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Burst 7. 二人のパーティ名は
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「ふぅ~、やっと着いた...」
オトメはとある建物の前で一息ついていた。
「オトメさんは旅を始めたばかりですものね。慣れないうちは疲れると思います」
「そうだね。魔物とも闘わないといけないし...バースト・ボールを出すのって結構、集中力使うんだ!」(本当は想像力だけど...)
「そうなんですね。そういえば、いつもすごい声で叫んでらっしゃいますね...」
マリアが思い出して頬を染める。
「いやぁ~~~!!思い出さないで!...恥ずかしい...」
「そんなことありません!とっても可愛いです!私、想像するだけでご飯三杯はいけます!」
「もう~~!そんなこと言ったら、闘ってあげないんだから!」
「ごめんなさい!こっそり思い出すだけにします!」
「だから忘れて~~~!!」
オトメは恥ずかしさで死にそうだった。
「では、早速入って休みましょうか」
そう言って、マリアは大きな建物に入ろうとする。
「へぇ~~!これが『道の駅』か。初めて見た」
「えぇ、街道沿いに大体10キロ間隔くらいでありまして、宿泊施設、食堂に売店。お風呂やシャワーにコインランドリーまであるんですよ!」
「便利だね。旅の荷物が思いのほか少なくてビックリしたけど、これがあるから軽装でいけるんだね!」
「えぇ、私もここまで大変お世話になりました」
マリアが入口でライセンスカードを機械にかざす。移動距離計測用の端末だ。
オトメも慌ててカードを取り出し、同じようにかざす。
「報酬はあちらの機械で取り出せますよ!」
マリアが奥の方を指さす。
そこには何台かの機械が並んでいた。
「へぇ~、いくら入ったんだろう...」
「見てみたらどうですか?残金確認もできますよ!」
そこでオトメはその機械にカードをタッチする。
残金が表示されていた。
「えっと、宿泊料とか考えると...一日、10キロでもちょっと余裕はあるね...でも足止めの可能性とか考えると、30キロくらい移動したいかな...」
「結構、入るのですね。二級だとEカップでその三割くらいです」
「えっ!そんな少ないの?」
「一級はHカップ並みの報酬が約束されていますから...HカップはEカップより3倍くらい遭遇率が高いですし...」
「どれだけ遭遇するの!でも一級取っといて良かった。そうじゃなきゃ、野宿だよ...」
「ところでパーティはどうします。二人で組んでもいいですし、ただの共同行動でも構いませんが...」
「パーティ組むとどんないいことがあるの?」
「いいこと...というか、むしろ契約に近いですね。高ランクの魔法使いタイプが盾役の冒険者を募集するなどがパターンとしては多いです」
「ふむふむ」
「その場合、高ランクの方が守ってもらう分だけ、報酬を分ける契約を行います。他には仲良し同士がお互いの結束を確認する為、などでしょうか。この場合、報酬のやり取りは無しのパターンが多いですね」
「パーティから抜けたいときは?」
「基本的に、自由に抜けられます。冒険者を無理やり縛り付けるのは不可能に近いですから...ですのでどうしても抜けられたくない場合は、高額の報酬を与える事が多いですね」
「なるほど」
「後、三日間以上、行動を共にしなかった場合は自動的に抜けます。もちろん、再加入もできますので、その時は戻ってきたときに再加入します」
「他には?」
「後は...パーティを組むと集団で依頼の契約の場に臨むことができるので、自分たちに有利な条件を飲ませる事ができる...などがありますね」
「じゃあ、私たちの場合は、お互いパーティを作りたいかだけだね!報酬の分配とかは無しでいいと思うし、依頼も受ける予定がないし...」
「どうします?...わ、私はせっかくなので、同じパーティに入りたいかなぁって...」
マリアが人差し指を合わせながらもじもじしながら言う。
オトメはその様子が可愛らしくて、思わず微笑む。
「じゃあ、パーティを作ろうか!どうするの?」
「それでは、まずはパーティ作成のボタンをタッチして...」
マリアは満面の笑みで説明し始めた。
オトメは何かそれがうれしかった。
「パーティ名かぁ...何がいいかな...」
「あ、あの...『マリア・アイリン』...とかはどうでしょうか?」
マリアは真っ赤になりながら合わせた人差し指をぐるぐる回していた。
恥ずかしいのか俯きがちに上目でオトメの様子をうかがっている。
「う~~ん、二人の名前を合わせたわけだね。悪くないけど...もうちょっと可愛いのがいいかな...」
「悪く...ないですか?それって...いいです。早いか遅いかの問題ですから...」
「ん?早いか遅いかって?」
「もう!分かってるくせに!...恥ずかしいこと言わせないでください!」
マリアは拗ねた様子を見せたが、どこかうれしそうだった。
ちなみにこの世界は夫婦は同じ姓を名乗る。
結婚すると、どちらかが相手の姓に変わるわけだ。
また同性婚が認められて...いるんだろうな...
「そうだ!『夢見る女の子~可愛い女の子は理想を求めて、伝説の都市・オーパイを目指す。目指す理由は人それぞれ。でもより可愛くなりたいという思いは同じ。もうちょっと大きかったら...もうちょっと小さかったら...きっと違う未来が待ってるはず!私たちはオーパイで理想を手に入れ、より可愛い女の子ライフをエンジョイするの!ふふふ。楽しみで今日は眠れない。そんな時はいつものおまじない!可愛くなぁれ、可愛くなぁれ。きっと明日は今日より可愛くなっているはず!さあ、いざ出発よ!~』とかはどう?」
「か、可愛いと思います...ですが、パーティ名には字数制限があって...」
マリアは表面上は笑顔を作っていたが、困った雰囲気は隠せなかった。
「そっか...でも削れるところが一文字もないんだよね...」
オトメは顎に人差し指を当てて考え込んでいる。
「そ、それでしたら仕方がないですから、説明部分を省いて『夢見る女の子』とか『ドリーミング・ガールズ』とか『マリア・アイリン』とかはどうでしょう?」
マリアはもう一度、『マリア・アイリン』を推してきた。
「う~~ん、仕方ないか!じゃあ『ドリーミング・ガールズ』でいこう!」
「そ、そうですか...私は『マリア・アイリン』が...いえ、なんでもないです...」
マリアは心底、残念そうな顔をした。
「それで、『公開をしない』を選んで、『パーティに加える』、『ライセンスカードをスキャン』で私が自分のライセンスカードをスキャンします」
そうすると、マリアの名前がパーティに加わった。
「わぁ、できた!」
「これで完了です。二人は同じパーティ...つまり一心同体...つまり心も体も一緒...つまり...」
「『仲良し』ってことだよね!」
「そ、そうですね。ちょっと物足りませんが、今のところはそんな感じで...」
こうして二人はパーティ『ドリーミング・ガールズ』を作った。
「では、私はシャワーを浴びてきます」
「えっ!まだ昼過ぎだよ!」
「結構、汗をかきましたし...オトメさんの前で嫌なにおいをさせるわけには...」
「マリアちゃんが嫌なにおいだったら私はどうなの?全然、大丈夫!むしろ近づくといいにおいがする...」
オトメがマリアの首筋で鼻をくんくんする。
「は、恥ずかしい...私、シャワー浴びてきます!」
マリアは赤くなると、急いでシャワールームへ向かっていった。
「本当にいいにおいなのに...お嬢様はすごいなぁ...」
オトメはやることもないので、ロビーの『ソファー』と呼ばれる柔らかい椅子に座った。
「わぁ~、座り心地、最高~~!」
ロビーには『テレビ』と呼ばれる機械から映像と音声が流れていた。
「昨日、『ワガマーマ公国』で『貧乳隔離政策』が実施され、Aカップ以下の女性は...」
「そんな国もあるんだ...まだ、私はマシなのかも...」
オトメが初めての体験を楽しんでいると、マリアがやって来た。
見ると衣装まで変わっている。
「あっ、マリアちゃん!服まで変えたの?!」
「は、はい。オトメさんの前でみすぼらしい格好をするわけにはいきませんし...」
「それ、無自覚に私、落としてるよ...」
オトメは人生で二番目の劣等感を感じていた。
ちなみに一番は言うまでもなく、胸である。
「食事を取ったら出発しましょうか?」
「うん。もう、お腹ペコペコ!」
「ごめんなさい。待たせてしまって...」
「大丈夫、大丈夫。むしろ、じらされた分だけ美味しいんだよねぇ~」
二人は食堂で食事を取ると、次の道の駅へと向けて旅立っていった。
オトメはとある建物の前で一息ついていた。
「オトメさんは旅を始めたばかりですものね。慣れないうちは疲れると思います」
「そうだね。魔物とも闘わないといけないし...バースト・ボールを出すのって結構、集中力使うんだ!」(本当は想像力だけど...)
「そうなんですね。そういえば、いつもすごい声で叫んでらっしゃいますね...」
マリアが思い出して頬を染める。
「いやぁ~~~!!思い出さないで!...恥ずかしい...」
「そんなことありません!とっても可愛いです!私、想像するだけでご飯三杯はいけます!」
「もう~~!そんなこと言ったら、闘ってあげないんだから!」
「ごめんなさい!こっそり思い出すだけにします!」
「だから忘れて~~~!!」
オトメは恥ずかしさで死にそうだった。
「では、早速入って休みましょうか」
そう言って、マリアは大きな建物に入ろうとする。
「へぇ~~!これが『道の駅』か。初めて見た」
「えぇ、街道沿いに大体10キロ間隔くらいでありまして、宿泊施設、食堂に売店。お風呂やシャワーにコインランドリーまであるんですよ!」
「便利だね。旅の荷物が思いのほか少なくてビックリしたけど、これがあるから軽装でいけるんだね!」
「えぇ、私もここまで大変お世話になりました」
マリアが入口でライセンスカードを機械にかざす。移動距離計測用の端末だ。
オトメも慌ててカードを取り出し、同じようにかざす。
「報酬はあちらの機械で取り出せますよ!」
マリアが奥の方を指さす。
そこには何台かの機械が並んでいた。
「へぇ~、いくら入ったんだろう...」
「見てみたらどうですか?残金確認もできますよ!」
そこでオトメはその機械にカードをタッチする。
残金が表示されていた。
「えっと、宿泊料とか考えると...一日、10キロでもちょっと余裕はあるね...でも足止めの可能性とか考えると、30キロくらい移動したいかな...」
「結構、入るのですね。二級だとEカップでその三割くらいです」
「えっ!そんな少ないの?」
「一級はHカップ並みの報酬が約束されていますから...HカップはEカップより3倍くらい遭遇率が高いですし...」
「どれだけ遭遇するの!でも一級取っといて良かった。そうじゃなきゃ、野宿だよ...」
「ところでパーティはどうします。二人で組んでもいいですし、ただの共同行動でも構いませんが...」
「パーティ組むとどんないいことがあるの?」
「いいこと...というか、むしろ契約に近いですね。高ランクの魔法使いタイプが盾役の冒険者を募集するなどがパターンとしては多いです」
「ふむふむ」
「その場合、高ランクの方が守ってもらう分だけ、報酬を分ける契約を行います。他には仲良し同士がお互いの結束を確認する為、などでしょうか。この場合、報酬のやり取りは無しのパターンが多いですね」
「パーティから抜けたいときは?」
「基本的に、自由に抜けられます。冒険者を無理やり縛り付けるのは不可能に近いですから...ですのでどうしても抜けられたくない場合は、高額の報酬を与える事が多いですね」
「なるほど」
「後、三日間以上、行動を共にしなかった場合は自動的に抜けます。もちろん、再加入もできますので、その時は戻ってきたときに再加入します」
「他には?」
「後は...パーティを組むと集団で依頼の契約の場に臨むことができるので、自分たちに有利な条件を飲ませる事ができる...などがありますね」
「じゃあ、私たちの場合は、お互いパーティを作りたいかだけだね!報酬の分配とかは無しでいいと思うし、依頼も受ける予定がないし...」
「どうします?...わ、私はせっかくなので、同じパーティに入りたいかなぁって...」
マリアが人差し指を合わせながらもじもじしながら言う。
オトメはその様子が可愛らしくて、思わず微笑む。
「じゃあ、パーティを作ろうか!どうするの?」
「それでは、まずはパーティ作成のボタンをタッチして...」
マリアは満面の笑みで説明し始めた。
オトメは何かそれがうれしかった。
「パーティ名かぁ...何がいいかな...」
「あ、あの...『マリア・アイリン』...とかはどうでしょうか?」
マリアは真っ赤になりながら合わせた人差し指をぐるぐる回していた。
恥ずかしいのか俯きがちに上目でオトメの様子をうかがっている。
「う~~ん、二人の名前を合わせたわけだね。悪くないけど...もうちょっと可愛いのがいいかな...」
「悪く...ないですか?それって...いいです。早いか遅いかの問題ですから...」
「ん?早いか遅いかって?」
「もう!分かってるくせに!...恥ずかしいこと言わせないでください!」
マリアは拗ねた様子を見せたが、どこかうれしそうだった。
ちなみにこの世界は夫婦は同じ姓を名乗る。
結婚すると、どちらかが相手の姓に変わるわけだ。
また同性婚が認められて...いるんだろうな...
「そうだ!『夢見る女の子~可愛い女の子は理想を求めて、伝説の都市・オーパイを目指す。目指す理由は人それぞれ。でもより可愛くなりたいという思いは同じ。もうちょっと大きかったら...もうちょっと小さかったら...きっと違う未来が待ってるはず!私たちはオーパイで理想を手に入れ、より可愛い女の子ライフをエンジョイするの!ふふふ。楽しみで今日は眠れない。そんな時はいつものおまじない!可愛くなぁれ、可愛くなぁれ。きっと明日は今日より可愛くなっているはず!さあ、いざ出発よ!~』とかはどう?」
「か、可愛いと思います...ですが、パーティ名には字数制限があって...」
マリアは表面上は笑顔を作っていたが、困った雰囲気は隠せなかった。
「そっか...でも削れるところが一文字もないんだよね...」
オトメは顎に人差し指を当てて考え込んでいる。
「そ、それでしたら仕方がないですから、説明部分を省いて『夢見る女の子』とか『ドリーミング・ガールズ』とか『マリア・アイリン』とかはどうでしょう?」
マリアはもう一度、『マリア・アイリン』を推してきた。
「う~~ん、仕方ないか!じゃあ『ドリーミング・ガールズ』でいこう!」
「そ、そうですか...私は『マリア・アイリン』が...いえ、なんでもないです...」
マリアは心底、残念そうな顔をした。
「それで、『公開をしない』を選んで、『パーティに加える』、『ライセンスカードをスキャン』で私が自分のライセンスカードをスキャンします」
そうすると、マリアの名前がパーティに加わった。
「わぁ、できた!」
「これで完了です。二人は同じパーティ...つまり一心同体...つまり心も体も一緒...つまり...」
「『仲良し』ってことだよね!」
「そ、そうですね。ちょっと物足りませんが、今のところはそんな感じで...」
こうして二人はパーティ『ドリーミング・ガールズ』を作った。
「では、私はシャワーを浴びてきます」
「えっ!まだ昼過ぎだよ!」
「結構、汗をかきましたし...オトメさんの前で嫌なにおいをさせるわけには...」
「マリアちゃんが嫌なにおいだったら私はどうなの?全然、大丈夫!むしろ近づくといいにおいがする...」
オトメがマリアの首筋で鼻をくんくんする。
「は、恥ずかしい...私、シャワー浴びてきます!」
マリアは赤くなると、急いでシャワールームへ向かっていった。
「本当にいいにおいなのに...お嬢様はすごいなぁ...」
オトメはやることもないので、ロビーの『ソファー』と呼ばれる柔らかい椅子に座った。
「わぁ~、座り心地、最高~~!」
ロビーには『テレビ』と呼ばれる機械から映像と音声が流れていた。
「昨日、『ワガマーマ公国』で『貧乳隔離政策』が実施され、Aカップ以下の女性は...」
「そんな国もあるんだ...まだ、私はマシなのかも...」
オトメが初めての体験を楽しんでいると、マリアがやって来た。
見ると衣装まで変わっている。
「あっ、マリアちゃん!服まで変えたの?!」
「は、はい。オトメさんの前でみすぼらしい格好をするわけにはいきませんし...」
「それ、無自覚に私、落としてるよ...」
オトメは人生で二番目の劣等感を感じていた。
ちなみに一番は言うまでもなく、胸である。
「食事を取ったら出発しましょうか?」
「うん。もう、お腹ペコペコ!」
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「大丈夫、大丈夫。むしろ、じらされた分だけ美味しいんだよねぇ~」
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