ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret29. ひかるとすみれの過去(出会い)

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。超絶美少女。すみれとは仲良しコンビ♡
紫野むらさきのすみれ(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。ひかるを輝かせるのは自分のツッコミだと豪語している。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!ひかるとすみれとのやり取りも大分こなれてきた。
・アン:普段はチッカーAとしてモブ化している。ひかるが学校の間はお店の番をしている。

●前回のお話
私、小松春桜子!今日は久し振りにひかるちゃんのお店に遊びに来たの。
そしたら何故かマテラスとのデートで着た服が新商品として並べられてて...
試着させてもらったけど、何かうれしかったな。
頑張ってお小遣い貯めて買っちゃおっと♡
その後、話の流れでひかるちゃんとすみれちゃんの出会いの話になったんだけど...



ここはひかるのお店。
「ひかるちゃんとすみれちゃんってどこで知り合ったの?」
さくらが聞くと、二人は顔を見合わせ、やがて、ひかるが話し始めた。
「そうですわね。あれはわたくしがお店を開いてからしばらくした、春のことでしたわ...」

・・・

「アン、お疲れ様。後はわたくしがやりますわ」
「ひかる様、ありがとうございます。今日もあまりお客様は来られませんでした」
「そう...まあ原価はほとんどかかっておりませんし、つぶれる心配は無いとはいえ、セリシール様の為にも、もっと賑わいを出したいわね...」
「ひかる様も、お店と学校の両立は大変でございましょう。アルバイトなどを募集されては...」
「う~ん。人件費がかさみますわね。ですが、外部から人を入れるというのは良い考えかもしれません」
「はい」
「とりあえず、一名募集してみて、経営的に苦しいようなら、考え直しましょうか」
ひかるはとりあえず、チラシを作って、店の前に貼ってみることにした。
『接客アルバイト募集!多く勤務できる方、魔法少女が好きな方、明るい方優遇。委細面談。給与として商品を卸価格で現物支給可』

・・・

「お母さん、お願い!お小遣い前借りさせて!!」
手を合わせながら頼む中学生が一人。
「また、魔法少女グッズでしょう。いい加減になさい!あなたいくつだと思っているの」
「限定商品で、今買わないと、特典がつかないの...来月はなしでいいから」
「そんなこと言って、守ったことないでしょ!決められた額の中でやりくりするのが鉄則よ!将来が心配になって来たわ」
ため息をつく母。親というのは大変なのです。
「じゃあ、バイトしていい?自分で稼げば問題ないでしょ」
「勉強と両立できるの?成績下がったら本末転倒でしょ!」
「お願い!!」
「ふう...じゃあ、次のテストで成績上がったら考えてあげるわ」
根負けした母。親というのはなんだかんだ言って子供に甘いのです。
「本当!ありがとう。お母さん!」
「でも、成績下がったらバイト止めてもらいますからね!」
「そんなぁ...」

そんなやり取りがあって数日後、紫髪ショートの少女がとぼとぼと繁華街を歩いていた。
ちらほら、「キャー、かっこいい!見て!あの子!」という声が聞こえたりする。
でも、その声は少女の耳には届いていないようだった。
「はぁ、ああは言ってみたけど、私、勉強苦手なのよね。でもとりあえず次のテストは頑張らなくちゃ!」
その時、裏通りへと抜ける路地の入口に小さな看板があるのに気づく。
『魔法少女専門グッズ店 Magical Fairy →』
「へぇ、こんなところにこんなお店があったのね。新しく出来たのかしら?」
少女は新しい店の発見にウキウキしながら角を曲がった。
「わぁ、かわいいお店!しかも魔法少女専門なんて、かなりレアだわ!」

「いらっしゃいませぇぇ~~♡」
少女がお店に入ると小さなベルがなり、店員さんが出迎える。
美人...いや、もはやその範疇には収まらない。絶世の美少女が現れた。
「は、はい」
思わず声が裏返ってしまう。女である自分がみても見惚れて目が離せない。
視線を下げると、魔法少女のコスプレ。普段はそれだけでテンションが上がるが、それ以上に目を引くのは、完璧なプロポーション。テレビのタレントがかすんで見える。
(はあ、世の中にはこんな人がいるのね)
普通は自分と比べ、大抵の女性には劣等感を覚えるのだが、それすらも感じない。もはや別次元の生き物だ。
「当店はグッズだけでなく、オーダーメイドの衣装や自社アイテムなど他の店にはない品ぞろえがウリですの。わたくしの制服もそうですのよ。ゆっくりご覧になっていってね」
声も美しい。天使というものが存在するのであれば、こんな声を出すのだろうか。そう思ってしまう。
少女がとまどっていると、優しく声をかけてきた。
わたくし、店長を務めさせていただいております、ひかる・ダークライトと申します。気軽に『ひかるちゃん』って呼んで下さいね!」
「あ、あの私、紫野菫、『すみれ』でいいです」
すみれはどこかで聞いた名前だなと思ったが、それ以上考える余裕などなかった。
「あら、すみれさんとおっしゃるのね。魔法少女はお好きかしら?」
「は、はい。大好きです。セリシール様の凛々しいお姿。可愛らしい声。魔法の美しさ。テレビや動画で何べんも見てます」
すみれの推しトークは止まらない。
「この前のダーク・ライトとの一戦は秀逸でした。強力な大魔法、マテラスを一撃で葬り去る魔法弾。時間を忘れて見ていました」
「あら、あなたとは話が合いそうですわね。わたくしも実は大ファンですの。このお店を開いたのもセリシール様のすばらしさを世に広めるためですわ」
「は、はい。及ばずながら、私も協力させていただきます!」
「まあ、そんなに緊張なさらずに。わたくしが店内をご案内いたしますわ。まず、こちらが...」
緊張させているのが当の本人だと気づかずに、店内を案内するひかる。まだこの時にはツッコミは返ってこなかった。

「ありがとうございましたぁぁ~~♡」
お店を出たすみれの手には大きな手提げが。
「お小遣い。全部使っちゃったわ。でも、レア商品ばかりでまだまだ買い足りないわね」
実際、どの商品を買うかでかなりの時間を費やし、ひかるを待たせてしまった。
当人は気にしていないようであったが、すみれは今更ながら申し訳なく思っていた。
「はあ、私が言うのも何だけど、容姿はセリシール様以上だわ。あんな人が同じセリシール様のファンだなんて...」
(ちょっとお嬢様っぽい感じはあるけど、親しみやすくていい人だったわ。神様は私みたいなのを作ったかと思えば、ああいう人も作るのね...)
そう思ったが、ふと考え直す。
(私と同じ『人』カテゴリーに入れるのが間違ってるわ。あの人は...そうね『神』カテゴリーに入れましょう)
そして、一番欲しい商品を思い返す。
「セリシール様の衣装!高いけど頑張れば何とかなるわ!絶対手に入れて見せる!...でもその為にはバイトを探さないと...」
とふと入口の張り紙に気づく。
『接客アルバイト募集!多く勤務できる方、魔法少女が好きな方、明るい方優遇。委細面談。給与として商品を卸価格で現物支給可』
「完璧よ~~~~!!!絶対、成績上げて、ここで働くわ!!」
すみれは生まれて初めて勉強をするモチベが上がるのを感じていた。

・・・

「まあ、出会いはこんな感じね。結構、普通でしょ」
すみれが話をまとめる。
「すみれちゃんもひかるちゃんのかわいさにあてられたんだねぇ。分かるよ。私も初めて会ったときの衝撃といったら...」
さくらが感想をもらす。
「それが今や、つっこんでばかりで...あの頃がかわいかったですわ」
「誰のせいでこんなになったと思ってるのよ~~~!!」
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