化していく鬼閻を前にして、朝と宵が顔を見合わせて、頷いた。
二人は空中に飛び上がり、陣の上空で静かに向かい合った。
「皆さん、陣の側から離れてください!」
頭上に浮かぶ二人を見て、みんな困惑していたが、朝の声に従ってすぐに後退った。
みんなが距離を取ったと確認すると、朝と宵は両手を組んで、何か術を唱え始めた。
二人の間から、金色に輝く光の輪が発生し、大きく広がった。輪は地上に向かってまっすぐ落ち、陣を取り囲む深淵の悪鬼たちに纏わりついた。
悪鬼たちは光の輪に捕えられ、身動きが取れずに、もがいていた。
悪鬼の集中力が解かれたせいか、地脈を制御する陣の力が消え、鬼閻の肥大化も止まった。
さらに、朝と宵は輪の中心から一筋の光線を放ち、鬼閻にぶつけた。ダメージを与えられたかは分からないが、鬼閻はバランスを崩して、陣の外に押し飛ばされた。
「悪鬼たちを陣から引き離せば、しばらく鬼閻は力を取り込めなくなります。今の間に、地脈の制御をこちら側に取り戻してください」
「あまり、長くは保たない! 急いでくれ」
朝と宵は、全力を持って悪鬼たちを陣に干渉できなくしてくれた。今の機会を逃せば、鬼閻を倒すチャンスは永久になくなるかもしれない。
その場にいた全員が、咄嗟に状況を判断して、各々に動き出した。
最初に、月麿が陣に向かって駆け出した。
「奏姫、陣を組み立て直します。悪鬼に吸い取られ続けている地脈の力を絶たねばなりません。お力をお貸しくだされ。陣の形状を分析した、姫の知恵が必要でおじゃる」
「分かりましたわ。何でも言って下さい!」
綴を安全圏に避難させ、奏は月麿と共に陣に向かった。
「四季姫たちよ! 地脈の流れを、伝師の祭壇に戻す。術を纏める間、鬼閻が戻ってこぬよう動きを止めてくれ!」
月麿から、榎たちに指令が飛ぶ。陣の外に飛び出た鬼閻に目を向けると、ゆっくりと起き上がって、再び力を得ようと陣に向かって四つん這いで歩き始めていた。
四季姫は陣を背に、鬼閻の前に並んで立ちはだかった。
「分かった、任せろ! 鬼閻は絶対に、陣に近付けさせない!」
武器を構え、榎たちは鬼閻を睨み上げた。
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