彩り

ガタヤマ

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クリスマス

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僕は青彩のお母さんにも

相談をしながら

長期休みを利用して

地元に帰省しては

青彩がいる病院に顔を出していた。



病室に行って

青彩が寝てるときは

持ってきたものだけ置いて

起こさないように帰ることもあった。


苦しんでいる青彩に会うときは

僕も苦しかった。

でも、なぜか

会いに行くことを辞めようとは

1度も思わなかった。

何度も

どんな日でも

通って青彩との時間を過ごしたかった。





月日が経ち、

2020年のクリスマスイブの前

12月23日の夜に

青彩からLINEが来た。


「退院することができました。明日会えたりしないかな?」


「おめでとう!ほんと良かった。退院したばかりなのに大丈夫?」


「全然平気!じゃあ、近くのファミレスに集合ね」


「わかった。気をつけて」


24日 クリスマスイブの日

僕は待ち合わせより少し早い時間に

地元のファミレスに居た。

集合時間5分前に

青彩がファミレスに入ってきた。


僕が手を振っているのに気づくと

青彩は満面の笑みを見せてくれた。


「ごめん、待った?」


「そうだね、ずいぶんと」

満面の笑顔の青彩に会うまで

という意味だったが

「お待たせ」


「じゃあ、まず腹ごしらえしようか!」


「おう、本当に大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫」


何気ない会話が妙に

懐かしい感じがする。

お腹いっぱい食べて

青彩が話を切り出してきた。


「ねぇ、この後行きたいところがある。付き合ってくれない?」


「いいよ、どこに行こうか?」


「綺麗な景色が見えるところに行きたい」


「綺麗なところねぇ、よし、任せろ」

「えっどこ?」

「行ってからのお楽しみ」


綺麗なところと言ったら

1つしか思い浮かばなかった。

僕は取ったばかりの運転免許で

車を走らせ、

山の上の展望台に向かった。


最近の冬は雪が少なく

あまり積もっていなかったので

山道でも大変ではなかった。


車では

Mr.Childrenの「GIFT」が流れている。


「一番キレイな色ってなんだろう。

一番光ってるものってなんだろう。

僕は探してた。最高のGIFTを。

君が喜んだ姿をイメージしながら。」


青彩が楽しそうに口ずさんでいた。


「私この歌好きなんだよね」


「あれ?ミスチル好きなんだっけ?」


「うん、小さい時からお母さんが大好きでいつも車で流れてたんだ」


「へぇ、初めて知った」


「私さ、実は白血病って診断されたとき、私死ぬんだ。ってすごく怖かった。

今あるものが全て無くなることを考えただけですごく苦して、たくさん泣いた。

だから、最後に佐助くんに自分の気持ちを伝えて、そのまま死ぬつもりだった。

でもね、いつまでたっても

佐助くんの存在が…

頭から離れなかったんだ。

入院して

ご飯が食べられなかったときも

声が出なくなったときも

身体が思うように動かないときも

どんなに辛いことがあっても

佐助くんとの思い出や

大学で再会して楽しく過ごした時間、

告白してくれたことや

佐助くんと何気なく過ごした時間も

私の中で

太陽の光みたいに

私の目の前に差し込んできて



まだ生きたい。

って強く願わずにはいられなくなったの

だから、私にとっては

いまこの瞬間の時間が

最高に綺麗で

最高の贈り物なんだ。」


僕は、運転の最中なのに、

前が歪んで見えて、

目から溢れ出る雫を

雨の日のワイパーのように

掌で拭き取った。


「青彩、ありがとう。生きててくれて。

僕にとって最高の贈り物は

青彩がこうしてそばにいてくれる

ことだよ。」


Mr.Childrenの「GIFT」が

心地よく車の中で響き続けた。












【あとがき】

ひとりで生きている人はいないと思います。

誰かを助けて、助けられて

そばで支えて、支えられて

影響を与えて、影響を受けて

1人1人が自分の人生を彩っています。

そして、この僕も

他の人に彩りを

与えることができる

ひとりの人であることに

書きながら気づきました。

この表紙になっている絵は

弟が描いてくれました

この作品は私ひとりでは

書き上げられなかった作品です。

相談に乗ってくれた友人もいました。


「最後まで書き通すことに意味がある」


その友人からもらった言葉でした。

そして、このエピソードを彩った

私と出会った全ての人たちに

この場を借りて感謝を申し上げます。

本当にありがとうございます。




END
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