ジ・エンドブレイカー

アックス☆アライ

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第二章 奪い合う世界

29話 よからぬ者キュプレサス・ラッルー②

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 外庭から研究室の裏側に出た辺りで、チョークは先を行くオレガノに追い着いた。二人はそのまま、研究室を回り込む様に中庭へ向かって行く。
 この数日の間、コウミは何時も後継者を探す為に外庭に顔を出して来ている。今日はまだ顔を見せていなかった。きっと日々喜の看病の為に、日々喜の寝かされている部屋に居るに違いない。オレガノもそう考えているようで、先を行くようにフォーリアムの本館へと急いだ。
 日々喜はフェンネルの計らいによって、養生している間は、宿舎から本館へ部屋を移されていたのだ。
 中庭に出た二人。宿舎の前には丁度姿を現したクレスが見えた。
 オレガノは声を掛けようとするが、咄嗟にその行動を止めた。クレスに連れ立つ様に一人の男性が宿舎から顔を出したのだ。
 特徴的な巻き毛の頭。女性の様に華奢ですらりとした身体つきのその男性は、国家警察官が着こなす黒っぽい制服が良く似合った。
 このノエル・グスターヴという男の事をオレガノも苦手に感じているのだろうか。後ろを歩くチョークはオレガノの反応を見ながらそう思った。

 「やあ、お嬢さん方。そんなに急いで、後継者が見つかったのかい?」

 ノエルは近づいて来るオレガノ達に、皮肉めいた笑いを混ぜてそう声を掛けた。
 子供の様に高い声だ。
 この若い国家警察官はクレスの一つ上と聞いているから、オレガノ達より二つ年が上という事になる。そうであっても、その声の感じや子供じみた言動の一つ一つの所為で、まるで、同世代の学生から揶揄われている気分になった。

 「まだ見つかって無いわ。コウミ師匠さんに用があるのよ」

 オレガノは足を止めてそう答えた。

 「おや? そうなのかい。しかし、妙な事だね。これだけ日が経ったと言うのに、たかが庭先に隠れるものを見つける事が出来ないなんて。ひょっとして、初めからそんなものはいないんじゃないのかな?」
 「そんな事無いわ。ちゃんと居るって言っていたもの」
 「部外者の言葉なんて当てにはならないよ。あの男は、ここに留まる為に疑う事を知らない君達の事を利用しているだけさ」

 オレガノは頬を膨れさせる。
 これは良くない。チョークはオレガノの表情の変化を見てそう思った。

 「利用なんかされてないわ」
 「そうかい? だけど、あの男は森を住処にしていたんだろ。森が燃えたから、これ幸いとここに来たんだ。さっさと追い出さないと何時までも居付かれてしまうよ」
 「失礼な事言わないで! 日々喜の師匠なのよ、そんな人じゃないわ!」

 必死でコウミを擁護しようとするオレガノはノエルに食って掛かる程の勢いで言い返した。チョークは慌ててオレガノを止めた。

 「おやおや、可哀そうに。傷ついた者に希望をチラつかせるのは、悪党の常套手段だと言うのにね。クレス、君はどう思う?」

 ノエルは、クレスに話を振った。

 「私は……、ノエルの言っている事が正しいわ」

 クレスは伏し目がちにそう答えた。

 「クレス!? どうしてよ? 日々喜のお師匠様よ」

 クレスは顔を上げる。

 「いい加減にして、オレガノ」

 そして、オレガノの事を見据えて、少し強い口調でそう言った。

 「ノエルは仕事で来ているの。口ごたえしないで」
 「そんな事……」

 オレガノは一門の姉弟子でもあるクレスから、面と向かってそう言われ、怒られているような気分になった。自分の言っている事に、クレスを怒らせる事があったのだろうか、そう考える様に黙ってしまった。
 ノエルは、そんなオレガノとクレスの様子を見て、厭味ったらしい笑みを浮かべていた。

 「行こう、オレガノ」

 チョークがオレガノの腕を引き、そう囁いた。

 「すいませんでしたね。あたしら、チラつかされた希望って奴がデカすぎて、つい必死になっちまったんですよ。これからは、口の利き方から気を付けますんで、勘弁してください」
 二人はノエル達の前を横切り、そのまま本館に向おうする。

 「ちょっと、待った。リーネ、君はここに来ている職人だろ?」

 チョークは、ノエルの言葉に振り向く。

 「私ですか?」

 ノエルは頷いた。

 「仕事はどうした?」
 「もう直ぐ終わりますけど」
 「もう直ぐだって? やれやれ、何か勘違いしているんじゃないのか君は?」

 ノエルはあからさまな溜息を着いた。

 「僕の仕事を知っているだろ?」
 「お嬢様の警護でしょ。オレガノ達から聞いてますよ」
 「その通りだリーネ。僕がここに居るのは、フォーリアム氏に危険な人物が近づかない様に注意する為だ。つまり、部外者である君に対しても注意を払わなければいけないんだ」
 「はあ。私も仕事で来てるんだけどね……」
 チョークは、小さく呟いた。

 「分かるだろ? 君みたいな奴が出入りしていると、僕の負担が増えてしまう。さっさと仕事を終えて、この屋敷から出てってもらわなくちゃ困るんだよ」
 「あー、それはすいませんでした。コーディネートは明日、明後日中に完成させますから。それが終ったら屋敷を出て行きますよ」

 チョークは適当にそう言うと、怒りに震えるオレガノの事を抑え、その場を後にしようと再び手を引き始める。

 「まったくいいご身分だよ。仕事を怠けて、昼間っから他の子達と外庭を散策とは」

 ノエルはそんなオレガノの様子に構う事無く、チョークに対する悪態をついた。
 再びオレガノは足を止めた。

 「怠けてないわ! 後継者を探していたのよ! それに、チョークは新年度祭までここに居るんだから!」

 中庭中にオレガノの大きな声が響いた。
 チョークは一瞬呆然とする。直ぐに、仲裁せねばと考えが働き、ノエルの表情を窺った。
 ノエルはオレガノではなく、本館の方を見つめていた。先程まで浮かべていた不敵な笑みを崩し、表情を強張らせていた。

 「退きな、ガキ共」

 チョークの後ろからコウミの声が聞こえた。
 振り返りそちらを見ようとすると、丁度のタイミングでコウミはチョークの横をすり抜ける様に通って行った。そして、そのままノエルとクレスの目の前を通過し外庭の方へと悠然と歩いて行こうとした。

 「あの! コウミ師匠。……さん」

 コウミは足を止めて振り返る。フードの奥から白く輝く眼光が、声を掛けたチョークの方へ向けられた。
 チョークはその眼を黙ったまま見つめ返した。昔、どこかで見た覚えがあった。それは、ここでコウミに出会った時に感じた事だ。チョークは自分の朧げな記憶を頼りにする様に、話すべき言葉を選んでいた。

 「ガキ共だと? まさか、僕に対しても言ったわけじゃないだろうなトウワ人」

 ノエルが口を挟んだ。

 「まったく、どうして僕の立場が理解できない人間が、こうも多くいるのだろう。ひょっとして、国家警察の権力がこのイバラ領では及ばないとでも考えているのかな?」

 地元の人間をことさら馬鹿にするようにノエルはそう言うと、同意を求めるようにクレスに視線を送った。
 コウミはそんなノエルの事を見つめると、怪訝な様子で尋ねた。

 「何だお前は? 誰に話している?」
 「お前に決まってるだろトウワ人! いいか、良く聞け! 僕は国家警察のノエル・グスターヴ捜査官だ! 異邦人のお前の事なんか、簡単に国外へ追放できるんだぞ!」

 コウミは、ノエルの事を上から下まで値踏みをする様に見渡し、腰に装着するアトラスを確認して、その白く光る眼を細めた。

 「お前の身柄はクレレ商会からの保証が付いているらしいが、僕はその程度じゃ信用しない。この館に居る以上、少しでも目立つ真似をしたら上に報告してやる」
 「上?」

 コウミは空を見上げた。太陽の輝く陽の光がコウミの顔面に降り注いだ。しかし、何故かその顔には陽が届かない。影が差したままだった。

 「王都の事だよ! 警察本部へ報告すると言っているんだ、この田舎者が!」
 「そうか。それで?」
 「それで、だと?」
 「本部とやらに報告するのはお前の事情だ。好きにすればいい。それで、お前は俺に何をするんだ?」

 直接的な制裁を加えるのかどうか、コウミはその点について尋ねている。ノエルはそんな真似はできない。コウミの質問に言葉を詰まらせた。

 「気に入らなければ何時でも来い。何時でも相手をしてやる。ただ、今みたく無駄な事にだけは付き合わせるな。分かったな」

 コウミはそう言うと踵を返して外庭に向かい始めた。
 自分の事を意に介さないコウミの態度は、ノエルをイラつかせた。

 「無駄だと……。待て、トウワ人!」

 ノエルはツカツカとコウミに近づいて行った。

 「この国ではアトラスの国外への持ち出しは、軍属でもない限り禁止されている。当然知っているだろ?」

 そう言うと、コウミが腰に装着していたアトラスを断りも無く掴み取った。

 「国内での活動が不明瞭なお前のような奴に、アトラスを持たせたままにしておく訳にはいかない。ここで研究された魔導を勝手に持ち出されては、我が国にとっての大きな損失になりかねないからね。これは僕が管理しておく。いいな!」

 ノエルはつかんだアトラスをコウミの顔の前にチラつかせてそう言い放った。
 コウミは黙ったままだ。その様子を見てノエルはフンと鼻を鳴らし、勝ち誇ったような笑みを見せつけた。

 「待って下さい! この人は怪しい人じゃありませんよ!」

 チョークが対峙する二人のそばに近づきそう言った。

 「リーネ、君は僕の邪魔を――」
 「コウミ師匠さん。私の事を憶えていませんでしょうか?」

 ノエルの言葉を遮り、チョークはコウミに話し掛ける。

 「知らねえ」

 チョークは被っていた帽子を取った。帽子の中で抑えつけられていたロバの耳が、ピンと立つ様に顕わになった。
 周りに居た者達は唖然とした。

 「昔、アンナさんやツキモリ一門の皆に話を聞いた事があります。デーモンに攫われた子供達を森の中から救い出してた人が居るって、……その人はコウミという名前の魔導士だって」

 チョークはそう言うと、周囲から向けられる視線から逃れる様に、両手であやす帽子を見つめ続けた。

 オレガノは、そんなチョークの手を取ると、彼女の事を勇気づける様に無言で頷いた。
 「……助けてくれて、ありがとうございました。私は、今日までずっと感謝して来ました。本当にありがとうございました」

 チョークはコウミの目を見てお礼を言うと頭を下げた。

 「なんと、まあ、君は四つ耳だったのか……」

 再びチョークが頭を上げると、それまで時間が止まっていたかのように、ノエルが口を開いた。

 「グスターヴ捜査官。この人は、デーモンに攫われた子供をたくさん救ってきた人です。この国の魔導士達が恐ろしくて立ち入ろうとしなかったあのデーモンの森の中に入って、私の事を救ってくれました。私が証人です。不明瞭な事は無いでしょ。アトラスを返してください」
 「馬鹿を言うな、汚らわしい奴、諍いの種が! お前の言葉など、何の証言にもならないんだ!」

 ノエルがそう言い放った時、誰の目にも止まらない速さで、コウミがノエルの胸元を掴んだ。

 「うわ!?」

 万力の様な力でノエルの襟元は締め上げられて行く。コウミは片腕でノエルの身体を持ち上げていた。

 「お前の立場がようやく分かったよ。お前はただいけ好かないだけの弱い人間だ。……こいつは返してもらうぞ」

 コウミはアトラスを取り返すと、そのままノエルを中庭の中央へ放り投げた。

 「ノエル!?」

 クレスはノエルの下に駆け寄った。大した傷はおっていない。ノエルはクレスの手を借りて身を起こした。

 「キツネ野郎。二度と俺の視界に入るな。少しでも尻尾を出したら、吊るして皮を剥いでやる」

 若干もたつきながらも、腰に付けた革のベルトにアトラスを装着させると、コウミはチョークの方に視線を移す。

 「助けたか……。俺はガキ共を救うために、森に入った訳じゃない。お前のような奴と関りを持ったのは、ただの行きずりで、偶然の出来事だ。だから、俺に感謝などしなくていい。期待を寄せるな。お前は、お前のそばに居てくれた奴らに礼を言えばいい」

 コウミはそう言うと、外庭の方へ向かおうとする。しかし、何か思い出した様に足を止めた。

 「名前は、何だ?」
 「チョーク。チョーク・リーネです」
 「……知らねえな。だが、その耳は憶えてる。忘れようがない、特徴だった」

 コウミはそれだけ言うと、フードの上から頭を掻きつつ、歩いて行ってしまった。

 「コウミ師匠さん。憶えてるって! 良かったじゃないチョーク」
 「え? ああ、うん。良かった。お礼が言えて」

 呆然とするチョークの手から帽子を取ると、オレガノはそれをチョークの頭に被せた。

 「行きましょう、チョーク。私も伝えなきゃいけない事があったの忘れちゃってた」

 オレガノはそう言って照れ笑いを見せると、チョークの手を引き元来た道を戻る様にコウミの後を追い駆けて行った。
 後には、オレガノ達の事を見送る様にノエルとクレスの二人が中庭に残された。

 「コウミ師匠さーん!」

 外庭の中を歩き続けるコウミに目掛け、オレガノは大きな声で呼び止めた。しかし、コウミはオレガノ達の事を待つ様子も無く、先を目指して進んで行く。

 「もう! どうして待ってくれないのかしら」

 オレガノはそう呟き、駆け足でコウミの下に近づいて行った。

 「待って下さい」

 漸く追いついたオレガノは、息を切らせながらコウミにそう言った。コウミは答えない。

 「聞こえてないのかしら?」
 「そんなわけ無いだろ。さっきまで話をしてたんだから」

 チョークが注意する。

 「でも、聞こえてたらちゃんと答えてくれるはずだわ」
 「そりゃそうだけど……」

 チョークは何となく、コウミの無愛想な性格を理解して来ていた。

 「コウミ師匠さん! コウミ師匠さーん!」
 「お、おい! よしなよオレガノ」

 コウミのすぐ後ろで、オレガノは大きな声で名前を呼んだ。

 「うるさい! 聞こえてるだろ」

 コウミは振り向き様に怒鳴りつけた。

 「まだ何か用か?」
 「あの、お客さんが来てますよ」
 「俺に客? 誰の事だ?」
 「タマリさんと言ってくれれば分かると言ってました」

 コウミは白い眼を丸くした。

 「……どこにいる?」

 オレガノ達は、コウミをタマリの待つ外庭の柵の前まで案内して行った。
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