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ルスランとリュドミラ
婚礼の時
しおりを挟む城の中ではリュドミラ姫と騎士・ルスランの婚礼の宴が行われていた。
テンゴたち5人は宴会場の中央を通って中に入って行く。
すると周りは歓声の声、踊る人、互いに話している人、そして歌っている人、色々なドレスを着て踊ったり、スーツに身を包んだ男性同士で会話を楽しんだり、一人で酔って歌っている人も中には存在する。
そして天井には豪華なシャンデリアがあり、より一層華やかさを醸し出した。そして奥の方には登壇横に座って宴会を楽しんでいる主役と思われる白いドレスを着た女性がいた。笑顔でお皿を持ちその上には食べ物が乗っている。女性の周りに何人か側近の者かと思われる人か来場者が立っている。
そしてその傍らで華やかな格好に身を包み剣を腰に刺している男性が立って、来場者と思わしき人物たちと会話を楽しんでいる。騎士の格好をした他の国の者か、側近の者か会話にはやはり笑顔が絶えない。
テンゴたちが先を進むのと同時に少しづつ歌が徐々に聞こえてくるようになり、近くにテンゴたちは自然と足を運んでしまう。すると目の前には
派手な服でもなく質の良い服でもない吟遊詩人バヤンが歌っていた。
まるで一般の国民が正装もせずにこの宴会場に来ているかのような服装だ。
一人で歌う傍らに誰も耳を貸す人間はいなくテンゴたちが歌を聞きに立ち止まって聞いていた。
「本当の愛による幸せは~壁を越え~谷を越え~山を越え~海を越えた果ての先に究極の愛が得られる~お互いを~信じよ~」
「いい歌・・・なのかな?」
「二人を祝福しているのさ、俺たちも祝福しようぜ」
チヒロもテンゴもこの歌を聞いている。向こうにいる二人の幸せを飾る為にこの歌を作ったのだろうと考えるのだ。
「俺はこの愛の歌を待ち望んでいた。闇の力がどんなに強力だろうと愛の力には勝てないのだ」
ピローの中二病は未だに治りそうにない。そして何故闇の力と愛の力が戦うかの様な発言をしたのか不明だ。
「良い吟遊詩人ではないでござるか?」
「そうですね~愛が欲しいですね~」
しばらくすると
婚礼の時はすぐ近いのか、リュドミラと思われる姫は父との別れに悲しみんで会話をしている。
そして会話が終わったのか騎士・ファルラーフと王子・ラトミールらに慰めの言葉をかけていた。彼らも悲しんでいるかの様に見える。何故ならリュドミラ姫に婚約を申し込んでいたのは彼らでもあるからだ。だがしかし、リュドミラはルスランを選んだのだ。リュドミラ姫の気持ちが伝わって来る。
そしてこれから、ルスランに身を捧げることの誓いの儀を行おうとしていた、会場は静まり返り、新郎新婦に注目が集まる。
周りに蝋燭に灯された火だけが、ゆらゆらと動く中婚礼が行われようとしていた。
スヴェトザール大公は密かな悲し気な感動をいだきつつ新郎新婦に結婚の門出の祝福を送るのだ。
そして、今やうら若き花嫁は愛に満ちた希望が実を結び甘い口づけを
交わそうとする時、すると突然真っ暗になり、雷鳴がとどろき霧が光を貫いた。ともしびは消えて煙が走る。
あたりは全て突然暗くなったので何が起こったのか分からない。
宴会場の来場客はザワザワとうごめき始める。不安になったのも仕方ない
しかし、外は快晴であったはずだがいきなり雷鳴が轟くとは誰もが予想してはいなかった。本当に空の上には雲が黒くなり雷鳴を発生させているのか正直分からない。人の目は突然暗くなると暗闇に慣れていないから下手に動くと怪我をする恐れがある。だがしかし、周りの来場客は自分の気持ちにも電の如き不安と恐怖が走り、そして聞いたことない不可思議な呪文が発せられた。
すると急に体が動かなくなり麻痺をしたような感覚に陥る。
それはテンゴだけではなく、周りの4人もそして会場にいる来場者までも急に動きを止めたのだ。そしてチヒロが体を震わせながら下を向いた。
「のわ・・・テンゴ、か、か、体が動かない・・・」
チヒロがテンゴに語り掛ける。恐らく暗くても近くに居るはずだ。
「ぐ・・・が・・・俺もだ・・・、大丈夫か・・・お前ら・・・」
テンゴは周りに居るはずの仲間たちに安否を確認する。
暗くなっているが恐らく周りにいるはずだ。
「うぐぐ・・・このくらい・・・」
ネルソンの声が聞こえた。ひとまず大丈夫そうだ。
「俺の闇の力が・・・このままでは・・・だめだ・・・お前ら・・・離れろ・・・」
この声はピローの声だ。大丈夫そうだが体がマヒしている。
「・・・大・・・丈・・・夫・・・」
桃姫の声も聴けた。
どうやらテンゴたち一行は全員無事の様だ。
しかし、ここまで何者かが麻痺を行い何をしたいのかが良く考えると予想が付くはずだ。しかし、そこまで考える暇もなくとある人物の声が聞こえる。
「騎士・ファルラーフ、王子・ラトミール、行け」
平然と皆がマヒしている最中冷静な声がとある人物から発せられる。
スタタっと音と共に何かが動いた。
だが、会場の来場客含めテンゴたちも動かず麻痺したままだ。
黒いもやか、黒い霧か、なお黒い煙の中で何者かが窓を割り足音が複数聞こえた。そして空高くから声が聞こえてくる。
「はーーはっはっはっは!姫様は、GET、したぜ!」
とがった様な声が会場の外から聞こえた。
真っ暗だった宴会場は突然明かりが戻った。ふと登壇に目をやると
とある人物が発した言葉の通り姫様の姿はなかった。
そして、マヒをしていたはずのテンゴたち含め会場の来場客みなの体が動くようになる。
「今のは一体なんだ!!」
「姫様が攫われた!?」
宴会場にいた客らが騒ぎ出した。
会場は混乱に陥ってしまいドタバタと会場を走り回ったり、食べ物が乗っていた皿を落としたり騒ぎを更に搔き立てる。
「どこじゃ!リュドミラはどこじゃ!」
スヴェトザール大公は周りを見渡すもやはりとある人物の言葉通り
ルスランの近くにいたはずのリュドミラ姫はいなかった。そしてルスランは近くにいるものの、憂愁に打ちのめされたかのようにうつむいていた。
見えなくなった花嫁を思うと心は痛み、生きた心地もしない。まるで目は死んだ魚の様な目だ。
「みなの者!!沈まれ!!今の暗闇で何者かが我が娘リュドミラを攫った!」
騒ぎは一端落ち着くも、ざわめきが絶えず来場客での会話は落ち着かない。だが、大公は来場客に対して説明をする義務がある。この騒動についてとこれからの行動についての。
「さぁ!友よお前たちのこれまでの活躍は覚えておる!さぁ言ってくれ、誰が進んでワシの娘を探しに行ってくれるのか?勇気のある者の手柄は無駄にはせぬ、手柄をたてた者には我が娘を与えよう!」
「さぁ!名乗りを上げる者はいないか!?」
大公は来場客に問いかける。自分の娘を護れなかったことに悔やみきれない。大公はこの年だ。自分で探しに行くのも無理がある。
だが大公の問いに答える者はいた。来場客からすると不可思議な格好をした者が手を挙げた。
「俺が行くぜ!!あんたの大切な娘を取り戻してやる!何が起こったか知りたいしな!」
テンゴは言った。招待状を手に取りこの会場に来てこの騒ぎに偶然遭遇した。運が無いとは思っていない。
「あたしも行く!あのお姫様何されるか分からないからね!」
続いて手を挙げたのは千宙だ。テンゴ一人じゃ危ないだろう。
「ご心配なさいますな。姫君を探しに拙者も参る!」
「お姫様をさらった奴を地獄に落としてから領土の半分を頂くぜ!」
「みんなが心配・・・あたしも・・・行く」
ネルソン、ピロー、桃が続いて手を挙げた。
自信に満ち溢れた5人は目の色が違った。
この惑星に調査をしに降りたはずだが、とある手がかりを元手にこの騒動に遭遇してしまった。もはや偶然とは思わず仕組まれていると思っても仕方がないのだが、5人はやる気の様だ。テンゴだけが行くのではなく、5人全員で一つの力が生み出される。これがパーティであり仲間だ。
「ではそこの5人!いっ・・・」
そこに一人の妻になる者を護れなかった騎士の姿をしたものが手を挙げる。
「ちょ、ちょっと待った!僕も行く!リュドミラ姫を救い出す・・・」
恐る恐る手を挙げた。本当は手を挙げて行ったとしても救えるかどうか
分からない。
だが死んだ魚の目をずっとしている訳には行かない。
この5人が行くとなるとリュドミラ姫を取られることになる。
行かざるを得ないのだ。心は既に痛んでいる。護れなかった罰は受けた。
スヴェトザール大公は涙ながらに彼らの勇士を称えようとする。
老いてもなお信念は貫き通す覚悟だ。
「お主もか・・・よい、そなたの信念しかと受け取ったぞ」
スヴェトザール大公は右手平を勢いよく前に出す。
「では、6人の者!!我が娘、リュドミラを奪還するのだ!!」
6人は一斉に手を上げた。
「うおおおおおおおおおおお」
・・・
・・
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