ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret34. 魔力量と魔力操作

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。超絶美少女。魔法についてはとっても物知り!すみれに教えちゃいます!
紫野むらさきのすみれ(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。「魔力量」は少ないが「魔力操作」の才能があることが判明!

●前回のお話
私、紫野菫!ひかるがちっちゃくなっちゃって、魔法少女との闘いに行けないから、私が連絡に行ったの。
そしたら、何故か、セリシール様と私が戦うことになっちゃって...
結果からいうと全然だったわ。私には決定的に「魔力量」が足りないの。
でも「魔力操作」は才能があると言われて...



「すみれ!大丈夫?」
ボロボロになったすみれを見て、ひかるは急いで体のススを払ってあげた。
「大丈夫。いつも通りの魔力ビームだから」
すみれはうっとりしている。
相変わらずあぶない二人だ。
「セリシール様と戦闘になったんですの?」
「うん。なんか成り行きでね」
「それで結果は...」
「全然ダメ!私は魔力がすごく弱いみたい。相手にもならなかったわ」
「やはり...」
「ひかるは気づいてたの?」
「はい。以前、魔力契約の時にすみれの魔力回路をチェックさせていただいたのですけど、非常に細いものでしたわ...」
「その『魔力回路』ってのの太さが『魔力量』に関係するのね」
「そうですわ。他にもいくつか要因があるんですけど、主に大事なのは生まれ持った魔力回路の太さですわね」
「他にもあるの?」
「ええ。一つは『魔力炉の生み出す魔力と本人の魔力の親和性』。当家の魔力炉はダークライト一族の体質に合わせてますので、すみれにとっては効率が悪いものですの」
「そういうものなのね」
「ええ、多分、70パーセント以上はロスしてしまいますわ」
「そんなに!」
「当家の魔力炉はちょっと特別ですのよ。普通は40~60パーセントのロスで済むんですけどね...」
「まあ、倍になったところで高が知れてるけどね...」
「後は、『魔力をいかに目的の属性に変換するか』ですわね」
「目的の属性?」
「例えば、炎魔法なら、魔力を火属性に変換しなければなりませんの。魔法陣で補助はしてますけど、出力する魔力の変換効率が高い方が威力は出ますわ」
「それってどうするの?」
「その為には、自分の中の魔力を知覚できる必要がありますわ。最低でも2,3年の時間は必要かと...」
「でも、今でも魔法使えてるじゃない」
「それは、イメージですわ。炎のイメージを明確にすることで無意識のうちに魔力を火属性に変換しているのですわ。そして、これに関してはすみれは非常に高いレベルで実現できています」
「それでイメージが大事だって言われるのね」
「そうですわ。自分の中の魔力を知覚できるまではそうやってごまかすしかありませんの。数年してそれが分かるようになれば、少しは威力を上げれますわ」
「ふう。じゃあ、現実問題として、魔力量を増やすのは無理なのね」
「そうですわね...魔法を使うことで多少は回路が太くなりますし、年齢とともに少しは成長するでしょうけど、14の段階でこれでは、劇的な改善は期待できませんわ」
「はぁ。もともとそういうつもりじゃなかったけど、現実を突きつけられると凹むわね...」
「でも、セリシール様が仰ったように、すみれには『魔力操作』の才能がありますわ。それを生かすことを考えては...」
「そうよね。『魔力操作』は向上させることができるの?」
「はい。『魔力量』と違って、『魔力操作』は普段の努力の方が大切ですの。普段から細かな魔法操作を続けることで、どんどん繊細な操作が可能になっていきますわ」
「『魔力操作』が上手くなるとどんないいことがあるの?」
「戦闘においては、魔法発動のスピードや弾道の正確性。更には弾道を変化させることも可能ですわ。後は、魔法のコアとなる部分にピンポイントで当てることで、少ない魔力でも魔法を相殺出来たりしますの」
「結構、大事よね」
「そうですわ。正確な『魔力操作』があって『魔力量』を初めて生かすことが出来るのですわ」
「でも、私にはそもそも『魔力量』が...」
「あら、そんなことありませんわよ。戦闘のサポートは出来ますし、わたくしはむしろ、すみれにはお店の手伝いに魔法を使って頂きたいの!」
「お店の手伝い?」
「そうですわ。例えば、今は手書きでポップを描いてもらっていますが、魔法なら一瞬ですわよ。それにオーダーメイドの服の縫製なども手伝って頂きたいわ」
「それって、セリシール様の衣装とか...」
「そうですわ。すみれは裁縫は得意かしら?」
「得意...ってほどじゃないけど、昔、何着かコスプレ服作ったから...」
「それは頼もしいわ。きっと『魔力操作』が向上すれば即戦力になりますわ!」
「悪くないわね...」
「そうでしょ!少しはやる気、出てきましたかしら?」
「うん!頑張ってみる。でも、どうしたら『魔力操作』が得意になるの?」
「そうですわね...ちょっと待ってください」
そういうとひかるは戸棚からまたアクセサリーを引っ張り出してきた。
その中から黒い水晶を取り出すと、
「これは重力操作の魔法陣が入ってますの。簡単に言えば、ものを持ち上げたり、降ろしたり出来ますわ」
「それでどう使うの?」
「家で時間のあるときに、物を魔法で持ち上げたり降ろしたりを繰り返すんですの。最初はクッションなどの軽くて壊れないものがよろしいと思いますわ」
「なるほど」
「余裕が出てきたら、重いものを持ち上げたり、数を増やしてみたり、物ごとに動きを変えてみたり、より複雑な動作に移行していけば良いと思いますわ」
「それなら、無理なく出来そうね」
「では、お店への転移魔法と一緒に渡しておきますわね。これがあれば学校からお店まで一瞬ですわよ」
「便利そうだけど、誰かに見られるかと思うと怖いわ...」
「まあ、使う使わないはお任せしますわ。学校で人目につかない場所を探しておいてくださいな」

「はぁ、今日はいろいろあったけど...ちびひかるに会えたのが、最大の収穫ね!最後に抱っこさせて!」
すみれはひかるを持ち上げると強く抱きしめる。
「く、苦しい...『退行』はもうこりごりですわ。もう二度と使うことはないでしょう...」
「...ひかるはこういう言葉知ってるかしら?」
「なんですの?」
「フ・ラ・グ♡」
「いや~~~~~~~!!!」
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