消滅の宇宙

万世

文字の大きさ
上 下
3 / 13
新たな冒険

宇宙の走破者たち 1

しおりを挟む
VRゲーム MMORPG 世界同時ログイン型

ラニアケアオンライン Laniakea-on-line

通称 LKO

このゲームタイトルはソウルメア社が作ったゲームの一つだ
ゲームのコンセプトとしては
ゲームの3大要素として
冒険 宇宙 創造 である。

広大な宇宙の中で自分の作った宇宙船で飛び回り
惑星に降り立ち
創造して 命を与えて 育てて 
仲間と協力しながら冒険をしよう。
とのキャッチフレーズである
この宣伝文句でいろんなユーザーを集めてきた。

各国に存在するソウルメア社の支社のサーバー(宇宙)は別である。
世界中でこのゲームがプレイされてきた。
しかし、このゲームも潮時が来ていた。

20年の歴史を誇っているLKOは
初めてのADDのゲームであるためか、当初はたくさんの人が
プレイしていた。発売当初はたくさんの人が並び、列になりADDを買う事に
時間を費やしたのだ。1か月待ちもザラではなかった。
そしてプレイする度にゲームの面白さを体感し、のめり込むユーザーが
たくさんいた。それは日本問わず、世界中での出来事だ。
しかし、時間が立つにつれ年々ユーザーが減少し、サービス終了に追い込まれて行った。
今日(2040年7月6日)はそのサービス終了の日である。
今日の24時にサーバーが停止し、ユーザーは強制退去させられるのだ。

天富奏護は24時まで、つまり強制退去される事に決めていた。

天富は数週間ぶりにログインするらしく自分のアバターを懐かしく
感じている。
自分のギルド「スペースランナーズ」(宇宙の走破者たち)が所有する惑星に降り立った。
初期発見時は「惑星 ブロリン」だったが惑星の名前をギルド長が改変
惑星の名前を「クロノス」に変更

天富はこのゲーム世界ではハンドルネームが「テンゴ」である

3年前の15歳の時に東矢千宙からこのゲームに誘われた。
面白半分でやる勢いでプレイしようとしたが、千宙からハンドルネームを
決めたほうがいいと言われたが思いつかなったため、千宙が
「テンゴにしよう」と言ってきたのだ。
天富 奏護 苗字の天と名前の護で「テンゴ」だ。

そしてレベルはカンストしており200レベルである。

このゲームにはいくつか職業があり、レベルを一定値まで上げたら職業を
選ぶことが出来る。
プレイヤー達はこのゲームの一度選んだら変えることのできない職業に身を置くことになる。

職業一覧としては以下の通りだ。これらは職業群として扱う事になる。
初級〇〇の前には全て統一され冒険者としてまずは10レベルまで上げないと転職が出来ない。つまり10レベルから初級〇〇になり
30レベルから次の職業を選べる。もちろん戦士から魔法使いへと選ぶことは出来ないのだ。そして最終職業となる3回目の転職は100レベル
となる、他にも170レベルになると、職業群共通スキルを習得できる他
必殺技、詠唱スキルなどを習得することが出来る。
そしてカンストレベル200レベルは特別なスキルを習得することが出来る。

初級戦士→ファイター → ソードマスター
     ウォーリア   パラディン
     ナイト     ダークナイト
     フェンサー   ガーディアン
             ドラゴンナイト
             サムライ

初級弓使い アーチャー → ガンスリンガー
      ガンナー    ボウマスター
      エルフ     パスファインダー
      ホワイトナイト スナイパー
              ハンター

初級盗賊 シーフ → アサシン
     ごろつき  ファントム
     悪党    忍者
     ローグ   山賊
           怪盗
           海賊


初級魔法使い マジシャン → ビショップ
       呪術師     フレイムウィザード
       クレリック   アイスウィザード
       ウィッチ    ライトニングウィザード
             陰陽師          ダークウィザード

初級召喚士 シャーマン→ 虫使い
      人形師    ビーストテイマー
             ネクロマンサー
             ドラゴンテイマー
             エレメンタラー

テンゴの職業はガーディアンである。
名前の護ることからこの職を選んだ。
特徴としては盾を装備し、片手武器はなんでも装備ができる
ただし魔法使い専用とか、弓とかは使えない。
あくまで戦士用の片手武器のみである。
盾もいろいろと種類があり、大きい盾、小さい盾、透明盾、腕輪の盾
アイテムでいろいろあるがアバターで着飾ることもできる。
テンゴの盾は腕輪になっている、(いわゆるバンド)
時計みたいな感じで盾が青いバンドの上に
盾の文様がある。そこに翼が生えたイラストがある
これがテンゴが使う盾である。
もちろん装備アイテムでボスを倒してGETした盾である。
職業柄、使いたい時に使える。
使うときは腕か手首を前に出すだけで盾が飛び出てくる。
こうやって攻撃を防ぐことができるのだ
盾の使い方においてガーディアンだけは特殊で武器は持つが
盾は出すか腕輪か背中に背負うかのパターンが選択ができる。
もちろん、スキル発動のタイミングはどのパターンにしても変わらない。


白色をベースにして肩から袖までを黒くした服装である
守護者とは硬い鎧を着て盾を装備している格好が常識だろう
だがしかし、テンゴの全身服はイベントでGETしたアバターなのである。
活動名(昭和志士)と言うアイドルで、
彼らは、動画サイトで動画を投稿するアイドル達であって、コラボをしたときのアバターだ。
運営が「楽しんで頂いたユーザーみんなにプレゼント」ってことで配布された。
その時のアバターだ。

歩き出したテンゴはこの惑星にある自分の国の自分の家に到着。

西洋にあるような優雅で壮大なお城のような自宅の設計だ。
惑星にはギルド員が所有する事が出来る国が存在する。そこに自分の王国を築くことが出来るのだ。所謂国家づくりのシミュレートが出来るのだ。
このゲーム、LKOは自分で採掘した物や稼いだお金で、自分の家や庭を造ることができる。
もちろん自分の所属ギルド内でのみ可能だ。
この行為によって各プレイヤー同士の交易などでお金(ルメ)やアイテム
などを稼ぐことができる。

自宅に顔を出したテンゴは歩き出し、ギルド集合場所に向かった。
自分の作った国の中央にポータルがありそこの目の間に立つ。
すると、いくつかワープが出来る場所絵のな名前が出現した。
ムーン練習場、倉庫、フリーマーケット、ギルド(スペースランナーズ)のレグルス(スペースコロニー)集合場所そして惑星の名前がずらっとそこに並ぶ



選択場所をスペースコロニー(レグルス)を選択した。
このスペースコロニーは宇宙を冒険するときの拠点としてギルドの皆で使用すのだ。
テンゴはギルド集合場所である、スペースコロニー(レグルス)にワープする。
このスペースコロニー(レグルス)はギルド全員が、お金(ルメ)を出し合い建築した。
LKOでは各ギルドに一つは最低でもスペースコロニーは所有することができる。
もちろん、お金(ルメ)がなければ作成は不可能だが、資金に余力があれば作ることが出来る。大小様々であり、最初は小さなスペースコロニー
だが資金を費やすことで巨大な施設へと変貌を遂げる。
もちろんこのスペースコロニーには色んな施設が備わっており
もちろんここには自分の宇宙船も保管して、整備なども行っている。
レグルスの、集会場(会議場)に着くと椅子がたくさん並べられており
最盛期には80人がわいわいしていたが今は、見る影もない。
ガランとしている。椅子だけが優雅な作りになっている。

テンゴがそこに到着し、椅子に静かに着座した。

そこに一人の少女が現れる。

「お、テンゴ!待ってたよ!!」

「あぁ!今日来なくちゃ悪いからな・・・」

彼女の名前はチヒロ。そう東矢千宙である。
名前の千宙をカタカナでチヒロと銘打っただけのシンプルの名前だ。
ハンドルネームとしては本名がバレる可能性も0%ではないが、日本中どこにいても名前だけならたくさん存在する。そして本人はチヒロと呼ばれる事を良しと思っている様だ。

青と白のズボンを履いており上着は長袖の青い服装である、頭はごつい兜を装備しているがアバターで「見えない帽子」を装備して
頭を出している。髪型はロングで肩まで垂らしている。ミディアムの黒色の髪だ。
職業はパラディン(聖騎士)テンゴは千宙と一緒に良く狩りに出ていた。

ちなみに200レベルである千宙も奏護と一緒な時期にレベル200まで
上げた。

「あ、テンゴ、久しぶりじゃん、元気にしてた?」

チヒロの隣にいるのは桃姫である。
ピンクのふわふわの全身服に白色のアザラシのぬいぐるみを持っている。
この縫いぐるみ(アザラシクッション)で攻撃するそうだ。
頭には冠が飾られていている。
200はレベルの女性、ビショップである。

彼女はこう見えて無口であり、仏様な事しかしゃべろうとしない。
会話に入ったり入らなかったりする。

「おう!桃も久しぶりだな、元気にしてたぜ!」


次に現れたのは 岡田ネルソンだ。男性である。
彼はこの日まで毎日ログインして狩りをしていた、廃人(長時間プレイヤー)だ。どこの惑星に降り立ち狩りをしていたのかと言うと
その大半の狩場は明かさない主義の様で、人に教えるつもりはないらしい。自分の狩場を確立し、そこで長時間プレイすることに飽きが来ないのだろうか・・・
こいつはサムライの格好をしている。軍事オタクだが職業はサムライだ。
武器は日本刀を所持。紺色のサムライの服を着ている。

レベルは200レベルの男性、職業はサムライである。

「みんな揃いだす時間に拙者が帰ってこなきゃ意味がないだろうて」

今日も何処かの惑星にて狩りをしてきた様子だ。そう、最後の狩りを楽しんで来たんだろう。

「ネルソ~ン、今日も同じ狩場か~?サービス終了日までホント飽きないな・・・」

「テンゴ、お主は学業に専念しておるか?」

テンゴと千宙は学生である事はギルドの皆が知っており、リア友(現実での友達)である事も周知されている。それ以上は明かしていない。

「あぁ、まあな」

次に現れたのは暗殺者ピローだ、通称「ピロー」と呼ばれている。

「・・・呼ばれて参上、呼ばれなくても即参上、闇よりいでし我が・・・」

黒いフードに頭を隠しマントを羽織っている。因みに髪色は赤色である。
黒のスーツに黒のブーツ、赤いブレードを持っている格好で登場した。
実に暗殺者の様な格好がお気に入りらしい。

レベル200の男性、職業はダークウィザードだ。

「いいから、早く入れよ、そんな出入り口の所で闇ってんなよ」

「ふふふふふ・・・ふっはっはっはっはー--」

ピローは突然笑い出した。
そして、中に入り、椅子に座る為歩き出した。

「汝は我が闇の主人を手懐けるのか・・・」

歩いている途中でも中二病はやめない。これがピローだ。
リアルでは教師をやっているらしい。

「今日は別の先生方と遅くまで打ち合わせだよ・・・クタクタだ・・・」

ピローは椅子にマントを、なびかせながら座った。実に「謎の人物」を気取っている。もちろん中二病である事は忘れてはならない。

「お疲れでござる・・・」

「お疲れ様・・・」

「教師ってそんな重労働なのね・・・」

各々、ピローにはツッコミを入れた。

元ギルド長の速BAN氏が現ギルド長クックとログインしてきた
この広場に登場した。ほぼ同時である。
リアルでも二人はいろいろと連絡のやりとりや、交流があるらしい。
速BAN氏は、名前の通りこのゲームにおいてBANをされたから新しくキャラを作るときの名前にした。

BAN前の名前はハンスグロッチェ

ギルドを創設したのはこの男である。あだ名は「ハンス」
レベルは200の男性、現在の職業はガンナーである。BAN前もガンナーだ
黒い帽子を被り上半身が白色で胸から下が黒と緑の斑点模様の全身服を着用、武器はハンドガンを所持。


クックは現在のギルドマスターである。
速BAN氏の跡継ぎでギルドマスターを継承。
レベルは200の男性、職業はボウマスターである。
茶色のベレー帽にモミジのマークがある
全身服が茶色のカーディガンで紺色のズボンを履いている。

「お、お前ら揃ってるな・・・」

「みんな、こんばんわ・・・」

クックとハンスは集会場にいるテンゴたちに挨拶をした。
入口から歩き出し各々座っている後ろを通る。

「まぁ・・・まだ来るだろう・・・最盛期は80人近くいたのに
今やログインするのは10人程度か・・・」

「今日でみんなとお別れだし、他の連中とも会いたいけど、来るか??」

ハンスは昔の仲間との別れも惜しんでいる。何せ自分が作ったギルドで
成長させてきたギルドだからだ。

「っふ、楽しみに待っていようぜ」

クックとハンスの二人が席に着いた。
テンゴも久しぶりにギルドの仲間と会う。今日でサービス終了してから
ネットのブログやSNSでのみの会話になるか、他のゲームをプレイするか
しかで会えない。そこで誰かしらギルドやチームを結成し仲間を再集結
させることも悪くないかもしれない。

現在21時過ぎの時間になったところだ。


サービス終了まで3時間を切った。





しおりを挟む

処理中です...