マコリン☆パニック!

世々良木夜風

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Panic 29. ポワンの証言

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「イヤ~~~~~~~~~~~!!!」
女王の間に響き渡るマコリンの絶叫。
「そ、そ、そうか...ま、まあ、自分の下着じゃし...」
困ったような女王様の声。そして、

「まあ!自分の下着のにおいなんて!!...私、絶対に無理!!」
「そうね!変態よ!変態!」

周りからの目が冷たい。
(ちょっと待って!!ポワンに対しては好意的なのに、私の行為には冷たくない?...なんで?!犯罪なのはむしろポワンのほうでしょ?!)
そんなことを思うマコリンだったが、すぐにポワンに詰め寄る。
「今はポワンの話でしょ?!なんで私のことを!!」
すると、
「だって『人には言えない、隠していること』でしょ!マコリンの秘密もそうだよ!」
あっけらかんと答えるポワン。
「もう!ポワンったら~~~~~~!!」
また、マコリンの声がフロアに響くのだった。


やがて、落ち着いた頃、
「ふむ。ポワンにはわれの魔法が効いておるようじゃの!...やはり、おぬしには注意が必要!」
女王様が、マコリンを油断のない目で見つめてくる。
(ま、まあ、警戒してもしなくても変わらないけどね...)
マコリンは苦笑いをしているが、周りの近衛兵からも敵意を感じる。
(ま、まずい!変なことしたら殺されるかも!!)
マコリンが青くなっていると、
「よい!警戒を解け!」
女王様が近衛兵に命令する。
「よろしいので?」
台の下の高官が進言すると、
「ポワンはこちらの手の内じゃ!この状態では反抗できまい?」
女王様がマコリンを見て笑う。
「...はい...女王様のおっしゃる通りです...」
すると、観念したようにマコリンが言った。
(どうせ何もできないけど...)
マコリンが心の中でそう思っていると、

「では、ポワンよ!そなたに問う!」
「な~~~に?」
女王様の言葉に、呑気に答えるポワン。
「また、変なこと聞かないでしょうね?!」
心配げなマコリンだったが、女王様は意地悪く笑うと、口を開く。
「おぬしの最も聞かれたくないことじゃ!」
その言葉に、
(なに?これ以上、恥ずかしい秘密を暴露されるの?!)
マコリンが真っ青になっていると、
「おぬしたち!我が娘、アコヤに何をした?!」
女王様は、今回の出来事について質問したのだった。
(そっか!それが本題だったわね...)
マコリンが、すっかり忘れていた、自分たちが置かれている状況について、再認識していると、ポワンは答える。

「あのね!あっちの世界でプールで泳いでいると、アコヤちゃんを見つけて...」
・・・

結局、ポワンのした話は、最初にマコリンがしたものと全く同じだった。
「なぜ?...それが真実だと...しかし...」
女王様は困惑しているようだ。
「だから最初から言ってるじゃないですか!!もうすぐ王女様が目を覚ますと思いますから、話を聞いて...」
マコリンは口を尖らせているが、
「もしや?!」
女王様は何かに気づいたようだ。大きな声を出す。
「な、なんですか?!ポワンが魅了されているのは分かって...」
マコリンがそれに驚いていると、
「...おぬしがただものではないことは分かっておる...」
女王様はおもむろに口を開く。
「そ、それは...自分で言うのもなんですが、美しさでは誰にも負けないと...」
マコリンが口調だけは謙遜しつつも、自慢げに髪をかきあげていると、
「『記憶操作』の魔法を使ったな?!」
女王様がマコリンを睨む。
「へっ?!」
マコリンはその内容に呆けてしまう。
「女王様!『記憶操作』は本当に存在するのかすら定かではない、伝説の魔法!このような小娘に使えるわけが!」
下に控える高官が口にするが、
「そなたも見たであろう!...その者は我の魔法を完全に抵抗レジストしておる!...伝説の魔法を使えたとしても不思議ではない!!」
女王様はそう断言する。
「はっ!おっしゃる通りで...」
高官も同意したようだった。
「ちょ、ちょっと待ってください!私は...」
(名前が違うとは言えないし...)
マコリンが、どうするべきか悩んでいると、
「自らのしもべであるポワンにまで使うか!...侮れぬな!」
女王様は勝手に話を進めている。
「どうあっても自分の推理を押し通すつもりね...」
マコリンは白い目で女王様を見つめるが、
「ええい!こうなったら仕方あるまい!!ポワン!!」
「な~~に?」
女王様はポワンに命令をした。

☆彡彡彡

「マコリン...」
ポワンが熱い目でマコリンを見つめる。

ここは城の一室。
マコリンとポワン以外は誰もいない。
部屋にはベッドが置いてあった。
広いベッドは、程よい弾力のマットの上に、シーツが敷いてあるのみ。
落ち着いた色の絨毯とカーテン。
それに壁は厚く、音が漏れないようになっているようだった。

「ポ、ポワン、何をするの?!...まさか...」
マコリンはポワンと女王様の会話を思い出していた。

〇・〇・〇

「ポワンよ!マコリンに真実を白状させるのだ!!」
「し、真実?!...分かった...女王様の命令だもん!ポワン、頑張る!」
そう言うと、マコリンの方を向くポワン。
「ポワン...」
マコリンが訴えるような目で見つめるが、ポワンはにこりともせず、じっとマコリンの顔を見ている。そして、
「女王様!お願いがあるの!」
突然、女王様に向き直ると、声をかける。
「なんじゃ?」
訝しげな女王様。しかし、ポワンはそのまま続ける。
「マコリンと...二人っきりにしてほしいの!!」
ポワンが思い切ったように口にすると、
「二人きり...しかし...」
女王様は悩んでいるようであったが、何かに気づいたようだ。
「そうか!...そういうことか!」
意味ありげにそうつぶやくと、
「これ!二人に部屋を用意せよ!...ピッタリの部屋があるでの!」
女王様は、部下を呼び、何やら説明しているようだ。
「まさか、本当に二人きりにさせるのですか?!...逃げるのでは?」
高官が異を唱えるが、
「逃げたら、ポワンに自ら命を絶つように暗示をかけておこう...ふふふ。ポワンよ!上手くやれ!」
「うん!」
女王様の指示に、気合を入れた返事をするポワンだった。

〇・〇・〇

(この部屋...間違いなくエッチなことをするために作られた...つまり、今から私はポワンに...)
マコリンは不安を感じつつも、ポッと頬を染めるのだった。
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