再会した年下幼馴染が豹変してしまっていた

三郷かづき

文字の大きさ
13 / 14
進歩

ベッドの上で ※

しおりを挟む
 目を覚ますと、足元がひんやりと冷たかった。心なしかお腹も冷たい気がする。今何時かとスマホに手を伸ばし、その理由がわかった。

 上半身を起こした状態で体をねじるように後ろを振り向くと、龍臣が拓海に抱き着くように眠っていた。
 時々龍臣は朝方寝ぼけながら拓海の布団に潜り込んでくる。龍臣は体温が低い方らしく朝はいつも手先が冷えてしまうそうだ。

「まつげなっが」

 隣に眠る幼馴染は、幼い頃のあどけなさがなくなってもとんでもなく美形なことに変わりはなかった。人の顔って朝はもっとむくむものなんじゃなかっただろうか?拓海は無意識に顔をさすり、なんだか肌つやが違うような気がして人知れず落ち込んだ。

 ルームシェアを始めてから早いようで一ヶ月ほど経っていた。生活は意外にもうまくいっている。―ただ一点を除いては。

「なあ、今日もヤろうぜ」

 拓海は今ベッドの縁まで龍臣によって追い詰められている。かろうじて立ってはいるが、目の前の龍臣が今にも押しかからんばかりの圧をかけてくる。

「今日は水曜日だし、明日も仕事があるからできないって何度言えばいいんだよっ」

 これがこの一か月二人の間で毎晩繰り返されてきた会話だった。

 たまに龍臣が折れてくれることもあるが、元々は拓海から自分だけにしろと提案したこともあり強く拒めない。そのために毎回流されてしまっているのが拓海の現状だった。

「往生際悪いな」

 むすっとした顔をした龍臣はぴたっと動きを止めた。追い詰める龍臣の肩を押して抵抗していた拓海もつられて力を抜くと、「えいっ」と足をすくわれてベッドに押し倒された。

「お前なぁっ」
「ははっ、引っ掛かったな」

 にやりと笑いながら見下ろしてくる龍臣はシャツを手荒く脱いだ。服に隠されていた体にはしっかりと筋肉がついており、自分と違う体の迫力に圧倒される。
 じっと筋肉を見ている拓海の意識を自分に向けるように、龍臣が覆いかぶさるようにしてキスをしてくる。

「んんっ……っふ」
 
 龍臣のキスは長い。口内の形を把握するかのように丁寧に全体をなぞられて、時折舌を吸われる。いつもの荒っぽい挙動はなりを潜めて、ゆっくりと性感を高められていくから余計に恥ずかしくて、それをごまかすように拓海は自身を跨いだ格好の龍臣の後孔に手を伸ばした。

 龍臣の後孔は龍臣自身によって片手間にほぐされていたが、それに構わず自分の指を差し入れる。龍臣が触るのを避けている弱い部分を軽く押してやると、目の前の肩がびくっと反応した。

 それに構わず指を増やすと龍臣の指が入れ替わりのように抜けていった。かえって防戦一方になった龍臣の乳首を軽くつまむと「んっ」っと抑えたような喘ぎ声が龍臣の口から漏れる。

「そろそろいーだろ」

 形の整った眉を顰めた龍臣は腰を浮かして拓海を埋め込んでいく。

 異物感からかそれとも快感か、目を潤ませながら拓海を受け入れる龍臣を見るとただの“男”を抱いている気になって動揺する自分がいる。

 龍臣は絶対に騎乗位しかせず、拓海が上になろうとするとそれとなく毎回かわされてしまう。幼馴染で一時的にセックスの相手をしているに過ぎない関係なのだから自分はどんな体位だってかまわないのに、自分本位に動いて龍臣を翻弄させたいという妙な欲を持て余していた。

「うっ…あぁ」 

ぐちゃぐちゃと淫靡な音をたてながら快感を拾う龍臣の胸を欲のままに舐めかじると、中がぎゅうっと激しく収縮した。

「…っ、た、拓にぃ」

 何かを抑えるように拓海に抱き着きながら達する龍臣に構わず突き上げると、動きに合わせて龍臣からこぽこぽと精液が零れ落ちる。


 しばらくして拓海も達すると、龍臣は余韻に浸る間もなく風呂場に行ってしまった。その行動はいつものことなのに、何故かもやもやする心を抱えながらも拓海はシーツを変えて布団に潜り込んだ。

 もうすぐ意識が薄れるというところで、背後から龍臣が自分を抱きしめるように入り込んできた。ひんやりとした足が触れたことで少し眠気が覚める。どうしてあんなに素っ気ないのに毎回ベッドに潜り込んでくるのだろう。

 眠い頭でぐるぐると考える。当然頭をめぐるものが形になるわけもなく、次第に何を考えていたのかもわからなくなっていった。

「なー、たつおみぃ」
「…なに」

 拓海の発した小さい声にも龍臣は気付いてくれた。拓海はただ率直な欲求を言葉に乗せる。

「こんどさー、一緒にどっかいこうよ。たつおみのこと知りたいか、ら…」

 それだけ言って拓海は今度こそ眠りに落ちていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

激重感情の矢印は俺

NANiMO
BL
幼馴染みに好きな人がいると聞いて10年。 まさかその相手が自分だなんて思うはずなく。 ___ 短編BL練習作品

お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら

夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。 テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。 Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。 執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

ヤンキーΩに愛の巣を用意した結果

SF
BL
アルファの高校生・雪政にはかわいいかわいい幼馴染がいる。オメガにして学校一のヤンキー・春太郎だ。雪政は猛アタックするもそっけなく対応される。  そこで雪政がひらめいたのは 「めちゃくちゃ居心地のいい巣を作れば俺のとこに居てくれるんじゃない?!」  アルファである雪政が巣作りの為に奮闘するが果たして……⁈  ちゃらんぽらん風紀委員長アルファ×パワー系ヤンキーオメガのハッピーなラブコメ! ※猫宮乾様主催 ●●バースアンソロジー寄稿作品です。

可愛いがすぎる

たかさき
BL
会長×会計(平凡)。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

処理中です...