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進歩
ベッドの上で ※
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目を覚ますと、足元がひんやりと冷たかった。心なしかお腹も冷たい気がする。今何時かとスマホに手を伸ばし、その理由がわかった。
上半身を起こした状態で体をねじるように後ろを振り向くと、龍臣が拓海に抱き着くように眠っていた。
時々龍臣は朝方寝ぼけながら拓海の布団に潜り込んでくる。龍臣は体温が低い方らしく朝はいつも手先が冷えてしまうそうだ。
「まつげなっが」
隣に眠る幼馴染は、幼い頃のあどけなさがなくなってもとんでもなく美形なことに変わりはなかった。人の顔って朝はもっとむくむものなんじゃなかっただろうか?拓海は無意識に顔をさすり、なんだか肌つやが違うような気がして人知れず落ち込んだ。
ルームシェアを始めてから早いようで一ヶ月ほど経っていた。生活は意外にもうまくいっている。―ただ一点を除いては。
「なあ、今日もヤろうぜ」
拓海は今ベッドの縁まで龍臣によって追い詰められている。かろうじて立ってはいるが、目の前の龍臣が今にも押しかからんばかりの圧をかけてくる。
「今日は水曜日だし、明日も仕事があるからできないって何度言えばいいんだよっ」
これがこの一か月二人の間で毎晩繰り返されてきた会話だった。
たまに龍臣が折れてくれることもあるが、元々は拓海から自分だけにしろと提案したこともあり強く拒めない。そのために毎回流されてしまっているのが拓海の現状だった。
「往生際悪いな」
むすっとした顔をした龍臣はぴたっと動きを止めた。追い詰める龍臣の肩を押して抵抗していた拓海もつられて力を抜くと、「えいっ」と足をすくわれてベッドに押し倒された。
「お前なぁっ」
「ははっ、引っ掛かったな」
にやりと笑いながら見下ろしてくる龍臣はシャツを手荒く脱いだ。服に隠されていた体にはしっかりと筋肉がついており、自分と違う体の迫力に圧倒される。
じっと筋肉を見ている拓海の意識を自分に向けるように、龍臣が覆いかぶさるようにしてキスをしてくる。
「んんっ……っふ」
龍臣のキスは長い。口内の形を把握するかのように丁寧に全体をなぞられて、時折舌を吸われる。いつもの荒っぽい挙動はなりを潜めて、ゆっくりと性感を高められていくから余計に恥ずかしくて、それをごまかすように拓海は自身を跨いだ格好の龍臣の後孔に手を伸ばした。
龍臣の後孔は龍臣自身によって片手間にほぐされていたが、それに構わず自分の指を差し入れる。龍臣が触るのを避けている弱い部分を軽く押してやると、目の前の肩がびくっと反応した。
それに構わず指を増やすと龍臣の指が入れ替わりのように抜けていった。かえって防戦一方になった龍臣の乳首を軽くつまむと「んっ」っと抑えたような喘ぎ声が龍臣の口から漏れる。
「そろそろいーだろ」
形の整った眉を顰めた龍臣は腰を浮かして拓海を埋め込んでいく。
異物感からかそれとも快感か、目を潤ませながら拓海を受け入れる龍臣を見るとただの“男”を抱いている気になって動揺する自分がいる。
龍臣は絶対に騎乗位しかせず、拓海が上になろうとするとそれとなく毎回かわされてしまう。幼馴染で一時的にセックスの相手をしているに過ぎない関係なのだから自分はどんな体位だってかまわないのに、自分本位に動いて龍臣を翻弄させたいという妙な欲を持て余していた。
「うっ…あぁ」
ぐちゃぐちゃと淫靡な音をたてながら快感を拾う龍臣の胸を欲のままに舐めかじると、中がぎゅうっと激しく収縮した。
「…っ、た、拓にぃ」
何かを抑えるように拓海に抱き着きながら達する龍臣に構わず突き上げると、動きに合わせて龍臣からこぽこぽと精液が零れ落ちる。
しばらくして拓海も達すると、龍臣は余韻に浸る間もなく風呂場に行ってしまった。その行動はいつものことなのに、何故かもやもやする心を抱えながらも拓海はシーツを変えて布団に潜り込んだ。
もうすぐ意識が薄れるというところで、背後から龍臣が自分を抱きしめるように入り込んできた。ひんやりとした足が触れたことで少し眠気が覚める。どうしてあんなに素っ気ないのに毎回ベッドに潜り込んでくるのだろう。
眠い頭でぐるぐると考える。当然頭をめぐるものが形になるわけもなく、次第に何を考えていたのかもわからなくなっていった。
「なー、たつおみぃ」
「…なに」
拓海の発した小さい声にも龍臣は気付いてくれた。拓海はただ率直な欲求を言葉に乗せる。
「こんどさー、一緒にどっかいこうよ。たつおみのこと知りたいか、ら…」
それだけ言って拓海は今度こそ眠りに落ちていった。
上半身を起こした状態で体をねじるように後ろを振り向くと、龍臣が拓海に抱き着くように眠っていた。
時々龍臣は朝方寝ぼけながら拓海の布団に潜り込んでくる。龍臣は体温が低い方らしく朝はいつも手先が冷えてしまうそうだ。
「まつげなっが」
隣に眠る幼馴染は、幼い頃のあどけなさがなくなってもとんでもなく美形なことに変わりはなかった。人の顔って朝はもっとむくむものなんじゃなかっただろうか?拓海は無意識に顔をさすり、なんだか肌つやが違うような気がして人知れず落ち込んだ。
ルームシェアを始めてから早いようで一ヶ月ほど経っていた。生活は意外にもうまくいっている。―ただ一点を除いては。
「なあ、今日もヤろうぜ」
拓海は今ベッドの縁まで龍臣によって追い詰められている。かろうじて立ってはいるが、目の前の龍臣が今にも押しかからんばかりの圧をかけてくる。
「今日は水曜日だし、明日も仕事があるからできないって何度言えばいいんだよっ」
これがこの一か月二人の間で毎晩繰り返されてきた会話だった。
たまに龍臣が折れてくれることもあるが、元々は拓海から自分だけにしろと提案したこともあり強く拒めない。そのために毎回流されてしまっているのが拓海の現状だった。
「往生際悪いな」
むすっとした顔をした龍臣はぴたっと動きを止めた。追い詰める龍臣の肩を押して抵抗していた拓海もつられて力を抜くと、「えいっ」と足をすくわれてベッドに押し倒された。
「お前なぁっ」
「ははっ、引っ掛かったな」
にやりと笑いながら見下ろしてくる龍臣はシャツを手荒く脱いだ。服に隠されていた体にはしっかりと筋肉がついており、自分と違う体の迫力に圧倒される。
じっと筋肉を見ている拓海の意識を自分に向けるように、龍臣が覆いかぶさるようにしてキスをしてくる。
「んんっ……っふ」
龍臣のキスは長い。口内の形を把握するかのように丁寧に全体をなぞられて、時折舌を吸われる。いつもの荒っぽい挙動はなりを潜めて、ゆっくりと性感を高められていくから余計に恥ずかしくて、それをごまかすように拓海は自身を跨いだ格好の龍臣の後孔に手を伸ばした。
龍臣の後孔は龍臣自身によって片手間にほぐされていたが、それに構わず自分の指を差し入れる。龍臣が触るのを避けている弱い部分を軽く押してやると、目の前の肩がびくっと反応した。
それに構わず指を増やすと龍臣の指が入れ替わりのように抜けていった。かえって防戦一方になった龍臣の乳首を軽くつまむと「んっ」っと抑えたような喘ぎ声が龍臣の口から漏れる。
「そろそろいーだろ」
形の整った眉を顰めた龍臣は腰を浮かして拓海を埋め込んでいく。
異物感からかそれとも快感か、目を潤ませながら拓海を受け入れる龍臣を見るとただの“男”を抱いている気になって動揺する自分がいる。
龍臣は絶対に騎乗位しかせず、拓海が上になろうとするとそれとなく毎回かわされてしまう。幼馴染で一時的にセックスの相手をしているに過ぎない関係なのだから自分はどんな体位だってかまわないのに、自分本位に動いて龍臣を翻弄させたいという妙な欲を持て余していた。
「うっ…あぁ」
ぐちゃぐちゃと淫靡な音をたてながら快感を拾う龍臣の胸を欲のままに舐めかじると、中がぎゅうっと激しく収縮した。
「…っ、た、拓にぃ」
何かを抑えるように拓海に抱き着きながら達する龍臣に構わず突き上げると、動きに合わせて龍臣からこぽこぽと精液が零れ落ちる。
しばらくして拓海も達すると、龍臣は余韻に浸る間もなく風呂場に行ってしまった。その行動はいつものことなのに、何故かもやもやする心を抱えながらも拓海はシーツを変えて布団に潜り込んだ。
もうすぐ意識が薄れるというところで、背後から龍臣が自分を抱きしめるように入り込んできた。ひんやりとした足が触れたことで少し眠気が覚める。どうしてあんなに素っ気ないのに毎回ベッドに潜り込んでくるのだろう。
眠い頭でぐるぐると考える。当然頭をめぐるものが形になるわけもなく、次第に何を考えていたのかもわからなくなっていった。
「なー、たつおみぃ」
「…なに」
拓海の発した小さい声にも龍臣は気付いてくれた。拓海はただ率直な欲求を言葉に乗せる。
「こんどさー、一緒にどっかいこうよ。たつおみのこと知りたいか、ら…」
それだけ言って拓海は今度こそ眠りに落ちていった。
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