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必死時間 1 hour of despair
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「うぉあああああああああっ!!!」
俺は空中を落下していた。
「がっ!」
高い木の枝に引っ掛かり何とか助かったと思ったら
ベキッと折れ
「うああああああ」
木々の間をズガガガッと枝葉の中を突き抜けるようにして落下する。
ドゴッ 俺の体がようやく地面に落ちた。
全身が痛い。
あの門め、人を何だと思っているんだ。
辺りを見回すと空が見えないほどのうっそうとした森林が広がっていた。
植生は見たことがない。少なくとも日本ではないのは確かだな。
まずは安全な場所を探さないといけないな。
ひとまず身近にあった木陰に身を隠していると
「No.1 前進」
「No.2 辺りを警戒せよ
対象の落下地点はこの辺りだ。
帝国軍の新手の可能性が高い。確実に抹殺せよ。」
生気のない声が複数人聞こえる。
足音は4人ぐらいか。明らかに会っていいことにはならなさそうだ。
銃に似た見たこともない武器を構えている
――軍人だろう。鳥の紋章が胸に入ったフルアーマーの防具を着ている。
俺を探しているらしく銃を構えたまま辺りを見回している。
ここにいたら見つかるのは時間の問題だ。
地面の足跡を辿られないように木の根の上を移動する。
非暴力、不戦はアマ姉に学んだ大事な教えだからな。
戦わないのが一番だ。
しばらく歩くと平原が見えてきた。
旗が見える。
三つの手を鳥の下で交差したような不思議な国旗だ。
ドッ!!!という激しい爆音が耳を揺らす。
大砲の音 だな。それも空砲じゃない。
着弾の衝撃で地面が揺れている感じもある。
うっすら予想していたが、ここは戦地だ。
それもあの門の言うことを考え直すと異世界の戦地。
考えうる限りは最悪の最悪の場所だ。あの門め、今度あったら壊してやる。
恐らく兵士に見つかれば殺されるだろう。
ヒュンッ!!!
俺の肩に熱い感覚が走る。
「!!!」
とっさにしゃがむ。
肩から出血しているのが分かった。一瞬遅れて鋭い痛みが走る。
遠くに兵士が見える。
さっきの旗と同じ紋章だ、追いつかれたか!
靴をぐっと握りしめて全力で走る。
平原に逃げればいい的になる。
そのまま平原沿いに森に逃げ込むしかない。
ダダダッ!!!
俺の真後ろの木に銃弾が突き刺さる。
木に隠れながら走るが徐々に近づかれているような感覚がある。
くそっ このままじゃ殺されるのは時間の問題だ。
こっちは丸腰の上に相手の位置が分からない。
完全に詰んだぞ。これは。
タタッ!!!
「がっ」
銃声と同時に足から力が抜けた。
見ると足の大腿部から血がふきだしている。
「くそっ」
這って木の裏側まで移動する。
ザンッ!!!
「ぐあああっ!!!」
這っていた手に飛んできたナイフ突き刺さる。
大型の軍用ナイフだろう。
「包囲しろ!距離を詰めすぎるな!」
異世界語なのに言葉が分かるな。これがあの門の言っていた知ってやつか。
だが戦場じゃ、役に立ちそうもないが
一応
「俺は敵じゃない!! 助けてくれ!」
大声で叫ぶが、兵士達は殺気を放ってくる。
「こちら第13部隊 標的を捉えた。
司令部 応答を」
1人だけ頭の防具に赤い布を巻いている兵士が通信機を取り出す。
ザザッ ザー!
「どうした 応答せよ」
「無理よ」
「!?」
ヒュッ! ドゴゴゴゴゴッ!!!
そよ風が吹いた後に俺が倒れている箇所以外の地面がえぐれる。
何かが当たったのか4人いた兵士のうち2人が地面に倒れていた。
「何者だ!!」
タタタッ!!!
残った兵士のうち3人が風の吹いてきた方に銃を乱射する。
「その者は我らが領土に入っている。
身柄はエルリーフが預かる。」
木々のどこかから女性の声が響き渡る。
「くっ 既に死の森だったか
撤退だ!!」
兵士2人が倒れている2人を担いで走り去っていく。
「もう遅いわ」
だがゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!と木々が動き始め
パシュンッ!!!!
枝が見えないほどのスピードで兵士達の体を上下に切り裂く。
ピチャッと俺の腕に兵士達の血が掛かる。
「…死の森」
――とんでもない所に来たみたいだな。
「はい これ噛んで」
茶色のローブを頭から膝先までまとった女性がいた。
いつの間にか俺の横に金髪の女性はしゃがみこんでおり棒切れを俺の口に押し込んでくる。
「え むぐっ」
「ナイフを抜きながら止血するから」
ぐっと女性が俺の手を地面に縫い付けているナイフを引き抜く。
「っ~~~~~~~~ああああ!!!」
「延髄より滴り落ちるは懺悔の雫 廻れ 換われ 汝はネクト」
女性が俺の手を包み込むとぼんわりと暖かくなり
「止血は終わり しばらくは動かさないでね
って足もか」
女性はちょっとめんどそうな顔をしつつ俺の足の方へ行き
似たような呪文をぼそぼそ唱える。
今度は冷たくなり俺の足の流血が止まる。
「ありがとう 俺は沼鹿 悟士
本当に助かった」
「私は… いえ今は名乗るのはやめておく
ごめんなさい」
「え」
女性は俺の額に手をかざす。
「眠れ 白絹に抱かれて」
意識が
消えて
い
く
・
・
・
俺は空中を落下していた。
「がっ!」
高い木の枝に引っ掛かり何とか助かったと思ったら
ベキッと折れ
「うああああああ」
木々の間をズガガガッと枝葉の中を突き抜けるようにして落下する。
ドゴッ 俺の体がようやく地面に落ちた。
全身が痛い。
あの門め、人を何だと思っているんだ。
辺りを見回すと空が見えないほどのうっそうとした森林が広がっていた。
植生は見たことがない。少なくとも日本ではないのは確かだな。
まずは安全な場所を探さないといけないな。
ひとまず身近にあった木陰に身を隠していると
「No.1 前進」
「No.2 辺りを警戒せよ
対象の落下地点はこの辺りだ。
帝国軍の新手の可能性が高い。確実に抹殺せよ。」
生気のない声が複数人聞こえる。
足音は4人ぐらいか。明らかに会っていいことにはならなさそうだ。
銃に似た見たこともない武器を構えている
――軍人だろう。鳥の紋章が胸に入ったフルアーマーの防具を着ている。
俺を探しているらしく銃を構えたまま辺りを見回している。
ここにいたら見つかるのは時間の問題だ。
地面の足跡を辿られないように木の根の上を移動する。
非暴力、不戦はアマ姉に学んだ大事な教えだからな。
戦わないのが一番だ。
しばらく歩くと平原が見えてきた。
旗が見える。
三つの手を鳥の下で交差したような不思議な国旗だ。
ドッ!!!という激しい爆音が耳を揺らす。
大砲の音 だな。それも空砲じゃない。
着弾の衝撃で地面が揺れている感じもある。
うっすら予想していたが、ここは戦地だ。
それもあの門の言うことを考え直すと異世界の戦地。
考えうる限りは最悪の最悪の場所だ。あの門め、今度あったら壊してやる。
恐らく兵士に見つかれば殺されるだろう。
ヒュンッ!!!
俺の肩に熱い感覚が走る。
「!!!」
とっさにしゃがむ。
肩から出血しているのが分かった。一瞬遅れて鋭い痛みが走る。
遠くに兵士が見える。
さっきの旗と同じ紋章だ、追いつかれたか!
靴をぐっと握りしめて全力で走る。
平原に逃げればいい的になる。
そのまま平原沿いに森に逃げ込むしかない。
ダダダッ!!!
俺の真後ろの木に銃弾が突き刺さる。
木に隠れながら走るが徐々に近づかれているような感覚がある。
くそっ このままじゃ殺されるのは時間の問題だ。
こっちは丸腰の上に相手の位置が分からない。
完全に詰んだぞ。これは。
タタッ!!!
「がっ」
銃声と同時に足から力が抜けた。
見ると足の大腿部から血がふきだしている。
「くそっ」
這って木の裏側まで移動する。
ザンッ!!!
「ぐあああっ!!!」
這っていた手に飛んできたナイフ突き刺さる。
大型の軍用ナイフだろう。
「包囲しろ!距離を詰めすぎるな!」
異世界語なのに言葉が分かるな。これがあの門の言っていた知ってやつか。
だが戦場じゃ、役に立ちそうもないが
一応
「俺は敵じゃない!! 助けてくれ!」
大声で叫ぶが、兵士達は殺気を放ってくる。
「こちら第13部隊 標的を捉えた。
司令部 応答を」
1人だけ頭の防具に赤い布を巻いている兵士が通信機を取り出す。
ザザッ ザー!
「どうした 応答せよ」
「無理よ」
「!?」
ヒュッ! ドゴゴゴゴゴッ!!!
そよ風が吹いた後に俺が倒れている箇所以外の地面がえぐれる。
何かが当たったのか4人いた兵士のうち2人が地面に倒れていた。
「何者だ!!」
タタタッ!!!
残った兵士のうち3人が風の吹いてきた方に銃を乱射する。
「その者は我らが領土に入っている。
身柄はエルリーフが預かる。」
木々のどこかから女性の声が響き渡る。
「くっ 既に死の森だったか
撤退だ!!」
兵士2人が倒れている2人を担いで走り去っていく。
「もう遅いわ」
だがゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!と木々が動き始め
パシュンッ!!!!
枝が見えないほどのスピードで兵士達の体を上下に切り裂く。
ピチャッと俺の腕に兵士達の血が掛かる。
「…死の森」
――とんでもない所に来たみたいだな。
「はい これ噛んで」
茶色のローブを頭から膝先までまとった女性がいた。
いつの間にか俺の横に金髪の女性はしゃがみこんでおり棒切れを俺の口に押し込んでくる。
「え むぐっ」
「ナイフを抜きながら止血するから」
ぐっと女性が俺の手を地面に縫い付けているナイフを引き抜く。
「っ~~~~~~~~ああああ!!!」
「延髄より滴り落ちるは懺悔の雫 廻れ 換われ 汝はネクト」
女性が俺の手を包み込むとぼんわりと暖かくなり
「止血は終わり しばらくは動かさないでね
って足もか」
女性はちょっとめんどそうな顔をしつつ俺の足の方へ行き
似たような呪文をぼそぼそ唱える。
今度は冷たくなり俺の足の流血が止まる。
「ありがとう 俺は沼鹿 悟士
本当に助かった」
「私は… いえ今は名乗るのはやめておく
ごめんなさい」
「え」
女性は俺の額に手をかざす。
「眠れ 白絹に抱かれて」
意識が
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