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Episode 35. 王国で最強のパーティ
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「う~~~~~~ん...あんまりいい依頼がないなぁ...」
マリーがギルドの依頼板を見て浮かない顔をしていた。
そこにローズがやってくる。
「マスターに聞いたけど、『今のところ特別な依頼はない』って...そりゃそうよね!いつもあんな魔物が出てたら人間は大変だものね!!」
そう言って、『参った』とばかりに肩を竦めた。
マリーとローズはシェナリーに来て早々、大きな仕事を2つも片付けたが、その後は簡単な仕事ばかりだった。
並みの冒険者にしては難しい依頼なのだが、今の二人はドラゴン級でなければ苦戦しない。
むしろ、あまり簡単な仕事を請け負って、他の冒険者の仕事を奪わないように気を遣う有様だった。
「今日はどうしようか?」
マリーがローズに聞くと、
「そうね。特にこれといった依頼がないのなら休みでいいかも...マリーはどっか行きたいとことかある?」
と言ってきた。すると、
「あっ!私、シェナリーに来たら行ってみたい場所があったんだ!!」
マリーは思い出したように口にする。
「じゃあ、そこに行きましょうか?」
「いいの?!」
ローズの言葉にマリーの顔が輝いた。
(ふふふ。可愛い!)
その様子を見たローズも思わず笑顔になる。
「もちろん!...で、どこ?」
「あのね!...ローズちゃんが...」
ローズの問いにマリーが答えようとすると、急にギルドがざわめき出した。
「なに、なに?!」
ローズが興味深げに皆の視線の先を窺う。
すると、そこには4人パーティが悠然と歩いてきていた。
「う~~~ん、平和そうだねぇ...」
細身の男性がギルドの様子を見て言う。
金髪を長く伸ばしている。身長は標準的だろうか。
オシャレな紫色の帽子とローブを着用している。
どうやら魔法使いのようだ。
「ガッハッハ!!いいことじゃねぇか!!」
大柄な男が大きな声を出す。
茶色の髪を短く無造作にカットしている。背も高く横幅もでかい。もちろん全て筋肉だ。
大きな斧を肩に担ぎ、フルアーマーを着用している。
こちらはタンク役のようだ。
「え~~~~!!つまんないよ!!ボクは大事件が起こっていて欲しいなぁ~~~!!」
そう高い声で話すのは小柄な女性。自分のことは『ボク』と呼んでいるようだ。
銀髪のボブカット。身長は低く、子供っぽい格好をしているが、年齢は若くはないようだった。
白とピンクが格子状にデザインされたローブを着用している。
こちらも魔法使いのようだ。
どちらかが攻撃役でどちらかがヒーラーなのだろう。
「みんな、静かにしなさい!!この街に来るのも久しぶりだから、何か懸案事項があるかもしれないわ!マスターに聞いてみましょう!!」
標準的な背格好の女性剣士がそう言うと、皆が静まった。
どうやらこのパーティのリーダーのようだ。
軽装の鎧を身につけ、赤髪を肩まで伸ばしている。
剣も鎧もアダマンタイト製のようで、まばゆく輝いていた。
「おい!ミランダのパーティじゃねぇか!!」
「えっ!!ミランダってあの『融通無碍』の?シェナリーに来てたのね!!」
「あれが王国一の冒険者パーティかぁ...憧れるなぁ...」
冒険者たちはそう言いながら4人に道を空ける。
4人は慣れているのか当たり前のように空いたカウンターまで来ると、受付嬢に話しかけた。
「私、ミランダだけど、この街に昨日、着いたの!マスターはいるかしら?」
女性剣士はそう言うと、経歴証明書を受付嬢に渡す。
「は、はい!!お待ちください!!」
受付嬢は緊張気味にそう言うと、奥へと急いで走っていった。
「へぇ~~~~!!あれが王国一のミランダさんのパーティねぇ!!」
ローズが興味津々といった顔でその様子を眺める。
「私も名前は聞いたことがあるよ!!『融通無碍』の二つ名を持つ、剣の達人!!その剣はまるで生きているように相手を捉えるんだよね!!」
マリーも知っている有名人の御一行のようだった。
「おお!!ミランダじゃねぇか!!元気にしてたか?」
奥から出てきたマスターがミランダたちを見て言う。
「元気元気!!元気が有り余って、依頼に飢えてるんだよ!!見たら分かるでしょ!!」
そう言ったのはボクっ娘の魔法使いだ。
「ははは。キャサリンは相変わらずだな?しかし、いつまでそのしゃべり方続けるんだ??そろそろやめた方が...」
「余計なお世話だよ!!」
マスターの言葉にカチンときたのかキャサリンが大声を出す。若干、トーンも低くなっていた。
「女性にそんな事を言うのは失礼よ!!それより、何か私たち向けの依頼はないかしら?そろそろ懸案事項が出てくる頃じゃない??」
ミランダがマスターをたしなめつつ、何か特別な依頼がないか聞く。すると、
「それがなぁ!一か月程前にサクラノからジークさんの秘蔵っ子が来てな!!全部、片付けちまったんだよ!!」
マスターはミランダに向け、そう言った。
「ジークさんの?!!」
ミランダの目が鋭く吊り上がった。そして、
「その子はどこにいるの?!男?!女?!」
そう言って、マスターに突っかからんばかりに身を乗り出す。
「おいおい。そう突っかかんなよ!可愛い女の子二人組だぜ!!...ローズ!!マリー!!こっち来いよ!!ミランダ様がお呼びだぜ!!」
マスターがマリーとローズを呼んだ。
「どうも...」
「初めまして!ローズと言います。見ての通り剣士をしています...あっ!こっちはマリー。魔法使いであたしのサポートをしてもらってます!!」
おっかなびっくりのマリーと、王国一の冒険者に会えてうれしいのか、元気いっぱいに自己紹介するローズ。
「へぇ~~...この子たちが...」
しかし、そう言うミランダの顔は笑っていない。
「あなた剣士だと言ったわね!!どのくらいの腕か見せてもらおうじゃない!!ジークさんの名前を汚さない剣を見せることね!!」
そして、ローズに試合を申し込んできた。
「えっ!あたしと?!」
ローズが驚いていると、
「まさか怖気づいたの?!ジークさんの秘蔵っ子ともあろうものが...」
ミランダが馬鹿にしたように話し出すと、それを遮ってローズが答えた。
「いえ!!ミランダさんにお相手していただけるなんて光栄です!!あたし、いつか最強の冒険者になりたいんです!!王国一のミランダさんにどこまで通じるか確かめさせて下さい!!」
そう、うれしそうに話すローズに、
「そ、そう...『最強の冒険者』なんて大きく出たわね!!いいわ!!王国一の高みを見せてあげる!!」
ミランダは毒気を抜かれたのか普段の調子に戻ると真顔でそう言った。
「おっ!王国一のミランダと冒険者界に新たに現れた新星か!!おもしれぇじゃねぇか!!よし!裏の訓練場、貸してやる!!」
その様子を楽しそうに眺めていたマスターだったが、試合が決まったようなので、そう言って、裏口の方を親指で指した。
「おお!!面白そうだな!!」
「これは絶対、見ないと!!今日の仕事は取りやめよ!!」
「まあ、ミランダの圧勝だろうけど、あのローズって子がどこまでやるかだな!!」
その場に居合わせた冒険者たちも興味があるようで、見学しようと、訓練場の方へ雪崩を打って歩いていった。
「じゃあ、行くわよ!!」
ミランダがローズを誘う。ローズは、
「ごめんね!今日は一緒に行けそうにないわ!!日を改めて...」
とマリーに話しかけるが、
「...いい...私一人で行く...」
マリーはどこか寂しげにそう答えた。
「えっ?!一人で大丈夫??今日じゃないとダメなの?だったら...」
ローズはマリーの言葉を予想していなかったようだ。慌ててそう言うが、
「大丈夫だよ!!この街も随分、慣れたし、人に聞けば分かる場所だから!!ローズちゃんは試合、頑張ってね!!せっかくのチャンスだもん!!これを逃す手はないよ!!」
マリーは笑顔でそう言って、ギルドから出ていった。
「...マリー...」
ローズはマリーの様子に後ろ髪を引かれる思いだったが、
「早く行かないの??ミランダが待ってるよ?」
「え、ええ...」
キャサリンにそう言われ、足を訓練場に向けるのだった。
「マスター!!どこに行くんですか?!」
裏口へと歩いていると、後ろから年配の受付嬢の声が聞こえた。
ローズが驚いて振り返ると、
「決まってんだろ!!こんな好カード見ねぇわけには...」
後ろをついてきていたマスターが答えていた。
「これとこれとこれ...今日中にお願いしますね!!」
それを聞いた受付嬢が書類を手に持ちながら、マスターに冷たく言う。
「勘弁してくれよぉ...そんなの明日で...」
マスターが泣き言を言うが、
「これでも少ないくらいです!!本来はそれに加えてこの書類を全部...」
受付嬢はそう言って書類の束を机の上に置く。
「あ、後は任せた~~~!!」
マスターは逃げるように裏口に走っていってしまった。
「ふう...元冒険者ってバカばっかりなのかしら...」
「ははは...」
そう溜息を吐く受付嬢にローズは愛想笑いするほかないのであった。
マリーがギルドの依頼板を見て浮かない顔をしていた。
そこにローズがやってくる。
「マスターに聞いたけど、『今のところ特別な依頼はない』って...そりゃそうよね!いつもあんな魔物が出てたら人間は大変だものね!!」
そう言って、『参った』とばかりに肩を竦めた。
マリーとローズはシェナリーに来て早々、大きな仕事を2つも片付けたが、その後は簡単な仕事ばかりだった。
並みの冒険者にしては難しい依頼なのだが、今の二人はドラゴン級でなければ苦戦しない。
むしろ、あまり簡単な仕事を請け負って、他の冒険者の仕事を奪わないように気を遣う有様だった。
「今日はどうしようか?」
マリーがローズに聞くと、
「そうね。特にこれといった依頼がないのなら休みでいいかも...マリーはどっか行きたいとことかある?」
と言ってきた。すると、
「あっ!私、シェナリーに来たら行ってみたい場所があったんだ!!」
マリーは思い出したように口にする。
「じゃあ、そこに行きましょうか?」
「いいの?!」
ローズの言葉にマリーの顔が輝いた。
(ふふふ。可愛い!)
その様子を見たローズも思わず笑顔になる。
「もちろん!...で、どこ?」
「あのね!...ローズちゃんが...」
ローズの問いにマリーが答えようとすると、急にギルドがざわめき出した。
「なに、なに?!」
ローズが興味深げに皆の視線の先を窺う。
すると、そこには4人パーティが悠然と歩いてきていた。
「う~~~ん、平和そうだねぇ...」
細身の男性がギルドの様子を見て言う。
金髪を長く伸ばしている。身長は標準的だろうか。
オシャレな紫色の帽子とローブを着用している。
どうやら魔法使いのようだ。
「ガッハッハ!!いいことじゃねぇか!!」
大柄な男が大きな声を出す。
茶色の髪を短く無造作にカットしている。背も高く横幅もでかい。もちろん全て筋肉だ。
大きな斧を肩に担ぎ、フルアーマーを着用している。
こちらはタンク役のようだ。
「え~~~~!!つまんないよ!!ボクは大事件が起こっていて欲しいなぁ~~~!!」
そう高い声で話すのは小柄な女性。自分のことは『ボク』と呼んでいるようだ。
銀髪のボブカット。身長は低く、子供っぽい格好をしているが、年齢は若くはないようだった。
白とピンクが格子状にデザインされたローブを着用している。
こちらも魔法使いのようだ。
どちらかが攻撃役でどちらかがヒーラーなのだろう。
「みんな、静かにしなさい!!この街に来るのも久しぶりだから、何か懸案事項があるかもしれないわ!マスターに聞いてみましょう!!」
標準的な背格好の女性剣士がそう言うと、皆が静まった。
どうやらこのパーティのリーダーのようだ。
軽装の鎧を身につけ、赤髪を肩まで伸ばしている。
剣も鎧もアダマンタイト製のようで、まばゆく輝いていた。
「おい!ミランダのパーティじゃねぇか!!」
「えっ!!ミランダってあの『融通無碍』の?シェナリーに来てたのね!!」
「あれが王国一の冒険者パーティかぁ...憧れるなぁ...」
冒険者たちはそう言いながら4人に道を空ける。
4人は慣れているのか当たり前のように空いたカウンターまで来ると、受付嬢に話しかけた。
「私、ミランダだけど、この街に昨日、着いたの!マスターはいるかしら?」
女性剣士はそう言うと、経歴証明書を受付嬢に渡す。
「は、はい!!お待ちください!!」
受付嬢は緊張気味にそう言うと、奥へと急いで走っていった。
「へぇ~~~~!!あれが王国一のミランダさんのパーティねぇ!!」
ローズが興味津々といった顔でその様子を眺める。
「私も名前は聞いたことがあるよ!!『融通無碍』の二つ名を持つ、剣の達人!!その剣はまるで生きているように相手を捉えるんだよね!!」
マリーも知っている有名人の御一行のようだった。
「おお!!ミランダじゃねぇか!!元気にしてたか?」
奥から出てきたマスターがミランダたちを見て言う。
「元気元気!!元気が有り余って、依頼に飢えてるんだよ!!見たら分かるでしょ!!」
そう言ったのはボクっ娘の魔法使いだ。
「ははは。キャサリンは相変わらずだな?しかし、いつまでそのしゃべり方続けるんだ??そろそろやめた方が...」
「余計なお世話だよ!!」
マスターの言葉にカチンときたのかキャサリンが大声を出す。若干、トーンも低くなっていた。
「女性にそんな事を言うのは失礼よ!!それより、何か私たち向けの依頼はないかしら?そろそろ懸案事項が出てくる頃じゃない??」
ミランダがマスターをたしなめつつ、何か特別な依頼がないか聞く。すると、
「それがなぁ!一か月程前にサクラノからジークさんの秘蔵っ子が来てな!!全部、片付けちまったんだよ!!」
マスターはミランダに向け、そう言った。
「ジークさんの?!!」
ミランダの目が鋭く吊り上がった。そして、
「その子はどこにいるの?!男?!女?!」
そう言って、マスターに突っかからんばかりに身を乗り出す。
「おいおい。そう突っかかんなよ!可愛い女の子二人組だぜ!!...ローズ!!マリー!!こっち来いよ!!ミランダ様がお呼びだぜ!!」
マスターがマリーとローズを呼んだ。
「どうも...」
「初めまして!ローズと言います。見ての通り剣士をしています...あっ!こっちはマリー。魔法使いであたしのサポートをしてもらってます!!」
おっかなびっくりのマリーと、王国一の冒険者に会えてうれしいのか、元気いっぱいに自己紹介するローズ。
「へぇ~~...この子たちが...」
しかし、そう言うミランダの顔は笑っていない。
「あなた剣士だと言ったわね!!どのくらいの腕か見せてもらおうじゃない!!ジークさんの名前を汚さない剣を見せることね!!」
そして、ローズに試合を申し込んできた。
「えっ!あたしと?!」
ローズが驚いていると、
「まさか怖気づいたの?!ジークさんの秘蔵っ子ともあろうものが...」
ミランダが馬鹿にしたように話し出すと、それを遮ってローズが答えた。
「いえ!!ミランダさんにお相手していただけるなんて光栄です!!あたし、いつか最強の冒険者になりたいんです!!王国一のミランダさんにどこまで通じるか確かめさせて下さい!!」
そう、うれしそうに話すローズに、
「そ、そう...『最強の冒険者』なんて大きく出たわね!!いいわ!!王国一の高みを見せてあげる!!」
ミランダは毒気を抜かれたのか普段の調子に戻ると真顔でそう言った。
「おっ!王国一のミランダと冒険者界に新たに現れた新星か!!おもしれぇじゃねぇか!!よし!裏の訓練場、貸してやる!!」
その様子を楽しそうに眺めていたマスターだったが、試合が決まったようなので、そう言って、裏口の方を親指で指した。
「おお!!面白そうだな!!」
「これは絶対、見ないと!!今日の仕事は取りやめよ!!」
「まあ、ミランダの圧勝だろうけど、あのローズって子がどこまでやるかだな!!」
その場に居合わせた冒険者たちも興味があるようで、見学しようと、訓練場の方へ雪崩を打って歩いていった。
「じゃあ、行くわよ!!」
ミランダがローズを誘う。ローズは、
「ごめんね!今日は一緒に行けそうにないわ!!日を改めて...」
とマリーに話しかけるが、
「...いい...私一人で行く...」
マリーはどこか寂しげにそう答えた。
「えっ?!一人で大丈夫??今日じゃないとダメなの?だったら...」
ローズはマリーの言葉を予想していなかったようだ。慌ててそう言うが、
「大丈夫だよ!!この街も随分、慣れたし、人に聞けば分かる場所だから!!ローズちゃんは試合、頑張ってね!!せっかくのチャンスだもん!!これを逃す手はないよ!!」
マリーは笑顔でそう言って、ギルドから出ていった。
「...マリー...」
ローズはマリーの様子に後ろ髪を引かれる思いだったが、
「早く行かないの??ミランダが待ってるよ?」
「え、ええ...」
キャサリンにそう言われ、足を訓練場に向けるのだった。
「マスター!!どこに行くんですか?!」
裏口へと歩いていると、後ろから年配の受付嬢の声が聞こえた。
ローズが驚いて振り返ると、
「決まってんだろ!!こんな好カード見ねぇわけには...」
後ろをついてきていたマスターが答えていた。
「これとこれとこれ...今日中にお願いしますね!!」
それを聞いた受付嬢が書類を手に持ちながら、マスターに冷たく言う。
「勘弁してくれよぉ...そんなの明日で...」
マスターが泣き言を言うが、
「これでも少ないくらいです!!本来はそれに加えてこの書類を全部...」
受付嬢はそう言って書類の束を机の上に置く。
「あ、後は任せた~~~!!」
マスターは逃げるように裏口に走っていってしまった。
「ふう...元冒険者ってバカばっかりなのかしら...」
「ははは...」
そう溜息を吐く受付嬢にローズは愛想笑いするほかないのであった。
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