がんばれ!工業高校生

リコピンブラウザー

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冷蔵庫も同じ仕組みです

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窓に遮られて小さくなった蝉の声。
突き刺すような日差しとは対照的な、冷たいエヤコンの風。
教室内はチョークが黒板を叩く音しかない。
「なぁなぁ水本」
「なになに山本」
隣の山本が話しかけてきた。
正直エアコンはついたばかりなので、教室内はあまり涼しくない。
夏休み前ということもあり、授業に集中している者は先生含め皆無であった。
山本の声がいつも以上に教室に響く。
「なんでエアコンの風って冷たいの?」
暑さで頭やられたか。
「そりゃエアコンが涼しくする装置だからだよ」
まぁ暖かくする装置でもあるけど。
「ちげーよ!俺が聞きたいのはそーゆー事じゃなくて、どーやって風を冷たくしてんのかってこと!」
「教室ででかい声出すな。まだ一応授業中だぞ」
先生はどうでもいいと言わんばかりに黒板に文字を書き続ける。
どーやって風を冷たくって、そんなの決まってんじゃん。
「そりゃ、あれだろ。ほら、え?なんでだ?」
当たり前すぎて気付かなかった。
エアコンの内部で空気を冷やすことまではなんとか想像出来る。
その冷やした空気を扇風機みたいなもので送り出しているんじゃないだろうか。
そこまではいい、その前だ。
どうやって冷やしている?
「暖めるのはなんとなく分かるよ。金属に電気通すと熱くなるじゃん。それで空気暖めてるんでしょ?」
「たぶんそーだと思う。電気流したら冷たくなる金属があるんじゃないか?」
いや、もしそんな金属があったとしても、あの小さなエアコンの中に入ってるとは思えない。
もし俺の仮説が正しいなら、エアコンの中には2種類の金属が入ってることになるじゃないか。
「ネットで調べれば一発なんだけどな~」
と言いながら山本がカバンの中を漁っている。
つーか、それ俺のカバンなんだが。
「流石に授業中に携帯いじるのはやばくねーか?」
「だいじょぶだって。先生も真面目に授業やる気ないみたいじゃん」
たしかにそーだけど。
「それに水本も気になるだろ?」
「うん」
たしかにめちゃくちゃ気になる。

「エアコンは、液体が蒸発するときに周囲から多量の熱を奪う性質を利用して空気を冷やします。たとえば、注射をするときにアルコール消毒をしますが、消毒をした皮膚の部分がヒヤ~っと感じます。つまり、アルコールが蒸発するときに皮膚から熱を奪うためであり、これがものを冷やす原理といえます。逆に気体から液体になる時、多量の熱を放出しますこれがものを暖める原理です。そして、この原理を利用し室内機と室外機の循環するパイプに冷媒という液体を循環させ、液体と気体の過程(物質の三態)を繰り返して、空気を冷やします。また、冷媒の流れを逆方向にすることで暖房を行うことができます。なお、冷媒にはフロンという物質が一般に使用されていますが、現在ではオゾン層への影響が少ない物質への代替が進んでいます。」
「ふーん。全然わからん」
山本が早口で読み上げたネットの情報は、俺の左耳から入って右耳へと抜けていった。
「俺達には難しいな。ていうか水本のスマホ使いづらいんだけど。あいふぉんに変えろよ」
「勝手に使っておいて文句言うな」
「おい山本水本、いい加減静かにしろ。山本、お前手に持っている物はなんだ」
急に先生がこっちを向いて怒りだした。
「授業中に携帯いじっちゃだめだろ。山本は放課後職員室に来なさい。携帯は没収だ」
「「えー!」」
山本と俺の声が被る。
「いや勘弁してください放課後予定あるんです!」
俺の方が勘弁して欲しいわ。
俺の携帯だぞ?
でもそんなことを言えば俺も放課後呼び出されるだろう。
「あぁ、ちくしょう俺の携帯...」
必死に謝る山本の声は、授業終わりのチャイムにかき消された。

みんなも授業中は授業に集中しようね。
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