伝説の後始末

世々良木夜風

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Legend 43. 初めての夜

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「んっ!...んっ!...」
ハルの押し殺した声が寝室に響く。
二人はワンピースを脱ぎ去り、ツィアは下着姿に、ハルは生まれたままの姿になっていた。
「わ、私のお胸...どうですか?」
ハルが不安そうに聞いてくる。
「とっても素敵よ!...大きくて...柔らかくて...ずっとこうしてたい...」
ツィアのうっとりとした声。するとハルは安心した顔になって、
「よ、良かったです!...私、ツィアさんみたいに綺麗じゃないから...あっ!」
そう言ったところで、目を閉じると、一つ喘ぎ声を上げた。
「ふふふ!見たことないくせに...」
ツィアがそう口にすると、
「分かります!ツィアさんのは絶対、綺麗です!」
ハルがムキになって断言する。
「じゃあ...見てみる?」
ツィアの恥ずかしそうな声が聞こえた。
「えっ?!」
ハルが驚いてツィアの顔を見ると、その顔は真っ赤だった。
「ハルなら...いいよ!」
思い切るようにそう言ったツィアは、ブラジャーをそっと外した。

「とっても...綺麗です...綺麗な形!...張りがあって...ツンと上を向いてて...ここの色も...綺麗!」
ハルがとどまることなく褒めちぎる。
「も、もう!...ハルったら、大袈裟なんだから!」
ツィアは照れながらも、
「...触っても...いいのよ!」
そう言うと、体を倒し、胸をハルに近づけた。しかし、
「...アラブルを倒した後のご褒美に...とっておきます...」
ハルは胸から目を逸らすと、そんなことを口にする。
「えっ?!気に入らなかった?!」
ツィアが悲しそうな顔をすると、
「ち、違うんです!!...ホントに...素敵です...私にはもったいないくらい...」
ハルは大慌てで否定する。
「そんなこと気にしなくても!」
ツィアは言うが、
「...とっておきたいんです...その方が...勝てる気がするから...」
ハルは微妙な笑みを浮かべると、そう口にした。すると、
「そう...まあ、その気持ちは分からないでもないわ!」
ツィアは少し、納得といった表情をする。
(昔、お気に入りのスイーツを、強敵を倒すまで我慢したことあったっけ...そんな感じかな!)
そんな風に解釈したツィアは、
「じゃあ、アラブルを倒したら、私の全部をあげる!...今日は私が貰うけど...次は...」
そこまで話したところで自分の言った意味に気づき、真っ赤になってしまう。
そんなツィアを見て、
「...じゃあ頑張らないと...いけませんね!」
ハルはにっこりと微笑むのだった。

「...そろそろ...ハルの一番可愛いところ...楽しませてね!」
そう口にしたツィアの手が、ハルの足の間に伸びた。
「あっ!」
思わずハルが声を上げる。
「大丈夫?!」
慌ててツィアが手を離すが、
「大丈夫です...続けて...ください...」
ハルは潤んだ目でそう言った。

「んっ!...んっ!...んっ!...」
だんだんとハルの声が大きくなっていく。
(ハル...こんなになって...)
ツィアがハルの足の間を眺めていると、
「わ、私の、変じゃないですか?!...私、ツィアさんみたいに綺麗じゃないから...」
それに気づいたハルが、恥ずかしそうに、前にも聞いたようなセルフをはく。
「とっても可愛いわよ!...羨ましい...」
ツィアがそう答えると、
「ウソです!!ツィアさんの方が絶対、綺麗です!!」
ハルはムキになって言う。
「ふふふ!ハルはそればっかりね!...もしかして、私の...見たいの?」
ツィアが意地悪な顔で尋ねると、
「そ、そ、そんな!!...畏れ多い...」
ハルは真っ赤になって目を伏せてしまった。しかし、
「ふふふ!見たいのね!...じゃあ...見せてあげる!特別よ!」
ツィアはそう口にすると、最後の一枚を脱ぎ捨て...ハルの顔の上にまたがった。
「ツィ、ツィアさん!!」
ハルは抵抗するような声を上げるが、その目はそこに釘付けだ。
「ふふふ!もっと良く見えるように...」
次いで、ツィアはハルの目の前まで腰を下ろすと、手でそっと広げた。
「綺麗...それに...こんなになって...」
ハルのうっとりとした声が聞こえる。
「ありがと...それにこうなったのはハルが可愛いからよ!...自信持てた?」
そんなハルに声をかけるツィアだったが、恥ずかしさで目を合わせられないのか、横を向いてしまっている。
その顔は赤く染まっていた。
「はい!」
ハルが笑顔でうなずくと、
「...さ、触っても...」
ツィアが顔を更に赤くしながらそう言う。しかし、
「...その時まで...とっておきます!」
ハルの答えは相変わらずだった。
(ホント、真面目なんだから!...こんなになってるんだから触ってくれても...)
ツィアはそう思ったが、ご奉仕を再開しだす。
「ハル!気持ちよくなってね!」
「あっ!...そこ...」
「ここがいいの?」
「あっ!...あっ!あっ!あっ!...やだ、私、変な声を!」
ハルが思わず出た喘ぎ声に、頬を染めると、
「ふふふ!とっても可愛い声よ!もっと聞かせてね!」
ツィアはうれしそうにハルに話しかける。その言葉に、
「そ、そんなこと言われたら...あっ!あっ!あっ!...私、もう...」
すがるような目でツィアを見つめるハル。そんなハルに、
「じゃあ...貰うわね!」
ツィアが一言、言った。

「!!」
ハルの顔が一瞬、歪む。
「大丈夫?!」
ツィアが心配していると、
「うっ...うっ...」
ハルが涙を流し始めた。
「そんなに痛かったの?!...ゴメンね...私が...下手だから...」
ツィアまで泣きそうになるが、
「違うんです!!」
ハルが大声を上げた。
「えっ?!」
ツィアが驚いていると、
「うれしいんです!...ツィアさんに...貰ってもらえて...ツィアさんと一つになれた気がして...」
ハルが愛おしげにツィアを見つめながらそう言う。
「私たちはもう一つよ!」
ツィアがハルを抱きしめると、
「うれしい!...人生で最高に...幸せです!」
ハルはとめどなく涙を流した。
「ハル...」
ツィアが愛おしそうに見つめていると、
「朝まで...このままでいてくれますか?」
ハルが訴えるような目でお願いしてくる。
「もちろん!」
ツィアはギュッとハルを抱きしめるのだった。
「...ツィアさん...大好き!」
ハルが最高の笑顔でそう言う。
「私も...」
ツィアがそれに応えようとしたところで、ハルがその口をふさいだ。
「その言葉は...その時まで待ってください...」
そして何度も聞いたセリフを繰り返す。
「もう!意地っ張りなんだから!」
ツィアはちょっと呆れた様子だったが、改めて言い直す。
「じゃあ、アラブルを倒した後に、いっぱい言ってあげるわね!...だから...必ず生きて帰ってくるのよ!!」
ちょっときつい感じで念を押すと、
「...はい...」
笑顔になって答えるハル。
(ん?)
しかし、ツィアはその笑顔にちょっとした違和感を感じた。
(ハルの笑顔を見たら幸せな気分になれるはずなのに、今はならなかった...なんで?)
しかし、そんな思考も、
「ツィアさん!...本当に...大好きです!!」
そう言って抱きついてくるハルにかき消されてしまう。
「ふふふ!ありがと!」
そう答えると、いつしかそんなことは忘れてしまっていた。
(ハルの体...あったかい...私も...幸せ...)
二人は幸せな眠りへと誘われていくのだった。
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