ひかるのヒミツ

世々良木夜風

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Secret35. 芭羅美とひかるん

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●登場人物
ひかる・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。超絶美少女。子供のころも悪魔的にかわいかった。
 = マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。
 = ひかるん:芭羅美の脳内でひかるが男性化した姿。女装設定されていることが多い。
紫野むらさきのすみれ(すみれ) ひかるのお店でバイトをしている。最近は魔力操作の練習に奮闘中!
 = ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。
小松春こまつはる桜子さくらこ(さくら):元気が取り柄の14才!芭羅美と普通に会話できる希少な人物。
 = ラフェド・セリシール:魔法少女レフェドフルールの一員。
志頭蟹しずかに芭羅美ばらみ:さくらの同級生。フラム×マテラス漫画の執筆に命をかけている。ただ、最近はとある美少年が気になっており...

●前回のお話
私、紫野菫!先日、ひかるから魔法の仕組みについていろいろ聞くことができたわ。
魔法って、何かよくわからない不思議な力って思ってたけど、意外に論理的でビックリしたわ。
私の場合、「魔力量」が少なくてそれはどうしようもないらしいけど、「魔力操作」を高めることで、お店や戦闘の役に立つことが分かったの。
特に、「セリシール様の衣装に関われる」って聞いて、俄然、やる気出てきた。
毎日、練習しよっと!



「すごいわ。すみれ!こんな短時間でここまで出来るようになるなんて!」
ひかるのお店の中では今、セリシールの等身大フィギュアが自由自在に飛び回っていた。
「へっへ~!なかなかのもんでしょ!」
重力操作を水平方向に応用している。かなりの緻密な魔力制御が必要な高等技術だ。
すみれがフィギュアを一回転させようとした時...
さくらが飛び込んできた。
「おっじゃましま~~す!」
ひかるはフィギュアの制御をすみれから奪うと、一瞬で元いた場所に戻す。
「い、いらっしゃいませ~~...」
「あれ、ひかるちゃん。顔がひきつってるけど...それに何か店内を飛んでいる物体があったような...」
「ほほほ。多分、この紙飛行機じゃないかしら?」
ひかるはそう言うと同時に、包装紙を一瞬にして紙飛行機に変える。ちょうどセリシールピンクで色も似ている。
「紙飛行機なんて、結構、子供っぽいとこもあるんだね!」
さくらは信じ切っているようだ。相変わらずちょろい。
「今日はどうしたのよ」
すみれがやっと動揺から立ち直り、平静なふりをして話を振る。
「実は友達を紹介しようと思って...」
さくらはそういうとドアの外を覗き込んで手招きする。
「芭羅美ちゃん!恥ずかしがってないで入っておいでよ!」
ひかるはその名前を聞いた途端、一瞬、寒気がした。
(芭羅美...どこかで聞いたような...)
と思っていると、三つ編みの小柄な少女が入ってくる。
「「あっ」」
二人の声が重なった。
「ひかるん!」(鼻血少女!)
「ひかるん??」
すみれはつい、つっこんでしまう。対して、さくらは、
「えっ、二人知り合いだったの!びっくり!」
...普通の反応だった。

『Secret27』未読の方に説明しておこう!
「ひかるん」とは芭羅美の脳内に突然現れた、ひかるの男性化した姿である。
ちなみに芭羅美は今回がひかる本人とは初対面である。(マテラスとは会っている)
体形は脳内変換できても、服装は出来ないので女装設定になっている。
芭羅美においては「妄想は現実に優先する」。絶対の真理である!

「ひかる。知り合い?」
すみれはひかるに尋ねるが、ひかるはすぐに平静さを取り戻し、何事もなかったかのように答える。
「いいえ。知り合いに似ていると思ったのですが、別人でしたわ。初めまして、芭羅美さん」
しかし、芭羅美は平静ではなかった...
「ひかるん...どうして...」
「えっ?」
「どうしてそんな恥ずかしい格好をしてるの?誰かに無理やり着せられた?」
爆弾発言を投下するのであった...

「は、恥ずかしい...」
ひかるは相当、ショックを受けているようだ。
「芭羅美ちゃん!普通にかわいいでしょ!恥ずかしいなんて失礼だよ...」
さくらがあわてて芭羅美に注意する。
「確かに、かわいい。普通にじゃなくてとってもかわいい。でもそれゆえ...」
芭羅美が妄想の世界に入る。

・・・天から与えられた女の子顔負けの可愛らしさ。それゆえに周囲の反感を買い、いじめられ女の子の服を着せられる...
しかも着ているのは魔法少女の服。これはセリシールの仕業に違いない!
見れば、ここでは魔法少女のグッズを売っているようだ。
かよわい男の子に魔法少女の格好をさせて、魔法少女のグッズを売らせる。
もはや、悪魔の所業にしか思えない!
でも、ひかるんを助けるのはあたしの仕事じゃない。
ひかるんを助けるのは将来、彼のパートナーとなるかっこいい男の子でなくてはならない!・・・

「大丈夫!きっと白馬の王子様が助けに来てくれる!あたしには何も出来ないけど、それまで挫けないで!」
「何、言ってるのこの子...」
すみれはあきれ顔だが、さくらは思うところがあったようだ。
「そうだね!ひかるちゃんならどこかの国の王子様に見初められても全然驚かないよ!きっとそんな日が来るかもね!」
芭羅美のとんでも発言をこういうふうに理解できるところが彼女の友達を続けられる所以だろうか...
芭羅美の妄想はさらに膨らんでいく。

・・・でも王子様というのはちょっと子供っぽい。
はっ、「クラスの真面目系委員長」というのはどう?
偶然通りかかった委員長が魔法少女の虐待を見かね、ひかるんを助ける。
二人は魔法少女の手から逃れるべく、逃避行を開始する。
その間に育まれる友情...やがて二人はそれが友情では無いことに気づく・・・

芭羅美の妄想はシチュを変え、展開を変え、無限に広がっていく。
「ゴメン!あたしやることが出来た!もう帰るからまた今度!今日は誘ってくれてありがとう!」
芭羅美はさくらにそう言うと人間とは思えない速さで駆け出して行った。
「来た来た来た~~~!!妄想が止まらない。早く帰って、すぐにノートに記さなければ~!」
芭羅美は大声で叫びながら、土ぼこりをあげ、繁華街を走り抜けていくのであった...

「芭羅美ちゃん。どうしたのかな?普段はおとなしいんだけど、たまに急にハイテンションになるんだよね」
さくらが心配していると、
「いや、かなりヤバいでしょ、あの子...」
すみれが正直な感想をもらす。一方、ひかるはというと、
「恥ずかしい...そんなに似合ってないのかしら...まさか、今までも陰では笑われて...」
相当落ち込んでいるようだった。
「ひかる!大丈夫よ。普通にかわいいから安心して」
「そうだよ。芭羅美ちゃんも『とってもかわいい』って言ってたじゃない。きっとコスプレを見慣れてないから驚いたんだよ」
二人は一生懸命励ましている。
「そ、そうかしら?」
ひかるは落ち着きを取り戻したようだが、鏡で一生懸命自分を観察している。
「ちょっと服がフリフリ過ぎるかも...少し落ち着かせて...」
なにやらぶつぶつ言っているが、さくらは思い出したように話を始める。
「あのね、今度、芭羅美ちゃんとどこかに遊びに行こうと思ってるんだけど、どこかいい所ないかなぁ?」
「あの子と...まあ、さくらとは気が合うようだからね...」
すみれは奇妙なものを見るような目で言ったが、ふと思い出したように言う。
「そうだ!今度、うちの学校で文化祭あるんだけど来ない?ひかるも来るわよ!」
「へぇ、面白そう!すみれちゃん、どこの学校だっけ?」
「私は...」
こうして波乱と倒錯の予感しかしない文化祭が近づいてくるのであった。

・・・ちなみに翌日からひかるの制服コスプレが微妙に変わっっていた...
「よし!完璧ですわ!」
「あの子の発言、まともに取らない方がいいわよ...」
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