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Maid 42. そのころ穴の上では
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「「「「ガーネット~~~~~!!」」」」
時間は少し戻って、皆が落ちていくガーネットを見て、悲痛な声を上げていた頃。
<ポンッ!>
白い煙がマリンを包み、中から白いドレスを着た美しい少女が現れる。
少女は急いで魔法を唱えた。
「重力操作!」
みるみるうちに、落下速度が落ちていくガーネット。
そして、その場にピタッと止まった。
「良かった...」
その場にへたり込む姫様。
「えっ?!えっ?!」
わけも分からず、右往左往しているアメジストたちをよそに、
「早く上げないと!中は高温だよ!熱でやられちゃう!!」
アリーが助言をする。
確かに、穴に近づくと、モワッとした熱気を感じた。すると、
「アリー、『ウィンド』使えるわよね?」
姫様がそんなことを聞いてくる。
「使えるけど...」
アリーの戸惑い気味の返事に、
「じゃあ、すぐにガーネットのところに行って!!その前に...」
姫様はそう言うと、魔法を唱えた。
「感覚共有!」
「うん!アリーの見てるもの、聞いてる音が分かる!」
姫様の言葉に、
「そんな魔法が...」
驚いていたアリーだったが、
「これで周りの様子を確かめながら、ガーネットを助けれるわ!...急いで!!それと怪我をしてたら治してあげて!!」
姫様の切迫した口調に、
「分かった!!」
大急ぎで、穴の中に飛び込む。
「ウィンド!」
冷たい風を体に巻きつけ、矢のように飛んでいくアリー。そして、
「ガーネット~~~!!」
ガーネットを見つけると大きな声で叫ぶのだった。
☆彡彡彡
「もう、大丈夫ね!」
アリーがガーネットを癒やしたのを見て、一安心の姫様。
「な、な、何が...」
すると、動揺しているアメジストたちに気付く余裕ができた。
「...見たわね!」
有無を言わせぬ迫力でアメジストたちに尋ねる姫様。
「あ、あんた、猫に化けてたのか?なんでさ?」
やっと、状況を理解し始めたアメジストに、姫様は言った。
「ん~~~~、こっちにも事情があるのよ!それと...今、見たことは誰にも言わないこと!!特にガーネットに言おうものなら!!!」
<ジャキ~~~~ン!!>
3人の足元の岩が、突然、鋭く突き出し、各々の目の前で止まった。
「「「ひぃぃ~~~~!!」」」
ガタガタと体が震えだす、ろくでなし3人組。
「い、い、言わないさ!!」
「約束するっス!!」
「私もだ!!」
「よろしい!」
約束してくれた3人に満足した姫様は、しばらくなにやら操作をしていたが、
「・・・」
ふと、顔をしかめると、微妙な顔をする。そして、
「仕方ないわね...」
小さくつぶやくと、不安そうにこちらを見つめているアメジストに言いつけた。
「ガーネットが出てきたら、助けたのは自分だと言いなさい!私のことは絶対に話さないこと!!」
すると、アメジストは、
「なんでさ?」
不思議そうな顔をするが、
「ガーネットには私のことは内緒なの!とにかく、ガーネットとアリーに話を合わせてくれたらいいから!」
姫様はそう言う。
「わ、分かった!」
アメジストは従うほかない。同意の返事をした。
そして、しばらくして、
「良かったね!ガーネット!」
ふと、つぶやいた姫様が、アメジストの方を見ると、
「じゃあ、私は隠れるから、演技、よろしくね!」
石碑の方に歩いていく。
「え、演技って...」
いざ、そのシチュエーションに立たされると、緊張してしまうアメジスト。
「頑張るっス!」
「頼んだぞ!」
パールとヒスイは無責任に応援をしていた。
☆彡彡彡
「あっ!アメジストさん!!」
穴から出てきたガーネットが、アメジストを見るなり、笑顔で声を上げる。
そして、そのまま、スタッと地面に着地した。すると、
「あ、その...あ、あんたを助けたのはあたしだからな!!決して、白いドレスを着た...」
「「わぁぁ~~~~~!!」」
聞かれてもいないのに、余計な説明をしだしたアメジスト。
それをパールとヒスイが大声で遮る。
(それ、話しちゃダメっス!)
(さっき言われただろう!そんなことしたら...)
3人の脳裏に、岩のとげが眉間の1mm先まで迫ったことが思い浮かぶ。
<ブルッ!>
体を震わせる、ろくでなし3人組。
恐る恐る、石碑の方を見ると、裏から殺気が感じられた。
みるみる顔色が悪くなっていく。
そんなアメジストたちの様子に気付いていないのか、
「そんなの分かってますよ~~~~!変なアメジストさん!」
ガーネットが笑うと、
「そ、そうさね!あたしったら何言ってるんだろ!」
「き、気にすることないっス!」
「そうだ!こいつ、ちょっと気が動転してるようだな!」
3人は慌てて、ごまかそうとしている。
「『気が動転』って...そんなに私のこと、心配して...」
うっとりした顔のガーネットに、
「ま、まあ、無事で良かった!」
アメジストは話を早々に終わらせようとする。しかし、
「本当にいくら感謝してもしたりません!!...それにしてもアメジストさんってやっぱり、すごい人だったんですね!」
ガーネットがいきなり、そんなことを言いだした。
「す、すごいって何がさ?」
いつもなら『まあ、こんなもんさ!』とでも、答えるところだが、今は下手なことは言えない。
慎重にガーネットの言葉の意味を探ると、
「だって、姫様しか使えない『重力操作』を...」
ガーネットが口にした言葉に、
「「「姫様?!」」」
アメジストたちは驚きの声を上げてしまうのだった。
時間は少し戻って、皆が落ちていくガーネットを見て、悲痛な声を上げていた頃。
<ポンッ!>
白い煙がマリンを包み、中から白いドレスを着た美しい少女が現れる。
少女は急いで魔法を唱えた。
「重力操作!」
みるみるうちに、落下速度が落ちていくガーネット。
そして、その場にピタッと止まった。
「良かった...」
その場にへたり込む姫様。
「えっ?!えっ?!」
わけも分からず、右往左往しているアメジストたちをよそに、
「早く上げないと!中は高温だよ!熱でやられちゃう!!」
アリーが助言をする。
確かに、穴に近づくと、モワッとした熱気を感じた。すると、
「アリー、『ウィンド』使えるわよね?」
姫様がそんなことを聞いてくる。
「使えるけど...」
アリーの戸惑い気味の返事に、
「じゃあ、すぐにガーネットのところに行って!!その前に...」
姫様はそう言うと、魔法を唱えた。
「感覚共有!」
「うん!アリーの見てるもの、聞いてる音が分かる!」
姫様の言葉に、
「そんな魔法が...」
驚いていたアリーだったが、
「これで周りの様子を確かめながら、ガーネットを助けれるわ!...急いで!!それと怪我をしてたら治してあげて!!」
姫様の切迫した口調に、
「分かった!!」
大急ぎで、穴の中に飛び込む。
「ウィンド!」
冷たい風を体に巻きつけ、矢のように飛んでいくアリー。そして、
「ガーネット~~~!!」
ガーネットを見つけると大きな声で叫ぶのだった。
☆彡彡彡
「もう、大丈夫ね!」
アリーがガーネットを癒やしたのを見て、一安心の姫様。
「な、な、何が...」
すると、動揺しているアメジストたちに気付く余裕ができた。
「...見たわね!」
有無を言わせぬ迫力でアメジストたちに尋ねる姫様。
「あ、あんた、猫に化けてたのか?なんでさ?」
やっと、状況を理解し始めたアメジストに、姫様は言った。
「ん~~~~、こっちにも事情があるのよ!それと...今、見たことは誰にも言わないこと!!特にガーネットに言おうものなら!!!」
<ジャキ~~~~ン!!>
3人の足元の岩が、突然、鋭く突き出し、各々の目の前で止まった。
「「「ひぃぃ~~~~!!」」」
ガタガタと体が震えだす、ろくでなし3人組。
「い、い、言わないさ!!」
「約束するっス!!」
「私もだ!!」
「よろしい!」
約束してくれた3人に満足した姫様は、しばらくなにやら操作をしていたが、
「・・・」
ふと、顔をしかめると、微妙な顔をする。そして、
「仕方ないわね...」
小さくつぶやくと、不安そうにこちらを見つめているアメジストに言いつけた。
「ガーネットが出てきたら、助けたのは自分だと言いなさい!私のことは絶対に話さないこと!!」
すると、アメジストは、
「なんでさ?」
不思議そうな顔をするが、
「ガーネットには私のことは内緒なの!とにかく、ガーネットとアリーに話を合わせてくれたらいいから!」
姫様はそう言う。
「わ、分かった!」
アメジストは従うほかない。同意の返事をした。
そして、しばらくして、
「良かったね!ガーネット!」
ふと、つぶやいた姫様が、アメジストの方を見ると、
「じゃあ、私は隠れるから、演技、よろしくね!」
石碑の方に歩いていく。
「え、演技って...」
いざ、そのシチュエーションに立たされると、緊張してしまうアメジスト。
「頑張るっス!」
「頼んだぞ!」
パールとヒスイは無責任に応援をしていた。
☆彡彡彡
「あっ!アメジストさん!!」
穴から出てきたガーネットが、アメジストを見るなり、笑顔で声を上げる。
そして、そのまま、スタッと地面に着地した。すると、
「あ、その...あ、あんたを助けたのはあたしだからな!!決して、白いドレスを着た...」
「「わぁぁ~~~~~!!」」
聞かれてもいないのに、余計な説明をしだしたアメジスト。
それをパールとヒスイが大声で遮る。
(それ、話しちゃダメっス!)
(さっき言われただろう!そんなことしたら...)
3人の脳裏に、岩のとげが眉間の1mm先まで迫ったことが思い浮かぶ。
<ブルッ!>
体を震わせる、ろくでなし3人組。
恐る恐る、石碑の方を見ると、裏から殺気が感じられた。
みるみる顔色が悪くなっていく。
そんなアメジストたちの様子に気付いていないのか、
「そんなの分かってますよ~~~~!変なアメジストさん!」
ガーネットが笑うと、
「そ、そうさね!あたしったら何言ってるんだろ!」
「き、気にすることないっス!」
「そうだ!こいつ、ちょっと気が動転してるようだな!」
3人は慌てて、ごまかそうとしている。
「『気が動転』って...そんなに私のこと、心配して...」
うっとりした顔のガーネットに、
「ま、まあ、無事で良かった!」
アメジストは話を早々に終わらせようとする。しかし、
「本当にいくら感謝してもしたりません!!...それにしてもアメジストさんってやっぱり、すごい人だったんですね!」
ガーネットがいきなり、そんなことを言いだした。
「す、すごいって何がさ?」
いつもなら『まあ、こんなもんさ!』とでも、答えるところだが、今は下手なことは言えない。
慎重にガーネットの言葉の意味を探ると、
「だって、姫様しか使えない『重力操作』を...」
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「「「姫様?!」」」
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