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Episode 11. ドラゴンを倒しに行こう!
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「う~~~~ん...」
防具屋さんの前で唸っているローズ。
「やっぱり無理だよね...」
マリーが聞くと、
「そうよね...本当は魔法のかかっている防具があったらいいんだけど、さすがにこの値段じゃ...」
手持ちの財布を眺めるローズ。売値とは桁が2つ違っていた。
「さて、防具は無理としても最低、これだけは!」
そう言うと、ローズは隣の武器屋さんに入っていった。
「へい、らっしゃい!!」
店主の元気のいい挨拶が聞こえる。
「ミスリルの剣が欲しいんだけど...中古でいいから安いのあるかしら?」
ローズが店主に聞いた。
「え~~~~っと...確か中古がこの辺に...」
店主は在庫を探していたが、
「あ、あった。大分使い込まれているが、これなら安いぜ!!銀貨10枚だ!!」
そう言ってボロボロの剣を取り出してきた。
「・・・」
黙ってそれを受け取ると、剣身を眺め、軽く振ってみる。
「・・・」
ローズはその剣に納得しなかったようだ。
「どうする?新品が欲しけりゃ金貨1枚はするぜ!」
相場によるが、大体、銀貨100枚で金貨1枚なので10倍することになる。
「ツケ払いは出来るかしら?大きな仕事があって、終わったら大金が手に入るのよ!」
ローズは言うが、
「そりゃあ、話を聞いてみないとなぁ...どんな仕事でどれだけ金が入るんだい?」
店主が聞いてくる。
「それは秘密事項だから言えないわ!とにかくいい剣がいるのよ!!」
「それじゃ、無理だな。でも半額出してくれたら残りは少し待ってやってもいいぜ!!」
ローズの答えに店主は別の条件をつけてきた。
「...2割じゃダメかしら?」
ローズの問いに、
「さすがにそれは出来ないな!何度か商売をしてお得意さんになってくれたら考えてもいいが...」
そう言って、了承してはくれなかった。
「...そう...」
ローズは残念そうに店を出ていった。
「どうするの?ローズちゃん。鋼鉄の剣じゃ、ドラゴンは...」
マリーが心配するが、
「仕方ないじゃない。まあ、これくらいのハンデがなきゃつまらないわ!!鋼鉄でドラゴンの鱗を切り裂いてみせるわ!!見てなさい!!」
ローズはそう言って強がった。
「ローズちゃん...」
そうはいってもマリーに代案は無かったのだった。
☆彡彡彡
そして出発の日。
背負い袋を背負って、二人は街を出ようとする。
すると門のところにギルドのマスターが待っていた。
「マスター!どうしたんですか?!」
マリーが驚いて尋ねると、
「ああ、これを渡そうと思ってね!」
そう言うと、使い込まれたミスリルの剣を取り出した。
「これは!!」
それを受け取ったローズが驚愕の声を上げる。
「私が若い頃に愛用していた剣だ。名を揚げるまではその剣に随分お世話になったなぁ...使い込んではいるが手入れは欠かしていなかったからまだいけるはずだ!」
マスターが何気なくそう言うが、
「これ!業物じゃないですか!!しかも使い込まれたことによって、むしろ手にしっくりとくる...まるで熟成されているかのように...本当にいいんですか?!」
ローズは珍しく気が引けているようだ。しかし、
「その剣でドラゴンを倒すつもりかい?いくら君でもそれは無理だよ!」
マスターがローズの剣を見て言う。
「それは...」
ローズが言い淀むと、
「それに討伐の間、貸すだけだ!倒したら報酬で自分のを買うといい!それじゃ頼んだよ!!」
マスターはそう言うと、どこかに消えていった。
「ローズちゃん、それ、そんなにすごい剣なの?」
マリーが聞くと、
「すごいなんてものじゃないわ!!更に硬いといわれるアダマンタイトに匹敵すると言っても過言じゃない...おそらくミスリルの中では最高峰!!」
呆けたように剣を見つめながらそう言うローズ。それを聞いたマリーは、
「でもなんでマスターがそんな剣を...」
と不思議に思うが、
「...あのマスター、前から思ってたけど只者じゃないわね!!そのうち、正体を暴いてやるんだから!!」
ローズはそう言うと、その剣を軽く振る。
「すごい!!まるで剣が振り方を教えてくれてるみたい...」
そう言ってうっとりとしている。
「その剣なら!!」
「ええ!ドラゴンの硬い鱗だって切り裂けるわ!!なんにせよマスターに感謝ね!!行くわよ!!」
そう言ってマリーとローズは門を出て山に向かうのだった。
山へと続く道を抜け、麓に辿り着く。
すると、急に魔物の気配が感じられなくなった。
「みんなの言ってたことは本当みたいね!まるで魔物の気配がしない...さっきまではあんなに遭遇したのに...」
ローズが言うと、
「みんなドラゴンを恐れて?そんなに怖いんだ...」
マリーの顔に緊張が走る。
「そりゃそうよ!ブレスに巻き込まれたら普通の魔物じゃ即死だもの。それに餌として捕まえられる可能性もあるし...」
「だ、大丈夫かな...」
ローズの言葉に怖くなったのかマリーが躊躇しだす。
「怖かったらここで待っててもいいのよ!一緒に戦ったことにすれば...」
ローズは言うが、
「大丈夫!私だって冒険者だもん!!ローズちゃん一人で行かせるわけにはいかないよ!!」
そう言うと、顔を引き締めて率先して山を登りだした。しかし、
「あっ!!」
足を滑らせ転んでしまう。
「大丈夫?無理せず、あたしの後をついてきて!」
「う、うん...」
ローズの言葉に思わず赤面するマリー。
そして、大人しくローズの通った場所を辿っていくことにしたのだった。
やがて目の前に崖が現れる。
「どうしよう。回り道はないみたいだけど...」
マリーが言うと、
「仕方ないわね!」
ローズはそう言うと、荷物からフック付きロープを取り出し、上へと放り投げる。
数回繰り返すと木に引っかかったようだった。
「よし!大丈夫ね!」
強く引っ張り、外れないのを確かめるとローズがロープを使い、崖を登りだす。
「マリーもついてきて!!あたしが足をかけるところをよく見て、同じように登ってきたら大丈夫だから!!」
「うん!」
ローズの言葉にマリーも必死でロープに縋りつくのだった。
やがて慣れてくると、ローズの様子を窺う余裕が出てくる。
(なるほど!ああやって重心を移動してるんだね!大事なのは足をかける岩場!それさえ、間違わなければ!!)
コツを掴むとすぐにローズに追い付くことができた。
(あっ!!)
勢いあまってローズのドレスの中に顔を突っ込んでしまう。
(可愛い!!私が選んだ下着!!それに綺麗な足!!太ももも魅力的で...)
マリーはローズの下着に見惚れてしまっていた。
そのまま、見える位置をキープしながらついていく。
そして、崖を登りきると、待っていたローズに向かって話しかけた。
「あ、あの...と、とっても可愛かったよ!!今度は私が...先に行くから...」
マリーの顔は真っ赤になってしまっている。
「えっ?!何が?...それにマリーにはまだ早いわ!今度も崖があったらあたしが手本を見せるから、その通りついてくるのよ!」
ローズはマリーの言った言葉に戸惑っているようだったが、とりあえずそう言うと、
「そ、そうだよね...私のなんか興味ないよね...でも...ありがとう...」
マリーはそう言って寂しそうな顔をするのだった。
「???」
訳の分からぬままローズが先導していく。マリーは大人しくついてきたがどこか元気がないようだった。
「マリ...」
ローズが声をかけようとするが、茂みを抜けたところで、周りの様子が一変した。
木々が倒れ、大きな物が通った跡が残されていた。しかも、つい最近できたもののようで倒された木々がまだ青々としている。
それに、あちこちに焼け焦げた跡があり、草木が燃え尽き、地面が姿を現している場所もあった。
「そろそろね!ここから先は慎重に行きましょう!!相手に覚られないように!!」
「うん!!」
ローズの言葉にマリーも真剣な顔で返事をする。
進んでいくと、
「いたっ!」
ローズが囁き声でマリーに告げる。
その視線の先には、大きな体のドラゴンがいた。
長い首。細い体。背中には大きな翼が生えている。
四肢は太く、鋭い爪が生えていた。
長く伸びた尻尾を持ち上げブラブラと動かしている。
体中、灰色の鱗に覆われ、とても頑丈そうだ。
地面に腹ばいになり、周りの様子を窺っているようだった。
どうやらローズたちの気配に気づいているらしい。
「見つかる前にいくわよ!!」
そう言うと、ローズが隠れていた木々の陰から飛び出した。
防具屋さんの前で唸っているローズ。
「やっぱり無理だよね...」
マリーが聞くと、
「そうよね...本当は魔法のかかっている防具があったらいいんだけど、さすがにこの値段じゃ...」
手持ちの財布を眺めるローズ。売値とは桁が2つ違っていた。
「さて、防具は無理としても最低、これだけは!」
そう言うと、ローズは隣の武器屋さんに入っていった。
「へい、らっしゃい!!」
店主の元気のいい挨拶が聞こえる。
「ミスリルの剣が欲しいんだけど...中古でいいから安いのあるかしら?」
ローズが店主に聞いた。
「え~~~~っと...確か中古がこの辺に...」
店主は在庫を探していたが、
「あ、あった。大分使い込まれているが、これなら安いぜ!!銀貨10枚だ!!」
そう言ってボロボロの剣を取り出してきた。
「・・・」
黙ってそれを受け取ると、剣身を眺め、軽く振ってみる。
「・・・」
ローズはその剣に納得しなかったようだ。
「どうする?新品が欲しけりゃ金貨1枚はするぜ!」
相場によるが、大体、銀貨100枚で金貨1枚なので10倍することになる。
「ツケ払いは出来るかしら?大きな仕事があって、終わったら大金が手に入るのよ!」
ローズは言うが、
「そりゃあ、話を聞いてみないとなぁ...どんな仕事でどれだけ金が入るんだい?」
店主が聞いてくる。
「それは秘密事項だから言えないわ!とにかくいい剣がいるのよ!!」
「それじゃ、無理だな。でも半額出してくれたら残りは少し待ってやってもいいぜ!!」
ローズの答えに店主は別の条件をつけてきた。
「...2割じゃダメかしら?」
ローズの問いに、
「さすがにそれは出来ないな!何度か商売をしてお得意さんになってくれたら考えてもいいが...」
そう言って、了承してはくれなかった。
「...そう...」
ローズは残念そうに店を出ていった。
「どうするの?ローズちゃん。鋼鉄の剣じゃ、ドラゴンは...」
マリーが心配するが、
「仕方ないじゃない。まあ、これくらいのハンデがなきゃつまらないわ!!鋼鉄でドラゴンの鱗を切り裂いてみせるわ!!見てなさい!!」
ローズはそう言って強がった。
「ローズちゃん...」
そうはいってもマリーに代案は無かったのだった。
☆彡彡彡
そして出発の日。
背負い袋を背負って、二人は街を出ようとする。
すると門のところにギルドのマスターが待っていた。
「マスター!どうしたんですか?!」
マリーが驚いて尋ねると、
「ああ、これを渡そうと思ってね!」
そう言うと、使い込まれたミスリルの剣を取り出した。
「これは!!」
それを受け取ったローズが驚愕の声を上げる。
「私が若い頃に愛用していた剣だ。名を揚げるまではその剣に随分お世話になったなぁ...使い込んではいるが手入れは欠かしていなかったからまだいけるはずだ!」
マスターが何気なくそう言うが、
「これ!業物じゃないですか!!しかも使い込まれたことによって、むしろ手にしっくりとくる...まるで熟成されているかのように...本当にいいんですか?!」
ローズは珍しく気が引けているようだ。しかし、
「その剣でドラゴンを倒すつもりかい?いくら君でもそれは無理だよ!」
マスターがローズの剣を見て言う。
「それは...」
ローズが言い淀むと、
「それに討伐の間、貸すだけだ!倒したら報酬で自分のを買うといい!それじゃ頼んだよ!!」
マスターはそう言うと、どこかに消えていった。
「ローズちゃん、それ、そんなにすごい剣なの?」
マリーが聞くと、
「すごいなんてものじゃないわ!!更に硬いといわれるアダマンタイトに匹敵すると言っても過言じゃない...おそらくミスリルの中では最高峰!!」
呆けたように剣を見つめながらそう言うローズ。それを聞いたマリーは、
「でもなんでマスターがそんな剣を...」
と不思議に思うが、
「...あのマスター、前から思ってたけど只者じゃないわね!!そのうち、正体を暴いてやるんだから!!」
ローズはそう言うと、その剣を軽く振る。
「すごい!!まるで剣が振り方を教えてくれてるみたい...」
そう言ってうっとりとしている。
「その剣なら!!」
「ええ!ドラゴンの硬い鱗だって切り裂けるわ!!なんにせよマスターに感謝ね!!行くわよ!!」
そう言ってマリーとローズは門を出て山に向かうのだった。
山へと続く道を抜け、麓に辿り着く。
すると、急に魔物の気配が感じられなくなった。
「みんなの言ってたことは本当みたいね!まるで魔物の気配がしない...さっきまではあんなに遭遇したのに...」
ローズが言うと、
「みんなドラゴンを恐れて?そんなに怖いんだ...」
マリーの顔に緊張が走る。
「そりゃそうよ!ブレスに巻き込まれたら普通の魔物じゃ即死だもの。それに餌として捕まえられる可能性もあるし...」
「だ、大丈夫かな...」
ローズの言葉に怖くなったのかマリーが躊躇しだす。
「怖かったらここで待っててもいいのよ!一緒に戦ったことにすれば...」
ローズは言うが、
「大丈夫!私だって冒険者だもん!!ローズちゃん一人で行かせるわけにはいかないよ!!」
そう言うと、顔を引き締めて率先して山を登りだした。しかし、
「あっ!!」
足を滑らせ転んでしまう。
「大丈夫?無理せず、あたしの後をついてきて!」
「う、うん...」
ローズの言葉に思わず赤面するマリー。
そして、大人しくローズの通った場所を辿っていくことにしたのだった。
やがて目の前に崖が現れる。
「どうしよう。回り道はないみたいだけど...」
マリーが言うと、
「仕方ないわね!」
ローズはそう言うと、荷物からフック付きロープを取り出し、上へと放り投げる。
数回繰り返すと木に引っかかったようだった。
「よし!大丈夫ね!」
強く引っ張り、外れないのを確かめるとローズがロープを使い、崖を登りだす。
「マリーもついてきて!!あたしが足をかけるところをよく見て、同じように登ってきたら大丈夫だから!!」
「うん!」
ローズの言葉にマリーも必死でロープに縋りつくのだった。
やがて慣れてくると、ローズの様子を窺う余裕が出てくる。
(なるほど!ああやって重心を移動してるんだね!大事なのは足をかける岩場!それさえ、間違わなければ!!)
コツを掴むとすぐにローズに追い付くことができた。
(あっ!!)
勢いあまってローズのドレスの中に顔を突っ込んでしまう。
(可愛い!!私が選んだ下着!!それに綺麗な足!!太ももも魅力的で...)
マリーはローズの下着に見惚れてしまっていた。
そのまま、見える位置をキープしながらついていく。
そして、崖を登りきると、待っていたローズに向かって話しかけた。
「あ、あの...と、とっても可愛かったよ!!今度は私が...先に行くから...」
マリーの顔は真っ赤になってしまっている。
「えっ?!何が?...それにマリーにはまだ早いわ!今度も崖があったらあたしが手本を見せるから、その通りついてくるのよ!」
ローズはマリーの言った言葉に戸惑っているようだったが、とりあえずそう言うと、
「そ、そうだよね...私のなんか興味ないよね...でも...ありがとう...」
マリーはそう言って寂しそうな顔をするのだった。
「???」
訳の分からぬままローズが先導していく。マリーは大人しくついてきたがどこか元気がないようだった。
「マリ...」
ローズが声をかけようとするが、茂みを抜けたところで、周りの様子が一変した。
木々が倒れ、大きな物が通った跡が残されていた。しかも、つい最近できたもののようで倒された木々がまだ青々としている。
それに、あちこちに焼け焦げた跡があり、草木が燃え尽き、地面が姿を現している場所もあった。
「そろそろね!ここから先は慎重に行きましょう!!相手に覚られないように!!」
「うん!!」
ローズの言葉にマリーも真剣な顔で返事をする。
進んでいくと、
「いたっ!」
ローズが囁き声でマリーに告げる。
その視線の先には、大きな体のドラゴンがいた。
長い首。細い体。背中には大きな翼が生えている。
四肢は太く、鋭い爪が生えていた。
長く伸びた尻尾を持ち上げブラブラと動かしている。
体中、灰色の鱗に覆われ、とても頑丈そうだ。
地面に腹ばいになり、周りの様子を窺っているようだった。
どうやらローズたちの気配に気づいているらしい。
「見つかる前にいくわよ!!」
そう言うと、ローズが隠れていた木々の陰から飛び出した。
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たまに有り得ない方向に話が飛びます。
一話短めです。
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